「ウルザ/Urza」を編集中
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{{情報ボックス/キャラクター | {{情報ボックス/キャラクター | ||
|名前=ウルザ/Urza | |名前=ウルザ/Urza | ||
− | + | |種族=[[人間]]<br/>([[プレインズウォーカー/Planeswalker]]) | |
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|出身=[[ドミナリア/Dominaria]]<br/>([[テリシア/Terisiare]]) | |出身=[[ドミナリア/Dominaria]]<br/>([[テリシア/Terisiare]]) | ||
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'''ウルザ'''/''Urza''は、ウェザーライト・サーガまでの[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]を代表するキャラクター。名前の初出は[[リミテッド・エディション]]の[[ウルザの眼鏡/Glasses of Urza]]と[[ウルザの色眼鏡/Sunglasses of Urza]]。 | '''ウルザ'''/''Urza''は、ウェザーライト・サーガまでの[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]を代表するキャラクター。名前の初出は[[リミテッド・エディション]]の[[ウルザの眼鏡/Glasses of Urza]]と[[ウルザの色眼鏡/Sunglasses of Urza]]。 | ||
− | [[アンティキティー]]にて同[[セット]]における物語の主役として背景ストーリーに初登場する。以降、様々なセットで多くの[[カード]]の[[カード名]]や[[フレイバー・テキスト]]上にその名を度々表すのだが、その容姿が[[絵|カードイラスト]]上に初登場するのは[[エクソダス]]の[[精神力/Mind Over Matter]] | + | [[アンティキティー]]にて同[[セット]]における物語の主役として背景ストーリーに初登場する。以降、様々なセットで多くの[[カード]]の[[カード名]]や[[フレイバー・テキスト]]上にその名を度々表すのだが、その容姿が[[絵|カードイラスト]]上に初登場するのは[[エクソダス]]の[[精神力/Mind Over Matter]]({{Gatherer|id=6076|イラスト}})とかなり遅い。 |
− | 主に[[アンティキティー]]、[[ウルザ・ブロック]]、[[インベイジョン・ブロック | + | 主に[[アンティキティー]]、[[ウルザ・ブロック]]、[[インベイジョン・ブロック]]のカードに登場し、これらのセットの背景ストーリー上では物語の中心・重要人物として活躍する。 |
==解説== | ==解説== | ||
− | [[ドミナリア/Dominaria]]の歴史とともに生き、その命運を握った強大な[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]。[[人間 | + | [[ドミナリア/Dominaria]]の歴史とともに生き、その命運を握った強大な[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]。[[人間]]の男性。ドミナリアの[[テリシア/Terisiare]]大陸[[アルガイヴ/Argive]]地方出身。[[AR]]0年生、AR4205年没。 |
− | 弟[[ミシュラ/Mishra]]と繰り広げた | + | 弟[[ミシュラ/Mishra]]と繰り広げた[[兄弟戦争/Brothers' War]]はあまりにも有名であり、のちの[[ドミナリア/Dominaria]]=[[ファイレクシア/Phyrexia]]戦争においても[[ファイレクシア/Phyrexia]]を撃退するのに大きな役割を果たした。後世にはドミナリアの守護者として知られ、彼の残した弟子たち、[[アーティファクト]]技術、そして[[アカデミー/Academy]]がドミナリアの財産となっている。ドミナリアの紀年法([[アーギヴィーア暦/Argivian Reckoning]])もウルザ(とミシュラ)に由来する暦である。 |
一方で、孤独と狂気に苛まれ、多数の非人道的な行為に手を染めた後半生から、彼の人格を知るものからの評判は必ずしも良いものではない。 | 一方で、孤独と狂気に苛まれ、多数の非人道的な行為に手を染めた後半生から、彼の人格を知るものからの評判は必ずしも良いものではない。 | ||
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===徒弟時代=== | ===徒弟時代=== | ||
