地壊し/Groundbreaker
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元祖歩く火力ことボール・ライトニング/Ball Lightningのタイムシフト。
クリーチャーで愚直にライフを削るのを身上とする緑のビートダウンにとって、使いきりとは言えこのダメージ効率を得た意味は大きい。特に、長期戦になってはほぼ絶望的だったそれまでに比べ、隙を突いて最後の数点を削れる可能性は大きく増した。
元祖と比較すると色が変わったことで、クリーチャー強化によるバックアップが可能になった。この方法には火力除去を回避しつつ本体へダメージを上乗せしたり、ブロッカーを乗り越えるために強化した場合も本体へ無駄なくダメージを通せるなどのメリットがある。特に元祖の天敵であった小型の先制攻撃持ちを踏み潰せるようになったのは心強い。また色の役割上、マナ加速からの早期召喚が狙いやすくなっており、また回収/Reclaimなどの再利用手段や召喚士の契約/Summoner's Pactなどのサーチと組み合わせることが容易になっている。
ただし緑という色を選んだ時点で、クリーチャー主体で除去が乏しいデッキになることがほぼ確定している。元祖が持っていた「ブロッカーを火力で排除して無理やり攻撃を通す」や「ほぼノンクリーチャーのバーンデッキの形にして対戦相手の除去を腐らせる」と言った強みがなくなっており、見た目の性能こそまったく同一ながら、使い方が大きく違うカードとなっている。
カードそのもので見れば緑にとって、神の怒り/Wrath of Godなどのソーサリーの除去をかい潜っての3マナ6点はゲームに十分な影響を与えることができる数字である。特にサーチでいつでも手札に持って来られる構成にしておけば、対戦相手への大きな牽制となるだろう。一方で、瞬発力はあれども長期的な効率は低いという従来の緑らしからぬ性能を持つので、デッキに入れても浮いてしまいがちな、気軽には採用できないクセのあるカードと言える。
- 単色が基本だったボール・ライトニング登場時のスタンダードと違い、ラヴニカ・ブロックが現役だった時期は多色全盛期。ショックランドのサポートがあるとはいえ、早い段階でトリプルシンボルを支払うのは3色以上ではほぼ不可能、2色でも安定して唱えるのは難しいだろう。
- ちなみに、カードの読み方は「じこわし」ではなく「ちこわし」である。
- 「Groundbreaker」は「開拓者」や「草分け」、「先駆者」の意だが、このカードでは「ground(大地)」+「breaker(破壊者)」と読み替えている。