忠誠度能力
提供:MTG Wiki
(版間での差分)
細 |
|||
1行: | 1行: | ||
'''忠誠度能力'''/''Loyalty Ability''は、忠誠シンボルを[[起動コスト]]に含む[[起動型能力]]。通常は[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]だけが持つが、プレインズウォーカーでない[[パーマネント]]が持つこともあり得る。 | '''忠誠度能力'''/''Loyalty Ability''は、忠誠シンボルを[[起動コスト]]に含む[[起動型能力]]。通常は[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]だけが持つが、プレインズウォーカーでない[[パーマネント]]が持つこともあり得る。 | ||
− | 忠誠度能力は通常の起動型能力の制約に加え、[[コントローラー]]の[[メイン・フェイズ]]の間で[[スタック]]が空で[[優先権]]を持っており([[ソーサリー・タイミング]] | + | 忠誠度能力は通常の起動型能力の制約に加え、[[コントローラー]]の[[メイン・フェイズ]]の間で[[スタック]]が空で[[優先権]]を持っており([[ソーサリー・タイミング]])、その[[ターン]]にそのパーマネントの忠誠度能力をまだどの[[プレイヤー]]も[[起動]]していない場合にのみ起動できる、という制約を持つ。通常は[[コスト]]に[[タップ・シンボル]]や[[アンタップ・シンボル]]を含まないため、[[戦場に出る|戦場に出]]たターンから能力を起動できる。 |
カードには | カードには | ||
:[+1]:土地2つを対象とし、それらをアンタップする。 | :[+1]:土地2つを対象とし、それらをアンタップする。 | ||
:[-1]:緑の3/3のビースト・クリーチャー・トークンを1体[[戦場に出す]]。 | :[-1]:緑の3/3のビースト・クリーチャー・トークンを1体[[戦場に出す]]。 | ||
− | のように書かれている。[+1] | + | のように書かれている。[+1]等は忠誠シンボルであり、起動型能力を起動するのに必要なコストを示す。これは「数値の分だけそのパーマネントに[[忠誠カウンター]]を置く(+の場合)、または取り除く(-の場合)」ことを意味している。[0]となっている場合は忠誠カウンターの増減はない。 |
つまり、上記の能力のコストはそれぞれ | つまり、上記の能力のコストはそれぞれ | ||
17行: | 17行: | ||
*現存のプレインズウォーカーは基本的に3つの忠誠度能力を持っており、多くは「コストがプラス」・「コストが小マイナス」・「コストが大マイナス」の3つとなっている。 | *現存のプレインズウォーカーは基本的に3つの忠誠度能力を持っており、多くは「コストがプラス」・「コストが小マイナス」・「コストが大マイナス」の3つとなっている。 | ||
**登場初期は全てこの原則に沿っていたが、その後は異なる構成のカードも多く登場している。小マイナスを持たずに小プラスの能力を2つ持つカード、コスト0を加えた4つの能力を持つカード、プラス能力を一つも持たず全てのコストがマイナスか0のカードなど。 | **登場初期は全てこの原則に沿っていたが、その後は異なる構成のカードも多く登場している。小マイナスを持たずに小プラスの能力を2つ持つカード、コスト0を加えた4つの能力を持つカード、プラス能力を一つも持たず全てのコストがマイナスか0のカードなど。 | ||
− | *忠誠度能力が1ターンに1回しか起動できないのは忠誠度能力の制約なので、プレインズウォーカーでないパーマネントが忠誠度能力を得た場合でも、それはこの制約を受ける。逆に、プレインズウォーカーが一般的な起動型能力を得た場合、それは制約を受けないので、他のパーマネントと同じように、コストが[[支払う| | + | *忠誠度能力が1ターンに1回しか起動できないのは忠誠度能力の制約なので、プレインズウォーカーでないパーマネントが忠誠度能力を得た場合でも、それはこの制約を受ける。逆に、プレインズウォーカーが一般的な起動型能力を得た場合、それは制約を受けないので、他のパーマネントと同じように、コストが[[支払う|支払える]]限り同一ターン内に何度でも起動できる。 |
− | **2009年10月の[[総合ルール]] | + | **2009年10月の[[総合ルール]]変更まではプレインズウォーカー自体が持つ制約とされていたので、上記がちょうど逆であった。つまり、プレインズウォーカーでないパーマネントが(今で言うところの)忠誠度能力を持った時は何度でも起動できたが、プレインズウォーカーはどんな能力を得ても1ターンに合計で1回しか能力を起動できなかった。 |
