カスレア
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主に'''あらゆる[[構築]]フォーマットでも[[リミテッド]]でも全く使われないほど貧弱'''で、[[コレクション]]的な要素のない[[レア]]カードである。 | 主に'''あらゆる[[構築]]フォーマットでも[[リミテッド]]でも全く使われないほど貧弱'''で、[[コレクション]]的な要素のない[[レア]]カードである。 | ||
− | + | カードの取引価格がカスレアかそうでないかの判断基準とされることも多いが、これは誤りである。確かに使われない・使いづらいカードは安く取引されがちであるが、これは「使われない(弱い)から安い」のであって、「安いから使われない」という判断方法では主従が逆転していることに注意。「現時点で」使われておらず安くても、後に「化ける」要素を含んでいる可能性は十分ある。詳しくは[[#カスレアから化けたカード]]を参照。 | |
==カスレアの特徴== | ==カスレアの特徴== | ||
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カスレアから化けるものは、今のところ3つの種類に分けることができる。 | カスレアから化けるものは、今のところ3つの種類に分けることができる。 | ||
===実は強かったカード=== | ===実は強かったカード=== | ||
− | 1つ目は「効果が弱そうに見えたり[[リソース]] | + | 1つ目は「効果が弱そうに見えたり[[リソース]]の消耗が激しかったりなどの理由により、上級者も使用をためらったカード」である。大抵はそのまま終わってしまうものの、誰かが試しに使ってみたら実は強かった、とかデメリットを無視する方法が見つかったときに化ける可能性がある。この類型のカードは、そもそも当初のカードパワーの評価に間違いがあったカードと言い換えることもできる。 |
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*[[ネクロポーテンス/Necropotence]] | *[[ネクロポーテンス/Necropotence]] | ||
*[[マスティコア/Masticore]] | *[[マスティコア/Masticore]] | ||
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===コンボ・シナジーの発見=== | ===コンボ・シナジーの発見=== | ||
− | 2つ目は「そのカードの効果自体は弱かったりリスクが大きすぎたりするが、他のカードとの組み合わせや専用の特殊な[[デッキ]] | + | 2つ目は「そのカードの効果自体は弱かったりリスクが大きすぎたりするが、他のカードとの組み合わせや専用の特殊な[[デッキ]]によって絶大な威力を発揮するカード」である。本来限定的な効果であるが、[[環境]]に恵まれて「使える」条件が整った場合に生じやすいケースである。 |
− | + | 単純に登場直後にその[[コンボ]]や[[シナジー]]が見過ごされていた場合もあるが、多くの場合は[[カード・プール]]の増加を契機に「使える」条件が整うことの方が多い。 | |
− | + | *両方に言えることだが、専用のデッキや特定のカードとの組み合わせで使わないとまったく使えない場合も多い。 | |
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*[[オークの司書/Orcish Librarian]]([[スライ]]) | *[[オークの司書/Orcish Librarian]]([[スライ]]) | ||
*[[寄付/Donate]]と[[Illusions of Grandeur]](2枚が手を組んでの[[ドネイト]]) | *[[寄付/Donate]]と[[Illusions of Grandeur]](2枚が手を組んでの[[ドネイト]]) | ||
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===特定のデッキに対して有効な対策=== | ===特定のデッキに対して有効な対策=== | ||
− | 3つ目は、「普通に使っては効果が弱いが、特定のデッキに対しては有効な対策となるカード」が、そのデッキの流行によって[[サイドボード]](場合によっては[[メインデッキ]] | + | 3つ目は、「普通に使っては効果が弱いが、特定のデッキに対しては有効な対策となるカード」が、そのデッキの流行によって[[サイドボード]](場合によっては[[メインデッキ]])に採用されるケース。第2類型と同じく環境に恵まれて「使える」条件が整った場合に生じるケースであるが、あちらがカードプールだけで完結するのに対して、こちらはそれをより具体化した[[メタゲーム]]に依存している点で、より限定的かつ流動的である。 |
