ウィンドグレイス卿/Lord Windgrace (ストーリー)
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ウィンドグレイス卿/Lord Windgraceは短編「What's in a Name?」初出のキャラクター。複数の短編に登場しており、最初は猫族の神として、後にアーボーグ/Urborgの伝説的英雄として描かれた。インベイジョン・ブロックではナイン・タイタンズ/Nine Titansに抜擢されて再登場を果たし、時のらせんブロックでも活躍する息の長い人気を誇る。
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解説
アーボーグ/Urborgの守護者として君臨する豹族のプレインズウォーカー/Planeswalker。男性。アーボーグの守護者(Protector)の他、豹族の王(Panther Lord)、アーボーグの後援者(Patron)、豹の神(Panther-god)とも呼ばれる。
全身を漆黒の毛に覆われ、筋骨隆々とした堂々たる人型黒豹戦士。杖を手に持ち、二振りの剣を担ぐことも。単刀直入な物言いをし言葉より行動に訴えることも多いが、実は理知的で思慮深い人物。ナイン・タイタンズの中では一番精神が安定している。
誇り高い戦士であり、アーボーグの平和のための戦いは辞さないが、無用な争いは好まない。言葉数は多くない反面、獣のように唸ったり、鼻をひくつかせたり、歯を剥き出しにしたり、尻尾を動かしたり、と多彩な表情を見せる。俊敏な動きや躍動感のある筋肉の描写も多い。
本来の豹の戦士の姿に加えて、四つ足の豹そのものの姿をとったり、ワタリガラスのような翼を生やすことが可能。巨大化したりガス状の身体になることもできる。ナイン・タイタンズの中でも形態変化・変身能力に秀でるようだ。
豹族の戦士の生まれつきの身体能力、歴戦の戦士としての知識・経験に強大なプレインズウォーカーの魔力も加え、戦場ではまさに鬼神のごとく戦う。魔術的な能力も優れ、上述の変身能力や攻撃、探査、防御など多種多様な魔法を扱う。
アーボーグでは守護者ウィンドグレイスは伝説的な英雄と讃えられている。他方、ジャムーラ/Jamuraa南西部の猫族、Khyyiani族の間でも神として崇拝されている。信者は夏至の日に最も高い山頂へ登ると、日の出を拝み、過去一年間の行動を告白し生け贄を捧げる。お返しに穏やかなそよ風が吹いたなら、それはウィンドグレイス卿が現れた印とみなされる。
- クロウヴァクス/Crovaxが幼いころ読んだ書物の中にウィンドグレイス卿の英雄譚があり、クロウヴァクスは彼にあこがれていた。
- ヴェンセール/Venserは信者でないにもかかわらず、窮地に陥ったときウィンドグレイスへの祈りを口にしている。
- 猫族のプレインズウォーカーとしては、後に別次元でアジャニ/Ajaniが登場した。
フレイアリーズ
フレイアリーズ/Freyaliseは好対照な存在。両者ともドミナリア/Dominaria出身のプレインズウォーカーであり、特定の土地・種族に強い結びつきを持ち、その土地の自然を守り住民を救う守護神として崇められる存在(ウィンドグレイスが猫族とアーボーグに強い結びつきがあるように、フレイアリーズもエルフ族とラノワール/Llanowar・ヤヴィマヤ/Yavimayaなどの森と関係が深い)。しかし、その考え方・生き方は全くの正反対。ウィンドグレイスは冷静な性格で守りの戦いを好み、フレイアリーズは激昂し易く、より攻撃的な手段を取る。
- ファイレクシア/Phyrexiaでの作戦行動中、1つの世界を滅ぼす行為に躊躇いをみせるウィンドグレイスに対し、フレイアリーズには疑問など微塵もなかった。
- ウィンドグレイスはアーボーグの生態系に手を加えずに復興を図ってきたが、フレイアリーズは自分なら地形を変化させ島全体を森に変えるだろうと語った。
ファイレクシア戦争ではしばしば組んで行動する。終戦後、ケルド/Keldに次元転移したスカイシュラウド/Skyshroudの守護者となったフレイアリーズとは互いに一目を置き、時の裂け目現象の解決の際には協力関係を結んだ。
確かに相違点も多いが、自分の守るべきものを常に第一に考えている点では、両者の想いは完全に一致している。
経歴
