サイカトグ
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サイカトグ(デッキ)(Psychatog)
サイカトグ/Psychatogをフィニッシャーに据えた、強力な青黒コントロール。
クリーチャー — エイトグ(Atog)
カードを1枚捨てる:サイカトグはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
あなたの墓地にあるカード2枚を追放する:サイカトグはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
インスタント
あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーであるインスタント・カード1枚を公開し、それをあなたの手札に加えてもよい。狡猾な願いを追放する。
基本は、大量のカウンター・バウンス・クリーチャー除去で相手の動きを凌ぎ、ドロー手段でアドバンテージを確保する古式ゆかしい青黒のパーミッションデッキである。
もとは、「戻しすぎ」といわれカスレアだと思われていた激動/Upheavalをキーカードにしたコンボデッキのうちフィニッシャーをサイカトグ/Psychatogにした激動サイカトグが始まりである。 舞台がエクステンデッドに移ると激動/Upheavalの役割が弱まり、単にサイカトグ/Psychatogをフィニッシャーに据えたコントロールデッキ全般を指すようになった。
フィニッシャーのサイカトグ/Psychatog自体が3マナと軽いため隙を作りにくく、パンプアップにより火力に耐性があり、序盤のブロッカーとして優秀なことが最大のウリである。
多数のカウンターに支えられた安定性と狡猾な願い/Cunning Wishからのシルバーバレットによる柔軟性はぴか一であると言ってよい。
- サイカトグ/Psychatogのサイズは墓地の多さに依存するため、墓地にカードを落とす手段が多用されることもある。特にカード・アドバンテージをもたらしてくれる嘘か真か/Fact or Fictionやけちな贈り物/Gifts Ungivenは最高の相棒である。
オデッセイ発売当初から現在まで、長きに渡って各環境での一勢力を維持し続けているデッキであり、以下に時代ごとのそれぞれの特徴を記載する。
インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期
オデッセイ・ブロック発売とともに、激動サイカトグが登場。 ジャッジメントで狡猾な願い/Cunning Wishを得て、さらに応用力と柔軟性が増し、その地位を不動のものとした。
インスタント
あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚公開する。対戦相手1人はそれらのカードを2つの束に分ける。あなたは一方の束をあなたの手札に加え、もう一方をあなたの墓地に置く。
クリーチャー — ゾンビ(Zombie)
あなたが唱える青の呪文と赤の呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。
(1)(黒):夜景学院の使い魔を再生する。
この時期の活躍の要因としては特に超強力ドローカードの嘘か真か/Fact or Fictionの存在が大きい。アドバンテージと墓地増強を兼ねるこのカードにより爆発力・安定性ともに大幅に高まった。 そのため、サイカトグはつねにスタンダードのメタの中心を走り続けた。
また、インベイジョン・ブロックの多色化の傾向に沿い、
- 神の怒り/Wrath of Godを入れて白を足したもの
- 破滅的な行為/Pernicious Deedを入れたサイカディード
- タッチ赤のパイロトグ
などの派生種が生まれ、日本選手権02の地区予選などで活躍したが、サイカトグ自体がメタの中心であり、ミラーマッチには安定性の面で純正の青黒タイプのほうが有利なため、本家に代わる勢力にはならなかった。
- この時期の代表的なレシピはWorld Championship Decks 2002を参照のこと。
オデッセイ・ブロック+オンスロート・ブロック期
インベイジョン・ブロックの退場でカウンターの質が落ち、非常に強力な嘘か真か/Fact or Fictionも使えなくなったが、集中/Concentrateや影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator、行き詰まり/Standstillで代用してなんとか命脈をつなぎ、依然メタの中心にありつづけた。
この時期は青緑マッドネスやマッドステロなどクリーチャーデッキが主体だったため、燻し/Smotherやチェイナーの布告/Chainer's Edictなどの除去を多用するのが特徴。
獣群の呼び声/Call of the Herdなどの強力なトークン対策に、バウンスをメインとして行き詰まり/Standstillでアドバンテージをとるタイプも存在した。
だが、基本セットの第8版への移行で対抗呪文/Counterspellなどの主力カウンターを失い、大打撃を受け、実質的な消滅を余儀なくされた。
それでもスタンダードの2年間は常にメタの中心に居座り続けた、良くも悪くも存在感の大きいデッキだった。
エクステンデッド
スタンダードで活躍を始めるのとほぼ同時にエクステンデッドでも登場。 当初はスタンダードと同じく激動サイカトグが流行した。
エクステンデッドでもトップ級のカードである嘘か真か/Fact or Fictionに加え、当時のエクステンデッドの青系デッキのトレンドであった蓄積した知識/Accumulated Knowledgeと直観/Intuitionのコンボを搭載しているのが特徴。
初期は赤をタッチして火+氷/Fire+Iceや火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuを入れるタイプが主流だった。
- 狡猾な願い/Cunning Wishからシャドーの裂け目/Shadow Rift、死体のダンス/Corpse Danceを持ってきてシュートする事もある。死体のダンスは石田格氏のシークレットテクであった。(別名、"サイカシュート"。)
そのほか、噴出/Gushを入れて瞬殺力を上げたタイプもあり、噴出1枚で6.5点、嘘か真か1枚で最低6点分のダメージに相当するので、特に島/Islandさえ置いてあればマナ無しで打てる噴出を連打していきなり20点叩き込んでゲームを終わらせることができる。
このようにして、次第に激動/Upheavalの役割が弱まり、エクステンデッドのサイカトグはコンボの"大技"を捨て、瞬殺ギミックを持つコントロールデッキへと変貌していった。 現在では、サイカトグと言えばこのバージョンを指す。
ティンカーやゴブヴァンテージなど凶悪コンボが荒れ狂ったプロツアーニューオーリンズ03(通称"コンボの冬")ではコンボのスピードに対抗するため金属モックス/Chrome Moxが使用された。 また、ミラディンの注目カードだった等時の王笏/Isochron Scepterを併用するセプターサイカが登場。
ローテーション後、開幕戦となったプロツアーロサンゼルス05(2005年10月)では新たにけちな贈り物/Gifts Ungivenを投入し、アドバンテージと瞬殺力を向上させた純正の青黒タイプが優勝を飾り、新環境でも健在ぶりを示した。 同大会では新メカニズム・発掘との相性のよさを生かした発掘サイカトグ、マッドネスとハイブリッドしたマッドサイカも登場した。
このように多様な変化を見せるサイカトグだが、シーズンが一旦終わるとそれらのデッキは影を潜め、次のシーズン開始時には、もはや「純正」ともいえる青黒瞬殺タイプが再び好まれるのも特徴である。
世界選手権06以降の主流は、蒸気孔/Steam Ventsを1枚タッチして、狡猾な願いからの病的な憤激/Psychotic Furyで瞬殺を狙うギミックを取り込んでいる。
また、次元の混乱で待望の全体除去とも言える滅び/Damnationを入手したことにより、ビートダウンへの耐性が格段に向上することが予想される。
エターナル
ハルクスマッシュやGATといった派生型が中心だが、典型的なパーミッション型も多く存在する。
Force of Willと狡猾な願い/Cunning Wishからのシルバーバレットを中心にした、強固なコントロール力を土台に、パーミッション及びコンボデッキに対して優位に立つ。
タッチで3色にしているものも多く、緑が足されているものは大抵ハルクスマッシュの形態を取るが、赤もしくは白を足して柔軟性を上げているものもある。
主なサイカトグデッキ
長期にわたり各環境に存在しているため、多くの種類が存在する。