− | + | こちらの場合は、他によりよい対策法が見つかったり、対策したデッキが廃ったりすることで再びカスレアと化すこともある。 | |
+ | *似て非なるケースとして、[[ローテーション]][[落ちる|落ち]]により天敵となるデッキが衰退し、相対的に強化されたため活躍できるようになったパターンもまれにある。ただし、このような環境に「恵まれず」活躍できなかったカードは、大抵の場合相応のカードパワーは備えており、そもそもカスレアではなかった(リミテッドでは有用だった等)場合も多い。 | ||
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*[[政略/Political Trickery]](対[[カウンターポスト]]、[[5CG]]用[[サイドボード]]) | *[[政略/Political Trickery]](対[[カウンターポスト]]、[[5CG]]用[[サイドボード]]) | ||
*[[偽りの治療/False Cure]](対[[ループ・ジャンクション]]、[[セファリッド・ライフ]]用[[サイドボード]]) | *[[偽りの治療/False Cure]](対[[ループ・ジャンクション]]、[[セファリッド・ライフ]]用[[サイドボード]]) | ||
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==その他== | ==その他== | ||
− | * | + | *どうでもいいことではあるが、[[プロフェシー]]などのようにエキスパンションそのものがパッとしない場合よりも、強力カードがひしめく人気エキスパンションの方が、カスレアを引いた時の落胆が余計に大きいのでカス度合いが引き立つ(例えば[[ネメシス]]の蒼ざめた月)。また、そういうエキスパンションはよく売れるので、その分そのどうしようも無いカードがそこいら中に溢れることにもなる。 |
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**ただし上記の知識はカスレアコレクターには結構重要だったりする。「不人気エキスパンションのカスレア」よりも「人気エキスパンションのカスレア」の方がトレードなどで集めやすい、ということであり、前者に手を出すと集めるのに結構苦労するのである。 | **ただし上記の知識はカスレアコレクターには結構重要だったりする。「不人気エキスパンションのカスレア」よりも「人気エキスパンションのカスレア」の方がトレードなどで集めやすい、ということであり、前者に手を出すと集めるのに結構苦労するのである。 | ||
*カスレアは[[カジュアルプレイ]]で[[寄付/Donate]]するなり、[[タワーマジック]]のタワーにまわしたりして楽しむと良いだろう。 | *カスレアは[[カジュアルプレイ]]で[[寄付/Donate]]するなり、[[タワーマジック]]のタワーにまわしたりして楽しむと良いだろう。 |
2015年2月21日 (土) 12:01時点における版
カスレア(Bad Rare)とは、非常に弱い(とされている)レアカードの総称。クズレア・クソレア・ダメレア・紙レア(Reject Rare/Junk Rare/Cheap Rare/Scrub Rare)など、日英問わず同義の言葉はいろいろある。→参考
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
Wood Elementalが戦場に出るに際し、好きな数のアンタップ状態の森(Forest)を生け贄に捧げる。
Wood Elementalのパワーとタフネスはそれぞれ、それが戦場に出るに際し生け贄に捧げられた森の数に等しい。
インスタント
ターン終了時まで、プレイヤーがマナを引き出す目的で基本でない土地をタップした場合、それは他のいかなるタイプのマナの代わりに無色のマナを生み出す。
対義語はトップレア。
目次 |
概要
主にあらゆる構築フォーマットでもリミテッドでも全く使われないほど貧弱で、コレクション的な要素のないレアカードである。
カードの取引価格がカスレアかそうでないかの判断基準とされることも多いが、これは誤りである。確かに使われない・使いづらいカードは安く取引されがちであるが、これは「使われない(弱い)から安い」のであって、「安いから使われない」という判断方法では主従が逆転していることに注意。「現時点で」使われておらず安くても、後に「化ける」要素を含んでいる可能性は十分ある。詳しくは#カスレアから化けたカードを参照。
