ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain
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強力なカードがひしめくウルザ・ブロックで登場したドローエンジン。最強のドローエンジンの1つであるネクロポーテンス/Necropotenceの調整版。
即座に手札に加わる、カードを捨てても追放されない等強化されているが、代わりに(4)(黒)(黒)と高コストになり調整されている。
…はずだったのだが、どうやら登場するタイミングが悪すぎたらしい。当時現役だった暗黒の儀式/Dark Ritualに加えて、同ブロックには強力なマナ・アーティファクトがいくつもあり、それによるマナ加速のお陰でダブルシンボルの6マナでさえも出すのは難しくなかった。さらにはアカデミーの学長/Academy Rectorによってそもそもマナ・コストを無視する事もできたため、簡単に戦場に出す事ができたのだ。
そうなると強化された部分だけが目立つことになり、結果、先輩であるネクロポーテンス/Necropotenceよりも先にエクステンデッド・エターナルで制限カード・禁止カードに指定されるというとんでもないカードに化けるのである。ただ、カードプールの狭いスタンダードにおいては、いくらマナ加速が充実していても6マナというコストがそれなりにデメリットとして機能していたらしく、最後まで生き残り続けることはできた。
基本的にはコンボデッキのパーツとして使われる。ネクロポーテンス/Necropotenceもコンボデッキのサポートとして使われる事が多いが、こちらはこれ自体がコンボのパーツにもなる(ピットサイクルなど)。大抵、出たターンにゲームが終わってしまう。まさに、裏のエンドカードと呼べるエンチャントなのである。
- さらに調整するとファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaになる。こちらはコントロール向き。ネクロポーテンス/Necropotenceと共に、同じドローエンジンでありながらその役割三種三様なのが面白いところ。
- 大変に強力ではあったが、ネクロポーテンス/Necropotenceに比べてもデッキを選ぶため、シングル価格は思ったほど高騰しなかった。
- そのあまりの強さから、マジックには他にもカード名に「Bargain」とつくカードが存在する(カード名を「Bargain」で検索)にもかかわらず、「バーゲン」と言ったらほぼ間違いなくこれを指す。例えば、これをキーカードにしたデッキをバーゲン系デッキと呼ぶ。
1999/08/01エクステンデッドで禁止カードに。同年10/01にヴィンテージで制限カード、Type1.5では禁止カード。2004/09/20よりType1.5から移行したレガシーでも続けて禁止となっている。
代表的なバーゲンデッキ
ストーリー
このカードのイラスト下手の人物は、小説Bloodlinesの描写からファイレクシア/Phyrexiaのインナー・サークル/Inner Circleの一員、Croag(クローグ)と思われる。
AR39世紀末期(少なくとも3385AR以降)にクローグは暗黒神ヨーグモス/Yawgmoth自身によって長い眠りから目覚めさせられ、ウルザ/Urza抹殺とラース/Rath整備の使命を授けられている。この際にクローグはヨーグモスから特権として、エヴィンカー/Evincarの任命権あるいはクローグ自身のエヴィンカー就任権を与えられている。また、フレイバー・テキストにおける「彼(ヨーグモス)の渇望するただ一つの品」とはドミナリア/Dominariaそのもので間違いないだろうが、ウルザ抹殺を命令したことからヨーグモスの計画を(この時点で)3000年以上も阻み続けている「ウルザの命」とも捉えられる。以上から、このヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargainは、エヴィンカーの権力を報酬にウルザの命を要求するヨーグモスの契約(Bargain)を表現したカードなのだろう。