グリッサ/Glissa

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2010年1月27日 (水) 19:39時点における八汰烏 (トーク | 投稿記録)による版
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グリッサ/Glissa金属世界ミラディン/Mirrodin絡み森/The Tangleで暮らす好奇心旺盛なエルフの少女。両親と妹との4人暮らしであり、幼馴染のテル=ジラードに選ばれし者/Tel-Jilad Chosenであるケインに淡い想いを寄せ始めている。友達以上恋人未満といった感じで、妹を含めた微妙な三角関係に少し悩みも。

猪突猛進、考えるより先に体が動くタイプ。絡み森でのエルフの生き方、そして世界のあり方について奇妙な落ち着かなさを感じている。

目次

ミラディン

絡み森で狩人として暮らしていたが、ある夜トロールに攫われて伝承の樹/Tree of Talesに連れて来られ、長老チュンスに恐ろしい話を聞かされる。巨大な怪物、地ならし屋/Levelerが自分を狙ってやって来ると。 それらが自分を狙いにやって来るのであれば、同じ家にいる家族が危ない。グリッサはそこに置いてあった剣(実はカルドラの剣/Sword of Kaldraであった)を奪って飛び出し、襲いかかってきた3体の地ならし屋を退けるものの、家に辿り着くと既にそこはひどく荒らされており、血まみれの部屋に妹の髪飾りが転がっていた。激昂し、更に数を増す地ならし屋へと半ば自暴自棄に立ち向かって行くが、突然彼等は何かに命じられたかのように退却を始めた。 グリッサは木々の間にフードを被った見慣れない人影を発見するが、それはすぐに消えてしまった。

頭を強打されて意識を失い、更に地ならし屋の刃に脚を挟まれ、彼等の巣まで連れてこられてしまう。しかしその中で独り隠れて暮らしていたゴブリン、スロバッド/Slobadと出会う。 ゴブリンにとっては不吉な青い太陽の下に生まれたとして捨てられ、追放者の部族に拾われたがそこにも馴染むことができず、孤独に生きてきた彼だったが、それでもグリッサを気遣い、脚の怪我を治すために猫人レオニンの都市タージ=ナールへ案内すると約束する。 グリッサも絡み森の他のエルフの中ではどこか孤立した存在だった。いつしか2人は互いに親近感を持ち、深い友情で結ばれるようになる。

スロバッドに案内されたタージ=ナールで、レオニンの予見者ウシャンティに「世界を滅ぼす者」と言われ、レオニンの王ラクシャ/Rakshaに引き合わされる。しかしグリッサが今までの出来事を語ると、自分達もまた地ならし屋の襲撃を受けている、というラクシャに協力することとなり、何かしらの原因があるという屍賊の巣、メフィドロスへと向かう。

沼で鉄のゴーレム、ボッシュ/Boshを引き上げ、囁きの大霊堂ではメフィドロスの支配者である死霊使いゲス/Gethの操る吸血鬼と戦ってそれを打ち負かし、ゲスが魔術師との取引によって屍賊/Nimにタージ=ナールを襲わせていたことを知る。 その代償に彼が受け取っていたのは「血清」と呼ばれる青い液体だった。飲むだけで意識が冴え渡り、様々な知識を得ることができるのだという。 ゲスを脅して血清を受け取り、屍賊にタージ=ナールを襲わせないことを約束させるが、地ならし屋の謎は解けないままだった。

タージ=ナールへ戻り顛末を語るが、その夜、空を飛ぶ機械の鳥がタージ=ナールを襲撃した。 空狩人と共にグリッサも迎え撃つが、戦闘中にグリッサは不注意によってウシャンティの娘であり、ラクシャの幼馴染の少女を死なせてしまう。どうにか撃退するものの、悔悟の念にグリッサはタージ=ナールを後にするしかなかった。

グリッサはスロバッド、ボッシュと共に絡み森に向かい、伝承の樹にチュンスを尋ねた。そこで敵の正体と真実の一端を聞かされる。 トロールもエルフも、この世界に生きる者は全て、全く別の世界から連れて来られたのだと。グリッサをつけ狙うのは世界の守護者メムナークと、それに仕えるヴィダルケンという種族だった。更なる情報を聞き出そうとするが、ヴィダルケンにそそのかされ裏切ったトロールの高僧によりチュンスは殺されてしまい、敵を追ううちに再会したケインも、機械鳥と一緒に現れたフードを被った人物の電撃によって命を落としてしまう。 幼馴染の無残な亡骸に泣き崩れるグリッサの前にヴィダルケンと思しき人物が現れ、次はお前だ、と杖を振りかざす。ケインはグリッサにとってはただ一人の親しい友であり、友以上の想いを寄せ始めていた相手でもあった。想いは溢れ出し、そして怒りとなって炸裂した。グリッサは剣に宿した緑のエネルギーを振るってヴィダルケンと機械鳥を全滅させ、そして気を失った。

