テーブルトークRPG
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テーブルトークRPG(TRPG、TTPRG)とは、「ゲームマスター」「マスター」と呼ばれる案内役が、口頭で説明することによって物語を進めてゆくRPGのこと。 一人でも遊べるコンピューターRPGと区別するため、日本ではこの名称で親しまれている。
- なお、「テーブルトークRPG」は和製英語であり、海外では通じない。海外では単に「RPG(Role-Playing Game)」と呼び、特に区別して呼ぶ必要がある場合は「Pencil and Paper Game」などと言う。
「ルールのあるごっこ遊び」とも称され、マジック:ザ・ギャザリングとともに「卓上ゲーム」「非電源ゲーム」に分類される。 マジックの開発元であるウィザーズ・オブ・ザ・コーストはマジック制作以前から現在までこのジャンルのゲームを扱っており、特に元祖RPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」も現在は当社から発売されている。
数人が定期的に集まらないと遊べないため、テーブルトークRPGは熱心なファンによるサークル活動によって支えられている。 都会ならば毎週のように公共施設などを借りてのコンベンションが開かれている。
マジックという舶来ゲームの面白さを日本で最初に発見したのはテーブルトークRPGのファンたちであり、今日マジックがここまで普及したのも彼らの功績によるところが大きい。 対戦相手を必要とするマジックにとって「集いの場」は欠かせない。常に遊ぶ為に集まっているコンベンション会場は正に格好の舞台であった。 マニュアルを読んでいるだけでは分かりにくいマジックに、実際に触れて遊べる点は特に重要だった。 また一般のゲームファンに比べ、未翻訳のゲームをプレイする機会も多く、言語の壁という抵抗が少なかったのも普及した一因だ。
初期の頃は、テーブルトークRPG内のサブゲームとしてマジックが使われたこともあった。 そのうちマジックの面白さに目覚め、マジックをするためにコンベンションに足を運ぶ者も現れるようになり、次第に集客における勢力が逆転していくようになる。
- そのためコアなテーブルトークRPGファンの中には、マジックを目の敵にした者も現れた。また、マジックに邪魔されて肝心のキャンペーンシナリオが進まないという弊害も起こったため、マジックの持ち込みを禁止したコンベンションもあった。
- 例えば、マスターが「そこで君達の目の前に魔法使いが現れました。倒してください」と告げ、それからマスターとプレイヤーとの間でマジックのデュエルを始める、といったように使われた。
- 現在でも、テーブルトークRPG内のランダム・イベントチャートのかわりに、専用に組んだデッキから1枚引かせるなどのギミックとして活用されている。
- トレーディング・カードとテーブルトークRPGとの融合も盛んである。世界観を共用する「モンスター・コレクション」と「六門世界RPG」や、ゲーム内イベントや選択できる主人公や仲間を、カードを購入することで増やすことのできる「Runebound(ルーンバウンド)」などがある。
マジックは、カードゲームであるにも関わらず壮大な「舞台」を堅牢に構築し、フレイバー・テキストなどで徐々にそれを明らかにしていく形式をとっているが、ここにテーブルトークRPGの影響が大きく見られる。 また、マジックの世界観は、RPGで非常にポピュラーな「剣と魔法」の世界観を基調としている。 その中には「エルフ」「ドワーフ」「ゴブリン」などお馴染みの種族が次々と登場するので、テーブルトークRPGに登場するモンスターの説明にマジックのカード・イラストを使うマスターもちらほらいたほど。 テーブルトークRPGファンにとって、マジックは元々親和性の高いゲームのようだ。
日本語版の発売元となったのが国産RPGの老舗であるホビージャパンであり、唯一のサポート雑誌がRPGマガジンであった。 また、初期に翻訳に関わった朱鷺田祐介氏は、現在はRPG制作会社の社長である。 マジックのライター・プレイヤーとして活躍していた金澤尚子、田中としひさ、鶴田慶之、といった面々は例外なくテーブルトークRPGの熱心なプレイヤーでもある。また塚本俊樹、中村聡などはボードゲームファンであり、その過程でテーブルトークRPGにも触れている。
- 朱鷺田氏は、マジックリプレイ「マジカル・トラベラー美由紀」も執筆しているが、そのストーリー重視のノリは明らかに普通のテーブルトークRPGのリプレイの残滓を引きずっている。現在はここまでストーリーに重きを置いた攻略記事は存在しないだろう。