アルゴス/Argothのthe Devastation(大荒廃)よりも前、アーボーグの山頂にジャングルが存在した時代、この島を支配していた豹族に生まれる。プレインズウォーカーに覚醒する以前は、氏族の戦士族長(warrior chief)を務め、敬われ恐れられる英雄であった。
アーボーグが沼地に覆われアンデッドの徘徊する土地になっても故郷に留まり、生命ある者のために戦い続け、故郷を在りし日の姿へと戻すことを望んでいる。4205ARのファイレクシア侵攻まで幾世紀に亘りアーボーグの回復に尽力してきたが、その間この地を脅かす敵と戦っているものの、外界とは争いを避けていた。
だが、ファイレクシアのプレーンシフト計画によってラース/Rathの要塞/Strongholdが自分の領地に次元被覆することに腹を立て、ナイン・タイタンズに参加してファイレクシアと戦うことを決意。ファイレクシア爆破作戦を遂行し、故国アーボーグの侵略軍と戦う。
この最終戦争の終結間際にはハールーン/Hurloonの戦場でグリズルゴム/Grizzlegomに加勢している。
戦争終結後はアーボーグに戻り、ファイレクシアの残党狩りを行い、故郷の復興に力を入れる。人の心を意のままに操る新たな敵、織り手の王/Weaver King出現後は、配下のgladehunter(沼沢地の狩人)に精神操作への防御魔法を施す。
AR46世紀、ヴェンセールのambulator(移動機械)の起動を機に、新たなファイレクシア機械生物が出現。その上、ドミナリアを人工的な寒波が襲い始める。すべての証拠は城塞の”裂け目”が原因と指し示していた。解決策にテフェリー/Teferiから裂け目を閉じる方法を提示されるが、すなわちそれはウィンドグレイスのプレインズウォーカーの火花あるいは命そのものを代償としなければならない、極めて危険なものだった。
盟友フレイアリーズはスカイシュラウドの裂け目を封じるため自らの生命を犠牲にした。戦いは激しさを増し、前線で機械生物の大軍団を薙ぎ払うウィンドグレイスの元にプレインズウォーカー・カーン/Karnが現れる。カーンの語る言葉とは。そしてアーボーグの守護者は如何なる道を選択するのか…
登場カード
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- アポカリプス
- 神々しい光/Divine Light
- 次元の混乱
- ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
- ドミナリア
- ウィンドグレイスの見習い/Windgrace Acolyte
イラストに登場
- プレーンシフト
- 足縄/Hobble、内破/Implode、プレインズウォーカーの憤激/Planeswalker's Fury
- アポカリプス
- 神々しい光/Divine Light、まやかしの曙光/False Dawn、照射/Illuminate
- ドミナリア
- ドミナリアの大修復/The Mending of Dominaria(木像)
訳語
「Lord Windgrace」は、アポカリプスの神々しい光/Divine Lightのフレイバー・テキストでは「ウィンドグレース卿」と翻訳。 次元の混乱のヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmothのフレイバー・テキストに再登場した際、より発音の近い「ウィンドグレイス卿」に訳が改められた。
- 「Lord」は貴族の称号として「卿」と訳されているが、猫族の神という設定を考慮するに、この「Lord」は元々「神」を意味していたのではないだろうか。また、アーボーグの後援者(Patron)というのも、後に狐の守護神/Patron of the Kitsuneなどでは「守護神」と訳されている。
参考
- プレーンシフト
- アポカリプス
- 次元の混乱
- ナイン・タイタンズ/Nine Titans
- アーボーグ/Urborg
- What's in a Name ?(Tapestriesの短編)
- Insufficient Evidence(Distant Planesの短編)
- Invasion(小説)
- Planeshift(小説)
- Apocalypse(小説)
- Time Spiral(小説)
- Planar Chaos(小説)
- 背景世界/ストーリー用語