「待機」を編集中
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|英名=Suspend | |英名=Suspend | ||
|種別=[[常在型能力]]、[[誘発型能力]] | |種別=[[常在型能力]]、[[誘発型能力]] | ||
− | |登場セット= | + | |登場セット=[[時のらせんブロック]]<br>[[モダンホライゾン]]<br>[[統率者2021]]<br>[[モダンホライゾン2]]<br>[[ニューカペナの街角統率者デッキ]] |
|リーガル=legal | |リーガル=legal | ||
}} | }} | ||
− | '''待機'''(たいき)/''Suspend'' | + | '''待機'''(たいき)/''Suspend''は、[[時のらせんブロック]]で初登場した[[キーワード能力]]。待機を持つ[[カード]]が[[手札]]にある際に機能する[[常在型能力]]と、[[追放]][[領域]]に待機している際に機能する2つの[[誘発型能力]]からなる。 |
{{#card:Durkwood Baloth}} | {{#card:Durkwood Baloth}} | ||
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*あなたがこのカードを手札から[[スタック]]に置くことで[[唱える|唱え]]始められる場合、あなたは[コスト]を[[支払う|支払って]]、このカードをN個の[[時間カウンター]]を置いた状態で追放してもよい。この処理は[[特別な処理]]であり、スタックを使わない。([[常在型能力]]) | *あなたがこのカードを手札から[[スタック]]に置くことで[[唱える|唱え]]始められる場合、あなたは[コスト]を[[支払う|支払って]]、このカードをN個の[[時間カウンター]]を置いた状態で追放してもよい。この処理は[[特別な処理]]であり、スタックを使わない。([[常在型能力]]) | ||
*あなたの[[アップキープ]]の開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。([[誘発型能力]]) | *あなたの[[アップキープ]]の開始時に、このカードが待機状態である場合、それの上から時間カウンターを1個取り除く。([[誘発型能力]]) | ||
− | * | + | *このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それが追放領域にある場合、可能ならそれを[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなくプレイする]]。そうできない場合、それは追放領域に残る。これによりそれを唱え、なおかつそれが[[クリーチャー]]である場合、それはあなたがその呪文またはその呪文がなった[[パーマネント]]の[[コントロール]]を失うまで[[速攻]]を持つ。([[誘発型能力]]) |
==解説== | ==解説== | ||
− | [[ | + | [[カード]]を[[プレイ]]するまでに時間がかかってしまうが、代わりに本来の[[マナ・コスト]]より低い[[コスト]]で使えたり、なんらかのボーナスを得られたりできる能力である。 |
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コストの「先払い」ができることから、他のカードと合わせて1ターンに複数枚のカードを唱えやすくなる。その点で、[[打ち消す|打ち消し]]呪文全般には効果的な能力ともいえる。また、唱えた呪文の回数を数える能力(例えば[[ストーム]]など)との相性もよい。 | コストの「先払い」ができることから、他のカードと合わせて1ターンに複数枚のカードを唱えやすくなる。その点で、[[打ち消す|打ち消し]]呪文全般には効果的な能力ともいえる。また、唱えた呪文の回数を数える能力(例えば[[ストーム]]など)との相性もよい。 | ||
− | + | ほとんどの待機を持つカードは通常の唱え方と待機を経由した唱え方のどちらも可能であるが、一部には[[マナ・コスト]]がなく待機を経由してしか唱えられないものもある。[[マナ・コストの無いカード]]の記事を参照。 | |
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==ルール== | ==ルール== | ||
====待機開始の常在型能力==== | ====待機開始の常在型能力==== | ||
+ | *待機にはコストと数字が指定されている。 | ||
+ | **コストや数字が指定されていない待機能力がカードに与えられることがあるが、その場合追放する効果や時間カウンターを置く効果も同時に含まれている。 | ||
*待機コストを支払って追放領域に待機させる行為は[[特別な処理]]であり、[[スタック]]を用いない。 | *待機コストを支払って追放領域に待機させる行為は[[特別な処理]]であり、[[スタック]]を用いない。 | ||
*「あなたがこのカードを手札からスタックに置くことで唱え始められる場合」とは、その呪文の[[カード・タイプ]]による通常の制限、および[[瞬速]]や[[歴伝]]・[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]などの効果の影響を加味する({{CR|601.3}})。 | *「あなたがこのカードを手札からスタックに置くことで唱え始められる場合」とは、その呪文の[[カード・タイプ]]による通常の制限、および[[瞬速]]や[[歴伝]]・[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]などの効果の影響を加味する({{CR|601.3}})。 | ||
