ラースの被覆/Rathi Overlay
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− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/you-are-planeswalker-2008-07-25 You Are a Planeswalker]/ [http://web.archive.org/web/20090123111318/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070918/index.html あなたはプレインズウォーカーだ(Internet Archive)](Feature [[2008年]]7月25日 [[Wizards of the Coast]]著) - 次元被覆と時の裂け目について |
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2022年10月1日 (土) 02:37時点における版
ラースの被覆/Rathi Overlayはプレーンシフトで描かれたファイレクシア/Phyrexiaによるドミナリア/Dominaria侵略第2段階。
テンペスト・ブロックの頃から伏線が張られており、ウルザズ・デスティニーとネメシスのストーリーで全容が次第に明かされ、インベイジョン・ブロックのストーリーにおいては中盤の山場となり、これにまつわる事象が詳細に語られた。後のオンスロート・ブロックのスリヴァー復活や時のらせんブロックの時の裂け目/Riftなどの設定にも影響を与えている。
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解説
ラースの被覆は次元規模の歴史的なファイレクシアの侵略行動である。4205ARにエヴィンカー/Evincar、クロウヴァクス/Crovaxの総指揮の下でラース/Rathがドミナリアに次元を越えて重なり合った。
ラースの大地はファイレクシアの軍団を始めとして住人や動植物、建物などをそっくり引っ張って、ドミナリアの表面に覆い被さるように移動したり、ドミナリアの地形と置き換わったりした。霊気/Aetherへの干渉などから生物同士が融合したり変異した新種が誕生したほか、時の裂け目のような深刻な次元構造への損傷も生じた。また、次元被覆に際してラースからもドミナリアからも消えたものは、次元と次元の狭間シャドーの世界に閉じ込められたり、単に失われた。
メカニズム
転移の理論とメカニズムは断片的にではあるが説明されており、次元被覆はラースの次元を形成するナノマシンの集合体「流動石/Flowstone」を利用したもので、流動石生産工場でもある要塞/Strongholdの装置を用いて流動石を操作することで可能となる。転移はエヴィンカーの権限で行われ、エヴィンカーを除き制御装置にアクセスできる者は限られている(エヴィンカー不在期のCroag(クローグ)やベルベイ/Belbeなど)。
部分的な次元転移
次元全体を移動させるラースの被覆に対し、ラースの一地域とドミナリアを繋げる次元転移がある。
小説Bloodlinesによるとラース最初の管理者(steward)の時代から試されていたが、次元転移中にサルタリー/Soltariが世界の狭間に消失する失敗として記録されている。この他に転移が実行されていたかは不明だが、ダヴォール/Davvol着任時すでに奴隷階級のダル/Dal族がラースに存在していたため、成功した次元転移がなかったとはいえない。
本格的な運用はダヴォール統治時代からである。転移装置の操作者が持つ精神能力によってラースの一部は転移先に重なり合わさり、2つの次元がつなげられる。このつながりを断ち切ると、ラースから兵員や物資を他次元に移送したり、ドミナリアの地形や住人をラースに奪ってくることが可能となる。また、装置が正確に機能するには、操作者が転移先の情報を正確に記憶している必要がある。地形が変容する性質をもつヤヴィマヤ/Yavimayaを転移先とした際には、ダヴォールは次元の連結を維持するのに普通以上の集中を必要としていた。
テンペスト・ブロックの設定では、ラースの地形や住人の中には霊気を通って、別の次元からさらわれてきたものが存在すると解説されている。スカイシュラウド/Skyshroud、コー/Kor、ヴェク/Vec、ダル/Dal、シャドーの住人や様々な生物が該当する。
次元全体の転移
