こじ開け/Break Open
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対戦相手の裏向きのクリーチャーを強制的に表向きにするインスタント。
裏向きクリーチャーの中には表向きが2/2よりパワーやタフネスが低い場合もあるし、そもそも表向きはクリーチャーでないものもいる。また裏向きのクリーチャーが表向きになったときに誘発する誘発型能力を持っていたり焦熱の火猫/Blistering Firecatのような特殊な性質を持っていたりする場合なら、予期しないタイミングで表にすることで相手の計算を狂わせることができるかもしれない。
だが大抵の裏向きクリーチャーは表向きの方が強いし、表向きになったときの誘発型能力が有効に働かない場面もそう多くはない。何よりも、相手がどのクリーチャーを裏向きにして出してきたのかわからない以上、狙ってそういう使い方をすることが不可能というのが致命的である。また対戦相手が裏向きクリーチャーを一切使っていなければほぼ完全に腐る点も、このカードの価値を下げていると言える。
構築・リミテッドを問わずとても使用する気にはならないカードだろう。これを使うぐらいならショック/Shockを使って、裏向きのまま死亡するか変異コストを支払って表向きになるかを対戦相手に選ばせるほうがよっぽどマシと言わざるを得ない。
- 対戦相手の裏向きのクリーチャーの正体を確認できるカード(鮮明のレンズ/Lens of Clarityなどのような直接確認できるカードや脅しつけ/Threatenなどのような裏向きのクリーチャーのコントロールを一時的に奪うカード等)との相性は良い。とはいえ上手く使える場面があるかどうかは疑問だが。無論単純に裏向きのクリーチャーの正体を確認したいだけならそれらのカードだけを使うべき。
- Ben Bleiweissのコラムでも「最悪のカード」の上位カードとして挙げられている。蒼ざめた月/Pale MoonやDeep Waterなど事実上何もしないカードも多く選出されているが、これはSorrow's Pathらと同様に使った方が不利になる点でのランクインである。蒼ざめた月のように対戦相手に依存しすぎている点も酷評の一因かもしれない。
- 「自分のクリーチャーを対象にできればよかったのに」とよく言われる。オンスロート当時のパワーバランスでは危険と判断されたのだろうか。
- のちに登場した類似カードは自分のクリーチャーを表にできる仕様になっており、時のらせんブロックで変異メカニズムが再登場した際にも一瞬の瞬き/Momentary Blinkが同様の使われ方で活躍している。
- 厳密な意味で上位互換となるカードは長らく存在しなかったが、20年以上を経て遂にカルロフ邸殺人事件で犯人暴き/Expose the Culpritが登場した。
- 予示の登場により、裏向きのクリーチャーの正体が土地、という状況が増えた。現実変容/Reality Shiftのように対戦相手に強制的に予示させるカードもあるので、このカードの存在価値も以前と比べれば幾分か増したと言える。とはいえちらつき/Flickerやその亜種などこれより使い勝手の良いカードはいくらでもあるのだが。
- カードを表向きにすることに関してのルールは裏向き#表向きにする/裏向きにするを参照。
[編集] ストーリー
こじ開け/Break Openのイラストは、オタリア/Otariaの蛮族が変異クリーチャー/Morph Creatureを破壊し中からセファリッドを引きずり出す場面。
- のちにクリエイティブ・ディレクターであるBrady Dommermuthは「変異クリーチャーは門のようなものであり、これを介してクリーチャーが召喚されるというのが本来の設定である(参考:うねるバジリスク/Serpentine Basiliskのイラスト)」「このカードでセファリッドが内部に直接詰め込まれているように描写されたのは想定外だった」「呪文の効果を比喩的に表現した、ということにしてほしい」と述べている[1]。
- ちなみにオンスロート時点で変異を持つセファリッドは存在せず、2024年6月にクリーチャー・タイプが削除されるまでも登場しなかった。
面倒事を解決する方法は、熟考か力ずくかの二通りある。蛮族のほとんどは、熟考の後で力ずくを選ぶ。