遅延行為

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'''遅延行為'''(''Stalling'')とは、[[プレイ]]時間を長引かせることを目的とした「時間稼ぎ」のこと。[[不正行為]]の1つ。
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'''遅延行為'''(''Stalling'')とは、[[プレイ]]時間を長引かせることを目的とした「時間稼ぎ」のこと。[[不正行為]]の1つ。故意でなく、単にプレイが遅い場合は[[遅いプレイ]]が適用される。
  
[[マジック]]での[[トーナメント]]の[[マッチ]]は、殆どの場合、制限時間が存在する。その制限時間が時間切れとなった場合、それまでの[[ゲーム]]の状況に応じて、双方の引き分け(または片方の勝利)が決定するが、これを使用して、意図的に「時間切れによる引き分け(または勝利)」を獲得するべく、不正にプレイ時間を長引かせる行為を指す。
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==概要==
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[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]での[[トーナメント]]の[[マッチ]]は、殆どの場合、制限時間が存在する。その制限時間が時間切れとなった場合、それまでの[[ゲーム]]の状況に応じて、双方の引き分け(または片方の勝利)が決定するが、これを使用して、意図的に「時間切れによる引き分け(または勝利)」を獲得するべく、不正にプレイ時間を長引かせる行為を指す。
  
故意でなく、単にプレイが遅い場合は[[遅いプレイ]]が適用される。
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以下のような例が考えられるが、これは'''不正行為'''である。よって、[[トーナメント]]において[[ジャッジ]]に遅延行為だと判断された場合、[[懲罰]]が課せられることになる。
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*例1:「既に1ゲーム目を[[勝利]]している」場合、2ゲーム目を時間切れ[[引き分け]]に持ち込むことで、ゲームカウント1-0-1で[[マッチ]]に勝利しようとする。
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*例2:「お互いのゲームカウントが1-1であり、3ゲーム目は[[敗北]]しそうな状況である」場合、そうするとマッチに敗北してしまうため、そのゲームを時間切れ引き分けに持ち込むことでマッチを引き分けに持ち込もうとする。
  
*「既に1ゲーム目を[[勝利]]している」という場合、2ゲーム目を時間切れに持って行くことによって、結果的に[[マッチ]]に勝利出来る。或いは、「このまま試合を進めていけば間違いなく負ける。それによってマッチの敗北が決まる」という場合には、「遅延行為によって試合時間を引き伸ばして、[[引き分け]]に持ち込む」という“戦略”も存在し得る。しかしながら、この戦略は不正行為である。よって、[[トーナメント]]において[[ジャッジ]]に遅延行為だと判断された場合、罰則が課せられることになる。
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==その他==
 
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*囲碁や将棋の様に、「対局時計」を導入してお互いの持ち時間を計算すればよい、と思われるかも知れないが、[[優先権]]の存在により手順が煩雑な上、却って持ち時間以内の遅延行為を認めることになってしまう。
*囲碁や将棋の様に、「対局時計」を導入してお互いの持ち時間を計算すればいい、と思われるかも知れないが、[[優先権]]の存在により手順が煩雑な上、却って持ち時間以内の遅延行為を認めることになってしまう。
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**行程をすべてプログラム化した[[Magic Online]]は、デジタルの利点をフル活用した持ち時間制を採用している。ゲーム1回の時間制限がそれぞれの持ち時間の合計とされているため、自分の持ち時間を利用した遅延行為が自分の首を絞めるだけとなり、これによりオンライン環境における(勝敗に係わる)遅延行為はほぼ完全に締め出されたといってよい。
**行程をすべてプログラム化した[[Magic Online]]は、デジタルの利点をフル活用した持ち時間制を採用している。ゲーム1回の時間制限がそれぞれの持ち時間の合計とされているため、自分の持ち時間を利用した遅延行為が自分の首を絞めるだけとなり、これによりオンライン環境における(勝敗に係わる)遅延行為はほぼ完全に締め出されたといっていい。
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***対戦が強制的に終了となる定期サーバダウン時刻の直前では、上記でいうところの「ゲーム1回の時間制限」が擬似的に成立してしまうため、(勝敗はつかないが)遅延行為が可能になってしまっている。また、対戦者同士が直接顔を合わせないのをいいことに、負け確実の状況に追い込まれた対戦相手が断線したまま帰ってこない、といった嫌がらせ的な遅延行為(宣言なき[[投了]])も、少なからず見受けられる。
 
***対戦が強制的に終了となる定期サーバダウン時刻の直前では、上記でいうところの「ゲーム1回の時間制限」が擬似的に成立してしまうため、(勝敗はつかないが)遅延行為が可能になってしまっている。また、対戦者同士が直接顔を合わせないのをいいことに、負け確実の状況に追い込まれた対戦相手が断線したまま帰ってこない、といった嫌がらせ的な遅延行為(宣言なき[[投了]])も、少なからず見受けられる。
 
