イゼット団/The Izzet
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イゼット団/The Izzetはラヴニカ/Ravnicaにおける10のギルド/Guildの1つ。「The Izzet League」とも表記される。色は青赤で、知識の過激な追求をするギルド。
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解説
イゼット団本来の役割はラヴニカの下水道、給湯、街道などインフラ施設の管理だが、彼らの本質は実験者の集団であり、その実験からはマナの噴出や空間の裂け目、あるいは神秘の扉などがしばしば生み出される。彼らはラヴニカの発明と魔法の達人であり、魔法の成り立ちを理解している唯一のギルドでもある。他のギルドと異なりイゼット団は、軍事力や権力、あるいは富の重要性に一切関心がない。知識の過激な追求はギルドの唯一の関心事である。イゼット団ではおもに錬金術の研究が行われ、常人には理解しがたい狂気ともとれるような研究もされている。
統率者は人間を遥かに凌駕する知能をもつドラゴン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet。彼はあまりにも頭が良いため、1万年以上前から暇つぶしに様々な実験を行ってきた。ギルドの実験もその1つでしかないのである。ゆえにこのギルドは「人間よりもはるかに優れた知性を持つドラゴンの“暇つぶし”に1万年もの間つきあってきたマッド・サイエンティストの集団」と捉えると本質を理解しやすいかもしれない。
本拠地は火想者の高巣ニヴィックス。この名前ももちろんニヴ=ミゼットからきており、その内装もまた、彼のナルシストにも似た自己顕示欲の強い性格を反映してか、すべて鏡張りの構造となっている。
ラヴニカ・ブロックのストーリーにおいて、ニヴ=ミゼットはネフィリムとの戦いで傷つき、その傷を癒やすために彼しか知らないラヴニカの隠れ家へと身を潜めた。ラヴニカの多くの人々はミゼットの消失はイゼット団の終焉と捉えたが、巨大なイゼットの施設の出現や奇妙な倉庫からのマナコイルの唸りが夜を満たすにつれ認識を変え始めた。旧きドラゴンは自身のギルドをコントロールするのに姿を現す必要はない。彼が不在の間、火想者の力でギルド魔道士達にイゼット団が取り組む新たな奇妙な実験の複雑な指示を送り出していたのだ。
現在ミゼットはニヴィックスへ帰還し、その行動は他のギルドやジェイスの関心を集めている。
ギルド用語
ミジウム/Mizzium
ニヴ=ミゼットが発明した軽く強く可鍛性、耐燃性に優れた合金。イゼット団の研究に多用されている他、他のギルドを含めたラヴニカ全体にとって有用な資材となっている。
薬術師/Chemister
上記ミジウムを始めとした様々な物質を研究し、さらなる新たな合金やエネルギーを作り出すことを生業とした錬金術師。彼らの業績もまたラヴニカ全体への利益に繋がってはいるものの、一方で好奇心ばかりを優先し他を省みない彼らの実験は、しばしば近隣住民や実験に付き合う同僚に「不自然な災害」となって襲い掛かる。
彼らの研究はそれぞれの興味の赴くままに進められており、よく言えば多種多様、悪く言えば雑多である。おそらく研究のすべてを把握しているのは、火想者の力を持つギルドマスター、ニヴ=ミゼットひとりであろう。
- chemistry(化学)を元にした造語。初期の公式記事ではそれを踏まえて化術士と訳されている。
奇魔/Weird
奇魔は、2つの相反する種類のエレメンタル(例えば火と氷、煙と雷、蒸気と石)を合体させたクリーチャー。イゼット団はこの実験でより安定して制御が容易なエレメンタルを創造できないかと期待したが、予想に反して(そして当然の結果として)奇魔は元となったエレメンタルより気まぐれで荒々しいものとして誕生した。彼らはイゼット団の警備や戦闘用クリーチャーとして用いられている。
アゾリウス評議会/The Azorius Senateはこの危険なクリーチャーの創造を禁止したがっているが、何をもって奇魔とするかという議論に決着が着かないでいる。(膨れコイルの奇魔/Blistercoil Weirdのフレイバー・テキスト参照)
ゲームでの特徴
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
((青/赤)は(青)でも(赤)でも支払うことができる。)
(2)(青):マナ総量が2以下の、あなたがコントロールするインスタント呪文1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。
(2)(赤):マナ総量が2以下の、あなたがコントロールするソーサリー呪文1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。
