マリガン
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プレイヤーがN回目のマリガンを行なうとき、そのプレイヤーは手札のカードをライブラリーの中に加えて切り直し、カードを7枚引き、その中からN枚のカードをライブラリーの一番下に望む順番で置く。 | プレイヤーがN回目のマリガンを行なうとき、そのプレイヤーは手札のカードをライブラリーの中に加えて切り直し、カードを7枚引き、その中からN枚のカードをライブラリーの一番下に望む順番で置く。 |
2019年6月4日 (火) 16:23時点における版
マリガン/Mulliganとは、最初に引いた手札が気に入らない場合、新たに手札を引き直せるルール。
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解説
ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、先攻プレイヤーはマリガンを行うかを決める(まだマリガンは実行しない)。その後、ターン順に各プレイヤーがマリガンを行うかを決める。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。これ以上マリガンしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの初期手札となり、それ以上マリガンすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。
マリガンを行うプレイヤーは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして最後に引いた枚数より1枚少ない枚数の新しい手札を引く。マリガンは手札が1枚以上あれば何回でも実行できるが、1回につき引ける手札は1枚ずつ減少するということである。
すべてのプレイヤーがゲーム開始時の手札を決定したあと、手札の枚数が初期手札枚数よりも少ない各プレイヤーは、自分のライブラリーの一番上のカードを見る。そのプレイヤーは、その後そのカードを自分のライブラリーの一番下に置いてもよい(実質、これは占術1を行うことと同じである)。
- マリガンを複数回行った場合も、見られるカードは1枚だけである。2回マリガンをしたから2回見たりできるということにはならない。
- それ以上マリガンをしないことを「キープする」、マリガンする必要のない手札を「キーパー(Keeper)」と呼ぶこともある。
- 多人数戦での手順も上記と同じだが、各ゲーム最初の1回だけはいわゆる「フリー・マリガン」となり、最初の手札を減らさず7枚のままでマリガンできる。2回目からは通常のマリガンとなり、マリガンするたびに手札が1枚ずつ減っていく。
- この場合、1度だけマリガンして手札が7枚の状態でキープしたときは、「手札の枚数が初期手札枚数よりも少ない」という条件を満たさないため、ライブラリーの一番上のカードを見ることはできない。
- そのほか統率者戦などのカジュアルフォーマットでは特別なマリガン・ルールが採用されている場合がある。詳細は各フォーマットのページを参照のこと。
- マリガンはゲーム開始前の手順である。認定大会においてこの作業中に時間切れとなった場合、エクストラターンは行われずにマッチが終了する。
- 血清の粉末/Serum Powder、代替案/Backup Plan(策略)はマリガン時に機能する能力を持つ。
- 現行のルールが初めて試行された(後述)プロツアー「マジック・オリジン」の開催地にちなんで、「バンクーバー・マリガン」とも呼ばれる。
過去のルール
戦乱のゼンディカーでのルール改正前
この以前のマリガンは、「手札の枚数が初期手札枚数よりも少なくなっている場合に、ライブラリーの一番上のカードを見て、そのカードを自分のライブラリーの一番下に置いてもよい」というルールを除いたものとなっていた。
プロツアー「マジック・オリジン」でフロアルールとして、「マリガンしたプレイヤーはキープ後に占術1を行ってもよい」というルールが試験的に採用された[1]。このルールは、試行の結果好評だったため、戦乱のゼンディカー発売に合わせて総合ルールに追加されることが決まり、戦乱のゼンディカーのプレリリース・トーナメント(2015年9月26日)より正式採用となった。また、戦乱のゼンディカー発売前に行われる世界選手権15でも採用された[2]。
- ちなみに、このマリガン・ルールの発案者はPatrick Chapin[3]。
基本セット2010でのルール改正前
基本セット2010でのルール改正までは、まず先攻がマリガンしないことを決めるまでマリガンを行い、先攻の初期手札が決定した後、ターン順に1人ずつマリガンしないことを決めるまでマリガンを行うというルールであった。
