遅いプレイ
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遅いプレイ(Slow Play)とは、適正な時間内にゲームの行動を終わらせないこと。マジック:ザ・ギャザリング違反処置指針の3.3.において規定されている違反行為の一つで、警告の対象になる。
全てのプレイヤーは、対戦相手が時間制限によって不利にならないよう、充分な速度でプレイする責任がある。長考はなるべく避け、常に速いプレイを心がけるとともに、対戦相手のプレイが遅い場合は速いプレイを促すことも必要である。とはいえ、相手に対応させる隙すら与えない速すぎるプレイもご法度である。
制限時間を利用して優位を得るため、故意にプレイを遅くした場合は違反処置指針4.7.において規定されている遅延行為となる。
- あるループを繰り返すとき、そのループを終了する時のゲームの状況とそこまでに必要なループの回数を厳密に提示できないのならば、そのループを実行し続けることは遅いプレイである。(IPG 4.3)
- 例えば、何らかの無限コンボで垂れ流しの達人/Cathartic Adeptが何度でも起動できる状態になり、対戦相手のライブラリーをすべて削ろうとしたらその中に引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornが1枚含まれていたとする。このとき「ライブラリーが残り1枚で、その1枚がエムラクール」という状況になるまで起動を繰り返すことは遅いプレイとなる。なぜならその状況になるまでに必要な回数を厳密に指定できないからである。
[編集] 遅いプレイにならないために
遅いプレイに明確な基準は定められていないが、遅いプレイと判断され得る具体的な状況については脚注記事[1]を参照。
- 制限時間を意識する
- 自分に合ったデッキを使う
- カードやルールを学ぶ
- 練習する
- 勿論、繰り返し対戦の練習を重ねておくことも重要である。あらゆる場面で様々な決断を求められるが、反復練習によってある程度システマチックに動けるようにできれば無駄な思考時間を減らすことができる。少しずつ打点計算やマナの計算も素早くできるようになると尚良い。ソリティアは勿論のこと、Magic OnlineやMTGアリーナを利用すれば数十、数百回と繰り返しスパーリングを行える(とくにアリーナのBot戦は最良の練習相手である)ので、テーブルトップの大会に参加する場合でも活用できる。
- シャッフルは対戦相手不要で練習できるので、苦手なら時間を見つけて練習しておくことを推奨する。特にスリーブの有無で感触が変わってくるので、スリーブ無しのリミテッド、スリーブありの構築、両方を想定してシャッフルの練習をしておくとよい。
- サイドボーディングについても、主要なデッキリストを見ながら何を抜いて何を入れるのかを事前に決めておけば、大会中に悩む時間を減らすことができる。
- 「対戦相手のための時間」を利用する
- マジックに限らず、この世に存在するあらゆるターン制ストラテジーゲームに当てはまる事実として、ゲーム中の時間をすべて思考に回せるならばプレイ時間は大幅に短縮される。たとえば、将棋では互いに持ち時間が尽き早指しに入った場合、対局者の手番にどれだけ「次の一手」を考えられるかが要になるという。マジックに話を戻せば、(シャッフル中や戦闘処理中にまで並行思考を行うのはさすがに極端ながら)具体的な例としては「対戦相手のターン」に「次の自分のターンでの行動」のおおまかな予定を立てておければ自分のターンに要する時間は相応に短縮できる。またこれによって生じた時間的余裕はプレイングの検討に回せるため、プレイの質も向上して勝率上昇にもつながる。
- ジャッジに相談する
- 特定の行動が「遅いプレイ」にあたるかどうかの判断は最終的にジャッジおよびヘッドジャッジに委ねられる。前述された「いつか必ず達成できるがループの回数を厳密に提示できない」プレイを行うデッキを用いるなどの場合、まずデッキリスト提出の時点でジャッジに懸念事項を詳らかにし、トラブルの予防策を紳士的に相談すべきである。実際にグランプリロサンゼルス18をはじめとした公式大会でターボネクサスが用いられた際はジャッジが専属してシャッフルを行うことにより問題の解決が図られている。
[編集] 参考
- ↑ Practical Approach to Slow Play (WotC、英語)/「遅いプレイ」の実務的な扱いについて(MJMJ.info、記事の和訳)
- 日下部恭平「時間はあなただけのものではない」(BIG MAGIC 2017年10月6日 日下部恭平著)
- 遅延行為
- トーナメント用語