− | + | ウルザとミシュラはとても熱心に、スランについてのありとあらゆる知識を貪った。ウルザは寝食以外の時間のほとんどを、ぼろぼろの巻物や地図、出土品のリストやスクラップの山に目を通す為に使った。一方で弟のミシュラは土を掘り、ふるいにかけ、発掘する事を学び、時間の多くを野外で過ごす事に使った。ウルザは弟ミシュラと一緒にいるよりも、テントの中に篭って骨格のようなアーティファクトや資料の山と向きあうことが多くなり、ミシュラもまた兄ウルザと一緒にいるよりも、他の生徒達や掘削班と共に過ごしたり、掘削班のキャンプで[[ファラジ/Fallaji]]の民の伝説に耳を傾ける方を好んだ。こうして、弟ミシュラが研究室よりも野外での発掘を好み、他者から多くを学ぶ人好きのする性格の子になったのに対し、兄のウルザは人付きあいの苦手な研究肌の子、博学な知識と鋭い洞察力に優れた子に育っていた。そうした性格や人間性の違いはあれど、ウルザとミシュラはとても仲の良い兄弟であった。幼いがゆえに生じる、つまらない意地の張り合いや意見の食い違いこそあれど、兄弟喧嘩をすることは滅多に無かった。ごくたまにあったとしても最後にはトカシアの仲裁などで自然と仲直りをした。唯一の肉親同士である2人の兄弟は、キャンプの中、トカシアの下で互いに互いを助け合いながら成長していった。 | |
− | 兄弟がキャラバンの発掘隊に引き取られてから6年後のAR16年。キャラバン隊はスラン文明の遺物、[[羽ばたき飛行機械/Ornithopter]] | + | 兄弟がキャラバンの発掘隊に引き取られてから6年後のAR16年。キャラバン隊はスラン文明の遺物、[[羽ばたき飛行機械/Ornithopter]]({{Gatherer|id=1016|イラスト}})を運良く良好な状態での発掘に成功。キャンプの仲間たちとともにウルザが中心となって、ミシュラとトカシアの助けを借りながら、8か月もの時間をかけてこれを修理・復元することに成功する。最も手間取ったのは、この沈黙する飛行機械をどうやったら動かす事が出来るのか?であった。針金と円盤からなるエンジンとおぼしき小さな箱。ウルザとミシュラ、そしてトカシアさえもこの小さな装置が、どうやって大きな飛行機械を動かしているのか、皆目見当もつかなかった。資料や文献の山と対峙しながら悩み続ける日々を送った末、悩んだ結果ウルザはトカシアが所有していた頭部のみの[[Su-Chi|スー・チー/Su-Chi]]({{Gatherer|id=1022|イラスト}})から、その部品である[[パワーストーン/Powerstone|小さな結晶]]を取り出した。小さな装置に小さな結晶をはめ込まれた大きな飛行機械は、ウルザたちがそれまで聞いたことのないけたたましい轟音を鳴り響かせた。飛行機械は数千年を超える長い長い眠りから目を覚ましたのだった。その年の大晦日の日、ウルザは「僕の方が年上だから僕が乗る!」と言い、ミシュラは「今日は僕の誕生日だから僕も同い年だ!」と、どちらが飛行機械のテスト飛行をするかで兄弟喧嘩を始めた。見かねたトカシアが「それじゃあ老骨にムチうって私が乗りましょうか?」と提案すると、2人の兄弟は互いの顔を見合わせた後、お互いを指さしながら同時に「ミシュラが!」「兄さんが!」とお互いに譲りあった。その後、結局兄弟は公平に[[コイン投げ]]で決める事で合意し、勝ったウルザが飛行機械に乗った。ウルザはスラン文明の時代以来、アーティファクトでドミナリアの空を飛んだ初めての人間となった。地上に下りてきたウルザは持ち前の優れた洞察力から、完璧で安全な飛行の為にもう少し調整が必要である事や、飛行機械の出力から定員が3~4人ぐらいである事などを逆算し、それらをミシュラとトカシアに主張した。が、トカシアもミシュラもそれより早く次にミシュラが飛ぶことをウルザにせっついた。ウルザの次に空を飛んだミシュラは飛行機械の窓から、つい先ほどまで自分たちがいた[[テリシア/Terisiare]]の大地の上に、スラン文明のものとおぼしき巨大な地上絵があることを発見した。(※漫画[[マジック URZA&MISHRA]]では公式小説[[The Brothers' War]]とは逆に、ミシュラがコイン投げに勝った事になっている。また、巨大な地上絵を発見したのもウルザである様に描かれている。)発見された地上絵を数カ月かけて調査・解読した結果、地上絵はある1つの地点を指し示している事が判明した。キャラバン隊はすぐにでもそこへ向かいたかったが、その地点はとても険しい[[サルディア山脈/Sardian Mountains]]の山々に囲まれており、地上からのアプローチは非常に困難な場所にあった。(※参照:[http://www.phyrexia.com/images/continuity/maps/Terisiare3.gif テリシア大陸の地図その1]、[http://www.phyrexia.com/images/continuity/maps/Terisiare.gif テリシアの地図その2]。ウルザたちのキャンプがあるのはテリシア大陸東部の[[アルガイヴ/Argive]]地方。[[コイロスの洞窟/Caves of Koilos|“その地点”]]へは、どうやってもサルディア山脈を越えて行かなければならない。)果たしてそこには何があるのか? キャラバン隊はその場所へ、飛行機械による調査隊の派遣を決定した。 |