カスレアの特徴
カスレアに該当するカードは、以下の要件が当てはまることが多い。
効果が弱すぎるカード
カード1枚を使うまでもない効果を発生させる。利用することでメリットが得られる場面が極めて限られている。
- 純粋の色/Purelaceをはじめとする色(lace)サイクル
- 蒼ざめた月/Pale Moon
- 隕石のクレーター/Meteor Crater
- ファイティング・チャンス/Fighting Chance
- 歪んだ秘宝/Warp Artifact
- 土地の防御ルーン/Rune of Protection: Lands
ハイリスク・ローリターンなカード
非常にリスクが大きい割にメリットが小さく、リスクに見合うメリットを得られるケースが極めて限られている。
- Wood Elemental
- サファイアのヒル/Sapphire Leech
- あられ石のヒル/Alabaster Leech
- ルビーのヒル/Ruby Leech
- 逆上/Amok
- 苔男/Lichenthrope
新しいルールに対応させようとしてメリットが微妙になってしまったカード
新しいルールに対応しようとした結果、調整不足と思われるケース。下手をすると、まったくメリットが無いということもある。
歴代の強力カードの調整に失敗したカード
過去の強力カードのカードパワーを調整したカードを作ろうとして、今度は逆に効果が弱くなりすぎてしまったパターン。下位互換とはちょっと異なる。
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カスレアから除外されるケース
構築では弱いが、リミテッドでは強いカード
構築だけでなく、リミテッドというフォーマットが存在するマジックにおいては、カードの収録内容はリミテッドでのゲームバランスも考慮したうえで決定されている。
暴動/Insurrectionや空飛ぶ絨毯/Flying Carpet、バニラでファッティなヴィザードリックス/Vizzerdrixや訓練されたオーグ/Trained Orggのように、構築では使われないカードであってもリミテッドでは強力なカードは、カスレアと呼ばれることは少ない。
- これらのカードはカスレアとは呼ばれないが構築での需要がないため、シングルカード価格は安くなりがち。そのためリミテッドをせず単にブースターパックを開けるだけの場合に引くと悲しくなることも。
- リミテッドで弱くはないが、決して強くもないというカードの場合はカスレア扱いされることもある(上記の逆上など)
コレクション要素の高いカード
マジックはTCGであるため、ゲームとしての強さではなく、コレクションとしての側面で評価されるカードも存在する。
運命の逆転/Reversal of Fortuneのように、構築・リミテッド共に使いようが無くても絵やフレイバー・テキスト、インパクトなどのおかげでコレクション向けの人気が高くなったため、カスレアから除外されるというケースもたまにある。
- 上の見方から若干はずれるが、コレクションの項目にもあるように、「カスレアだから」と言う理由で集めているコレクターもいる。カスレアということ自体がある種のインパクトでもあるためか。
ニッチな需要のあるカード
カードの収録内容は、必ずしもトーナメントのみを考慮して決定されているわけではない。
時間ふるい/Timesifterのように、トーナメントレベルのデッキ構築では除外されてしまうが、いわゆるファンデッキの中核になるためニッチな需要があるカードが存在する。
- デメリットよりもメリットが強かった下の「実は強かったカード」ではなく、「効果は強力だがデメリットがきつすぎてまともなデッキが組めない」カードであることが多い。
カスレアから化けたカード
カスレアから化けるものは、今のところ3つの種類に分けることができる。
実は強かったカード
1つ目は「効果が弱そうに見えたりリソースの消耗が激しかったりなどの理由により、上級者も使用をためらったカード」である。大抵はそのまま終わってしまうものの、誰かが試しに使ってみたら実は強かった、とかデメリットを無視する方法が見つかったときに化ける可能性がある。この類型のカードは、そもそも当初のカードパワーの評価に間違いがあったカードと言い換えることもできる。
主な該当カード
- ネクロポーテンス/Necropotence
- マスティコア/Masticore
- すき込み/Plow Under
- リシャーダの港/Rishadan Port
- からみつく鉄線/Tangle Wire
- 激動/Upheaval
