カーン/Karn
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カーン/Karnは、銀のゴーレムのプレインズウォーカー/Planeswalker。AR33世紀末誕生、4205AR覚醒。
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ストーリー
誕生と命名
トレイリア/Tolaria学院時代、銀が時間を逆行しても崩壊しない数少ない物質であることを発見したウルザは、すぐに銀製のゴーレムをデザインした。ウルザは旧友・ザンチャ/Xantchaが遺した人格マトリクスを組み込み、自立した思考と学習機能、感情さえも備えた銀製のゴーレムを完成させた。それと同時に、このゴーレムは自身の誕生の瞬間をすぐ傍で見ていた――ゴーレムが完成した1時間後に最初の時間逆行実験が行われ、彼は自分が完成する瞬間まで戻ったのだ。
200名ほどのアカデミーの生徒たちの中で、特に優秀な2名がゴーレムの友人となった。テフェリー/Teferiとジョイラ/Jhoiraである。彼女は古代スラン語で『力(もしくは力強い)』という意味の『カーン/Karn』という言葉でゴーレムを呼びかけた。自立思考と感情を持ったゴーレムは、即座にそれを自分の名前として受け入れた。こうして、銀のゴーレム・カーンが誕生した。
カーンを使った時間遡行実験は慎重に進められていたが、ある日トレイリア島はファイレクシア/Phyrexiaの潜伏工作員/Sleeper Agent・ケリック/Kerrickの手引きによる襲撃に合い、血の海と化してしまう。これを「未然に」防ぐため、カーンはかつてない48時間の時間遡行に挑戦して襲撃を防ぐことに成功する。しかし、計画を上回る遡行時間により過負荷を起こした時間遡行装置は大爆発を起こし、時間の歪みと共にアカデミーを吹き飛ばしてしまう。トレイリアには大きな時間の裂け目/Time Riftが残され、カーンも故郷を去らざるを得なかった。
ウェザーライト・サーガ
その後キャパシェン家にわたり、ジェラード/Gerrardの保護者に。ファイレクシア人の攻撃を受けてキャパシェン家は皆殺しにされるが、カーンはジェラードを1人連れてジャムーラのシダー・コンドのもとに逃げ込む。
成人の儀式に失敗したコンドの実子ヴュエル(後のヴォルラス/Volrath)が、ある晩レガシーを盗み出したときに気が付いたのはカーン1人だけだった。砂漠をいくつも越えた村でヴュエルに追いつくが、無関係の村人を巻き込んで死なせてしまう。その隙にヴュエルは試練の石/Touchstoneを使いカーンを休眠状態にさせることに成功する(事情を知らないジェラードはカーンに見捨てられたと思い、魔術の修行をするためムルタニ/Multaniのもとへと向かう)。怪物退治の記念碑として小さな村の広場に飾られていたカーンは、レガシーを探していたシッセイによってそのままウェザーライト/Weatherlight号の船倉に保管され、ジェラードとの再会を待ち続けていた。
シッセイ/Sisay艦長が誘拐された際に、艦長代理として船に戻ってきたジェラードはカーンを船倉で見つけ、休眠状態から覚醒させることに成功する。自身も、ウェザーライト号も“レガシー”を構成する一部であるため、カーンはウェザーライト号のメンテナンスを担当するようになる。ファイレクシアとの激戦の中、死の淵にあるウルザの生首をプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkごと取り込んだことでプレインズウォーカーとして覚醒。ジェラードと共にレガシーの兵器/Legacy Weaponとしてヨーグモス/Yawgmothを討ち果たし、長きにわたるドミナリア-ファイレクシア戦争を終結させた。
戦争終結後は、オアリム/Orimを連れてメルカディア/Mercadiaへ向かった。
オデッセイ・ブロック~オンスロート・ブロック
自身で作り上げた人工次元アージェンタム/Argentumで半休眠状態のままドミニア/Dominiaを監視していた(オタリア/Otaria大陸に送り込んだミラーリ/Mirariは監視のための情報収集装置を兼ねていた)が、カローナ/Karonaがアージェンタムを訪れた際には、正体を偽り会見を行う。カローナの存在がドミニアに与える影響を考慮し、マクト卿と名乗ってカマール/Kamahlに助言を行う。
カローナがカマールによって倒された後は、ミラーリから作り出したメムナーク/Memnarchにアージェンタムの管理を任せ、同じプレインズウォーカーとして覚醒したばかりのジェスカ/Jeskaとともに多元宇宙の旅に出てしまった。