しかし、トーナメント以外でこの正式な手順が守られることは少なく、同時にマリガンが行われることが多かった。このカジュアル事情を踏まえ、基本セット2010発売に伴うルール改正で「同時にマリガンを行う」ように変更された。この変更によって、トーナメントでのシャッフル時間の短縮も期待される[4]。
パリ・マリガン
1997年に、今日まで採用されているマリガンの手順の基礎となる「マリガンは自由に行えるが、マリガンするごとに1枚手札が減る」というルールが正式採用されている。
なお、このルールはプロツアーパリ97で採用されたことから「パリ・マリガン」と呼ばれるが、実際はプロツアーパリ97は2回目の採用で、最初に採用されたのはプロツアーロサンゼルス97である。また、正式採用される前は「オプショナル・マリガン」と呼ばれていた。
- このマリガンルールは、はじめはヘッド・ジャッジの裁量で選択できるマリガン方法として導入された。大会では「今日はオプショナル・マリガンで行きます」「今日は普通のマリガンで」などと大会開始前に告知があった。
初期
最初期のルールには、マリガン・ルールは存在しなかった[5]。
「パリ・マリガン」に変更される前は、手札が「すべて土地」か「すべて土地でない」のときしかマリガンできなかった。ただし現在のルールのように、マリガンする毎に初期手札が減るということはなかった。これらはそれぞれ「オールランド・マリガン」「ノーランド・マリガン」と呼ばれる。
- このルールでは、それを証明するためにその状態を対戦相手に公開する必要があり、また、1回しか実行できなかった。
- あくまで「土地が手札にある/ない」という基準だった。そのため現在よりも土地事故のリスクは大きかった。特にマナを出すことに関係のない土地カードを利用する場合、それだけが手札にあってもマリガンできなかったので、リスクはさらに大きくなっていた。
ロンドン・マリガン
ミシックチャンピオンシップロンドン19で試験的に採用されたマリガン[6]。基本セット2020の発売に合わせて総合ルールに追加されることが決まり、基本セット2020のプレリリース・トーナメント(2019年7月5日、Magic: The Gathering Arenaでは発売日である7月2日)より正式採用となった[7]。プレイヤーがN回目のマリガンを行なうとき、そのプレイヤーは手札のカードをライブラリーの中に加えて切り直し、カードを7枚引き、その中からN枚のカードをライブラリーの一番下に望む順番で置く。
- バンクーバー・マリガンの「占術1」は存在しない。
- 血清の粉末/Serum Powderを使用できるのは、N枚のカードをライブラリーの一番下に置いた後、血清の粉末が手札にある場合に限られる。
- 血清の粉末を使用しないのなら、マリガン後もう一度マリガンを行う場合、N枚のカードをライブラリーの一番下に置く手順は省略してよい。この省略はすべてのルール適用度において認められる。
その他
- 元々はゴルフ用語であり、接待ゴルフなどでよく行われる「最初の一打が不満なら罰則なしで打ち直しできる」というルールのことである。ここからさらに語源を辿ると、人名である。
- かつて多くの初心者がお世話になった田中としひさ氏の入門漫画に登場する、「マリちゃん」と「ガンちゃん」の命名由来でもある。
脚注
- ↑ Changes Starting with Pro Tour Magic Origins/プロツアー『マジック・オリジン』からの変更点(News 2015年6月29日 Helene Bergeot著)
- ↑ New Mulligan Rule Starting with Battle for Zendikar Prereleases/『戦乱のゼンディカー』プレリリースからの新マリガン・ルール(News 2015年8月20日 Aaron Forsythe著)
- ↑ Mulligans/マリガン(Latest Developments 2015年8月7日 Sam Stoddard著)
- ↑ Magic 2010 Rules Changes(2009年6月10日 Aaron Forsythe著)
- ↑ Gimme a Hand/お手を拝借!(2010年8月16日 Mark Rosewater著)
- ↑ Mythic Championship II Format and the London Test/ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019のフォーマットおよび「ロンドン・マリガン」の試験運用についてのお知らせ(Competitive Gaming 2019年2月21日 Blake Rasmussen著)
- ↑ The London Mulligan/ロンドン・マリガン(News 2019年6月3日 Ian Duke著)