目が覚めたグリッサは、スロバッドとボッシュによって見知らぬ場所に連れて来られていた。スロバッドが拾われ育ったという追放者の部族、クラーク族の隠れ家だった。 しかしそこにもヴィダルケンの機械鳥が襲って来る。グリッサとスロバッドは通気孔を通って脱出するも、ボッシュは通ることができず、また二人を逃がす為にその場に立ち塞がった。 2人は一旦は脱出したものの、自分に関わる者は皆死んでしまう、とグリッサは自暴自棄になってしまう。そしてショックが癒えぬグリッサは思わずスロバッドを責めるが、彼は怒ることもなくグリッサを優しく諭した。悪いのはグリッサでも自分でもなく、ヴィダルケンの魔道士とメムナークなのだと。 涙を拭い、グリッサはスロバッドを抱きしめた。

どうにかボッシュを救い出し、大焼炉のゴブリンによってバラバラにされていた彼をスロバッドが修復した後、3人はヴィダルケンが住むという水銀海へ向かう。 まず水銀海に面した人間の街に潜入したグリッサは、そこで指導者ブルエナ/Bruennaに接触する。彼女は表向きはヴィダルケンに従っていたが、かつて彼等に父親を殺されており、また人間達がヴィダルケンに奴隷扱いされている事を苦々しく思っていた。彼女を仲間に加え、ヴィダルケンの要塞ルーメングリッドに侵入するが、ヴィダルケンの上座研究者ポンティフェクスの待ち伏せに遭い、捕まってしまう。 しかしルーメングリッド下層に待機していたスロバッドとボッシュが騒ぎを起こした隙に逆にポンティフェクスを拘束し、知識の井戸へと案内させた。だがそこで待っていたのは教議会の代弁者ジェイナス、彼こそが地ならし屋を仕向け、グリッサを殺そうとしていた張本人だった。それは彼等の主人メムナークの望みなのだと。 しかしそれは嘘であり、メムナークに代わって世界を支配しようとするジェイナスの陰謀だった。そしてグリッサは激しい戦いの末に彼を倒し、家族とケイン、チュンスの仇を取ったが、ポンティフェクスは怪我をしたブルエナを人質に取り、グリッサに死か降伏かの選択を迫った。進退窮まったその時、知識の井戸からボッシュと、その胸部に隠れていたスロバッドが飛び出してきた。 ボッシュはポンティフェクスを壁に叩きつけ、ブルエナを救い出した。抜け道がある、というスロバッドの言葉に、一行は知識の井戸へと飛び込んだ。→The Moons of Mirrodin

ダークスティール

知識の井戸の抜け道は、地下の広大な空洞へと続いていた。そこでも地ならし屋の群れがグリッサを待ち構えていた。 「これは私の宿命よ」 グリッサは絡み森から緑のマナを呼び寄せ、解き放つことによって地ならし屋を破壊する。追いかけてきたポンティフェクス率いるヴィダルケンの兵士達との挟み撃ちになり、ひたすら逃げて別のルートから知識の井戸へと脱出するも、そこにも兵士達が待ち伏せていた。 これで終わりか、と思ったその時、ルーメングリッドで働くブルエナの仲間達が部屋に乱入し、瞬く間に兵士達を打ち負かしていった。ブルエナ曰く、ヴィダルケンに心から仕えている人間などいないのだと。混乱の中、グリッサ達もすぐに立ち去った。

グリッサとボッシュ、スロバッドはそこで一旦ブルエナと別れ、再び絡み森へと戻った。 チュンス亡き後のトロールの長、ドルージが3人を伝承の樹へと迎えた。グリッサが時折見る明らかに違う世界の幻視。見たこともない、けれど不思議に落ち着くそれは、自分達がかつて生きていた世界の記憶なのだと。 そう、このあまりに過酷な世界にいつまでも生き続ける理由などない。この世界の守護者メムナーク、その名前とは裏腹に、自分達をこの世界に連れて来て縛りつけている。 そこから自由になる為には、グリッサの存在が不可欠だった。何をも恐れない彼女は、英雄と呼ばれるに相応しい存在だから。 トロールは、伝承の樹に安置されていた美しい兜をグリッサに託した。それはカルドラの兜/Helm of Kaldraであり、かつてグリッサがチュンスの元から持ち出したカルドラの剣/Sword of Kaldra、メフィドロスにあるというカルドラの盾/Shield of Kaldraを揃えれば強大な力を持つアバター、カルドラの守護者を呼び出せるのだと。