− | **プレインズウォーカーでないパーマネントが忠誠度能力を得る手順の一例としては、[[マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice]]と[[機械の行進/March of the Machines]]でプレインズウォーカーを[[クリーチャー化]]させ、[[水銀の精霊/Quicksilver Elemental]] | + | **プレインズウォーカーでないパーマネントが忠誠度能力を得る手順の一例としては、[[マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice]]と[[機械の行進/March of the Machines]]でプレインズウォーカーを[[クリーチャー化]]させ、[[水銀の精霊/Quicksilver Elemental]]の能力を使用するなどの方法がある。 |
*[[忠誠カウンター]]を置くことは「[[コスト]]」である。よって、「[[効果]]」により置かれるカウンターの個数を2倍にする[[倍増の季節/Doubling Season]]の影響は受けない。 | *[[忠誠カウンター]]を置くことは「[[コスト]]」である。よって、「[[効果]]」により置かれるカウンターの個数を2倍にする[[倍増の季節/Doubling Season]]の影響は受けない。 | ||
*忠誠度能力は、その効果がいずれかのプレイヤーの[[マナ・プール]]にマナを加え得る、[[対象]]をとらない能力であっても、[[マナ能力]]にはならない。 | *忠誠度能力は、その効果がいずれかのプレイヤーの[[マナ・プール]]にマナを加え得る、[[対象]]をとらない能力であっても、[[マナ能力]]にはならない。 | ||
− | **具体的には[[槌のコス/Koth of the Hammer]] | + | **具体的には[[槌のコス/Koth of the Hammer]]の2つめの能力がこれにあたる。この能力はスタックをつかって解決される。 |
− | *戦場に出たばかりのプレインズウォーカーがすぐに忠誠度能力を起動する場合、[[対戦相手]]は忠誠度能力の起動の前に[[呪文]]を[[ | + | *戦場に出たばかりのプレインズウォーカーがすぐに忠誠度能力を起動する場合、[[対戦相手]]は忠誠度能力の起動の前に[[呪文]]を[[唱える|唱え]]たり能力を起動することはできない。出してから忠誠度能力を起動するまでの間に対戦相手の優先権が生じないからである。また、上記のように忠誠カウンターを置くのはコストなので、たとえば[[ジェイス・ベレレン/Jace Beleren]]が出た直後に+2能力を起動した場合、対戦相手がこれを[[稲妻/Lightning Bolt]]で除去できるタイミングはない。 |
− | **ただし、プレインズウォーカーが戦場に出たときに[[誘発]] | + | **ただし、プレインズウォーカーが戦場に出たときに[[誘発]]する能力があるのなら、この限りではない(例えば[[雲石の工芸品/Cloudstone Curio]])。この場合、忠誠度能力を使う前に対戦相手に優先権が与えられる。今後誘発型能力を持つプレインズウォーカーが現れた場合も同様である。 |
==参考== | ==参考== |
2011年5月15日 (日) 22:51時点における版
忠誠度能力/Loyalty Abilityは、忠誠シンボルを起動コストに含む起動型能力。通常はプレインズウォーカーだけが持つが、プレインズウォーカーでないパーマネントが持つこともあり得る。
忠誠度能力は通常の起動型能力の制約に加え、コントローラーのメイン・フェイズの間でスタックが空で優先権を持っており(ソーサリー・タイミング)、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をまだどのプレイヤーも起動していない場合にのみ起動できる、という制約を持つ。通常はコストにタップ・シンボルやアンタップ・シンボルを含まないため、戦場に出たターンから能力を起動できる。
カードには
- [+1]:土地2つを対象とし、それらをアンタップする。
- [-1]:緑の3/3のビースト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
のように書かれている。[+1]等は忠誠シンボルであり、起動型能力を起動するのに必要なコストを示す。これは「数値の分だけそのパーマネントに忠誠カウンターを置く(+の場合)、または取り除く(-の場合)」ことを意味している。[0]となっている場合は忠誠カウンターの増減はない。