− | AR20年。綿密に行われた飛行機械の整備・調整と旅支度を完璧に済ませたトカシア、ウルザそしてミシュラの3人は、その場所へと出発した。テリシアの空を飛び続ける十日を超える旅の末、遂に3人はその場所へと到達した。トカシアたちが辿り着いたその場所の眼下には、確かにスラン文明の遺跡が立ち並んでいた。その場所の上空を旋回していた飛行機械は突如、[[ | + | AR20年。綿密に行われた飛行機械の整備・調整と旅支度を完璧に済ませたトカシア、ウルザそしてミシュラの3人は、その場所へと出発した。テリシアの空を飛び続ける十日を超える旅の末、遂に3人はその場所へと到達した。トカシアたちが辿り着いたその場所の眼下には、確かにスラン文明の遺跡が立ち並んでいた。その場所の上空を旋回していた飛行機械は突如、[[ロック鳥]]の群れに襲われる。悪戦苦闘の末に不時着したトカシアたちは、ロック鳥から身を隠すために近くの洞窟へと入る。その洞窟こそ、数千年前にドミナリアで栄華を極めた古代スラン帝国の首都[[ハルシオン/Halcyon]]市の遺跡、運命の地、[[コイロスの洞窟/Caves of Koilos]]({{Gatherer|id=23246|イラスト}})であった。この洞窟に古代[[アルガイヴ/Argive]]語で『秘密/Secret』という意味の'''「コイロス/Koilos」'''の名を付けたのはウルザである。洞窟や洞窟内で起きた事に関する詳細は[[コイロスの洞窟/Caves of Koilos#コイロスの洞窟(ストーリー)]]を参照。 |
− | + | “秘密(コイロス)の洞窟”を探険した3人は、最奥部で稼働していた施設の中枢で[[パワーストーン/Powerstone]]を発見する。兄弟がパワーストーンに近づくと、それは2つに割れ、ウルザは割れた片方の1つ[[Mightstone|マイトストーン]]({{Gatherer|id=1011|イラスト}})を手にし、残るもう片方の[[Weakstone|ウィークストーン]]({{Gatherer|id=1034|イラスト}})をミシュラが手に入れた。このパワーストーンは洞窟の奥にある、[[Gate to Phyrexia|ドミナリアとファイレクシアとをつなぐ門]]({{Gatherer|id=1039|イラスト}})([[ポータル/Portal|ポータル]])を封印するという大事な役目を果たしていたのだが、ウルザがこの事実を知るのは、もっとずっと後のことである。3人がキャンプに戻った後、ウルザとミシュラはパワーストーンを巡って事あるごとに争うようになった。トカシアは兄弟たちをなだめ、争いを止めようとしたが、遂にその巻き添えとなり死亡してしまう。兄弟の師にして、実の母にも等しき大切な存在だったトカシアの死という大事をキッカケとし、ウルザとミシュラの兄弟は生き別れることになった。 | |
===青年時代=== | ===青年時代=== | ||
− | AR21年、ウルザが21歳になったころ、彼は[[ヨーティア/Yotia]]の首都[[クルーグ/Kroog]] | + | AR21年、ウルザが21歳になったころ、彼は[[ヨーティア/Yotia]]の首都[[クルーグ/Kroog]]にあるラスコー時計店に、職人ラスコー氏の弟子として住み込んでいた。ウルザは都の中で、後に彼の妻となるヨーティア国の王女[[カイラ・ビン・クルーグ/Kayla bin-Kroog]]と出会う。しばらくして、王女の婿捜しの儀が行われた。それは「広場の中央にある[[翡翠像/Jade Statue|翡翠の巨像]]({{Gatherer|id=24|イラスト}})を動かしたものが、王女と結婚できる」というものであった。ウルザは王女カイラとの結婚には興味がなかったようであるが、王女の婿に与えられるという宝の山の中に古代[[スラン/Thran]]の秘本である[[ジェイラム秘本/Jalum Tome]]を見つけると、彼は[[アーティファクト]]の[[ウルザの報復者/Urza's Avenger|ロボット]]を作り、「力ではなく知恵によって像を動かす」と言い、ロボットを使って翡翠像を動かして見せた。カイラの父である「大将軍(=ヨーティア国の国王)」はこのような機械を使って翡翠像を動かすというやり方には納得しなかったが、カイラの説得やラスコーの言葉を受けて結婚を許可した。王女の婿となったことで、ウルザは必然的に「ヨーティア国の王族」という立場になる。ウルザには王族の証として[[Urza's Miter|冠(かんむり)]]({{Gatherer|id=1032|イラスト}})が授与された。 |
