最新版 |
編集中の文章 |
1行: |
1行: |
| {{#card:Zephyr Spirit}} | | {{#card:Zephyr Spirit}} |
| | | |
− | [[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の全[[クリーチャー]]の中でも最低ランクの[[カードパワー]]を持つ[[青]]のクリーチャー。 | + | 6[[マナ]]0/6と、最低の[[コスト・パフォーマンス]]。 |
| + | ここまでコスト・パフォーマンスが悪いからには普通は何か凄い[[能力]]が付いているはずなのだが、この能力はどう見てもデメリットである。 |
| + | ある意味ぶっ壊れ[[カード]]。なんだこれは。なにかの間違いか。 |
| | | |
− | [[能力]]を見ると、[[ブロック]]に参加するたびに[[手札]]に[[戻す|戻る]][[誘発型能力]]を持つ。[[戦闘ダメージ]]を受ける前に戻るので[[戦闘]]では[[破壊]]されにくく、[[タフネス]]は6と高いため[[火力]]でも[[焼く|焼かれ]]にくい。つまり、手札に戻っても再び[[戦場に出す]]ことで、死ににくい[[ブロッカー]]1体を毎[[ターン]]確保できる[[カード]]ということになる。 | + | [[支払う|戦闘]]で[[破壊]]されることは基本的に無い。が、毎[[ターン]]6マナも[[払って]]何の[[攻撃]]を防げというのだろうか。 |
| | | |
− | 「6という頑丈なタフネス」「戦闘では不死身」という情報だけを見ると独特の利点と有用性を持っているかのような印象を受けるが、問題なのはそのコスト。これでブロックを繰り返すということはつまり、6[[マナ]]もかけて0/1(あるいはそれ以下)のクリーチャー・[[トークン]]を[[生成]]しているようなものであり、[[コスト・パフォーマンス]]の悪さは歴然。これより[[軽い]][[コスト]]で毎[[ターン]][[チャンプブロック|チャンプブロッカー]]を確保できるカード(一例として[[迷惑エンジン/Nuisance Engine]]や[[サーペイディア諸帝国史、第七巻/Sarpadian Empires, Vol. VII]]など)より優れる場面はほとんどない。[[マナ・コスト]]の[[重い|重さ]]以外にも、[[パワー]]が0なのでそのままでは[[アタッカー]]に使えない、[[飛行]]などの[[回避能力]]持ちを止められない、[[トランプル]]持ちをブロックしても戦闘ダメージを防げない、複数の[[攻撃クリーチャー]]には対応できない、などなど、デメリットを上げればキリがなく、ブロッカーとしての信頼性も実際のところ決して高くない。
| + | 「西風の」という名前の割に[[飛行]]も何も持ってないので、[[ブロック]]に関しては[[氷河の壁/Glacial Wall]]に遥かに劣る。 |
| + | 従って、「パワー0だけど[[攻撃]]出来る」、「戦闘ダメージを受けない」事に[[タフネス]]−1と[[マナ・コスト]]+3と毎ターン続く[[エコー]](のようなもの)を我慢できるかどうかである。 |
| | | |
− | 似たような能力を持つ[[ガラクタの壁/Wall of Junk]]と比較するとカードパワーの低さが顕著になる。そちらは[[サイズ]]が0/7とほぼ同じにもかかわらず2マナと非常に[[軽い|軽く]]、[[デッキカラー]]も選ばない。その軽さから、[[ゲーム]]序盤から守りに使え、再び[[唱える|唱え]]ても[[テンポ]]を圧迫しない、戦闘ダメージを受けた後に手札に戻るためトランプルも防げる、など使い道がある。
| + | ブロック時に手札に戻るのが自分自身ではなく[[ブロック]]した[[クリーチャー]]であるものに[[哀れみの壁/Wall of Tears]]がある。 |
| + | こちらはメリットの能力。 |
| + | <!-- こちらは2マナ0/4なので遥かに[[コスト・パフォーマンス]]は良い。どうやら自分が[[手札]]に戻る事はメリットの分類らしい。 |
| + | ↑哀れみの壁には防衛があるので一概には言えないのでは。 --> |
| | | |
− | これ自体は[[防衛]]など、自身の[[攻撃]]を制限する能力は無い。[[全体強化]]などで[[パワー]]を与えてやれば一応攻撃にも参加できる。とはいえ攻撃時には能力は[[誘発]]しないので実質[[バニラ]]相当となり、結局マナ・コスト相当の性能は無い。
| + | *これによってブロックされたクリーチャーは、[[トランプル]]などが無い限り[[戦闘ダメージ]]を与えることができない。 |
| + | そのため、[[梅澤の十手/Umezawa's Jitte]]の[[カウンター]]を乗せる能力や、[[魂の絆/Spirit Link]]などの能力誘発を阻止することができる。 |
| + | **ただし、それがトランプルを持っていた場合はそのパワーが全て自分に通ることになる。 |
| + | *[[スピリットクラフト]]と相性がいいと言えないことは無い。 |
| + | *[[攻撃]]に参加した場合にはデメリットがない。せめて[[パワー]]があればもう少しなんとかなったかもしれない。 |
