マリガン

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'''マリガン'''/''Mulligan''とは、初期手札が気に入らない場合、[[手札]]を交換できるルール。
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'''マリガン'''/''Mulligan''とは、最初に[[引く|引いた]][[手札]]が気に入らない場合、新たに手札を引き直せるルール。
手札を[[ライブラリー]]の中に混ぜ入れ、そして以前よりも1枚少ない手札を新しく[[引く]]ことができる。このとき[[対戦相手]]に手札を見せる必要はない。
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マリガンは、初期手札が1枚以上あれば何回でも実行できるが、1回につき初期手札は1枚ずつ減少する。
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マリガンは[[先攻]][[プレイヤー]]から行う。[[後攻]]のプレイヤーは、先攻のプレイヤーがマリガンしないことを決めるまでマリガンするかどうか宣言する必要はない({{CR|101.4}})。
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==解説==
一度マリガンしないことを決めたら、もうマリガンをすることはできない。
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[[ゲーム]]を始めるときに各[[プレイヤー]]が手札を引いた後、[[先攻]]プレイヤーはマリガンを行うかを決める(まだマリガンは実行しない)。その後、[[ターン]]順に各プレイヤーがマリガンを行うかを決める。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。これ以上マリガンしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの初期手札となり、それ以上マリガンすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。
  
[[多人数戦]]での手順も上記と同じだが、各対戦最初の1回だけは「フリー・マリガン」となり、初期手札を減らさず7枚のままでマリガンできる。
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マリガンを行うプレイヤーは、手札を[[ライブラリー]]の中に混ぜ入れ、そして最後に引いた枚数より1枚少ない枚数の新しい手札を引く。マリガンは手札が1枚以上あれば何回でも実行できるが、1回につき引ける手札は1枚ずつ減少するということである。
2回目からは通常のマリガンとなり、マリガンするたびに手札が1枚ずつ減っていく。
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マリガンはゲーム開始前の手順である。認定トーナメントこの作業中に時間切れとなった場合、追加の5ターンは行われない。
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*[[多人数戦]]での手順も上記と同じだが、各ゲーム最初の1回だけはいわゆる「フリー・マリガン」となり、最初の手札を減らさず7枚のままでマリガンできる。2回目からは通常のマリガンとなり、マリガンするたびに手札が1枚ずつ減っていく。
 
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*マリガンはゲーム開始前の手順である。認定[[トーナメント]]この作業中に時間切れとなった場合、追加の5ターンは行われない。
*昔は、手札が「すべて[[土地]]」か「すべて土地でない」のときしかマリガンできなかった。これらはそれぞれ「オールランド・マリガン」「ノーランド・マリガン」と呼ばれる。
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**このルールでは、それを証明するためにその状態を[[対戦相手]]に[[公開する]]必要があったし、1回しか実行できなかった。
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**あくまで「土地が手札にある/ない」という基準だった。そのため、[[マナ能力]]を持たない土地だけが手札にあってもマリガンできず、現在よりも[[土地事故]]のリスクは大きかった。
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**ただし現在のルールのように、マリガンする毎に初期手札が減るということはなかった。
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*現在のマリガンルールを「パリ・マリガン」と言うこともあるが、パリで最初に採用されたというわけではない。また、正式採用される以前は「オプショナル・マリガン」と呼ばれていた。
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<!-- optionalの意味から現在そう呼ぶことはないでしょう。 -->
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**この新しいマリガンルールははじめはヘッドジャッジの裁量で選択できるマリガン方法として導入された。大会では「今日はオプショナル・マリガンで行きます」「今日は普通のマリガンで」などと大会開始前に告知があった。
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<!-- 非公認大会でも選択制としてはじまっています。 -->
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*それ以上マリガンをしないことを「[[キープ]]する」、マリガンする必要のない手札を「キーパー(Keeper)」と呼ぶこともある。
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*[[血清の粉末/Serum Powder]]という、マリガン時にのみ使用できる能力を持つカードも存在する。
 
*[[血清の粉末/Serum Powder]]という、マリガン時にのみ使用できる能力を持つカードも存在する。
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*現在のマリガンルールが[[プロツアーパリ97]]で採用されたことから「'''パリ・マリガン'''」と呼ばれるが、プロツアーパリ97は2回目で、最初に採用されたのは[[プロツアーロサンゼルス97]]である。また、正式採用される以前は「'''オプショナル・マリガン'''」と呼ばれていた。<!-- optionalの意味から現在そう呼ぶことはないでしょう。 -->
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**この新しいマリガンルールははじめはヘッドジャッジの裁量で選択できるマリガン方法として導入された。大会では「今日はオプショナル・マリガンで行きます」「今日は普通のマリガンで」などと大会開始前に告知があった。<!-- 非公認大会でも選択制としてはじまっています。 -->
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*それ以上マリガンをしないことを「'''[[キープ]]する'''」、マリガンする必要のない手札を「'''キーパー'''(''Keeper'')」と呼ぶこともある。
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==過去のルール==
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===基本セット2010以前===
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以前のマリガンは、まず先攻がマリガンしないことを決めるまでマリガンを行い、先攻の初期手札が決定した後、ターン順に1人ずつマリガンしないことを決めるまでマリガンを行うというルールであった。
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しかし、トーナメント以外でこの正式な手順が守られることは少なく、同時にマリガンが行われることが多かった。この[[カジュアルプレイ|カジュアル]]事情を踏まえ、[[基本セット2010]]発売に伴うルール改正で「同時にマリガン」を行うように変更された。この変更によって、トーナメントでの[[シャッフル]]時間の短縮も期待される。(→[http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/42a Magic 2010 Rules Changes]参照)
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===初期===
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現在の「パリ・マリガン」に変更される前は、手札が「すべて[[土地]]」か「すべて土地でない」のときしかマリガンできなかった。これらはそれぞれ「'''オールランド・マリガン'''」「'''ノーランド・マリガン'''」と呼ばれる。
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*このルールでは、それを証明するためにその状態を[[対戦相手]]に[[公開する]]必要があり、また、1回しか実行できなかった。
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*あくまで「土地が手札にある/ない」という基準だった。そのため、[[マナ能力]]を持たない土地だけが手札にあってもマリガンできず、現在よりも[[土地事故]]のリスクは大きかった。
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*ただし現在のルールのように、マリガンする毎に初期手札が減るということはなかった。
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==その他==
 
