次元切開/Planar Incision
提供:MTG Wiki
(6人の利用者による、間の8版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
{{#card:Planar Incision}} | {{#card:Planar Incision}} | ||
− | [[アーティファクト]]か[[クリーチャー]]を一瞬だけ[[追放]]し、[[+1/+1カウンター]] | + | [[アーティファクト]]か[[クリーチャー]]を一瞬だけ[[追放]]し、[[+1/+1カウンター]]を1つ置いて戻す[[明滅]][[呪文]]。かつての[[神河物語]]における[[来世への旅/Otherworldly Journey]]と似た呪文。 |
− | [[ | + | [[対戦相手]]が[[コントロール]]する[[パーマネント]]も[[対象]]に取れる明滅は、実は意外と珍しい。ただし相手パーマネントの[[強化]]呪文や[[オーラ]]を剥がす目的で使うと、最終的に+1/+1されて戻ってくるのでノーリスクとは言い難い。一方で[[トークン]]ならば[[戦場を離れる|戦場を離れた]]時点で消滅し、戻ってこないので確定[[除去]]として機能させることができる。 |
− | [[神河:輝ける世界]]の[[リミテッド]]では[[コモン]]の[[バウンス]]が[[月罠の専門家/Moonsnare Specialist]]と[[月罠の試作品/Moonsnare Prototype]] | + | [[神河:輝ける世界]]の[[リミテッド]]では[[コモン]]の[[バウンス]]が[[月罠の専門家/Moonsnare Specialist]]と[[月罠の試作品/Moonsnare Prototype]]([[アンコモン]]に目を向けても[[巨大な空亀/Colossal Skyturtle]])しかなく、[[インスタント]]かつ[[軽い]]これは貴重。[[英雄譚]]から[[変身]]したクリーチャーを[[第1面]]に戻す使い方であれば+1/+1カウンターを(III章能力で再び追放されるため)持ち越させずに済むなど、できることは多い。 |
他の明滅同様に自身のパーマネントを単体除去から守る目的で使う場合も強化のおまけがついてくるのは嬉しい。単なる1:1交換で終わらない分、[[アドバンテージ]]の確保に繋がる。 | 他の明滅同様に自身のパーマネントを単体除去から守る目的で使う場合も強化のおまけがついてくるのは嬉しい。単なる1:1交換で終わらない分、[[アドバンテージ]]の確保に繋がる。 | ||
− | [[構築]]レベルだと、使い捨てかつ単独でアドバンテージを取れないカードは少々扱いづらいか。[[青]]であれば厄介な呪文は素直に[[打ち消し]]てしまった方が早く、汎用性も高い。 | + | [[構築]]レベルだと、使い捨てかつ単独でアドバンテージを取れないカードは少々扱いづらいか。[[青]]であれば厄介な呪文は素直に[[打ち消す|打ち消し]]てしまった方が早く、汎用性も高い。 |
+ | |||
+ | 一方、「打ち消しではない除去からの回避」として見ると[[溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned]]を採用した[[デッキ]]であれば仕込む価値はある。他には明滅の常として[[ETB]]の再利用、[[アンタップ]]されることを活用して突如[[ブロッカー]]を立てたり、登場時の[[スタンダード]]では[[護法]]を有効化できる[[砂漠滅ぼし、イムリス/Iymrith, Desert Doom]]とも相性は良好。明滅としては[[環境]]に存在する[[フィニッシャー]]と合致しており、ニッチながら需要そのものは存在しているといえる。 | ||
==ストーリー== | ==ストーリー== | ||
16行: | 18行: | ||
[[放浪者/The Wanderer (ストーリー)|皇/The emperor]]の失踪から十年。彼女の捜索に人生を捧げてきた[[漆月魁渡/Kaito Shizuki (ストーリー)|魁渡/Kaito]]は、思いもかけぬ情報を得た。皇の失踪に関わったと思しき「金属の腕の男」と会う[[タメシ/Tameshi]]の姿が目撃されたというのだ。タメシは魁渡の友だった。 | [[放浪者/The Wanderer (ストーリー)|皇/The emperor]]の失踪から十年。彼女の捜索に人生を捧げてきた[[漆月魁渡/Kaito Shizuki (ストーリー)|魁渡/Kaito]]は、思いもかけぬ情報を得た。皇の失踪に関わったと思しき「金属の腕の男」と会う[[タメシ/Tameshi]]の姿が目撃されたというのだ。タメシは魁渡の友だった。 | ||
− | + | 魁渡は数週間をかけて友を調査し、彼が[[都和市/Towashi#下層街/The Undercity|下層街/The Undercity]]で誰かと会うことを突き止め、そこへ向かった。波止場の倉庫で魁渡が目にしたのは、外科手術じみた奇妙な実験の痕跡と、見たこともない金属の怪物――後に知るその名は[[ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias (ストーリー)|ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias]]――だった({{Gatherer|id=549895}})。怪物の手下たちが荷を積み込んだコンテナからは、[[神/Kami]]の声のような悲鳴が上がった。 | |
