マナレシオ
提供:MTG Wiki
(大幅に改訂。) |
|||
(12人の利用者による、間の18版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | '''マナレシオ'''(''Mana Ratio'')とは、[[ | + | '''マナレシオ'''(''Mana Ratio'')とは、[[カード]]の性能([[コスト・パフォーマンス]])に対する評価方法のひとつ。直訳すると「[[マナ]]比率」すなわち「1マナ当りの[[効果]]の大きさ」という意味。 |
− | [[ | + | 例えば[[火力]]で言えば、[[ショック/Shock]](1マナ2点)と[[灼熱の槍/Searing Spear]](2マナ3点)を比較すると、1マナ当たりの威力は前者が2.0点、後者が1.5点であるため、ショックのほうが効率がよいという計算になる。当然ながら、「だからショックのほうが絶対的に強い」ということにはならないわけだが、評価する際の基準のひとつにはなるだろう。 |
− | [[ | + | 特によく使われるのは、[[クリーチャー]]の[[マナ総量]]と[[P/T]]との比率で、「P/Tの平均値をマナ総量で割った数値」を用いるのが通例である。具体的に示すと、[[灰色オーガ/Gray Ogre|3マナ2/2]]であれば「3分の2=0.66…」、[[ネシアンの狩猟者/Nessian Courser|3マナ3/3]]であれば「3分の3=1.0」、[[長毛のソクター/Woolly Thoctar|3マナ5/4]]であれば「3分の4.5=1.5」と表現できる。比較すればわかる通り、「値が高いほど効率がよい」と評すことができる。 |
− | + | 当然ながらあくまでマナ総量とP/Tの数字しか見ていない計算であるため、[[カードパワー]]のひとつの側面でしかない。[[マナ・コスト]]の[[色拘束]]や[[追加コスト]]は計算に入っていないし、また[[能力]](メリット能力もしくは[[ペナルティ能力]])もまったく無視している。それに、計算式の都合上、低コストのカードほど小さな差が大きく影響しやすい([[パワー]]ないし[[タフネス]]が1変わると、1マナだと0.5も変動するが、5マナだと0.1しか変わらない)、[[防衛]]持ちクリーチャーや[[歩く火力]]のような極端な性能が強みのクリーチャーの評価には向かない、などの問題もある。あくまで考え方や目安のひとつ程度に受け取るのがよい。 | |
− | [[ | + | マナ総量が1以上でこの数字が最大なのは[[死の影/Death's Shadow]](13.0)、最小なのは[[脊髄寄生虫/Spinal Parasite]](-0.2)。値が正のものに限れば、最小は[[Necropolis]]、[[脈動する幻影/Pulsating Illusion]]、[[運命の盗人/Fortune Thief]]、[[ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll]](0.1)である。 |
− | * | + | *大雑把な目安としては「1.0」を基準に考えるとよい。近年(明確な線引きはできないが、おおよそ[[イニストラード・ブロック]]以降)の基準では、[[バニラ]]クリーチャーでもマナレシオ1.0がだいたい標準という扱いであり、マナレシオ1.0以上でメリット能力を持っていても珍しくない。 |
− | * | + | **例えば、単色4マナ4/4+メリット能力持ちのクリーチャーは[[貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth]]までは存在していなかったが、近年では何体もいる。また、単色4マナ5/5+メリット能力のみの[[死橋の大巨虫/Deadbridge Goliath]]、単色4マナ4/4[[飛行]]+メリット能力のみの[[雷破の執政/Thunderbreak Regent]]や[[秘法の管理者/Curator of Mysteries]]が登場するなどしている。 |
− | ** | + | **以前は[[灰色オーガ/Gray Ogre]](3マナ2/2)、[[丘巨人/Hill Giant]](4マナ3/3)、[[黒曜石の巨人/Obsidian Giant]](5マナ4/4)のような「マナ総量=P/Tの平均値+1」あたりがバニラもしくは若干のメリット能力で許される標準ラインとされており、そのラインを上回っていた[[炎の精霊/Fire Elemental]]や[[セラの天使/Serra Angel]]は「強力すぎる」として[[第5版]]に収録されなかったことなどもあった。 |
+ | *この数字が3.0以上ならば確実にとんでもないペナルティ能力がつく。[[はぐれ象/Rogue Elephant|1マナ3/3以上]]、[[狩り立てられた恐怖/Hunted Horror|2マナ6/6以上]]などはそうはいない。 | ||
