ダブリエル・ケイン/Davriel Cane

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出身[[次元/Plane]]不明の[[人間/Human]]の[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]。髪を滑らかなオールバックにまとめ、鉛筆のように細い口髭を蓄えた男性({{Gatherer|id=534594}})。悪魔信者/DiabolistにしてDemonologist(悪魔学者)でもあり、[[デーモン/Demon]]や[[デビル|デビル/Devil]]と契約し使役するほか、影魔道士として他人の精神から魔法や能力を盗むことを得意とする。ただし奪った力は数回しか使用できない。進んで他人を虐げはしないが、敵対する者には容赦しない。
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出身[[次元/Plane]]不明の[[人間/Human]]の[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]。髪を滑らかなオールバックにまとめ、鉛筆のように細い口髭を蓄えた男性({{Gatherer|id=534594}})。悪魔信者/DiabolistにしてDemonologist(悪魔学者)でもあり、[[デーモン/Demon]]や[[デビル|デビル/Devil]]と契約し(この契約は悪魔でさえ良心的に見えるぐらい悪賢い文面となっている)使役するほか、影魔道士として他人の精神から魔法や能力を盗むことを得意とする。ただし奪った力は数回しか使用できない。進んで他人を虐げはしないが、敵対する者には容赦しない。
  
少なくとも[[灯争大戦]]前夜には[[イニストラード/Innistrad]]の[[ケッシグ/Kessig]]州のアプローチズ(The Approaches)に荘園領主として居を構えていた。「グレイストーン卿」という偽名を名乗ることもある。私生活においてはワインや紅茶を好む瀟洒な性格で、とくに身繕いや身の回りの調度品には趣を凝らす。人前に出る際は本来の姿を覆い隠すため、悪魔を模した仮面に黒い外套を羽織る。仮面はChildren of the Namelessでは曲線で構成された金色の「巨大な眼窩に皮膚を取り除いた顎を連想させる恐ろしい口を備えた、悪魔のような貌」をしたものを着用しているが、灯争大戦ではそれとは色もデザインも異なる漆黒の仮面を被っている({{Gatherer|id=462330}})。また、さながら幽霊のほつれた精神の如く裾が綻びた外套にも魔除けの能力と、かすかな影の染みを身動きのたびに漂わせて着用者の正確な居場所を不明瞭にする能力、そして影魔道士が闇に隠れることを補助する能力が与えられている。また、手に持つステッキにも剣が仕込まれている。
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少なくとも[[灯争大戦]]前夜には[[イニストラード/Innistrad]]の[[ケッシグ/Kessig]]州のアプローチズ(The Approaches)に荘園領主として居を構えていた。場合によっては「グレイストーン卿」という偽名を名乗ることもある。私生活においてはワインや紅茶を好む瀟洒な性格をしており、とくに身繕いや身の回りの調度品には趣を凝らす。人前に出る際は本来の姿を覆い隠すため、悪魔を模した仮面に黒い外套を羽織る。仮面はChildren of the Namelessでは曲線で構成された金色の「巨大な眼窩に皮膚を取り除いた顎を連想させる恐ろしい口を備えた、悪魔のような貌」をしたものを着用しているが、灯争大戦ではそれとは色もデザインも異なる漆黒の仮面を被っている({{Gatherer|id=462330}})。また、さながら幽霊のほつれた精神の如く裾が綻びた外套にも魔除けの能力と、かすかな影の染みを身動きのたびに漂わせて着用者の正確な居場所を不明瞭にする能力、そして影魔道士が闇に隠れることを補助する能力が与えられている。さらに、手に持つステッキにも剣が仕込まれている。
  
 
ダブリエルの精神の中心には既に滅んだ次元の世界魂のかけら「エンティティ」が潜んでおり、なんらかの攻撃を受けた際には彼を回復させる役割を担っている。加えて、それを支配しきれないような緊急事態に陥った際には超絶的な能力をダブリエルに与える。ダブリエルがプレインズウォーカーとして覚醒したのもエンティティを得た結果である。エンティティには魔術をストレージする能力もあり、これによって人間であった頃は数分~数時間程度しか覚えておられず、また使い切りであった呪文の窃盗能力も一週間以上の保持と複数回の仕様を可能にする程度にまでブーストされている。
 