| + | *類似品は[[ガラクタの壁/Wall of Junk]]。あまり比べないでおこう。 |
| + | *一部では、これと[[サプラーツォの略奪者/Saprazzan Raider]]のどちらがより酷いか、という果てしなく無意味で不毛な議論が行われているようだ。 |
| | | |
− | *これによってブロックされたクリーチャーは、トランプルなどが無い限り戦闘ダメージをどこにも与えることができない。そのため、[[梅澤の十手/Umezawa's Jitte]]の[[蓄積カウンター]]を乗せる能力や、[[魂の絆/Spirit Link]]などの能力の[[誘発]]を阻止することができる(トランプルを持っていた場合はその戦闘ダメージが全て[[プレイヤー]]に通ることになるので意味は無い)。
| + | <!-- [[ブロック]]された[[クリーチャー]]をその[[オーナー]]の[[手札]]に戻す、あたりが妥当か。 --> |
− | *[[クリーチャー・タイプ]]が[[スピリット]]である特性を活かす[[スピリットクラフト]]と相性は悪くはない。1回につき6マナかかるため[[コスト・パフォーマンス]]面とテンポ面で難があるものの、[[マナ総量]]を参照するカード([[神河救済]]の[[雲蹄の麒麟/Cloudhoof Kirin|麒麟サイクル]]など)との併用時には逆に利点となる。
| + | |
− | **もっとも、「漠然と使うよりはいくらかマシ」といった程度で、これを積極的に採用する理由には到底なりえないだろう。
| + | |
− | | + | |
− | ==ラヴニカ:ギルドの都の最低カード==
| + | |
− | 重さの割りに能力の旨味が少ないことから、しばしば最低の[[コスト・パフォーマンス]]といわれるカードであり、公式サイトにおいても話題になったことがある。
| + | |
− | | + | |
− | [[Chris Millar]]は[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/cm2 Medium Double-Double]で[[ラヴニカ:ギルドの都]]最低のカードとして[[議事会の祝福/Conclave's Blessing]]を挙げたが、ユーザーから抗議の声や反対意見が多く寄せられたことにより3週間後に[http://www.wizards.com/magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/cm5 Zephyr Say Zephyr Again]で最低カードを再考しなくてはならなくなった。そこで最低カード候補とされたのがこの西風のスピリットである。
| + | |
− | | + | |
− | その記事では、本項上述のように[[スピリットクラフト]]との利用や[[梅澤の十手/Umezawa's Jitte]]の[[カウンター (目印)|カウンター]]増加を防ぎうる点、[[マナ総量]]を参照する[[スカージ]]のカード群([[ドラゴンエンチャント]]など)との相性のよさ、更には[[Now I Know My ABC's]]では議事会の祝福よりアルファベットが多いこちらが有利であること、西風のスピリットを[[撹乱する群れ/Disrupting Shoal]]の[[代替コスト]]にして[[潮の星、京河/Keiga, the Tide Star]]を[[打ち消す|打ち消して]]やったときの[[対戦相手]]の顔が見もの、など様々な長所を(いささか無理矢理に)挙げ、実際に[[デッキ]]構築を行った。
| + | |
− | | + | |
− | ===マジック全体における最弱議論===
| + | |
− | 一方、海外に限らず日本の掲示板の議論などでも、[[ラヴニカ・ブロック]]期(あるいは[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]史上)最低のカードの1つとみなされることが多々あった。青のクリーチャーの分野では、これと[[サプラーツォの略奪者/Saprazzan Raider]]のどちらがより酷いか、と議論が交わされてもいた。しかし、総合的にはマジック史上[[最弱クリーチャー|ワーストワンクリーチャー]]の座は[[Wood Elemental]]に譲らざるをえないようである。
| + | |
− | | + | |
− | [[Ben Bleiweiss]]が[[2022年]]3月に発表したランキング(下記)では、このカードをWood Elementalより上位においている。
| + | |
| | | |
| ==参考== | | ==参考== |
− | *[[The 100 Worst Magic: The Gathering Cards Of All Time]] 第6位
| |
| *[[カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都]] - [[コモン]] | | *[[カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都]] - [[コモン]] |