機知の戦い/Battle of Wits
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オデッセイ・ブロックの勝利条件カードサイクルの青版。自分のライブラリーが200枚以上の状態でアップキープを迎えると勝利。初めて見たときは誰もがその豪快な条件に驚愕し、カスレアとして誰もが真面目に使おうとしなかったこのカードが後に化けることになる。
サイクル中唯一、勝利条件を満たすために「ゲーム中の行動」を必要としない。つまり専用のデッキを構築さえしてしまえば、後は事実上の「通れば勝ち」のカードとして扱えるのである。対戦相手のデッキにライブラリー破壊手段がなければ妨害されることはないし、また逆にライブラリー破壊がある場合はたいていそれを主戦略に据えたデッキなのでとにかく大量のライブラリーが自然と防御策となるため、見た目の大雑把さからは意外なほどに穴が少ないカードである。
ただしこれをキーカードに据えるとデッキ枚数が通常の4倍近くなり、デッキの安定性が落ちてしまう。そこでサーチやドロー効果を持つカードならなんでもかんでも放り込み、また多少弱くても除去や打ち消しやクリーチャーや多色土地などの「特定の役割」を果たしてくれるものならカードパワーには目を瞑って採用し、とにかくカードプールに存在するあらゆる選択肢を視野に入れ、ひたすら詰め込んでデッキ全体を水増ししつつバランスを可能な限り揃えてカバーするバベルが開発されることになった。
それゆえ、特にカードプールによって活躍が左右されるカードと言える。しかも「上質なもの1種類だけがあるより、多少弱くてもとにかく種類がたくさんあったほうがいい」という極めて珍しい特徴を持つ1枚。とはいえモダンなどのより広い環境になるとデッキパワー的に太刀打ちできないことが多いので、主な活躍の場はスタンダードである。
リミテッドでこのカードを引き当てた時の落胆っぷりもすさまじい。一応バベルを組むこともできるが、6パックシールドでも2/3が土地というものすごくいびつなデッキとなってしまう。100枚以上のレンタル土地がショップに用意されていない可能性が高いため、やらない方が進行上も好ましい。
- 一目瞭然でわかるデッキの分厚さにより、ゲーム開始前から戦略がバレてしまうのも特有の難点。マリガン時にエンチャント除去などの対策カードをキープされやすい。
- 使う際はライブラリーが崩れないよう注意。対戦相手に面倒なシャッフルを強いることもあり、ゲーム外の面で評判がよろしくない珍しいカード。
- その他、ゲームでの注意事項はタワーデッキの項も参照のこと。
- 豪快で、シンプルで、ユニークで、しかも使って面白いカードとして、サイクル中で最大の「成功例」と言われ(参考)、基本セットに2回再録されている。
- 第9版に、サイクルの他のカードを差し置いて再録された。
- 第10版では死闘/Mortal Combatとバトンタッチ。持ち回りなのかとも思われたがその後しばらく音沙汰なく、基本セット2013ではまたこれが再録。その際にイラストもフレイバー・テキストも一新された。
- オデッセイと第9版ではフレイバー・テキストの和訳が微妙に違う。「Wizard」を、オデッセイでは「ウィザード」とそのまま、第9版では「魔術師」と言い換えている。
- 第9版当時はウィザードが青の主要部族に位置していた時期だったので、念のためクリーチャー・タイプと同じ語を使うことを避けたのかも知れない。
- カードのルール文章中に書かれた数字としては、200はFalling Starの360に次いで大きいもの(MaRoのクイズショーによる。ただし現在のオラクルではこの360は消滅している)。
- カード名を含めてよいのなら十万本の矢集め/Borrowing 100,000 Arrows、さらにマナ・シンボルを含めていいならGleemaxが最大。いずれにせよ、ちょっと反則気味な答えかもしれないが。
プリズマティックではフォーマットの特性から、最初から禁止カードに指定されている。
開発秘話
開発当初は勝利条件が100枚だったが、テストプレイを繰り返した結果、かなり達成しやすかったので一気に2倍になった。
関連カード
サイクル
オデッセイ・ブロックの勝利条件カードサイクル。英語名では、名前に全て「戦い」を意味する単語を含んでいる(Test of Endurance=持久戦、Encounter=遭遇戦)。
- 忍耐の試練/Test of Endurance
- 機知の戦い/Battle of Wits
- 死闘/Mortal Combat
- 偶然の出合い/Chance Encounter
- 勇壮な戦闘/Epic Struggle