− | + | ヨーティアの王族たちと親族になったことで、ウルザはヨーティア国を始め、近隣の同盟諸国というバックボーンを手に入れる。その一方でミシュラもまたヨーティアと対立していたファラジをその手中に収める。ここにウルザのヨーティアとミシュラのファラジという対立構造が浮き彫りになった。AR23頃、玩具職人の工廠[[タウノス/Tawnos]]がウルザに弟子入りする。一方で、同時期に[[アシュノッド/Ashnod]]もミシュラに弟子入りしていた。 | |
− | === | + | ===ミシュラとの戦い(兄弟戦争)=== |
− | + | 2人の兄弟の対立は、テリシア大陸中の国家と部族を巻き込んだ争いに発展していった。そして後世、『[[兄弟戦争/Brothers' War]]』と呼ばれる戦争に至るのである。AR27から28年頃に兄弟戦争は開戦。タウノスはウルザの副官となる。戦争が始まってまもなく、首都クルーグやその防衛軍は、ミシュラ軍の[[ドラゴン・エンジン/Dragon Engine|ドラゴン・エンジン]]や[[ミシュラの戦争機械/Mishra's War Machine|戦争機械]]の襲撃により、そのほとんどを破壊されてしまう。残存したクルーグのものたちを含め、これ以上人死にの犠牲を出したくなかったウルザは、ミシュラの強力な[[アーティファクト・クリーチャー|機械の軍隊]]に対抗すべく、自身もまた[[ヨーティアの兵/Yotian Soldier|機械の兵力]]の増産を決意する。AR29年、妻カイラとの間に息子[[ハービン/Harbin]]が生まれる。家族のことを気にかけるウルザだったが、目まぐるしく変化する戦況の様子は、彼に家族のことを想う時間をあまり与えてはくれなかった。息子ハービンは妻カイラの下で育つ。 | |
− | + | 長きに渡って続く兄弟戦争は、テリシア各地で多くの国々を疲弊させていった。ウルザとミシュラの機械の軍隊や戦争に用いる武具は、特に大量の資源を必要とした。また、軍隊の動力に用いるスラン文明時代の[[マナ・クリスタル]]やパワーストーンを求める大規模な発掘が、テリシア大陸中のそこかしこで行われるようになった。その結果、戦争の被害や発掘作業による環境破壊と、それが原因で起きる異常気象も見られるようになった。しかしそれでも両軍は資源の奪い合いを止めようとしなかった。ウルザは「兵力の不足が敗北を生み、犠牲を生むこと」を学んだからである。こうしてドミナリアそのものを犠牲にした戦争と、止むことのない資源の奪い合いは、何十年にも渡り続いた。[[露天鉱床/Strip Mine|大地はほじくり返され]]({{Gatherer|id=1076|イラスト}})、そこかしこに[[ウルザの鉱山/Urza's Mine|鉱山]]や精製施設が立ち並び、ウルザとタウノスは様々なアーティファクトやアーティファクト・クリーチャーを製造した。 | |
− | AR55年、青年に育っていたハービンは[[横風/Crosswinds|飛行機械の操縦中、大嵐に逢う]]。が、その嵐の後、偶然テリシア大陸の南に位置する小大陸、または巨大な島の[[アルゴス/Argoth]]島を発見する。無事に生還したハービンは、再度アルゴス島へと引き換えし、アルゴス島の調査を開始する。それから2年後のAR57年、戦況は次第にこのアルゴス島の豊かな資源を巡る争いへと移っていく様子を見せた。しかし両軍ともに、アルゴス側の激しい抵抗を受けることになる。アルゴスには森の意志を体現する女神[[ | + | AR55年、青年に育っていたハービンは[[横風/Crosswinds|飛行機械の操縦中、大嵐に逢う]]。が、その嵐の後、偶然テリシア大陸の南に位置する小大陸、または巨大な島の[[アルゴス/Argoth|アルゴス]]島を発見する。無事に生還したハービンは、再度アルゴス島へと引き換えし、アルゴス島の調査を開始する。それから2年後のAR57年、戦況は次第にこのアルゴス島の豊かな資源を巡る争いへと移っていく様子を見せた。しかし両軍ともに、アルゴス側の激しい抵抗を受けることになる。アルゴスには森の意志を体現する女神[[Titania|ティタニア]]と、彼女を信仰する[[エルフ]]や[[ドルイド]]の集団、そして、機械の軍隊に勝るとも劣らない屈強な[[ツリーフォーク]]達がいたのだ。彼らは自分たちの住処を守るために、アルゴスへ上陸しようとするウルザとミシュラの軍双方と抗戦した。だが、やがてその戦いが島の荒廃が進ませるにつれて、アルゴスの住人たちの抵抗はあきらめへと変わっていった。 |