+ | **デメリットがないのもいるが、その場合は'''測定不能'''である(0マナクリーチャーや[[アン・カード]]の[[無限の精霊/Infinity Elemental]])。 | ||
+ | *能力を数値化するために、メリットとなる能力を+1、デメリットとなる能力を-1としてパワー、タフネスに換算し、改めてマナレシオを計算するという手法が取られることもある。ただし、能力毎に同じ修整値ではおかしいのは明らかであり、やはり正確に数値化できるとは言えない。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | *[[コスト・パフォーマンス]] | ||
*[[用語集]] | *[[用語集]] |
2022年12月21日 (水) 22:39時点における最新版
マナレシオ(Mana Ratio)とは、カードの性能(コスト・パフォーマンス)に対する評価方法のひとつ。直訳すると「マナ比率」すなわち「1マナ当りの効果の大きさ」という意味。
例えば火力で言えば、ショック/Shock(1マナ2点)と灼熱の槍/Searing Spear(2マナ3点)を比較すると、1マナ当たりの威力は前者が2.0点、後者が1.5点であるため、ショックのほうが効率がよいという計算になる。当然ながら、「だからショックのほうが絶対的に強い」ということにはならないわけだが、評価する際の基準のひとつにはなるだろう。
特によく使われるのは、クリーチャーのマナ総量とP/Tとの比率で、「P/Tの平均値をマナ総量で割った数値」を用いるのが通例である。具体的に示すと、3マナ2/2であれば「3分の2=0.66…」、3マナ3/3であれば「3分の3=1.0」、3マナ5/4であれば「3分の4.5=1.5」と表現できる。比較すればわかる通り、「値が高いほど効率がよい」と評すことができる。
当然ながらあくまでマナ総量とP/Tの数字しか見ていない計算であるため、カードパワーのひとつの側面でしかない。マナ・コストの色拘束や追加コストは計算に入っていないし、また能力(メリット能力もしくはペナルティ能力)もまったく無視している。それに、計算式の都合上、低コストのカードほど小さな差が大きく影響しやすい(パワーないしタフネスが1変わると、1マナだと0.5も変動するが、5マナだと0.1しか変わらない)、防衛持ちクリーチャーや歩く火力のような極端な性能が強みのクリーチャーの評価には向かない、などの問題もある。あくまで考え方や目安のひとつ程度に受け取るのがよい。
マナ総量が1以上でこの数字が最大なのは死の影/Death's Shadow(13.0)、最小なのは脊髄寄生虫/Spinal Parasite(-0.2)。値が正のものに限れば、最小はNecropolis、脈動する幻影/Pulsating Illusion、運命の盗人/Fortune Thief、ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll(0.1)である。
- 大雑把な目安としては「1.0」を基準に考えるとよい。近年(明確な線引きはできないが、おおよそイニストラード・ブロック以降)の基準では、バニラクリーチャーでもマナレシオ1.0がだいたい標準という扱いであり、マナレシオ1.0以上でメリット能力を持っていても珍しくない。
- 例えば、単色4マナ4/4+メリット能力持ちのクリーチャーは貪欲なるベイロス/Ravenous Balothまでは存在していなかったが、近年では何体もいる。また、単色4マナ5/5+メリット能力のみの死橋の大巨虫/Deadbridge Goliath、単色4マナ4/4飛行+メリット能力のみの雷破の執政/Thunderbreak Regentや秘法の管理者/Curator of Mysteriesが登場するなどしている。
- 以前は灰色オーガ/Gray Ogre(3マナ2/2)、丘巨人/Hill Giant(4マナ3/3)、黒曜石の巨人/Obsidian Giant(5マナ4/4)のような「マナ総量=P/Tの平均値+1」あたりがバニラもしくは若干のメリット能力で許される標準ラインとされており、そのラインを上回っていた炎の精霊/Fire Elementalやセラの天使/Serra Angelは「強力すぎる」として第5版に収録されなかったことなどもあった。
- この数字が3.0以上ならば確実にとんでもないペナルティ能力がつく。1マナ3/3以上、2マナ6/6以上などはそうはいない。
- デメリットがないのもいるが、その場合は測定不能である(0マナクリーチャーやアン・カードの無限の精霊/Infinity Elemental)。
- 能力を数値化するために、メリットとなる能力を+1、デメリットとなる能力を-1としてパワー、タフネスに換算し、改めてマナレシオを計算するという手法が取られることもある。ただし、能力毎に同じ修整値ではおかしいのは明らかであり、やはり正確に数値化できるとは言えない。