Lich
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エンチャント
Lichが戦場に出るに際し、あなたはあなたのライフの総量に等しい点数のライフを失う。
あなたは、ライフが0点以下であることでゲームに敗北しない。
あなたがライフを得る場合、代わりに同じ枚数のカードを引く。
あなたにダメージが与えられるたび、同じ数のトークンでないパーマネントを生け贄に捧げる。そうできない場合、あなたはゲームに敗北する。
Lichが戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、あなたはゲームに敗北する。
アルファで作られた、マジック最初の『敗北条件を変えてしまう』エンチャント。 これが場に出たならば、そのプレイヤーにはライフの概念が事実上欠落してしまい、 パーマネントや手札がそれの代わりとなる。
治癒の軟膏/Healing SalveがAncestral Recall相当になるなどのメリットもあるにはあるが、それに匹敵する強烈なリスクを抱えている。 ライフで敗北することはないとは言ってもダメージを無視できるわけではなく、その分パーマネントが減っていく。 なにも考えがなければジリ貧になるのは目に見えているわけだ。 根本的に、Lich自体が解呪/Disenchantなどで除去されると即敗北というのも厳しい点。
とはいえ、ライフ量がパーマネント数を極端に下回っている状態なら、『負けるまでのダメージ許容量の増加』という意味で一種のライフ回復と似たようなもの。 その後、普通はあまり有効ではないライフ回復手段がドローに化けるわけで、アドバンテージは大きい。
- これを使ったもっとも有名なコンボの1つが、Mirror Universeとの組み合わせだろう。
- 手札を出し惜しみせずがんがん使って押していき、これを展開してすぐ生命吸収/Drain Lifeでカード・アドバンテージを稼ぐような戦い方も、単純だが強い。
ある意味、後のネクロポーテンス/Necropotenceの使い方に似ている。
- 後の世、極悪な死/Nefarious Lich、死者の墳墓/Lich's Tombというアレンジ版が作られている。
- これが出ていればライフを失う効果は意味がなくなる。
これは、パーマネントを生け贄にささげる能力がダメージをトリガーとしているためである。 なお、調整版の死者の墳墓/Lich's Tombではライフを失うことをトリガーとしている。
- ライフが負の数になってもいいと言っても、ライフが0になるので基本的にコストとしてライフを支払うことはできなくなる。
- lichは「死体」を意味する英単語だが、Dungeons and Dragonsにより「強力な魔法によって自ら不死化した高位の魔法使い」を指す言葉として使われ、それ以降は様々なファンタジーでも使われるようになった。
ライフが敗北条件ではなくなる(不死化する)ことからも、Lichがプレイヤーを「リッチ」化させるカードとしてデザインされたことが窺える。 その意味では、最初にデザインされたエンチャント(プレイヤー)なのかもしれない。
- 死者の墳墓/Lich's Tomb同様、キイェルドーの王、ダリアン/Darien, King of Kjeldorが出ていればパーマネント生け贄のデメリットはなくなるに等しい。