クリーチャー — サイクロプス(Cyclops)
防衛
あなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を1つ唱えるたび、ニヴィックスのサイクロプスはターン終了時まで+3/+0の修整を受けるとともに、このターン、防衛を持たないかのように攻撃できる。
ギルドにおける研究や知識をインスタントやソーサリーで表しており、それらの扱いに非常に優れたギルド。パーマネントでもインスタントやソーサリーに反応するカードが多い。また、珍しい能力を持った呪文やクリーチャーが多く、ジョニーには垂涎のギルドと言えるだろう。
固有のキーワード能力としてラヴニカ・ブロックでは複製を、ラヴニカへの回帰ブロックでは超過を有する。いずれもインスタントやソーサリーが持つ能力である。
その他
イゼットには、軟体電極獣/Gelectrode(ジェレクトロード)、凍結燃焼の奇魔/Frostburn Weird(フロストバーンのきま)などの日本語版カードのルビが英語読みという一風変わった、「まさにイゼット」といえるカードが存在している。そうした変わった読みのカードはほとんどが奇魔だが、竜英傑、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Dracogenius(ドラコジーニアス、ニヴ=ミゼット)も存在し、かと思えば蒸気核の奇魔/Steamcore Weird(じょうきかくのきま)だったり、統一感がない。このあたりもイゼットらしさを表しているように見える。
関連カード・関連デッキ
ラヴニカ・ブロック
- 火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind
- ティボーとルミア/Tibor and Lumia
- 火想者の高巣、ニヴィックス/Nivix, Aerie of the Firemind
- イゼット機学/Izzet Gizmometry (テーマデッキ)
- ウィー=ゼロックス
- イゼットロン
- イゼットコントロール
ラヴニカへの回帰ブロック
- 竜英傑、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Dracogenius
- イゼットの模範、メーレク/Melek, Izzet Paragon
- イゼットvsゴルガリ
- 精神嵐/Mindstorms (デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013)
- Izzet Ingenuity (エントリーセット)
関連リンク
- The Izzet (WotC、ラヴニカ:ギルドの都特設サイト)
- イゼット団 (WotC、ラヴニカへの回帰特設サイト)
- Ravnica, Then and Now/ラヴニカ、その過去と現在 (Feature Article、2012年8月29日、文:Adam Lee)
- Planeswalker's Guide to Return to Ravnica: Part 2/プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内 その2 (Feature Article、2012年9月5日、文:The Magic Creative Team、翻訳:若月繭子)
Izzet Week
WotCの公式ウェブマガジン『Daily MTG』では、2012年11月12日から16日に掛けて「Izzet Week(イゼット特集)」として、各連載記事でイゼット団に関する特集が組まれた。以下は各コーナーの特集記事。
- Designing for Izzet/イゼットのデザイン (Making Magic、2012年11月12日、文:Mark Rosewater)
- Working in the Lab (Magic Arcana、2012年11月12日、文:Monty Ashley)
- Look Ma, No Creatures!/ねえ、クリーチャーがないよ! (ReConstructed、2012年11月13日、文:Gavin Verhey)
- An Epic Experiment (Serious Fun、2012年11月13日、Adam Styborski著)
- The Seven Bells, Part 2/七つの鐘 その2 (Uncharted Realms、2012年11月14日、文:Jenna Helland著)
- The Izzet Fan Site Kit(Magic Arcana、2012年11月14日、文:Monty Ashley)
- Spell Check/呪文の検査 (Latest Developments、2012年11月16日、文:Dave Humpherys)