Toofer, Keeper of the Full Grip (Playtest)
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Toofer, Keeper of the Full Grip (1)(黒)伝説のクリーチャー ─ 人間(Human) ゲーマー(Gamer)
呪文1つがあなたにカード・アドバンテージを得させるたび、各対戦相手は2点のライフを失う。(あなたがコントロールする呪文が解決され、その呪文が解決される前より対戦相手より多くのカードを持っているなら、あなたはカード・アドバンテージを得る。《予言/Divination》や滅殺、《神の怒り/Wrath of God》はあなたにカード・アドバンテージを与える可能性がある。そしてトークンはカードでない事に注意してください!)
[テストカード - 構築では使用できない。]
カード・アドバンテージを重視する伝説の人間・ゲーマー。呪文を唱えて(このカードが定義する)カード・アドバンテージを得ると、即ライフ・アドバンテージに繋がるようになる。
解説
カード・アドバンテージは言うまでもなく、ゲームに勝利するため非常に重要なファクターである。しかし、いざそれを厳密に簡潔な文章で定義しようとするとなかなか難しい。このカードではカード・アドバンテージを「あなたの呪文が解決される前より、対戦相手より多くのカードを持っていること」と定義している。
この「持っている」という曖昧な表現がなかなかの曲者。「持っている」と言うのだから(それとイラストと「Full Grip」(全て握っている→両手がカードで塞がっている)という表現)手札の枚数、つまりハンド・アドバンテージを参照するのは間違いない。また滅殺、神の怒り/Wrath of Godも例に上がっているので戦場のパーマネントの数、すなわちボード・アドバンテージも参照する……と、ここでトークンは「カードではない」とのことなので、「手札と戦場のカード(≠コントロールしているパーマネント)の合計枚数」を比較することになるのだろう。
以上の定義と、公式のリリースノート[1]を参考にすると、以下のようになる。
- リリースノート曰く、予言/Divinationは自分の枚数だけ増やし、対戦相手は何も得ないので相手よりもカード・アドバンテージを得たことになるのでこのカードの能力が誘発する。一方で、例えば繁栄/ProsperityでX=4で唱えると、自分はカードを4枚引いて唱えた繁栄/Prosperity1枚を損失しているので差し引き3枚のカードを得てるのと比べて、対戦相手は4枚のカードを得る。つまり相手のほうが「持っている」ことになるのでカードの能力は誘発しない。
- しかしこのカードの定義に愚直に従うと、もし自分だけカードを増やす呪文を唱えてもなお相手より「持っている」数が上回っていないのであれば、このカードの能力は誘発しないことになる。
- 注釈文にはカード・アドバンテージを得させる可能性として滅殺が上がっているが、そもそもこのカードは「呪文」を条件としているので、能力である滅殺でカード・アドバンテージを得ても、このカードの能力は誘発しない。(呪文によって能力が誘発した場合も同様。)
- 戦場で自分と相手のカードの枚数が同じ状態でプレイするか唱えて、戦場のカードの枚数が相手より上回る(=ボード・アドバンテージを得る)だけでは能力は誘発しない。自分はその分手札の枚数が減っている(ハンド・アドバンテージを失っている)ので「持っている」数は差し引きゼロのため。
- 例に上がっている神の怒り/Wrath of Godのような全体除去の呪文だけでこのカードの能力を誘発させるのは、実はなかなか骨が折れる。「1枚のカードで相手に多大な損害を与える」ことも広義のカード・アドバンテージであるが、このカードの定義はあくまで対戦相手よりもカードを「持っている」ことが条件。自分のコントロールするパーマネントが破壊不能でもない限り、全体除去後の戦場で自分と相手のカードの差はゼロになっているはずで、むしろ自分は唱えた呪文分1枚「持っていない」ので、その後別の呪文でカードを増やさない限り相手より「持っている」カードが上回ることがないためだ。そもそも全体除去を唱えられているのであれば、除去耐性を持ち合わせないこのカードは戦場にいないはずなので、その後いくら「持っている」ことになっても能力を誘発させる機会がない。
- トークンは「カード」ではない。そのためどれだけ大量のトークンを生成しようが、相手の大量のトークンを1枚の呪文で一斉に除去しようが、このカードの言うカード・アドバンテージは得ておらず、能力は誘発しない。
総じて実は真面目に考えれば考えるほど、「このカードの定義する」カード・アドバンテージは複雑でややこしい上、プレイヤーが抽象的に考えている「広義の」カード・アドバンテージの概念に反していることがわかる。構築で使用できないテストカードというのも納得の1枚。リミテッド以外で他にこのカードを使用する機会はアン・カードめいたカジュアルプレイくらいなので、対戦相手が「カード・アドバンテージで得をされた」と納得したら能力が誘発するくらい緩く考えて良いかも知れない。
脚注
参考
- カード個別評価:Mystery Booster 2(R&D Playtest cards)