メムナークの副官であるメイリルが地ならし屋を率いて絡み森を襲ってきた。 グリッサ達はドルージによって伝承の樹の中の抜け道を通って脱出し、メフィドロスを目指すが、途中空僻地を横切る際、ポンティフェクス率いるヴィダルケンの兵士達による襲撃を受ける。 主であるメムナークがグリッサに執着している為、彼は嫉妬に狂い始めていた。空から襲い掛かる彼等によって窮地に立たされるが、それを救ったのは密かにポンティフェクス達を追いかけていたブルエナと部下の魔術師達だった。 彼女等を仲間に加えて一路メフィドロスを目指し、屍賊との戦いの中で囁きの大霊堂/Vault of Whispersの地下に安置されていたカルドラの盾/Shield of Kaldraを発見する。 光の巨人カルドラを呼び出す事に成功し、一行はそのまま地下の大空洞に向かう。メムナークがいるというダークスティールの城塞/Darksteel Citadelパノプティコンへ。

その途中、小型の地ならし屋の群れに襲われ、一行は散り散りになってしまう。戦いの最中、グリッサはそれに飲み込まれて何処かへ連れて行かれそうになるが、ポンティフェクスによって解放される。 彼は嫉妬にかられ、主の命に背いてでもグリッサを殺そうとしていた。そこにかつての同僚のヴィダルケンが現れ、それはメムナークの望みではないとポンティフェクスを止めるも、2人は刺し違えてしまう。 グリッサはスロバッド、ボッシュ、カルドラのチャンピオンと合流し、ついにメムナークと対面した。自分はミラディンの神、自分を崇めよ、とメムナーク。この世界に神などいない、とグリッサ。 メムナークはいとも簡単にカルドラのチャンピオンを操り、グリッサを捕らえよと命令するが、その前にボッシュが立ち塞がってグリッサとスロバッドを逃がす。 金属の砕ける音に、グリッサは振り向く事はできなかった。

逃げる途中、グリッサはブルエナと合流する。彼女はグリッサに絡み森へ戻って、慣れた地で立ち向かえと助言した。ブルエナは自分の民を守るべく、再会を約束して水銀海へと帰って行った。

絡み森では、かつて協力を約束してくれたトロール達の生き残りが待っていた。森の最奥、ラディックスへ向かえ、とグリッサに告げ、彼等はカルドラに立ち向かう。 ラディックスは円形のフィールドに、ルーン文字の刻まれた場。グリッサはそこで緑のマナを集めてカルドラと対峙。グリッサは絡み森の木々で巨人を絡めとるが引きちぎられ、ピンチに陥る。 スロバッドは樹から巨人へと飛び移り、彼のパーツであるカルドラの剣を奪い取ろうとするも失敗し、振り落とされて木々へと投げ出されてしまう。 この巨人は最愛の友人を自分から2人も奪ってしまうのか。激昂するグリッサ、それに呼応するかのように、突然ラディックスからミラディンの月程もある巨大な緑のマナの球が爆発とともに現れ、カルドラを直撃した。 緑の太陽。第五の夜明け。→The Darksteel Eye

フィフス・ドーン

スロバッドは無事だった。カルドラを倒し安堵したのも束の間、緑の太陽の影響なのか何処か変質した絡み森の動物に襲われ、2人は逃げ出したが、その先で絡み森の生き残りのエルフ達に捕らえられてしまう。 その中には死んだと思われていたグリッサの妹、リーゼの姿があった。彼女はグリッサが地ならし屋を操り両親を殺した、と主張する。かつての人懐こい妹ではなく、無表情で冷酷な少女がそこにいた。 グリッサは無実を証明すべく、絡み森を出てからの出来事をエルフ達に語る。旅の間に見たもの、起こったこと。それは絡み森のエルフ達にとっては、想像もつかない果てしない物語だった。 自分達はこの世界で生まれたのではない。そして今、世界の全てを脅かす存在がいる。守護者メムナーク。そこに、ブルエナが飛び込んできた。ヴィダルケンの機械鳥と地ならし屋がやって来る、と。

エルフ達をタージ=ナールに向かわせ、グリッサは無実を証明する為にも一人で地ならし屋軍団に立ち向かって行った。そんな中、スロバッドはやはりグリッサを追いかけていった。 地ならし屋と共に、メムナークの副官メイリルと、改造され巨大化したヴィダルケンの兵士達がグリッサを待っていた。 地ならし屋を蹴散らし、傷を負いながらも緑の太陽の昇った穴にどうにかメイリルを蹴落とすが、何故かヴィダルケン達にスロバッドが攫われてしまう。グリッサもヴィダルケンに囲まれ、戦いの疲労に意識が遠ざかっていった。

