絶滅の契機/Extinction Event
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マナ総量が奇数か偶数、どちらかのクリーチャーを根こそぎ追放できる限定的な全体除去。破壊ではなく追放である他、全体除去系としては希少なシングルシンボルで、多色デッキでも使いやすいことが強み。
登場前のスタンダードでの黒の代表的全体除去は煤の儀式/Ritual of Sootが務めていたが、比較してこれはシングルシンボルであるためタッチしやすく、後攻で対戦相手が展開した4マナの主力もまとめて除去できるという利点がある。ただビートダウンはマナカーブを重視するため各マナ域のクリーチャーをバランス良く入れている傾向が強く、一番排除したいクリーチャーは除去できるが、全体除去とはいかないことが多いのが悩みどころ。逆に自分のフィニッシャーを奇数と偶数で散らして採用することで、対戦相手の主力を除去しつつ自分に有利な盤面を形成できるというテクニックも有る。全体除去に拘らず強力なフィニッシャー1体に対して使うのも有効であり、呪禁、破壊不能、プロテクション、死亡誘発といったほとんどの除去耐性を無視できるため非常に信頼性が高い。
登場時のスタンダードには脱出メカニズムを持つカードや弧光のフェニックス/Arclight Phoenixなど墓地から戻ってくるカード、また悪夢の番人/Nightmare Shepherdや真夜中の死神/Midnight Reaper、光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth、鍛冶で鍛えられしアナックス/Anax, Hardened in the Forgeなどの全体除去に対するリカバリークリーチャーが多く存在しているため、破壊ではなく追放というのは大きな強みになる。エスパー・スタックスやヨーリオン・コントロールで採用され、またディミーア・ローグも採用するタイプがある。ローテーション後も同様に活躍する。
パイオニアでは白日ニヴを中心に使われる他、デッキ内のクリーチャーがほぼ全て奇数で占められる緑単信心に対して劇的な効果を発揮するため、ラクドス・ミッドレンジなど黒を含むデッキではサイドボードの定番となっている。死亡誘発を持つ老樹林のトロール/Old-Growth Trollや茨の騎兵/Cavalier of Thornsを後腐れなく除去できるのも強み。
リミテッドでも構築と同様に使い所は難しいが全体除去が弱いことはない。対戦相手が深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depthsか獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを相棒としている場合は良いカモとなる。
- 通常のトークンはマナ・コストを持たないため、マナ総量は0なので偶数を指定することで一掃できる。太陽の恵みの執政官/Archon of Sun's Graceなどトークン生成能力を持つ偶数マナ・コストのクリーチャーは本体もろとも追放できお得。
- テーブルトップでは視覚的に分かり辛いコピー系カードやトークンのマナ総量には注意。スタンダードの範囲でもイルーナの神話/Mythos of Illunaや硬鎧の大群/Scute Swarmなどマナ総量が偶数とは限らないトークンを生成するカードはよく見られる。