そして呻き声に振り返ると、そこには金属の鉤爪に切り裂かれて倒れるタメシの姿があった。魁渡は血を流すタメシに駆け寄り、だがもう手遅れだった。タメシはかすかな声で、友を騙し続けてきたことを悔いた。「[[テゼレット/Tezzeret]]」――最後にそう口にし、タメシは息絶えた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-2-lies-promises-and-neon-flames-2022-01-24 Episode 2: Lies, Promises, and Neon Flames]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/NEO/0035742/ メインストーリー第2話:嘘と約束とネオンの輝き](Magic Story [[2022年]]1月24日 [[Akemi Dawn Bowman]]著)</ref>。 | そして呻き声に振り返ると、そこには金属の鉤爪に切り裂かれて倒れるタメシの姿があった。魁渡は血を流すタメシに駆け寄り、だがもう手遅れだった。タメシはかすかな声で、友を騙し続けてきたことを悔いた。「[[テゼレット/Tezzeret]]」――最後にそう口にし、タメシは息絶えた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-2-lies-promises-and-neon-flames-2022-01-24 Episode 2: Lies, Promises, and Neon Flames]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/NEO/0035742/ メインストーリー第2話:嘘と約束とネオンの輝き](Magic Story [[2022年]]1月24日 [[Akemi Dawn Bowman]]著)</ref>。 | ||
26行: | 28行: | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | *[[一時的に追放するカード]] | ||
*[[カード個別評価:神河:輝ける世界]] - [[コモン]] | *[[カード個別評価:神河:輝ける世界]] - [[コモン]] |
2023年2月23日 (木) 13:51時点における最新版
インスタント
アーティファクトやクリーチャーのうち1つを対象とする。それを追放し、その後、それをオーナーのコントロール下で+1/+1カウンター1個が置かれた状態で戦場に戻す。
アーティファクトかクリーチャーを一瞬だけ追放し、+1/+1カウンターを1つ置いて戻す明滅呪文。かつての神河物語における来世への旅/Otherworldly Journeyと似た呪文。
対戦相手がコントロールするパーマネントも対象に取れる明滅は、実は意外と珍しい。ただし相手パーマネントの強化呪文やオーラを剥がす目的で使うと、最終的に+1/+1されて戻ってくるのでノーリスクとは言い難い。一方でトークンならば戦場を離れた時点で消滅し、戻ってこないので確定除去として機能させることができる。
神河:輝ける世界のリミテッドではコモンのバウンスが月罠の専門家/Moonsnare Specialistと月罠の試作品/Moonsnare Prototype(アンコモンに目を向けても巨大な空亀/Colossal Skyturtle)しかなく、インスタントかつ軽いこれは貴重。英雄譚から変身したクリーチャーを第1面に戻す使い方であれば+1/+1カウンターを(III章能力で再び追放されるため)持ち越させずに済むなど、できることは多い。
他の明滅同様に自身のパーマネントを単体除去から守る目的で使う場合も強化のおまけがついてくるのは嬉しい。単なる1:1交換で終わらない分、アドバンテージの確保に繋がる。
構築レベルだと、使い捨てかつ単独でアドバンテージを取れないカードは少々扱いづらいか。青であれば厄介な呪文は素直に打ち消してしまった方が早く、汎用性も高い。
一方、「打ち消しではない除去からの回避」として見ると溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drownedを採用したデッキであれば仕込む価値はある。他には明滅の常としてETBの再利用、アンタップされることを活用して突如ブロッカーを立てたり、登場時のスタンダードでは護法を有効化できる砂漠滅ぼし、イムリス/Iymrith, Desert Doomとも相性は良好。明滅としては環境に存在するフィニッシャーと合致しており、ニッチながら需要そのものは存在しているといえる。
[編集] ストーリー
皇/The emperorの失踪から十年。彼女の捜索に人生を捧げてきた魁渡/Kaitoは、思いもかけぬ情報を得た。皇の失踪に関わったと思しき「金属の腕の男」と会うタメシ/Tameshiの姿が目撃されたというのだ。タメシは魁渡の友だった。
魁渡は数週間をかけて友を調査し、彼が下層街/The Undercityで誰かと会うことを突き止め、そこへ向かった。波止場の倉庫で魁渡が目にしたのは、外科手術じみた奇妙な実験の痕跡と、見たこともない金属の怪物――後に知るその名はジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias――だった(イラスト)。怪物の手下たちが荷を積み込んだコンテナからは、神/Kamiの声のような悲鳴が上がった。
そして呻き声に振り返ると、そこには金属の鉤爪に切り裂かれて倒れるタメシの姿があった。魁渡は血を流すタメシに駆け寄り、だがもう手遅れだった。タメシはかすかな声で、友を騙し続けてきたことを悔いた。「テゼレット/Tezzeret」――最後にそう口にし、タメシは息絶えた[1]。
ジン=ギタクシアスは昔からプレインズウォークの秘密の解明を切望していた。世界から世界へ移動できる神々は恰好の実験体であった。
[編集] 脚注
- ↑ Episode 2: Lies, Promises, and Neon Flames/メインストーリー第2話:嘘と約束とネオンの輝き(Magic Story 2022年1月24日 Akemi Dawn Bowman著)