目が覚めた時、グリッサはレオニンの宿営地のテントの中にいた。顔をくしゃくしゃにしてリーゼが飛びついてくる。少し混乱するグリッサにブルエナが説明した。リーゼがグリッサの身の危険を突然感じ、ブルエナの瞬間移動の魔法によって連れてきたのだと。無事を喜び、自分の勘違いを謝るリーゼの姿は、グリッサのよく知っている妹のそれだった。 ラクシャも加えて今後の戦略を練り、グリッサはクラーク族と同盟を結ぶべくオキシダ山脈へと向かうこととなった。 その道中山道でゴブリンの一団とヴァルショックの戦士ヴェクトロと戦闘になるが、ラクシャ率いるレオニンの一団がやって来て難を逃れる。 ラクシャはグリッサに、自分の所に届いていたという袋を渡した。中には生首だけになったゲスが入っていた。かつて初めてメフィドロスへと入った際に出会った屍賊使いの青年、ヤートからのものだった。ブルエナを預かった、と。

ブルエナを救出すべくグリッサはメフィドロスへと向かったが、彼女を救出する際に罠にかかり、時を止められてしまう。 再び気がついた時、5年の月日が経過していた。その間にメフィドロスは拡大し、屍賊とヴィダルケンは同盟を結び、レオニンとクラーク族の同盟の住処「クラークの家」に攻撃を仕掛けつづけてる。 メムナークは行方不明、スロバッドの生死もまた、ミラディン内部に入るのは危険すぎるという事でわかっていないのだと。彼は既にメムナークに殺されたのではないか、とも。 グリッサの胸が痛んだ。果てしない拷問を繰り返されるのであれば、いっそ死んでしまった方が楽かもしれないと。

そしてグリッサは「クラークの家」でリーゼ達と再会するが、すぐに絡み森から地下の大空洞へと向かい、メムナークとの決戦に挑んだ。 途中、メムナークの手下ヴェクトロの奸計によって追放されていたラクシャと合流し、彼の協力を得て巨大なマナの核が輝く地下へと辿り着いたが、パノプティコンでグリッサが見たものは、両手足を奪われ、機械に繋がれ無残な姿になったスロバッドだった。 やがてメムナークが現れ、グリッサを機械に拘束する。彼の目的は、グリッサの内にある神性の欠片、「プレインズウォーカーの火花」を奪い、創造主カーンと同じ存在、プレインズウォーカーとなる事だった。 念願叶う喜びに打ち震えるメムナークだったが、そこに屍賊の群れが降ってきた。それに続いてラクシャ、その手にはゲスの生首が握られていた。 「わたしこそが最強の屍賊使いだ!」 ゲスがそう言い放った。拘束を解かれ、自由になったグリッサはついにメムナークと対峙する。 「火花が欲しいの? くれてやるわ!」 グリッサは跳び、魔力をメムナークに向け解き放った。エメラルドグリーンの炎に包まれ、苦悶の叫びを上げるメムナーク。鉤爪を突き立て、脚で振り払う。激しい戦いの末、再びグリッサは全ての魔力をメムナークに叩きつけた。 緑のエネルギーに包まれ、よろめくメムナーク。そしてグリッサはメムナークと共に、マナの核へと落ちていった。

目覚めた時、地下の空洞はとても静かで、ただスロバッドだけが隣にいた。マナの核は小さくすぼんでいた。 何故自分は生きているのか。スロバッドの身体が元に戻っているのか、そして他の皆は何処へ行ったのか。 ゲスの生首が、ミラディン世界の創造主カーンからのメッセージを預かっていた。自分が元いた世界に帰るか、それともここで自分の帰りを待つか。 この世界を去り、知らない故郷に帰ることができる。それとも、友と一緒にこのミラディンに残り、かつて決してできなかった冒険をするか。答えを出せる日は、きっといつか来る。 「私に言う事まだ全部言ってないんじゃない、スロバッド?なんだかいつもと違うみたいだわ」 「そりゃあね。ちょと不思議な感じだけど、スロバッドは、ただ脚と腕と目が戻ったのが嬉しいのさ、ハッ?使いたいんだよ」 グリッサはマナの核を見つめ、そしてスロバッドの手を取った。 2人は歩き出した。自分達の世界、ミラディンへ。→The Fifth Dawn


登場カード

参考

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