発掘
提供:MTG Wiki
(版間での差分)
(13人の利用者による、間の14版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | {{Otheruses|キーワード能力|デッキ|発掘 (デッキ)|カード|発掘/Unearth}} | + | {{Otheruses|キーワード能力|デッキ|発掘 (デッキ)|[[ウルザズ・レガシー]]初出の[[ソーサリー]]・[[カード]]|発掘/Unearth}} |
{{情報ボックス/キーワード能力 | {{情報ボックス/キーワード能力 | ||
|名前=発掘 | |名前=発掘 | ||
|英名=Dredge | |英名=Dredge | ||
|種別=[[常在型能力]] | |種別=[[常在型能力]] | ||
− | |登場セット=[[ラヴニカ:ギルドの都]]<br />[[未来予知]] | + | |登場セット=[[ラヴニカ:ギルドの都]]<br />[[未来予知]]<br>[[モダンホライゾン]]<br>[[モダンホライゾン3]] |
|リーガル=legal | |リーガル=legal | ||
− | |||
}} | }} | ||
− | '''発掘'''/''Dredge'' | + | '''発掘'''(はっくつ)/''Dredge''は[[キーワード能力]]の1つ。これを持つ[[カード]]が[[墓地]]にある間にのみ機能する[[常在型能力]]である。 |
− | {{#card: | + | {{#card:Greater Mossdog}} |
+ | {{#card:Dakmor Salvage}} | ||
==定義== | ==定義== | ||
− | '''発掘''' N/''Dredge'' Nは、「[[あなた]]の[[ライブラリー]]に少なくともN枚の[[カード]]がある限り、あなたがカードを[[引く]] | + | '''発掘''' N/''Dredge'' Nは、「[[あなた]]の[[ライブラリー]]に少なくともN枚の[[カード]]がある限り、あなたがカードを[[引く]]なら、[[代わりに]]あなたは『カードN枚を[[切削]]し、このカードをあなたの墓地からあなたの[[手札]]に戻す。』を選んでもよい。」を意味する。 |
==解説== | ==解説== | ||
− | + | [[ラヴニカ・ブロック]]で[[ゴルガリ団/The Golgari|ゴルガリ]]・[[ギルド/Guild|ギルド]]([[黒]]と[[緑]])に割り当てられた[[メカニズム]]。自分のライブラリーをN枚[[切削]]することで、カードを引く代わりに墓地にある発掘Nを持つカードを[[回収]]できる[[能力]]である。 | |
+ | |||
+ | [[モダンホライゾン3]]では墓地の[[土地]]に発掘を与える[[屍花/The Necrobloom]]が登場した。 | ||
+ | |||
+ | ドローを[[置換]]し墓地のカードを移動させるという挙動が誤解・勘違いを生みやすいため、ルールをよく理解して使いたい。 | ||
− | |||
===ルール=== | ===ルール=== | ||
*発掘は常在型能力であり、[[スタック]]に乗らない。発掘能力による一連の行動に[[対応して]]何かすることはできない。 | *発掘は常在型能力であり、[[スタック]]に乗らない。発掘能力による一連の行動に[[対応して]]何かすることはできない。 | ||
**もちろん、「ドローする呪文や能力」に対応して何かすることは可能。また、各ターンの[[ドロー・ステップ]]における通常のドローもスタックを用いないので注意([[アップキープ]]に何かできるが)。 | **もちろん、「ドローする呪文や能力」に対応して何かすることは可能。また、各ターンの[[ドロー・ステップ]]における通常のドローもスタックを用いないので注意([[アップキープ]]に何かできるが)。 | ||
*また、[[起動型能力]]ではないので、[[真髄の針/Pithing Needle]]などの影響を受けない。[[誘発型能力]]でもないので、[[もみ消し/Stifle]]することもできない。[[トーナメント]]で頻繁に見られる間違いなので注意したい。 | *また、[[起動型能力]]ではないので、[[真髄の針/Pithing Needle]]などの影響を受けない。[[誘発型能力]]でもないので、[[もみ消し/Stifle]]することもできない。[[トーナメント]]で頻繁に見られる間違いなので注意したい。 | ||
− | * | + | *発掘で選べる選択肢は「N枚切削して手札に戻す」か「切削せずにカードを1枚引く」かのどちらかである。「N枚切削して手札に戻さない」ことはできない。 |