− | AR64年、遂に両軍はアルゴスに上陸。戦争は最終的にアルゴスの地を舞台に繰り広げられる。アルゴスの資源をめぐる戦いはウルザとミシュラ、両者と双方の軍が死力を尽くす最終決戦を迎える。その戦いの最中[[仕返し/Retaliation|ウルザとミシュラは対峙した]] | + | AR64年、遂に両軍はアルゴスに上陸。戦争は最終的にアルゴスの地を舞台に繰り広げられる。アルゴスの資源をめぐる戦いはウルザとミシュラ、両者と双方の軍が死力を尽くす最終決戦を迎える。その戦いの最中[[仕返し/Retaliation|ウルザとミシュラは対峙した]]({{Gatherer|id=10408|イラスト}})。弟ミシュラとの再会を果たしたウルザだったが、ウルザはミシュラが既に{{Gatherer|id=8846|生きる機械と化していた}}こと、そして彼の口から、彼が異世界ファイレクシアの悪魔にその魂を捧げていたことを知る。ミシュラは姿も、そして心も既に人間ではなくなっていた。ウルザは怒りと悲しみの入り混じった感情を抱いた。その感情を起爆剤に、ウルザは彼の助手が持ってきたスラン製のアーティファクト、「[[Golgothian Sylex]](サイリクス)」の力を解放。ミシュラもろともアルゴス島の大半を粉みじんにするほどの大爆発を起こし、島にいたほとんどのものを敵味方関係なしに海へと沈めた。サイリクスの解放によって生じた大爆発の余波は、世界の隅々にまで及んだ。テリシア大陸は引き裂かれ、異常気象が日常となり、ドミナリアはゆっくりと[[アイスエイジ|氷河期]]へ突入していくことになった。 |
− | + | サイリクスの爆発はウルザの身体も引き裂いたが、直後、ミシュラの体から離れたウィークストーンが、ウルザの持つもう片方のマイトストーンに引き寄せられて来た。彼ら兄弟が40年以上前にコイロスの洞窟で手に入れた2つのパワーストーンは、ウルザの目の代わりに彼の頭蓋骨に収まった。激しい怒りの感情でプレインズウォーカーの力に目覚めたウルザは、スラン文明が残したもっとも力のあるパワーストーンをその身に宿した。プレインズウォーカー・ウルザの誕生である。ちなみに後の[[ナイン・タイタンズ/Nine Titans]]の一人、[[ボウ・リヴァー/Bo Levar]]もこの影響でプレインズウォーカーになる。 | |
===プレインズウォーカー以後=== | ===プレインズウォーカー以後=== | ||
− | + | サイクリクス解放の大爆発によるミシュラの死、および両軍のほとんどが壊滅という事実は、兄弟戦争の実質的な終結をもたらした。戦争はウルザたちヨーティア側の勝利と言えたが、その勝利は何も得るもののない形骸的なものでしかなった。テリシア大陸は荒廃し、異常気象が日常となり、戦争の爪痕が各地で深く、痛ましく残った。ウルザは自分自身が引き起こした戦争と災害の大きさへの後悔、そして人間ではなくなっていたとはいえ、実の弟を手にかけてしまったことに対する罪の意識にさいなまれる。また不老不死の存在となった代償は、時が流れるにつれ、彼と彼の親しき人達との死別の繰り返しを余儀なくした。何十年、百数十年、何百年・・・・、罪の意識と孤独感を抱き続けたことで、ウルザは半ば正気を失っていった。そんな彼の頭に時おり内なる声が囁いた。それは彼の両目のパワーストーンに秘められし[[グレイシャン/Glacian]]の魂だった。グレイシャンの魂はウルザに「お前は悪くない。全てはファイレクシアのせいだ」という悪意と狂気に満ちた励ましの言葉を囁いた。やがてウルザは「ミシュラの意志はファイレクシアによって操られていた」「ミシュラはファイレクシアの手にかかり殺されたのだ」と思い込むことで、心の落ち着きを保つようになる。ファイレクシアへの激しい復讐心の炎を燃やすウルザは、ファイレクシアに関する情報を求めて、世界を歩き回った。 | |
− | 兄弟戦争から約1,500年後、弟の仇を求めて[[多元宇宙/Multiverse]]をさまようウルザは、ようやくファイレクシアを知る者、ファイレクシアの[[潜伏工作員/Sleeper Agent|潜伏工作員]]、[[ファイレクシアン|ファイレクシア人]]の[[ザンチャ/Xantcha]]と巡り合った。ザンチャの導きの元、ウルザは弟の仇を取ると言う名目でファイレクシア本土へと乗り込んだが敗北。ウルザとザンチャは[[ | + | 兄弟戦争から約1,500年後、弟の仇を求めて[[多元宇宙/Multiverse]]をさまようウルザは、ようやくファイレクシアを知る者、ファイレクシアの[[潜伏工作員/Sleeper Agent|潜伏工作員]]、[[ファイレクシアン|ファイレクシア人]]の[[ザンチャ/Xantcha]]と巡り合った。ザンチャの導きの元、ウルザは弟の仇を取ると言う名目でファイレクシア本土へと乗り込んだが敗北。ウルザとザンチャは[[セラ/Serra]]の世界へと逃げ込んだ。(→詳細は[[ザンチャ/Xantcha]]を参照) |