ダブリエルの精神の中心には既に滅んだ次元の世界魂のかけら「エンティティ」が潜んでおり、なんらかの攻撃を受けた際には彼を回復させる役割を担っている。加えて、それを支配しきれないような緊急事態に陥った際には超絶的な能力をダブリエルに与える。ダブリエルがプレインズウォーカーとして覚醒したのもエンティティを得た結果である。エンティティには魔術をストレージする能力もあり、これによって人間であった頃は数分~数時間程度しか覚えておられず、また使い切りであった呪文の窃盗能力も一週間以上の保持と複数回の仕様を可能にする程度にまでブーストされている。
  
本来ならば美味そうなエサで人間をたぶらかし、しかるのち契約の穴を突いて魂を奪うのが常道の悪魔を逆に食い物にして暮らすとんでもない人物である一方で存外に人が良く、上記のように常々から厄介事を避けようと立ち回ってはいるものの、それが裏目に出て、結局自分から誰かの手助けを行っていることも少なくはない。事実、[[Children of the Nameless]]では半ば脅される形でTacendaの依頼を受けて事件の解決に努め、灯争大戦ではニッサが永遠衆に掴まれる寸前、ダメージを受けることを承知の上で永遠衆から[[古呪/The Elderspell]]の力を盗み取り、彼女の危機を救った。また、ステンドグラス・デザイン版[[はぐれ影魔道士、ダブリエル/Davriel, Rogue Shadowmage]]の[[フレーバーテキスト]]では敵であるはずのリリアナのこれまでの失敗に対し、いかにも学者らしい言葉遣いでおせっかい気味の愚痴をこぼしている。
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本来ならば美味そうなエサで人間をたぶらかし、しかるのち契約の穴を突いて魂を奪うのが常道の悪魔を逆に食い物にして暮らすとんでもない人物である一方で存外に人が良く、後述するように常々から厄介事を避けようと立ち回ってはいるものの、それが裏目に出て、結局自分から誰かの手助けを行っていることも少なくはない。事実、[[Children of the Nameless]]では半ば脅される形でTacendaの依頼を受けて事件の解決に努め、灯争大戦ではニッサが永遠衆に掴まれる寸前、ダメージを受けることを承知で躊躇いなく永遠衆から[[古呪/The Elderspell]]の力を盗み取り、絶体絶命の危機から彼女を救った。また、ステンドグラス・デザイン版[[はぐれ影魔道士、ダブリエル/Davriel, Rogue Shadowmage]]の[[フレーバーテキスト]]では敵であるはずのリリアナのこれまでの失敗に対し、いかにも学者らしい言葉遣いでおせっかい気味の愚痴をこぼしている。
  
''このリリアナなる人物、交渉術はひどく苦手らしい。悪魔との契約において、但し書きも読まずに署名するやつがどこにいる?そこが肝要だというのに''<br>
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''「このリリアナなる人物、交渉術はひどく苦手らしい。悪魔との契約において、但し書きも読まずに署名するやつがどこにいる?そこが肝要だというのに」''<br>
 
─ダヴリエル・ケイン
 
─ダヴリエル・ケイン
  

2022年4月18日 (月) 13:55時点における版

ダブリエル・ケイン/Davriel Caneは小説『Children of the Nameless』で登場したキャラクター。カードとしては灯争大戦はぐれ影魔道士、ダブリエル/Davriel, Rogue Shadowmageが初出。

目次

解説

出身次元/Plane不明の人間/Humanプレインズウォーカー/Planeswalker。髪を滑らかなオールバックにまとめ、鉛筆のように細い口髭を蓄えた男性(イラスト)。悪魔信者/DiabolistにしてDemonologist(悪魔学者)でもあり、デーモン/Demonデビル/Devilと契約し(この契約は悪魔でさえ良心的に見えるぐらい悪賢い文面となっている)使役するほか、影魔道士として他人の精神から魔法や能力を盗むことを得意とする。ただし奪った力は数回しか使用できない。進んで他人を虐げはしないが、敵対する者には容赦しない。

少なくとも灯争大戦前夜にはイニストラード/Innistradケッシグ/Kessig州のアプローチズ(The Approaches)に荘園領主として居を構えていた。場合によっては「グレイストーン卿」という偽名を名乗ることもある。私生活においてはワインや紅茶を好む瀟洒な性格をしており、とくに身繕いや身の回りの調度品には趣を凝らす。人前に出る際は本来の姿を覆い隠すため、悪魔を模した仮面に黒い外套を羽織る。仮面はChildren of the Namelessでは曲線で構成された金色の「巨大な眼窩に皮膚を取り除いた顎を連想させる恐ろしい口を備えた、悪魔のような貌」をしたものを着用しているが、灯争大戦ではそれとは色もデザインも異なる漆黒の仮面を被っている(イラスト)。また、さながら幽霊のほつれた精神の如く裾が綻びた外套にも魔除けの能力と、かすかな影の染みを身動きのたびに漂わせて着用者の正確な居場所を不明瞭にする能力、そして影魔道士が闇に隠れることを補助する能力が与えられている。さらに、手に持つステッキにも剣が仕込まれている。