− | **[[注釈文]] | + | **[[注釈文]]では最後に「そうしない場合、カードを引く。」という一文があるため、混乱を招くようである。「手札に戻さない場合」と読めないことはないが、そうではなく、「墓地にN枚のカードを置かない(切削しない)場合」のことである。[[総合ルール]]の定義にはこの一文はないので、この記述は無視して読んでよい。注釈文は[[ゲーム]]の[[ルーリング|ルール]]には関係しない。 |
− | *ライブラリーの残り枚数が発掘に必要な枚数より少ない場合は使用できない。よって[[ライブラリーアウト]] | + | *ライブラリーの残り枚数が発掘に必要な枚数より少ない場合は使用できない。よって[[ライブラリーアウト]]の回避を目的にこの能力を使うことはできない。 |
*カードを引く段階で、実際に発掘を持つカードが墓地に無くては使用できない。逆に、カードを引く段階で墓地に発掘を持つカードがあるのなら、それがいつ置かれたのかに関係なく発掘を適用できる。 | *カードを引く段階で、実際に発掘を持つカードが墓地に無くては使用できない。逆に、カードを引く段階で墓地に発掘を持つカードがあるのなら、それがいつ置かれたのかに関係なく発掘を適用できる。 | ||
*同時に複数枚のカードを引くことは、ルール上「1枚引く」を繰り返すことを意味する。そして、1枚引こうとするたびに、発掘を適用するかどうか決めることができる。 | *同時に複数枚のカードを引くことは、ルール上「1枚引く」を繰り返すことを意味する。そして、1枚引こうとするたびに、発掘を適用するかどうか決めることができる。 | ||
**例:3枚引く場合、そのうち2番目や3番目に引くことに対しても発掘を適用できる。その場合、それ以前に引いたカードの内容を確認してから、発掘を適用するかどうか決めることができる。 | **例:3枚引く場合、そのうち2番目や3番目に引くことに対しても発掘を適用できる。その場合、それ以前に引いたカードの内容を確認してから、発掘を適用するかどうか決めることができる。 | ||
**例:3枚引く場合、その全てに発掘を適用することで、墓地にある3枚の発掘カードを戻すことができる(ただし、発掘を持つカードが墓地に3枚以上ないといけない)。 | **例:3枚引く場合、その全てに発掘を適用することで、墓地にある3枚の発掘カードを戻すことができる(ただし、発掘を持つカードが墓地に3枚以上ないといけない)。 | ||
− | ** | + | **例:2枚引く場合の1番目に引くことに対して発掘を適用したとき、それにより新たな発掘カードが墓地に置かれたのなら、2番目や3番目に引くことに対してそのカードの発掘を適用することができる。 |
===その他=== | ===その他=== | ||
− | * | + | * [[マナ]]を要さず大量の墓地カードを獲得できるため、この能力を主体とした[[デッキ]]が数多く作られている(詳しくは[[発掘 (デッキ)]]を参照)。特に、発掘の値が大きいカードはカードパワーを問題視され、複数の[[フォーマット]]で[[禁止カード]]を生み出した。 |
*「Dredge」も「発掘」もカード名として存在する。ただし[[底ざらい/Dredge]]と[[発掘/Unearth]]という、別々のカードである。 | *「Dredge」も「発掘」もカード名として存在する。ただし[[底ざらい/Dredge]]と[[発掘/Unearth]]という、別々のカードである。 | ||
+ | *[[Mark Rosewater]]曰く「我々が作った中でも最も[[壊れ]]た[[メカニズム]]の1つ」<ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0016858/ ストーム値:『ラヴニカ』と『ラヴニカへの回帰』]([[Making Magic]] [[2015年]]5月2日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>であり、ルールの複雑さも相まって、[[再録]]されるにはかなりの奇跡が必要な[[ストーム値]]10と採点されている。 | ||
+ | *[[基本セット2021]]で切削が[[キーワード処理]]化されたのに伴い、発掘の定義も切削を用いるように変更された。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | <references /> | ||
*{{WHISPER検索/カードテキスト|発掘}} | *{{WHISPER検索/カードテキスト|発掘}} | ||
*[[発掘 (デッキ)]] | *[[発掘 (デッキ)]] | ||
43行: | 49行: | ||
*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
− | {{#cr: | + | {{#cr:{{キーワード能力のCR番号|発掘}}}} |
