ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain
提供:MTG Wiki
(222.9.173.46 (会話) の編集 ( 93929 版 ) を取り消し) |
|||
1行: | 1行: | ||
{{#card:Yawgmoth's Bargain}} | {{#card:Yawgmoth's Bargain}} | ||
− | + | 凶悪[[カード]]満載の[[ウルザズ・デスティニー]]で登場した、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]史上最強クラスの[[ドローエンジン]]。 | |
リメイク元の[[ネクロポーテンス/Necropotence]]と比べると、即座に[[手札]]に加わる、カードを[[捨てる|捨て]]ても[[追放]]されない等強化されているが、代わりに(4)(黒)(黒)と高[[コスト]]になり調整されている。 | リメイク元の[[ネクロポーテンス/Necropotence]]と比べると、即座に[[手札]]に加わる、カードを[[捨てる|捨て]]ても[[追放]]されない等強化されているが、代わりに(4)(黒)(黒)と高[[コスト]]になり調整されている。 | ||
− | + | ただ、カードとしての性質はネクロポーテンスとは大きく異なっている。基本的には[[コンボ]]デッキの[[コンボパーツ|パーツ]]として使われることが多い。ネクロポーテンスもコンボデッキのサポートとして使われる事が多いが、こちらはこれ自体がコンボのパーツになるのだ。 | |
− | + | 特に即座に手札に加わるのが強力な点である。ネクロポーテンスはライフの支払いと[[引く|ドロー]]にタイムラグがあったため、自分の手札や[[戦場]]の状況を確認しながらドロー量を決める必要があった。しかしこのカードは即座に手札に加わるため、ライフをカードに変換し、引いた手札を見ながら先の行動を決めることが可能なのだ。さらに増えた手札から[[マナ加速]]・ライフ[[回復]]し、さらにドロー…、と、[[チェイン・コンボ]]に使用することもできる([[ピットサイクル]]など)。 | |
− | + | 特に[[カードプール]]の広い[[エクステンデッド]]・[[エターナル]]では強化された部分ばかりが目立つ結果となりやすく、調整前のネクロポーテンスよりも先に[[制限カード]]・[[禁止カード]]に指定されるというとんでもないカードに化けてしまった。 | |
− | + | 一方[[スタンダード]]においては、6マナという[[マナ・コスト]]の[[重い|重さ]]がそれなりに功を奏して、相応にデッキを選ぶカードとなった。それでも[[ウルザ・ブロック|同ブロック]]には、[[暗黒の儀式/Dark Ritual]]や強力な[[マナ・アーティファクト]]による[[マナ加速]]、さらには[[アカデミーの学長/Academy Rector]]による[[マナ・コスト]]の無視など、それなりに恵まれた環境にはあったが、専用デッキでも爆発力は無類な反面、防御力が低く、またコンボ自体が不確実なドローに頼らざるを得ない等、安定性に欠けるところがあり、最後まで生き残ることができた。実際、これを中核に据えた[[バーゲン]]系コンボデッキは複数組まれたものの、[[メタゲーム]]の中心とまではいかなかった。 | |
− | * | + | |
− | * | + | 現在の主戦場は[[ヴィンテージ]]であり、[[ドネイト]]系の[[セラピィバーゲン]]や、[[ロング・デック]]等の[[ストーム (デッキ)|ストーム]]系コンボデッキの大量ドロー手段として活躍している。 |
+ | |||
+ | *非常に強力ではあったがネクロポーテンスに比べると[[デッキ]]を選ぶため、[[シングルカード|シングル]]価格はあまり高騰しなかった。 | ||
+ | *戦場に出ると、その[[ターン]]のうちに「コンボが決まって勝利する」か「手詰まりになって負ける」のいずれかでゲームが終わることから、「裏のエンド・カード」とも呼ばれる。 | ||
+ | *さらに調整すると[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]になる。こちらは[[コントロール (デッキ)|コントロールデッキ]]向き。いずれも「[[黒]]特有の[[スーサイド]]要素を利用したドロー[[エンチャント]]」という点では同様であるが、その役割が三種三様なのが面白いところ。 | ||
+ | *マナ加速の充実した[[コントロール (デッキ)|コントロールデッキ]]におけるドローエンジン、という真っ当な(?)使い方も一応はなされていたようだ。(例:[[黒茶単]]) | ||
1999/08/01[[エクステンデッド]]で[[禁止カード]]に。同年10/01に[[ヴィンテージ]]で[[制限カード]]、[[Type1.5]]では[[禁止カード]]。2004/09/20より[[Type1.5]]から移行した[[レガシー]]でも続けて禁止となっている。 | 1999/08/01[[エクステンデッド]]で[[禁止カード]]に。同年10/01に[[ヴィンテージ]]で[[制限カード]]、[[Type1.5]]では[[禁止カード]]。2004/09/20より[[Type1.5]]から移行した[[レガシー]]でも続けて禁止となっている。 | ||