− | ザンチャとの死別後、ウルザはザンチャと共に歩んだ1, | + | ザンチャとの死別後、ウルザはザンチャと共に歩んだ1,600年を超える長い、長い旅で得た様々な教訓を糧に、来たるべきファイレクシアとの戦争への準備をすすめることにする。AR3,285年、その準備の一環として、ウルザは[[トレイリア/Tolaria]]に研究施設、兼、学校、そして来たるべき戦争時には拠点となる予定の[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]を開校する。ウルザはアカデミー内において生徒たちの指導をしながら、ファイレクシアに対する研究を行う。かつてヨーグモスによる侵略を一度撃退している古代スラン文明になら、ファイレクシア打倒のヒントがあると考えたウルザは、ファイレクシア攻略の鍵の入手、そして「古代スラン人がファイレイクシア人になった」という過去を改変するための『時間遡行実験』を計画した。しかし、ファイレクシアの潜伏工作員[[ケリック/Kerrick]]の襲撃を引き金に実験は失敗。時間災害が発生し、トレイリアは時空間のひずみの中に飲み込まれた。 |
その後、対ファイレクシアのために人造人間[[メタスラン/Metathran]]を作ったり、血統実験で[[レガシー/Legacy]]発動の「人的発動装置」としてキャパシェン一族を生み出すなど、数多くの非人道的な行為を行う。(→詳細は[[アカデミー/Academy]]を参照) | その後、対ファイレクシアのために人造人間[[メタスラン/Metathran]]を作ったり、血統実験で[[レガシー/Legacy]]発動の「人的発動装置」としてキャパシェン一族を生み出すなど、数多くの非人道的な行為を行う。(→詳細は[[アカデミー/Academy]]を参照) | ||
===対ファイレクシア戦争=== | ===対ファイレクシア戦争=== | ||
− | AR4205年、ファイレクシアの侵略が始まると彼はすぐに手を打ち、ドミナリア軍の指揮をとった。が、途中で行方不明に。彼は[[無明の予見者/Blind Seer]]として[[ウェザーライト/Weatherlight (ストーリー)|ウェザーライト/Weatherlight]]のクルーたちに助言を与え、コイロスの戦いでは直接手も貸した。その後ウルザは[[ナイン・タイタンズ/Nine Titans]] | + | AR4205年、ファイレクシアの侵略が始まると彼はすぐに手を打ち、ドミナリア軍の指揮をとった。が、途中で行方不明に。彼は[[無明の予見者/Blind Seer]]として[[ウェザーライト/Weatherlight (ストーリー)|ウェザーライト/Weatherlight]]のクルーたちに助言を与え、コイロスの戦いでは直接手も貸した。その後ウルザは[[ナイン・タイタンズ/Nine Titans]]を率いてファイレクシアに攻め込む。途中で[[テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat]]が裏切り[[ダリア/Daria]]、[[クリスティナ/Kristina]]が犠牲になるが、ウルザはそれさえも織り込み済みであり、[[タイタン・エンジン/Titan Engine]]に設置しておいた乗員殺害装置によりザットを処刑すると、その魂と[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]を使ってファイレクシアを破壊する霊魂爆弾/soul bombの準備を整えた。味方を犠牲にする非人道的で回りくどい計画を立てたのは、ウルザに言わせれば「無辜の魂を霊魂爆弾に充填するのは『非倫理的』であり、爆薬として裏切り者が必要だったから」である。この時点で支離滅裂であり、正気を失いかけていたことが伺える。 |
− | しかしファイレクシア深部を進軍するうち、ウルザはあろうことかファイレクシアの機械技術に魅了され、遂に第六球層で次元破壊爆弾の起爆装置を解体し、更に仲間の[[テイザー/Taysir]] | + | しかしファイレクシア深部を進軍するうち、ウルザはあろうことかファイレクシアの機械技術に魅了され、遂に第六球層で次元破壊爆弾の起爆装置を解体し、更に仲間の[[テイザー/Taysir]]を殺害して敵に寝返ってしまう。彼は[[ヨーグモス/Yawgmoth]]の導きにより第七球層でミシュラに対面するが、助けを乞う弟を見捨ててヨーグモスに忠誠を誓う(→詳細は[[ミシュラ/Mishra#Planeshift・Apocalypse]]参照)。ウルザは[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]に連れられ、ヨーグモスの言葉どおり[[ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashen (ストーリー)|ジェラード/Gerrard]]と戦うが、敗れて首を切られた。首だけとなってもウルザは両目のパワーストーンによって死なず、正気を取り戻したジェラードに抱えられてドミナリアに帰還した。首だけとなったことでファイレクシアの魔性から解放されたのかウルザもドミナリア陣営に再転向し、ジェラードと共に[[レガシーの兵器/Legacy Weapon]]を起動。パワーストーンの魔力と共にその魂を燃やし尽くし、暗雲と化したヨーグモスを消滅させ、その長い生涯を終えた。 |