ダブリエルの精神の中心には既に滅んだ次元の世界魂のかけら「エンティティ」が潜んでおり、なんらかの攻撃を受けた際には彼を回復させる役割を担っている。加えて、それを支配しきれないような緊急事態に陥った際には超絶的な能力をダブリエルに与える。ダブリエルがプレインズウォーカーとして覚醒したのもエンティティを得た結果である。エンティティには魔術をストレージする能力もあり、これによって人間であった頃は数分~数時間程度しか覚えておられず、また使い切りであった呪文の窃盗能力も一週間以上の保持と複数回の仕様を可能にする程度にまでブーストされている。

本来ならば美味そうなエサで人間をたぶらかし、しかるのち契約の穴を突いて魂を奪うのが常道の悪魔を逆に食い物にして暮らすとんでもない人物である一方で存外に人が良く、後述するように常々から厄介事を避けようと立ち回ってはいるものの、それが裏目に出て、結局自分から誰かの手助けを行っていることも少なくはない。事実、Children of the Namelessでは半ば脅される形でTacendaの依頼を受けて事件の解決に努め、灯争大戦ではニッサが永遠衆に掴まれる寸前、ダメージを受けることを承知で躊躇いなく永遠衆から古呪/The Elderspellの力を盗み取り、絶体絶命の危機から彼女を救った。また、ステンドグラス・デザイン版はぐれ影魔道士、ダブリエル/Davriel, Rogue Shadowmageフレーバーテキストでは敵であるはずのリリアナのこれまでの失敗に対し、いかにも学者らしい言葉遣いでおせっかい気味の愚痴をこぼしている。

「このリリアナなる人物、交渉術はひどく苦手らしい。悪魔との契約において、但し書きも読まずに署名するやつがどこにいる?そこが肝要だというのに」
─ダヴリエル・ケイン

オリジン・ストーリー

覚醒前のダブリエルは、いまだ名前の知られていない次元のとある組合で働いている若い会計士であった。当時の魔術の力も、あくまで一時的に呪文を盗む程度がせいぜいだった。だが、仔細あって死にかけた人物の精神からエンティティを得たとき、ダブリエルはそれがどれだけとてつもない存在であるのか即座に気がつき、一度だけエンティティの力を試してみている。これによって彼は「灯」が点く以前からプレインズウォーカーの能力に知らず適応することとなった。

エンティティは明確な個我を備えており、ニコル・ボーラス多元宇宙/Multiverseのあちこちで強大な魔力を放出していることにより次元間の境界までもが揺らいでいることに気づいていた。これを利用し、完全な姿を取り戻すためのエージェントとしてエンティティはダブリエルに力を与えた。結果、獲得から3年後にダブリエルがプレインズウォーカーとして覚醒した際、(初めてのプレインズウォークとしては極めて珍しいことだが)故意にイニストラードを目的地として次元移動させている。なぜなら、エンティティは己の別のかけらである「沼地のエンティティ」がその次元に潜んでいることに気づいていたからである。

覚醒後、ダブリエルは何年かかけて多元宇宙を探検し、自分のいるこの世界がどれほど巨大であるかを学んだ。また、この間に悪魔学者としての技術と知識も多数得ている。

だがある時、ダブリエルはとある次元の戦場で暴走したエンティティの力により両軍を皆殺しにしてしまう。戦場跡で、ダブリエルはふと、奇妙な集団が彼を襲撃しにかかっている事を感じ取った。相手がなんであるかこそわからなかったものの、かつてエンティティを宿していた死にかけた人物の仲間であることだけは確かだった。彼らが何者であれ、目的がダブリエルの殺害であることには疑いの余地がなく、ダブリエルは速やかに逃亡した。

穏やかで満たされた生活をダブリエルは常々願っているものの、謎の敵対者たちはエンティティを得て以来、密かに彼を追い続けていた。ダブリエルは呪文を奪い取り効率よく使用することで襲撃者たちを出し抜き続け、さらに悪魔よりもひどい悪辣な契約を交わしてデーモンやデビルを下僕とし、身の安全と快適な人生を維持し続けている。僕にされていた純朴な悪魔が契約のひどさにようやく気づいて逃げ出すか、追跡者達が彼の居場所に気がつくと、ダブリエルはがっかりしながら荷造りし、新たなカモとなる悪魔がいる安全な次元へと旅立つ。