小説Nemesisによると、ラースとドミナリアの適合には様々な因子が絡んでいるものの、最重要因子はラースの質量にある。流動石を増産して質量が大きくなるほどラースの振動速度(vibrational rate)が低下し、最終的にドミナリアと同じ速さまで引き下げ共振して、2つの次元が同一次元座標(the same planar coordinates)に重なり合わされる。質量が不十分では次元被覆は成功しない。
上述の部分的な次元転移を、次元の振動速度と共振で説明すると、質量が不十分であってもラースの一部だけならば、操作者の記憶力と精神力でラースの振動速度を調律することで次元被覆は可能ということになる。
ラースの転移先
- ラースの要塞
- 次元被覆の震央となった要塞/Strongholdはアーボーグ/Urborgの火山に転移した。
- しかし、要塞下部が溶岩内に突入。スリヴァーも巣ごと巻き込まれほとんど絶滅に近い打撃を受けた(1世紀後の激浪計画/Riptide Projectの研究を通じてスリヴァーは復活する)。
- この次元転移の際にアーボーグの時の裂け目が生じている。
- スカイシュラウド
- スカイシュラウド/Skyshroudの森は寒冷なケルド/Keldに転移し、ケルドに時の裂け目が発生した。
- 裏切り者の都
- 裏切り者の都/City of Traitorsはドミナリアに適合できずにシャドー世界に閉じ込められた。
- 流動石の実験室、拷問室
- ハールーンの都市Kaldroom(カルドルーム)に出現した。
- コーの安息所
- コーの安息所/Kor Havenはテリシア/Terisiareのバルデュヴィアの大草原/Balduvian Steppe東部に転移し廃墟となった。
クリーチャーへの影響
- シャドー
- ラース住人の中にはシャドー世界に囚われた者もいる。例えば、織り手の王/Weaver Kingや部下のDinne(ダイン)、一部のヴェク/Vec族やスリヴァーなどが含まれる。
- 変異・新種
- プレーンシフトの有角カヴー/Horned Kavuなどやアポカリプスに登場した複数の種族の特徴を備えた生物(カミソリひれのハンター/Razorfin Hunterなど)は次元被覆の影響であるとも考えられている。
パララクス
ネメシス期のラースでは、パララクス/Parallaxと呼ばれる物質の液化消失現象が発生しており、次元被覆との関連が示唆されている。
呼称
フレイバー・テキストでは次元被覆/Overlayやラースの次元被覆/Rath's Overlay、ファイレクシアの次元被覆/Phyrexian Overlayとも書かれている。その他、小説などでは転移(transference)やプレーンシフト(planeshift)、次元と次元の結合(conjunction)や重なり(overlap)、重なり合い(overlaid)との表現がある。日本では俗的に「パララクス計画」と呼ばれることもある。
登場
登場カード
- プレーンシフト
- 次元の被覆/Planar Overlay
- 次元被覆による地形変化を描写したカード(スカイシュラウドの祝福/Skyshroud Blessing、ついえし希望/Sunken Hope、破壊的な流動/Destructive Flow)
フレイバー・テキストに登場
- プレーンシフト
- 有角カヴー/Horned Kavu
- アポカリプス
- カミソリひれのハンター/Razorfin Hunter
- 時のらせん
- 巣石/Hivestone、陰影スリヴァー/Shadow Sliver、ヴェク追われの侵入者/Trespasser il-Vec
- 団結のドミナリア
- アルガイヴの騎兵/Argivian Cavalier、流動石のカヴー/Flowstone Kavu
登場作品
- Bloodlines(小説。次元転移に関する様々な情報)
- Nemesis(小説。次元被覆を準備するベルベイなどのラース側の様子。最後にラースとドミナリアが繋がる描写)
- Invasion(小説。間近に迫る次元被覆)
- Planeshift(小説。本格的な次元被覆)
- Apocalypse(小説。次元被覆後の状況)
登場記事
- A Sliver Story(Feature 2004年3月8日 Rei Nakazawa著) -次元被覆によるスリヴァーの全滅と1世紀後の復活
- You Are a Planeswalker/ あなたはプレインズウォーカーだ(Internet Archive)(Feature 2008年7月25日 Wizards of the Coast著) - 次元被覆と時の裂け目について
その他
- 「Overlay」は時のらせんの待機を持つカード群のカード名などの用語候補だった。ストーリー用語の次元被覆/Overlayとかぶるため除外された。(→A Word Is Worth A Thousand Headaches)