彼の死後、そのプレインズウォーカーの灯は[[カーン/Karn]]に受け継がれた。 | 彼の死後、そのプレインズウォーカーの灯は[[カーン/Karn]]に受け継がれた。 | ||
− | === | + | ===次元の混乱=== |
− | 公式記事[ | + | 公式記事[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mc79 Backwards Through the Looking Glass]で明かされた、もう1つのマジックの”if”の歴史では、全く異なるストーリーを持つ。 |
才能ある若き精霊術師(elementalist)として[[ミシュラ/Mishra#次元の混乱|ミシュラ/Mishra]]と共に[[トカシア/Tocasia#次元の混乱|トカシア/Tocasia]]の教えを受けたとされ、邪悪な子孫[[ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashen (ストーリー)#次元の混乱|ジェラード/Gerrard]]に対抗するため、[[スフィンクス]]のプレインズウォーカーである[[セラ/Serra#次元の混乱|セラ/serra]]の援助を求めている。 | 才能ある若き精霊術師(elementalist)として[[ミシュラ/Mishra#次元の混乱|ミシュラ/Mishra]]と共に[[トカシア/Tocasia#次元の混乱|トカシア/Tocasia]]の教えを受けたとされ、邪悪な子孫[[ジェラード・キャパシェン/Gerrard Capashen (ストーリー)#次元の混乱|ジェラード/Gerrard]]に対抗するため、[[スフィンクス]]のプレインズウォーカーである[[セラ/Serra#次元の混乱|セラ/serra]]の援助を求めている。 | ||
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また、ドミナリアではエレメンタル・インベイジョン(the Elemental Invasions)が発生し(ファイレクシアのドミナリア侵攻に相当する事件か)、[[フレイアリーズ/Freyalise#次元の混乱|フレイアリーズ/Freyalise]]は策略を巡らす魔女(witch)となっている。 | また、ドミナリアではエレメンタル・インベイジョン(the Elemental Invasions)が発生し(ファイレクシアのドミナリア侵攻に相当する事件か)、[[フレイアリーズ/Freyalise#次元の混乱|フレイアリーズ/Freyalise]]は策略を巡らす魔女(witch)となっている。 | ||
− | === | + | ===ドミナリア=== |
− | + | 本人は既に死亡している為出てこないが、死後長い年月が経過しているにもかかわらず、今も世界を救った英雄として顕彰されており、[[天才の記念像/Memorial to Genius]]の{{Gatherer|id=444476|イラスト}}や、[[ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza]]の背後の{{Gatherer|id=444234|ステンドグラス}}などに姿が見られる。 | |
一方で、時の裂け目の修復に備え、おそらくは連携動作するらしき対策アーティファクト群を製作していた模様で、なおかつ最初に挑戦すべき迷宮には、それを最も必要とするであろうテフェリーには絶対に手に入れられないよう念入りに細工が施されていた。結局、肝心のアーティファクトの1つ目はテフェリーが複数人の仲間とともに探索を行ったことにより獲得された。おそらく「仲間」という概念が存在しなかったウルザにとって想定外の行動だったためとテフェリーは推察している。 | 一方で、時の裂け目の修復に備え、おそらくは連携動作するらしき対策アーティファクト群を製作していた模様で、なおかつ最初に挑戦すべき迷宮には、それを最も必要とするであろうテフェリーには絶対に手に入れられないよう念入りに細工が施されていた。結局、肝心のアーティファクトの1つ目はテフェリーが複数人の仲間とともに探索を行ったことにより獲得された。おそらく「仲間」という概念が存在しなかったウルザにとって想定外の行動だったためとテフェリーは推察している。 | ||
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;[[モダンホライゾン2]] | ;[[モダンホライゾン2]] | ||
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;[[ドミナリア]] | ;[[ドミナリア]] | ||