ミラディン・ブロック
ストーリーの黒幕・メムナークの敬愛する主人として中盤から回想に登場するが、本人が登場するのはストーリー終盤である。
メムナークとグリッサ/Glissaがミラディンの核/Mirrodin's Coreに落ちていったあと、プレインズウォーカーの灯を得たスロバッド/Slobad(とゲス/Gethの生首)にミラディン/Mirrodinの起源、次元規模の巨大アーティファクト「魂の檻」の仕掛けについて教え、選択を迫る。彼の答えは多元宇宙の可能性よりも親友との時間であった。
次元の混乱
クロウヴァクス/Crovaxに代わってミリー/Mirriがセレニア/Seleniaを殺し呪われることになった平行世界に登場。
Planar Chaos
時のらせんブロックのストーリーの本筋である小説Planar Chaosでは、カーンはトレイリア/Tolariaの裂け目を修復する役目を負う。この裂け目は度重なる時間事故などによって現在では修復不能な状態にあったことから、カーンは過去に時間を遡り、バリン/Barrinが抹消/Obliterateの呪文を使う場面で、プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkを用いて裂け目を塞ぐ。
しかし、裂け目修復の直後、カーンは自身の内側に急速に広がり始めた邪悪な異変に気付く。このままでは最悪の結果を免れないと悟ったカーンはヴェンセール/Venserに決して、誰も私を追って来てはならないと固く戒めると久遠の闇/Blind Eternitiesへと姿を消した(→小説Planar Chaos、公式記事You Are a Planeswalker、From the Vault:Relics同梱の解説を参照)。
- You Are a Planeswalkerの公式翻訳として公開されているあなたはプレインズウォーカーだでは「裂け目の修復をなした直後、カーンは何か恐ろしいものを見、次元と次元の間にある虚無、久遠の闇へと飛び込んでしまった。」と誤訳しており、日本のユーザー間でしばしば「カーンが見たものは何か?」という不毛な議論が交わされる原因となっている。
ミラディンの傷跡
アージェンタムの鎧/Argentum Armorのフレイバー・テキストでカーンの生存が示唆された。
ミラディン包囲戦
カーンの体はファイレクシアの油/Phyrexian oilに侵され、心もまた狂気に半ばまで蝕まれていた。彼は新たな機械の始祖/Father of Machinesとしてファイレクシア人たちに祭り上げられている。ミラディン/Mirrodinの核の玉座に座る彼は何を想うのか。
新たなるファイレクシア
ヴェンセール/Venser、エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel、コス/Kothの一行はついにファイレクシアの深部にてカーンを発見する。しかし、ファイレクシアの油/Phyrexian oilに侵食されこのままではファイレクシアの新たなる機械の父として完成してしまうことを工匠であるヴェンセールは悟る。ミラディンを覆うファイレクシアの汚染源は古のファイレクシア製のハートストーン、すなわちザンチャの人格マトリクス=カーンの心臓そのものであったのだ。ヴェンセールは、余命幾ばくもない自らの命と灯を捧げてカーンをプレインズウォーカーとして甦らせる。弟子の尊い犠牲を胸に、アージェンタムの創造主が清純なるミラディンを取り戻すために、ファイレクシアを倒す宿命を帯びた英雄が長き時を経て再び立ち上がった。
失われし告白/The Lost Confession
再びプレインズウォーカーとして覚醒してから程なくして、ミラディンを去っている。既に現段階ではミラディンは救えないと判断したと思われるが、仲間たちには無断で行っており、その行方は一切知られていない。また彼自身もエルズペスがテーロス/Therosへと次元渡りしたことも、コスたちの去就も知る由もなかった。
プレインズウォーカー達の現状/Checking in on the Planeswalkers
カーンは現在多次元を彷徨い、新ファイレクシアに関する痕跡を探している。 彼らの忌まわしき力に対抗するための調査を行い、更なる汚染を防ぐために。 カーンにはウルザやザンチャから与えられた知識、弟子であるヴェンセールによる再生、そして自らが新たなファイレクシアを生んだという罪悪感全てが胸中に残っている。 カーンの宿命は、彼自身の死もしくは新ファレイクシアの壊滅まで決して終わることはないだろう。