*遅いプレイと遅延行為の違いは意図的であるかどうかであるが、それを判断するのは非常に難しく、ジャッジの裁定に委ねられている。プレイにかかった時間だけでなく、様々な要因を総合して、明らかに意図的であると判断された場合に遅延行為が適用される。本人にその気がなくとも処罰を受ける可能性もあるため、常に速いプレイを心がけるとともに、遅延行為を疑われるような行動は慎むべきである。
 
*遅いプレイと遅延行為の違いは意図的であるかどうかであるが、それを判断するのは非常に難しく、ジャッジの裁定に委ねられている。プレイにかかった時間だけでなく、様々な要因を総合して、明らかに意図的であると判断された場合に遅延行為が適用される。本人にその気がなくとも処罰を受ける可能性もあるため、常に速いプレイを心がけるとともに、遅延行為を疑われるような行動は慎むべきである。

2013年8月15日 (木) 02:59時点における版

遅延行為(Stalling)とは、プレイ時間を長引かせることを目的とした「時間稼ぎ」のこと。不正行為の1つ。故意でなく、単にプレイが遅い場合は遅いプレイが適用される。

概要

マジックでのトーナメントマッチは、殆どの場合、制限時間が存在する。その制限時間が時間切れとなった場合、それまでのゲームの状況に応じて、双方の引き分け(または片方の勝利)が決定するが、これを使用して、意図的に「時間切れによる引き分け(または勝利)」を獲得するべく、不正にプレイ時間を長引かせる行為を指す。

以下のような例が考えられるが、これは不正行為である。よって、トーナメントにおいてジャッジに遅延行為だと判断された場合、懲罰が課せられることになる。

  • 例1:「既に1ゲーム目を勝利している」場合、2ゲーム目を時間切れ引き分けに持ち込むことで、ゲームカウント1-0-1でマッチに勝利しようとする。
  • 例2:「お互いのゲームカウントが1-1であり、3ゲーム目は敗北しそうな状況である」場合、そうするとマッチに敗北してしまうため、そのゲームを時間切れ引き分けに持ち込むことでマッチを引き分けに持ち込もうとする。

その他

  • 囲碁や将棋の様に、「対局時計」を導入してお互いの持ち時間を計算すればよい、と思われるかも知れないが、優先権の存在により手順が煩雑な上、却って持ち時間以内の遅延行為を認めることになってしまう。
    • 行程をすべてプログラム化したMagic Onlineは、デジタルの利点をフル活用した持ち時間制を採用している。ゲーム1回の時間制限がそれぞれの持ち時間の合計とされているため、自分の持ち時間を利用した遅延行為が自分の首を絞めるだけとなり、これによりオンライン環境における(勝敗に係わる)遅延行為はほぼ完全に締め出されたといってよい。
      • 対戦が強制的に終了となる定期サーバダウン時刻の直前では、上記でいうところの「ゲーム1回の時間制限」が擬似的に成立してしまうため、(勝敗はつかないが)遅延行為が可能になってしまっている。また、対戦者同士が直接顔を合わせないのをいいことに、負け確実の状況に追い込まれた対戦相手が断線したまま帰ってこない、といった嫌がらせ的な遅延行為(宣言なき投了)も、少なからず見受けられる。
  • 遅いプレイと遅延行為の違いは意図的であるかどうかであるが、それを判断するのは非常に難しく、ジャッジの裁定に委ねられている。プレイにかかった時間だけでなく、様々な要因を総合して、明らかに意図的であると判断された場合に遅延行為が適用される。本人にその気がなくとも処罰を受ける可能性もあるため、常に速いプレイを心がけるとともに、遅延行為を疑われるような行動は慎むべきである。
    • 実際に公式戦で行われた「遅延行為」(としか思えない行為)として、変異種/Morphlingパワー/タフネスマナがある限り増減させる行為を毎ターン繰り返す、などがあった。
    • 一部で有名な逸話として、余りにもプレイが遅いプレイヤーに「これから先、1つの行動に対して1分以上時間を掛けた場合、遅延行為として失格に処す」とジャッジが警告を与えると、そのプレイヤーが腕時計を見ながら全て「59秒」で処理をし続けた、というものがある。
    • 非常によくある現象として、対戦相手が「(自分の)ターン終了」を告げたのを聞き漏らし、延々とそれを待っていた、などということがある。中には気難しいプレイヤーもいるので、「聞き漏らしたのかな?」と親切心で「こちらのターンは終了しましたよ」と念を押すと、思考を邪魔されたのと「馬鹿にされた」と思い込んで、「分かってるよ!」と怒られたりすることもあるので指摘は難しい。

参考

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