マナレシオ
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マナレシオ(Mana Ratio)とは、カードの性能(コスト・パフォーマンス)に対する評価方法のひとつ。直訳すると「マナ比率」すなわち「1マナ当りの効果の大きさ」という意味。
例えば火力で言えば、灼熱の槍/Searing Spear(2マナ3点)と炎の投げ槍/Flame Javelin(最小3マナ4点)を比較すると、1マナ当たりの威力は前者が1.5点、後者が1.33…点であるため、焦熱の槍のほうが効率がよいという計算になる。当然ながら、「だから灼熱の槍のほうが絶対的に強い」ということにはならないわけだが、評価する際の基準のひとつにはなるだろう。
特によく使われるのは、クリーチャーの点数で見たマナ・コストとP/Tとの比率で、「P/Tの平均値を点数で見たマナ・コストで割った数値」を用いるのが通例である。具体的に示すと、3マナ2/2であれば「3分の2=0.66…」、3マナ3/3であれば「3分の3=1」、3マナ5/4であれば「3分の4.5=1.5」と表現できる。比較すればわかる通り、「値が高いほど効率がよい」と評すことができる。
当然ながらあくまで点数で見たマナ・コストとP/Tの数字しか見ていない計算であるため、カードパワーのひとつの側面でしかない。マナ・コストの色拘束や追加コストは計算に入っていないし、また能力(メリット能力もしくはペナルティ能力)もまったく無視している。それに、計算式の都合上、低コストのカードほど小さな差が大きく影響しやすい(パワーないしタフネスが1変わると、1マナだと0.5も変動するが、5マナだと0.1しか変わらない)、壁クリーチャーや歩く火力のような極端な性能が強みのクリーチャーの評価には向かない、などの問題もある。あくまで考え方や目安のひとつ程度に受け取るのがよい。
マナ・コストが1以上でこの数字が最大なのは死の影/Death's Shadow(13)、最小なのは脊髄寄生虫/Spinal Parasite(−1/5)。値が正のものに限れば、最小は脈動する幻影/Pulsating Illusion、ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll、Necropolis(1/10)である。
- 大雑把な目安としては「1」を基準に考えるとよい。近年(明確な線引きはできないが、おおよそイニストラード・ブロック以降)の基準では、バニラクリーチャーでもマナレシオ1がだいたい標準という扱いであり、マナレシオ1以上でメリット能力を持っていても珍しくない。
- 例えば、単色4マナ4/4+メリット能力持ちのクリーチャーは貪欲なるベイロス/Ravenous Balothまでは存在していなかったが、近年では何体もいる。また、単色4マナ5/5+メリット能力のみの死橋の大巨虫/Deadbridge Goliath、単色4マナ4/4飛行+メリット能力のみの雷破の執政/Thunderbreak Regentや秘法の管理者/Curator of Mysteriesが登場するなどしている。
- 以前は灰色オーガ/Gray Ogre(3マナ2/2)、丘巨人/Hill Giant(4マナ3/3)、黒曜石の巨人/Obsidian Giant(5マナ4/4)のような「点数で見たマナ・コスト=P/Tの平均値+1」あたりがバニラもしくは若干のメリット能力で許される標準ラインとされており、そのラインを上回っていた炎の精霊/Fire Elementalやセラの天使/Serra Angelは「強力すぎる」として第5版に収録されなかったことなどもあった。
- この数字が3以上ならば確実にとんでもないデメリット能力がつく。1マナ3/3以上、2マナ6/6以上などはそうはいない。
- 能力を数値化するために、メリットとなる能力を+1、デメリットとなる能力を-1としてパワー、タフネスに換算し、改めてマナレシオを計算するという手法が取られることもある。ただし、能力毎に同じ修整値ではおかしいのは明らかであり、やはり正確に数値化できるとは言えない。