登場カード
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- ウェザーライト
- 苦悶の記憶/Agonizing Memories、激昂/Fit of Rage、ギザギザ・バイスケリオン/Serrated Biskelion、鋼のゴーレム/Steel Golem、からみつく絶望/Tendrils of Despair、試練の石/Touchstone、黄金像/Xanthic Statue
- テンペスト
- 平和な心/Pacifism、余震/Aftershock、ボトルのノーム/Bottle Gnomes、溶暗/Fade Away、投火師/Fireslinger、謙虚/Humility
- ストロングホールド
- ふるい分け/Sift、流動石の刀身/Flowstone Blade、給食スリヴァー/Victual Sliver、哀れみの壁/Wall of Tears
- エクソダス
- 貴重な収集品/Treasure Trove、公証人/Scrivener、呪文書/Spellbook
- ウルザズ・サーガ
- 刻印/Brand
- ウルザズ・レガシー
- 役畜/Beast of Burden、介入/Intervene
- ウルザズ・デスティニー
- スランのゴーレム/Thran Golem
- 第6版
- 激昂/Fit of Rage
- メルカディアン・マスクス
- パワー・マトリックス/Power Matrix
- 第9版
- 呪文書/Spellbook
- 第10版
- 呪文書/Spellbook
- 基本セット2010
- 呪文書/Spellbook
- ミラディン包囲戦
- 堕落した良心/Corrupted Conscience、法務官の相談/Praetor's Counsel
- 新たなるファイレクシア
- 銀白の突然変異/Argent Mutation
- ウルザズ・レガシー プレリリース・カード
- 役畜/Beast of Burden
- フライデー・ナイト・マジック・プロモーション・カード
- ボトルのノーム/Bottle Gnomes
- ジェイスvsチャンドラ
- 投火師/Fireslinger
- エルズペスvsテゼレット
- ギザギザ・バイスケリオン/Serrated Biskelion
- コンスピラシー
- 流動石の刀身/Flowstone Blade
イラストに登場
- テンペスト
- インプのあざけり/Imps' Taunt、不死身/Invulnerability、プロパガンダ/Propaganda、拷問室/Torture Chamber、平和な心/Pacifism
- ストロングホールド
- 心変わり/Change of Heart、ふるい分け/Sift
- エクソダス
- スカイシェイパー/Skyshaper、貴重な収集品/Treasure Trove
ウルザズ・サーガ
- 秘儀の研究室/Arcane Laboratory
- ウルザズ・レガシー
- 誤算/Miscalculation、役畜/Beast of Burden
- メルカディアン・マスクス
- 殴り合い/Brawl、魔力流出/Energy Flux
- アポカリプス
- 疲れ切った反応/Jaded Response
- 第10版
- レガシーの兵器/Legacy Weapon
- ミラディン包囲戦
- 遥かなる記憶/Distant Memories、堕落した良心/Corrupted Conscience、法務官の相談/Praetor's Counsel
- ウルザズ・レガシー プレリリース・カード
- 役畜/Beast of Burden
登場作品・登場記事
- KARN - PLANESWALKERS/カーン - プレインズウォーカー(公式サイト)
- The Lost Confession/失われし告白(Uncharted Realms 2013年9月11日 Jenna Helland著・若月繭子訳)
- Checking in on the Planeswalkers/プレインズウォーカー達の現状(Feature 2014年6月17日 Doug Beyer著)
- Checking in on the Planeswalkers (2015)/プレインズウォーカー達の現状2015(Feature 2015年8月19日 Mel Li著)
- Return to Dominaria: Episode 3/ドミナリアへの帰還 第3話(Magic Story 2018年3月28日 Martha Wells著、名前のみ)