− | **例えば、それが[[クリーチャー]]・カードであるならば、いわゆる[[ソーサリー・タイミング]](あなたの[[メイン・フェイズ]]であり、あなたが[[優先権]] | + | **例えば、それが[[クリーチャー]]・カードであるならば、いわゆる[[ソーサリー・タイミング]](あなたの[[メイン・フェイズ]]であり、あなたが[[優先権]]を持ち、かつスタックが空である場合)のみ待機させることができる。しかし瞬速を持つクリーチャー・カードであるならば、いわゆる[[インスタント・タイミング]]で待機させることができる。 |
− | ** | + | **これは「実際に唱えることができるか」とは異なる。例えば[[遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron]]を待機させたい場合、待機コストの2マナさえ用意できていればよく、通常の[[マナ・コスト]]の7マナが出せる状況である必要はない。 |
− | + | *待機を開始する時点では、[[対象]]などを選ぶ必要はない。それらは実際に唱える際に選ぶ。 | |
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====待機状態==== | ====待機状態==== | ||
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**通常、待機した呪文はあなたのアップキープにプレイすることになるが、[[憤怒の魔除け/Fury Charm]]などを用いれば異なるタイミングで誘発させることも可能。 | **通常、待機した呪文はあなたのアップキープにプレイすることになるが、[[憤怒の魔除け/Fury Charm]]などを用いれば異なるタイミングで誘発させることも可能。 | ||
**この誘発型能力を[[打ち消す]]ことで、プレイすることを防ぐことができる。時間カウンターがすでに乗っていないため、待機状態ではなく単純に追放領域に置かれていることになる。 | **この誘発型能力を[[打ち消す]]ことで、プレイすることを防ぐことができる。時間カウンターがすでに乗っていないため、待機状態ではなく単純に追放領域に置かれていることになる。 | ||
− | * | + | *カードをプレイするのは強制である。[[追加コスト]]を支払えない、適正な対象が存在しない、および[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]によって唱えることを禁止されているなど、不可能な場合を除き、必ずプレイしなければならない。 |
+ | **何らかの効果で追加コストにマナが要求されている場合、その分のマナが[[マナ・プール]]にあるならそれを支払わなくてはならない。しかし[[マナ能力]]の起動は強制されないため、マナ・プールに必要量のマナが無いなら「追加コストを支払えない」としてもよい。もちろん、唱えたいのなら土地などからマナを出して追加コストに充ててもよい。 | ||
*必然的に、追放領域からプレイすることになるし、またマナ・コストを支払わずにプレイすることになる。一部の呪文や能力との[[シナジー|相性]]に注意。 | *必然的に、追放領域からプレイすることになるし、またマナ・コストを支払わずにプレイすることになる。一部の呪文や能力との[[シナジー|相性]]に注意。 | ||
− | *[[注釈文]]では「マナ・コストを支払うことなく'''唱える''' | + | *[[注釈文]]では「マナ・コストを支払うことなく'''唱える'''」となっているが、実際のルールは上述の通り「マナ・コストを支払うことなく'''プレイする'''」である点に注意。 |
**例えば[[遅延/Delay]]によって[[絡みつく花面晶体/Tangled Florahedron]]が待機を得た場合、最後の時間カウンターが取り除かれた時に、[[土地]]である[[第2面]]の[[絡み谷/Tangled Vale]]としてプレイすることもできる(「マナ・コストを支払うことなく唱える」だと、絡み谷としてプレイすることはできない)。 | **例えば[[遅延/Delay]]によって[[絡みつく花面晶体/Tangled Florahedron]]が待機を得た場合、最後の時間カウンターが取り除かれた時に、[[土地]]である[[第2面]]の[[絡み谷/Tangled Vale]]としてプレイすることもできる(「マナ・コストを支払うことなく唱える」だと、絡み谷としてプレイすることはできない)。 | ||
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==その他== | ==その他== | ||
*待機より前に登場した[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]は、スタック上の呪文を擬似的な待機状態にする。 | *待機より前に登場した[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]は、スタック上の呪文を擬似的な待機状態にする。 | ||
+ | *唱えるために数ターンを要する「伝説の呪文」を表現するために[[神河救済]]で用意されていたメカニズムであったが、実際の「伝説の呪文」には[[歴伝]]が割り当てられることとなり、待機は時のらせんまで保留となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/time-spiral-qa-2006-11-10 Time Spiral Q&A](Latest Developments [[2006年]]11月10日)</ref>。 | ||
+ | **「伝説の呪文」はのちの[[ドミナリア]]で[[伝説のソーサリー]]として実装されることとなった。 | ||