一方、後にChildren of the Namelessにおいて、彼に寄生するオリジナル・エンティティにとっては大きな目的であった沼地のエンティティの発見に至ってはいるものの、回収と融合とをダブリエルは拒絶。エンティティは宿主を役立たずだと罵倒、由あれば彼を見捨てて別の下僕を見つけるであろうと脅迫した。さらにそうなった場合、敵対者を排除するに足る力を喪ったのち、愛する者を守れなかったダブリエルが彼自身を呪う羽目になるであろうと予言した。

なお、ダブリエルがもともと「灯」を持っていたかについては言明されていない。それさえエンティティが一方的に与えた可能性がある。

ダブリエルの従者達

ダブリエルは無数の悪魔と契約を結んでいる。契約に伴い、悪魔たちはダブリエルの魂を収穫できるまで彼に仕えることになっているが、契約書にはどうやっても悪魔たちには履行不能な条項が巧妙に隠されており、結果悪魔の側から契約を破棄して逃げ出すまで、彼のいいようにコキ使われるだけとなってしまう。

一方で、もう少し良心的な契約を交わして彼に仕えている優秀な悪魔も存在する。

  • Voluptara(別名Miss Highwater):灰色の肌と濃い赤の目を持つ女性の悪魔。団子に結った黒髪からは小さな角が覗いている。Nexrixにおいては、最も危険で賢いデーモンの一人として知られている。だがChildren of the Namelessの時点ではダブリエルの会計士としてグレーの女性向けスーツを与えられ働かされている。
  • Crunchgnar:体高7フィートにも及ぶマッシブで翼を持たないハートマート種デーモン。たてがみのような角を身体的特徴とする。高い治癒能力を備える熟練の戦闘要員で、皮の鎧と双剣を装備している。
  • Brerig:「無毛の犬」のような容貌をした、ひょろ長い奇妙な外見の悪魔。背中からは古木のような黒い翼が突き出ている。
  • GutmornとYledris:軽装備のナイトリーチ種デーモンで、骨と皮だけの体に長い山羊のような脚と巨大な翼を備える。同じ日に発生したことから、兄妹であると主張している。

経歴

Children of the Nameless

ダブリエルはイニストラード/Innistradにてガヴォニー/Gavonyのある一帯の領主の吸血鬼/Vampireを排し成り代わり、イニストラードの悪魔の研究をしていた。ある夜、領主の館に人間の少女が忍び込みダブリエルを殺そうとする。少女、Tacendaは自分の村の住民はダブリエルの操る霊/Geistに皆殺しにされ、その復讐に来たと主張するが、ダブリエルは自らの仕業で無い事を説明しTacendaを追い出そうとする。しかしその会話の中で魂を抜かれた村民はまだ助けられる方法があると知ったTacendaは、領主ならば住民を助ける義務があるとダブリエルを説得し、最終的には協力してくれなければ自分は霊になってでも村民を皆殺しにした領主がいると聖戦士/Cathar達に言いふらすとダブリエルを脅迫する。こうして、ダブリエルはその土地の古い信仰である"The Bog"に関わる事件に巻き込まれることになる。

灯争大戦

次元間の標/Interplanar Beaconによってラヴニカ/Ravnicaに呼び出されたプレインズウォーカーの一人。Magic Story版の背景小説ではデーモンのプレインズウォーカーであるオブ・ニクシリス/Ob Nixilisに興味を示していた。

登場

登場カード

カード名に登場

灯争大戦
ダブリエルの影忘/Davriel's Shadowfugue
Jumpstart: Historic Horizons
ダブリエルの萎縮/Davriel's Withering

イラストに登場

灯争大戦
ダブリエルの影忘/Davriel's Shadowfugue
Jumpstart: Historic Horizons
ダブリエルの萎縮/Davriel's Withering

登場作品・登場記事

ラヴニカのギルド灯争大戦

その他

ストリクスヘイヴン:魔法学院イニストラード:真紅の契りに登場する案があったが、ストーリーの関係からどちらも他の黒いプレインズウォーカー(リリアナ/Lilianaケイヤ/Kaya)に置き換えられることとなった[1][2][3]

脚注

  1. School's in Session/学院、開講中(Making Magic 2021年4月12日)
  2. Odds & Ends: Strixhaven, Part 1/こぼれ話:『ストリクスヘイヴン』 その1(Making Magic 2021年5月3日)
  3. The Here and Vow, Part 2/今ここにある『契り』 その2(Making Magic 2021年11月22日)

参考

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