[[Category:キーワード能力|はつくつ]] | [[Category:キーワード能力|はつくつ]] | ||
__NOTOC__ | __NOTOC__ |
2024年6月4日 (火) 14:24時点における最新版
発掘/Dredge | |
---|---|
種別 | 常在型能力 |
登場セット | ラヴニカ:ギルドの都 未来予知 モダンホライゾン モダンホライゾン3 |
CR | CR:702.52 |
発掘(はっくつ)/Dredgeはキーワード能力の1つ。これを持つカードが墓地にある間にのみ機能する常在型能力である。
Greater Mossdog / 大いなる苔犬 (3)(緑)
クリーチャー — 植物(Plant) 犬(Dog)
クリーチャー — 植物(Plant) 犬(Dog)
発掘3(あなたがカードを1枚引くなら、代わりにあなたはカードを3枚切削してもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。)
3/3Dakmor Salvage / ダクムーアの回収場
土地
土地
ダクムーアの回収場はタップ状態で戦場に出る。
(T):(黒)を加える。
発掘2(あなたがカードを1枚引くなら、代わりにあなたはカードを2枚切削してもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。)
[編集] 定義
発掘 N/Dredge Nは、「あなたのライブラリーに少なくともN枚のカードがある限り、あなたがカードを引くなら、代わりにあなたは『カードN枚を切削し、このカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。』を選んでもよい。」を意味する。
[編集] 解説
ラヴニカ・ブロックでゴルガリ・ギルド(黒と緑)に割り当てられたメカニズム。自分のライブラリーをN枚切削することで、カードを引く代わりに墓地にある発掘Nを持つカードを回収できる能力である。
モダンホライゾン3では墓地の土地に発掘を与える屍花/The Necrobloomが登場した。
ドローを置換し墓地のカードを移動させるという挙動が誤解・勘違いを生みやすいため、ルールをよく理解して使いたい。
[編集] ルール
- 発掘は常在型能力であり、スタックに乗らない。発掘能力による一連の行動に対応して何かすることはできない。
- また、起動型能力ではないので、真髄の針/Pithing Needleなどの影響を受けない。誘発型能力でもないので、もみ消し/Stifleすることもできない。トーナメントで頻繁に見られる間違いなので注意したい。
- 発掘で選べる選択肢は「N枚切削して手札に戻す」か「切削せずにカードを1枚引く」かのどちらかである。「N枚切削して手札に戻さない」ことはできない。
- ライブラリーの残り枚数が発掘に必要な枚数より少ない場合は使用できない。よってライブラリーアウトの回避を目的にこの能力を使うことはできない。
- カードを引く段階で、実際に発掘を持つカードが墓地に無くては使用できない。逆に、カードを引く段階で墓地に発掘を持つカードがあるのなら、それがいつ置かれたのかに関係なく発掘を適用できる。
- 同時に複数枚のカードを引くことは、ルール上「1枚引く」を繰り返すことを意味する。そして、1枚引こうとするたびに、発掘を適用するかどうか決めることができる。
- 例:3枚引く場合、そのうち2番目や3番目に引くことに対しても発掘を適用できる。その場合、それ以前に引いたカードの内容を確認してから、発掘を適用するかどうか決めることができる。
- 例:3枚引く場合、その全てに発掘を適用することで、墓地にある3枚の発掘カードを戻すことができる(ただし、発掘を持つカードが墓地に3枚以上ないといけない)。
- 例:2枚引く場合の1番目に引くことに対して発掘を適用したとき、それにより新たな発掘カードが墓地に置かれたのなら、2番目や3番目に引くことに対してそのカードの発掘を適用することができる。
[編集] その他
- マナを要さず大量の墓地カードを獲得できるため、この能力を主体としたデッキが数多く作られている(詳しくは発掘 (デッキ)を参照)。特に、発掘の値が大きいカードはカードパワーを問題視され、複数のフォーマットで禁止カードを生み出した。
- 「Dredge」も「発掘」もカード名として存在する。ただし底ざらい/Dredgeと発掘/Unearthという、別々のカードである。
- Mark Rosewater曰く「我々が作った中でも最も壊れたメカニズムの1つ」[1]であり、ルールの複雑さも相まって、再録されるにはかなりの奇跡が必要なストーム値10と採点されている。
- 基本セット2021で切削がキーワード処理化されたのに伴い、発掘の定義も切削を用いるように変更された。