− | == | + | ==代表的なデッキ== |
*[[アサルトバーゲン]] | *[[アサルトバーゲン]] | ||
*[[ズヴィバーゲン]] | *[[ズヴィバーゲン]] | ||
*[[ピットサイクル]] | *[[ピットサイクル]] | ||
*[[セラピィバーゲン]] | *[[セラピィバーゲン]] | ||
+ | *[[ロング・デック]]その他の[[ストーム (デッキ)|ストームデッキ]] | ||
+ | |||
+ | この他、[[無限コンボ]]の[[キメラ]]でもパーツを集める手段として用いられている。 | ||
==ストーリー== | ==ストーリー== |
2011年3月30日 (水) 10:00時点における版
凶悪カード満載のウルザズ・デスティニーで登場した、マジック史上最強クラスのドローエンジン。
リメイク元のネクロポーテンス/Necropotenceと比べると、即座に手札に加わる、カードを捨てても追放されない等強化されているが、代わりに(4)(黒)(黒)と高コストになり調整されている。
ただ、カードとしての性質はネクロポーテンスとは大きく異なっている。基本的にはコンボデッキのパーツとして使われることが多い。ネクロポーテンスもコンボデッキのサポートとして使われる事が多いが、こちらはこれ自体がコンボのパーツになるのだ。
特に即座に手札に加わるのが強力な点である。ネクロポーテンスはライフの支払いとドローにタイムラグがあったため、自分の手札や戦場の状況を確認しながらドロー量を決める必要があった。しかしこのカードは即座に手札に加わるため、ライフをカードに変換し、引いた手札を見ながら先の行動を決めることが可能なのだ。さらに増えた手札からマナ加速・ライフ回復し、さらにドロー…、と、チェイン・コンボに使用することもできる(ピットサイクルなど)。
特にカードプールの広いエクステンデッド・エターナルでは強化された部分ばかりが目立つ結果となりやすく、調整前のネクロポーテンスよりも先に制限カード・禁止カードに指定されるというとんでもないカードに化けてしまった。
一方スタンダードにおいては、6マナというマナ・コストの重さがそれなりに功を奏して、相応にデッキを選ぶカードとなった。それでも同ブロックには、暗黒の儀式/Dark Ritualや強力なマナ・アーティファクトによるマナ加速、さらにはアカデミーの学長/Academy Rectorによるマナ・コストの無視など、それなりに恵まれた環境にはあったが、専用デッキでも爆発力は無類な反面、防御力が低く、またコンボ自体が不確実なドローに頼らざるを得ない等、安定性に欠けるところがあり、最後まで生き残ることができた。実際、これを中核に据えたバーゲン系コンボデッキは複数組まれたものの、メタゲームの中心とまではいかなかった。
現在の主戦場はヴィンテージであり、ドネイト系のセラピィバーゲンや、ロング・デック等のストーム系コンボデッキの大量ドロー手段として活躍している。
- 非常に強力ではあったがネクロポーテンスに比べるとデッキを選ぶため、シングル価格はあまり高騰しなかった。
- 戦場に出ると、そのターンのうちに「コンボが決まって勝利する」か「手詰まりになって負ける」のいずれかでゲームが終わることから、「裏のエンド・カード」とも呼ばれる。
- さらに調整するとファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaになる。こちらはコントロールデッキ向き。いずれも「黒特有のスーサイド要素を利用したドローエンチャント」という点では同様であるが、その役割が三種三様なのが面白いところ。
- マナ加速の充実したコントロールデッキにおけるドローエンジン、という真っ当な(?)使い方も一応はなされていたようだ。(例:黒茶単)
1999/08/01エクステンデッドで禁止カードに。同年10/01にヴィンテージで制限カード、Type1.5では禁止カード。2004/09/20よりType1.5から移行したレガシーでも続けて禁止となっている。
代表的なデッキ
この他、無限コンボのキメラでもパーツを集める手段として用いられている。
ストーリー
このカードのイラスト下手の人物は、小説Bloodlinesの描写からファイレクシア/Phyrexiaのインナー・サークル/Inner Circleの一員、Croag(クローグ)と思われる。
AR39世紀末期(少なくとも3385AR以降)にクローグは暗黒神ヨーグモス/Yawgmoth自身によって長い眠りから目覚めさせられ、ウルザ/Urza抹殺とラース/Rath整備の使命を授けられている。この際にクローグはヨーグモスから特権として、エヴィンカー/Evincarの任命権あるいはクローグ自身のエヴィンカー就任権を与えられている。また、フレイバー・テキストにおける「彼(ヨーグモス)の渇望するただ一つの品」とはドミナリア/Dominariaそのもので間違いないだろうが、ウルザ抹殺を命令したことからヨーグモスの計画を(この時点で)3000年以上も阻み続けている「ウルザの命」とも捉えられる。以上から、このヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargainは、エヴィンカーの権力を報酬にウルザの命を要求するヨーグモスの契約(Bargain)を表現したカードなのだろう。