*元々はゴルフ用語であり、接待ゴルフなどでよく行われる「最初の一打が不満なら罰則無しで打ち直しできる」というルールのことである。ここからさらに語源を辿ると、人名である。
 
*元々はゴルフ用語であり、接待ゴルフなどでよく行われる「最初の一打が不満なら罰則無しで打ち直しできる」というルールのことである。ここからさらに語源を辿ると、人名である。
<!-- マナ・バーン誌Vol6より要約 -->
 
 
*かなり多くの人がお世話になり、現在も多くの初心者を導いている[[田中としひさ]]氏の入門漫画で対戦している「マリちゃん」と「ガンちゃん」の命名由来でもある。
 
*かなり多くの人がお世話になり、現在も多くの初心者を導いている[[田中としひさ]]氏の入門漫画で対戦している「マリちゃん」と「ガンちゃん」の命名由来でもある。
  
 
==参考==
 
==参考==
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr134 プロツアー巡業(パート1)](Wizards社;英語)
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*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr134 On Tour, Part 1] ([[WotC]]、文:[[Mark Rosewater]]、英語)
 
*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]

2009年8月27日 (木) 03:03時点における版

マリガン/Mulliganとは、最初に引いた手札が気に入らない場合、新たに手札を引き直せるルール。

目次

解説

ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、先攻プレイヤーはマリガンを行うかを決める(まだマリガンは実行しない)。その後、ターン順に各プレイヤーがマリガンを行うかを決める。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。これ以上マリガンしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの初期手札となり、それ以上マリガンすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。

マリガンを行うプレイヤーは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして最後に引いた枚数より1枚少ない枚数の新しい手札を引く。マリガンは手札が1枚以上あれば何回でも実行できるが、1回につき引ける手札は1枚ずつ減少するということである。

  • 多人数戦での手順も上記と同じだが、各ゲーム最初の1回だけはいわゆる「フリー・マリガン」となり、最初の手札を減らさず7枚のままでマリガンできる。2回目からは通常のマリガンとなり、マリガンするたびに手札が1枚ずつ減っていく。
  • マリガンはゲーム開始前の手順である。認定トーナメントこの作業中に時間切れとなった場合、追加の5ターンは行われない。
  • 血清の粉末/Serum Powderという、マリガン時にのみ使用できる能力を持つカードも存在する。
  • 現在のマリガンルールがプロツアーパリ97で採用されたことから「パリ・マリガン」と呼ばれるが、プロツアーパリ97は2回目で、最初に採用されたのはプロツアーロサンゼルス97である。また、正式採用される以前は「オプショナル・マリガン」と呼ばれていた。
    • この新しいマリガンルールははじめはヘッドジャッジの裁量で選択できるマリガン方法として導入された。大会では「今日はオプショナル・マリガンで行きます」「今日は普通のマリガンで」などと大会開始前に告知があった。
  • それ以上マリガンをしないことを「キープする」、マリガンする必要のない手札を「キーパー(Keeper)」と呼ぶこともある。

過去のルール

基本セット2010以前

以前のマリガンは、まず先攻がマリガンしないことを決めるまでマリガンを行い、先攻の初期手札が決定した後、ターン順に1人ずつマリガンしないことを決めるまでマリガンを行うというルールであった。

しかし、トーナメント以外でこの正式な手順が守られることは少なく、同時にマリガンが行われることが多かった。このカジュアル事情を踏まえ、基本セット2010発売に伴うルール改正で「同時にマリガン」を行うように変更された。この変更によって、トーナメントでのシャッフル時間の短縮も期待される。(→Magic 2010 Rules Changes参照)

初期

現在の「パリ・マリガン」に変更される前は、手札が「すべて土地」か「すべて土地でない」のときしかマリガンできなかった。これらはそれぞれ「オールランド・マリガン」「ノーランド・マリガン」と呼ばれる。

  • このルールでは、それを証明するためにその状態を対戦相手公開する必要があり、また、1回しか実行できなかった。
  • あくまで「土地が手札にある/ない」という基準だった。そのため、マナ能力を持たない土地だけが手札にあってもマリガンできず、現在よりも土地事故のリスクは大きかった。
  • ただし現在のルールのように、マリガンする毎に初期手札が減るということはなかった。

その他

  • 元々はゴルフ用語であり、接待ゴルフなどでよく行われる「最初の一打が不満なら罰則無しで打ち直しできる」というルールのことである。ここからさらに語源を辿ると、人名である。
  • かなり多くの人がお世話になり、現在も多くの初心者を導いている田中としひさ氏の入門漫画で対戦している「マリちゃん」と「ガンちゃん」の命名由来でもある。

参考

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