:[[ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza]](ステンドグラス)、[[ウルザの殲滅破/Urza's Ruinous Blast]]、[[アンティキティー戦争/The Antiquities War]](手のみ)、[[ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering]](首)、[[愚蒙の記念像/Memorial to Folly]](像)、[[天才の記念像/Memorial to Genius]](像) | :[[ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza]](ステンドグラス)、[[ウルザの殲滅破/Urza's Ruinous Blast]]、[[アンティキティー戦争/The Antiquities War]](手のみ)、[[ヨーグモスの不義提案/Yawgmoth's Vile Offering]](首)、[[愚蒙の記念像/Memorial to Folly]](像)、[[天才の記念像/Memorial to Genius]](像) | ||
+ | ;[[アンヒンジド]] | ||
+ | :[[Urza's Hot Tub]] | ||
;[[SDCCプロモーション・カード]] | ;[[SDCCプロモーション・カード]] | ||
:[[狡猾な漂流者、ジェイス/Jace, Cunning Castaway]] | :[[狡猾な漂流者、ジェイス/Jace, Cunning Castaway]] | ||
;[[ミスティカルアーカイブ]] | ;[[ミスティカルアーカイブ]] | ||
− | :ウルザの激怒/Urza's | + | :ウルザの激怒/Urza's Rage(通常版、日本画共通) |
;[[モダンホライゾン2]] | ;[[モダンホライゾン2]] | ||
− | :[[ウルザの物語/Urza's Saga]] | + | :[[ウルザの物語/Urza's Saga]](絵) |
;ジャッジ褒賞 | ;ジャッジ褒賞 | ||
:似通った生命/Parallel Lives | :似通った生命/Parallel Lives | ||
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===登場作品・登場記事=== | ===登場作品・登場記事=== | ||
*[[ささやきの森/Whispering Woods]] (小説、名前のみ) | *[[ささやきの森/Whispering Woods]] (小説、名前のみ) | ||
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/return-dominaria-episode-6-2018-04-18 Return to Dominaria: Episode 6]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0030507/ ドミナリアへの帰還 第6話](Magic Story 2018年4月18日 Martha Wells著、名前のみ) | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/return-dominaria-episode-6-2018-04-18 Return to Dominaria: Episode 6]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0030507/ ドミナリアへの帰還 第6話](Magic Story 2018年4月18日 Martha Wells著、名前のみ) | ||
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/return-dominaria-episode-9-2018-05-09 Return to Dominaria: Episode 9]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0030563/ ドミナリアへの帰還 第9話](Magic Story 2018年5月9日 Martha Wells著、名前のみ) | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/return-dominaria-episode-9-2018-05-09 Return to Dominaria: Episode 9]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0030563/ ドミナリアへの帰還 第9話](Magic Story 2018年5月9日 Martha Wells著、名前のみ) | ||
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==参考== | ==参考== |