スカイクレイブ/Skyclave
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スカイクレイブ/Skyclaveは、ゼンディカー/Zendikarに存在する空中遺跡。
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解説
エルドラージ/Eldraziが滅ぼされた後のゼンディカー/Zendikarに突如として現れた、空に浮かぶ太古の遺跡群。七つの大陸すべてに存在する。
その内部は罠と宝物で満ちており、世界中の冒険家たちがスカイクレイブを探索している。エルドラージによる侵略で荒廃したゼンディカーが、再び冒険の世界となった契機と言える。
歴史
誕生
遠い昔、ゼンディカーにエルドラージが到来する何世紀も前に、コー/Korは帝国を築いた。もともとは、平和と調和で結ばれた世界を目にしたいという欲求に衝き動かされたものだったが、この帝国は瞬く間に権威主義的な国家へと成長し、コーは自らが理想とする法と機構を、それらを望まない他大陸の民に課すようになった。この押しつけは民の中に抵抗勢力を生み、そして帝国の支配に対する抵抗勢力が増大するにつれ、帝国はますます圧政的で専制的になっていった。
この帝国そのものと名を同じくする大首都マキンディ/Makindiは、オンドゥ/Ondu大陸にあった(現在その地域はマキンディ溝/The Makindi Trenchesと呼ばれている)。だが世界全土にわたる帝国の支配を維持するため、コーの石鍛冶たちは七つのスカイクレイブ/Skyclaveを建造した――各大陸の空に浮かぶ、軍事基地、政治本部にして小都市だ。各スカイクレイブは、小型の太陽のような中央の動力源を取り囲むように建造され、防衛時には何十もの浮遊プラットホームが固く閉じ、密閉された中空の球体を形成するように設計されていた。
滅亡
世界がコーの圧政的な支配に何世紀も耐える中、帝国の覇権にも陰りが見え始めた。およそ一世紀をかけ、一つまた一つとスカイクレイブは落とされていった。
- グール・ドラズ/Guul Draz大陸のスカイクレイブは、乱動/The Roilに飲まれ、沼へと沈んだ。
- バーラ・ゲド/Bala Ged大陸のスカイクレイブは、霊になる前のオブーン/Obuunに率いられたこの地のエルフの反逆に遭い、打倒された。
- ムラーサ/Murasa大陸のスカイクレイブは、巨大な海の怪物――ロートス/Lorthosの先祖、あるいはロートス自身か――により、海中へと引きずり込まれた。
- オンドゥ大陸のスカイクレイブは、首都マキンディに反旗を翻した。帝国を二分する内戦の結果、首都は滅び(そして溝と化し)、スカイクレイブもジュワー島/Jwar Isleへと墜落した。
- アクーム/Akoum大陸のスカイクレイブは、帝国が崩壊する中、従えたドラゴンに騎乗するカルガ/Kargaの部族たちによって粉砕された。
- タジーム/Tazeem大陸のスカイクレイブは、大天使イオナ/Ionaに滅ぼされ、空の遺跡エメリア/Emeriaとなった。
- セジーリ/Sejiri大陸のスカイクレイブは最後まで生き残ったが、ソリン/Sorin、ナヒリ/Nahiri、ウギン/Uginがエルドラージをゼンディカーに封印すべく誘い込んだ際、巨人/Titanの一体が何の気なしに振るった触手に破壊された。砕けた球体は極地の氷に包まれた。
復活
封印から解き放たれたエルドラージと戦うべくイオナがエメリアから降りた際に、空の遺跡を守る者はいなくなった。エルドラージ滅亡の直後、コーのケセンヤ/Kesenya率いる冒険家たちがこの遺跡に到達し、かつてマーフォークが女神エメリア/Emeriaの城だと言っていたそれが、スカイクレイブの残骸であることを発見した。さらにその探索のさなか、彼女たちは古のスカイクレイブの魔法の防御を発動させてしまい――残り六つのスカイクレイブを目覚めさせたのだ。
破壊と荒廃の状態こそ異なれど、七つのスカイクレイブすべてが空に戻り、開かれた。それぞれの大陸で、住民たちは空を見上げ、巨大な遺跡の破片がゆっくりと雲間を漂うさまを目にした。
空中の破片はそれぞれが特有の性質を帯びている。壊れて散らばったアクームのスカイクレイブの欠片は、その一つ一つが空の迷宮であり、大陸中の様々な怪物たちが棲息し、少なくとも一つはドラゴンの巣となっている。閉じられたムラーサのスカイクレイブは海面下にあったため、その一部は今も浸水しているが、他の部分はごく最近外気に晒された――だがムラーサの抑え切れない植物たちは、瞬く間に遺跡すべてを深い緑で覆いつつある。
スカイクレイブの発見は、ゼンディカーの探検協会に興奮の大騒ぎをもたらした。最初にエメリアへ侵入したケセンヤたちは、古の石鍛冶が作りし強大な魔法の武器を持ち帰り、新たに海門探検協会/The Sea Gate Expeditionary Houseを設立するほどの成功を収めた。だが世界中の冒険家たちが、何としてもこの新たな空中遺跡を探索し、自分たちだけの宝を手に入れたいと願っている。
生物
落とされたスカイクレイブの多くからは無事に避難が行われたが、生命が存在しなくなったわけではなかった。それらには昆虫や害獣、実験用生物までもが棲んでいたのだ。何世紀もの時が経っても、そのような生物たちは生き延び、進化していった。スカイクレイブの魔法的エネルギーを――そして互いを――餌としながら。
恐らくはこの魔法のために、そのような生物たちの多くはスカイクレイブ内部の緻密な彫刻に似た模様を身に纏っている。遺跡内に自然光は入り込まないため、よくある適応は暗所での視覚であり、視覚を完全に捨て去ったものも多い。そのような生物は他の感覚が発達しており、多くは嗅覚や聴覚だけで狩りを行うことができる。
登場
登場カード
カード名に登場
- ゼンディカーの夜明け
- スカイクレイブの大鎚/Maul of the Skyclaves、スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition、スカイクレイブの略奪/Skyclave Plunder、スカイクレイブのイカ/Skyclave Squid、スカイクレイブの災い魔/Scourge of the Skyclaves、スカイクレイブの影/Skyclave Shade、スカイクレイブの影猫/Skyclave Shadowcat、スカイクレイブの土百足/Skyclave Geopede、スカイクレイブの鶴嘴/Skyclave Pick-Axe、スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ/Grakmaw, Skyclave Ravager、スカイクレイブの秘儀司祭、オラー/Orah, Skyclave Hierophant、スカイクレイブの秘宝/Skyclave Relic、スカイクレイブの歩哨/Skyclave Sentinel
フレイバー・テキストに登場
- ゼンディカーの夜明け
- 海門の旗騎士/Sea Gate Banneret、否認/Negate、大群への給餌/Feed the Swarm、魂の粉砕/Soul Shatter、スカイクレイブの土百足/Skyclave Geopede、カルガの戦導者/Kargan Warleader、スカイクレイブの秘儀司祭、オラー/Orah, Skyclave Hierophant、スカイクレイブの秘宝/Skyclave Relic、ジュワー島の遺跡/Jwari Ruins
登場作品・登場記事
- Zendikar: Things Have Changed/ゼンディカー:変化した物事(Feature 2020年9月1日 Ari Zirulnik and James Wyatt著)
- Episode 1: In the Heart of the Skyclave/メインストーリー第1話:スカイクレイブの中心にて(Magic Story 2020年9月2日 A. T. Greenblatt著)