+ | *開発当初は待機によって唱えられたクリーチャーが速攻を持つ機能はなかったが、プレイテストの結果[[プレイヤー]]は長い時間をかけてようやく手に入れたクリーチャーですぐに[[攻撃]]したくなるものだということが分かったという。この本性に逆らうべく様々な手法が試みられたが、最終的には全ての待機クリーチャーに速攻を与えることでプレイヤーが望むように行動できるようにした<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/twenty-years-twenty-lessons-part-1-2016-05-30 Twenty Years, Twenty Lessons—Part 1 ]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017003/ 20の年、20の教訓 その1]([[Making Magic]] [[2016年]]5月30日)</ref>。 | ||
*[[時のらせんブロック]]の待機を持つカードでは[[絵|イラスト]]に水色の「時間の波」が描かれており<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/27-things-you-might-not-have-known-about-time-spiral-block-2021-03-08 27 Things You Might Not Have Known About Time Spiral Block]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034841/ 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと]([[Making Magic]] [[2021年]]3月8日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>、また多くのものでは「境界を越える」ことをイメージさせる描写がなされている。 | *[[時のらせんブロック]]の待機を持つカードでは[[絵|イラスト]]に水色の「時間の波」が描かれており<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/27-things-you-might-not-have-known-about-time-spiral-block-2021-03-08 27 Things You Might Not Have Known About Time Spiral Block]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034841/ 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと]([[Making Magic]] [[2021年]]3月8日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>、また多くのものでは「境界を越える」ことをイメージさせる描写がなされている。 | ||
**「青緑色の[[霊気/Aether]]のゼリーに閉じ込められていた別時間の呪文やクリーチャーが現在に出現する」というコンセプトであり、アメリカ合衆国で放映されていたSFテレビドラマ「[[wikipedia:ja:トワイライト・ゾーン_(1985年)|トワイライト・ゾーン]]」の[[wikipedia:en:A_Matter_of_Minutes|1エピソード]]から着想を得ている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/act-two-three-2007-02-15 Act Two of Three]/[https://web.archive.org/web/20070312041010/http://mtg.takaratomy.co.jp:80/others/column/yonemura/20070301/index.html 三部作第2部 マジックの風味(Internet Archive)](Feature [[2007年]]2月15日 [[Jeremy Jarvis]]著)</ref>。 | **「青緑色の[[霊気/Aether]]のゼリーに閉じ込められていた別時間の呪文やクリーチャーが現在に出現する」というコンセプトであり、アメリカ合衆国で放映されていたSFテレビドラマ「[[wikipedia:ja:トワイライト・ゾーン_(1985年)|トワイライト・ゾーン]]」の[[wikipedia:en:A_Matter_of_Minutes|1エピソード]]から着想を得ている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/act-two-three-2007-02-15 Act Two of Three]/[https://web.archive.org/web/20070312041010/http://mtg.takaratomy.co.jp:80/others/column/yonemura/20070301/index.html 三部作第2部 マジックの風味(Internet Archive)](Feature [[2007年]]2月15日 [[Jeremy Jarvis]]著)</ref>。 | ||
*[[注釈文]]が非常に長い。ルール的にも複雑であり、そのため[[ストーム値]]も高くなっている。 | *[[注釈文]]が非常に長い。ルール的にも複雑であり、そのため[[ストーム値]]も高くなっている。 | ||
*[[モダンホライゾン2]]では同名のカードが登場した(→[[待機/Suspend]])。 | *[[モダンホライゾン2]]では同名のカードが登場した(→[[待機/Suspend]])。 | ||
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==参考== | ==参考== | ||
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[[Category:キーワード能力|たいき]] | [[Category:キーワード能力|たいき]] |