つまり、上記の能力のコストはそれぞれ
- +1=このパーマネントに忠誠カウンターを1個置く。
- -1=このパーマネントから忠誠カウンターを1個取り除く。
ということを意味している。
- 取り除く忠誠カウンターの数が足りない場合は、その能力を起動する事はできない。
- 取り除くカウンターの数が忠誠度と同じ時でも、能力は起動できる。この場合、それがプレインズウォーカーならばその直後に忠誠カウンターが0個になった事で墓地に置かれるが、能力はきちんとスタックに乗る。
- 現存のプレインズウォーカーは基本的に3つの忠誠度能力を持っており、多くは「コストがプラス」・「コストが小マイナス」・「コストが大マイナス」の3つとなっている。
- 登場初期は全てこの原則に沿っていたが、その後は異なる構成のカードも多く登場している。小マイナスを持たずに小プラスの能力を2つ持つカード、コスト0を加えた4つの能力を持つカード、プラス能力を一つも持たず全てのコストがマイナスか0のカードなど。
- 忠誠度能力が1ターンに1回しか起動できないのは忠誠度能力の制約なので、プレインズウォーカーでないパーマネントが忠誠度能力を得た場合でも、それはこの制約を受ける。逆に、プレインズウォーカーが一般的な起動型能力を得た場合、それは制約を受けないので、他のパーマネントと同じように、コストが支払える限り同一ターン内に何度でも起動できる。
- 2009年10月の総合ルール変更まではプレインズウォーカー自体が持つ制約とされていたので、上記がちょうど逆であった。つまり、プレインズウォーカーでないパーマネントが(今で言うところの)忠誠度能力を持った時は何度でも起動できたが、プレインズウォーカーはどんな能力を得ても1ターンに合計で1回しか能力を起動できなかった。
- プレインズウォーカーでないパーマネントが忠誠度能力を得る手順の一例としては、マイコシンスの格子/Mycosynth Latticeと機械の行進/March of the Machinesでプレインズウォーカーをクリーチャー化させ、水銀の精霊/Quicksilver Elementalの能力を使用するなどの方法がある。
- 忠誠カウンターを置くことは「コスト」である。よって、「効果」により置かれるカウンターの個数を2倍にする倍増の季節/Doubling Seasonの影響は受けない。
- 忠誠度能力は、その効果がいずれかのプレイヤーのマナ・プールにマナを加え得る、対象をとらない能力であっても、マナ能力にはならない。
- 具体的には槌のコス/Koth of the Hammerの2つめの能力がこれにあたる。この能力はスタックをつかって解決される。
- 戦場に出たばかりのプレインズウォーカーがすぐに忠誠度能力を起動する場合、対戦相手は忠誠度能力の起動の前に呪文を唱えたり能力を起動することはできない。出してから忠誠度能力を起動するまでの間に対戦相手の優先権が生じないからである。また、上記のように忠誠カウンターを置くのはコストなので、たとえばジェイス・ベレレン/Jace Belerenが出た直後に+2能力を起動した場合、対戦相手がこれを稲妻/Lightning Boltで除去できるタイミングはない。
- ただし、プレインズウォーカーが戦場に出たときに誘発する能力があるのなら、この限りではない(例えば雲石の工芸品/Cloudstone Curio)。この場合、忠誠度能力を使う前に対戦相手に優先権が与えられる。今後誘発型能力を持つプレインズウォーカーが現れた場合も同様である。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 606 忠誠度能力
- 606.1 起動型能力の中には忠誠度能力が存在し、それらは特別なルールに従う。
- 606.2 忠誠シンボルをコストに含む起動型能力は忠誠度能力である。通常、プレインズウォーカーだけが忠誠度能力を持つ。
- 606.3 自分のコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を起動できるのは、優先権を持っていてスタックが空で自分のメイン・フェイズの間で、そのターンにそのパーマネントの忠誠度能力をまだどのプレイヤーも起動していない場合に限る。
- 606.4 パーマネントの忠誠度能力を起動するためのコストは、その能力のコストに含まれる忠誠シンボルに書かれている数の忠誠カウンターをそのパーマネントに載せるあるいは取り除くことである。このコストは他の効果によって修整されることがある。
- 606.6 追加コストを計算に入れてマイナスの忠誠度 コストを持つ忠誠度能力は、そのパーマネントにその数以上の忠誠カウンターが載っていない限り起動できない。
- 606 忠誠度能力