- タルモゴイフ/Tarmogoyf
- ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster
コンボ・シナジーの発見
2つ目は「そのカードの効果自体は弱かったりリスクが大きすぎたりするが、他のカードとの組み合わせや専用の特殊なデッキによって絶大な威力を発揮するカード」である。本来限定的な効果であるが、環境に恵まれて「使える」条件が整った場合に生じやすいケースである。
単純に登場直後にそのコンボやシナジーが見過ごされていた場合もあるが、多くの場合はカード・プールの増加を契機に「使える」条件が整うことの方が多い。
- 両方に言えることだが、専用のデッキや特定のカードとの組み合わせで使わないとまったく使えない場合も多い。
主な該当カード
- オークの司書/Orcish Librarian(スライ)
- 寄付/DonateとIllusions of Grandeur(2枚が手を組んでのドネイト)
- 自然の均衡/Natural Balance(資源の浪費/Squandered Resourcesと組んでのプロスブルーム)
- ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought(伏魔殿/Pandemoniumと組んでのパンデモノート、Illusionary Maskと組んでのマスク・ドレッド、もみ消し/Stifleと組んでのスタイフルノート)
- ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond(ロング・デック、IGGy-POP)
- オーラトグ/Auratog(怨恨/Rancorと組んでのオーランカー)
- マナ切り離し/Mana Severance(ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcherと組んでのマナベルチャー)
- マナ結合/Manabond(土地単)
- 刻印/Brand(ブランドオークション、ハンテッド・ブランド)
- 魂のカーニバル/Carnival of Souls(コボルド、頭蓋骨絞め/Skullclampと手を組んでのコボルドクランプ)
- 食物連鎖/Food Chain(ゴブヴァンテージのマナ加速としての食物連鎖ゴブリン、明神と組んでのターボ明神)
- 機知の戦い/Battle of Wits(バベル)
- 認識を食うもの/Cognivore(ドルイドの誓い/Oath of Druidsと組んでのスーサイドオース)
- 隔離するタイタン/Sundering Titan(12postやウルザトロン)
- 歯と爪/Tooth and Nail(12postやウルザトロン、エルフ&ネイル)
- ドラゴンの嵐/Dragonstorm(ドラゴンストーム)
- 不朽の理想/Enduring Ideal(不朽の理想)
- 霊気魔道士の接触/AEthermage's Touch(ブリンク)
- 死者の王、ドラルヌ/Dralnu, Lich Lord(Dralnu du Louvre)
- 風景の変容/Scapeshift、虹色の前兆/Prismatic Omen(ヴァラクート)
特定のデッキに対して有効な対策
3つ目は、「普通に使っては効果が弱いが、特定のデッキに対しては有効な対策となるカード」が、そのデッキの流行によってサイドボード(場合によってはメインデッキ)に採用されるケース。第2類型と同じく環境に恵まれて「使える」条件が整った場合に生じるケースであるが、あちらがカードプールだけで完結するのに対して、こちらはそれをより具体化したメタゲームに依存している点で、より限定的かつ流動的である。
こちらの場合は、他によりよい対策法が見つかったり、対策したデッキが廃ったりすることで再びカスレアと化すこともある。
- 似て非なるケースとして、ローテーション落ちにより天敵となるデッキが衰退し、相対的に強化されたため活躍できるようになったパターンもまれにある。ただし、このような環境に「恵まれず」活躍できなかったカードは、大抵の場合相応のカードパワーは備えており、そもそもカスレアではなかった(リミテッドでは有用だった等)場合も多い。
主な該当カード
- 政略/Political Trickery(対カウンターポスト、5CG用サイドボード)
- 偽りの治療/False Cure(対ループ・ジャンクション、セファリッド・ライフ用サイドボード)
- 空虚自身/One with Nothing(対ハウリング・オウル用サイドボード)
その他
- どうでもいいことではあるが、プロフェシーなどのようにエキスパンションそのものがパッとしない場合よりも、強力カードがひしめく人気エキスパンションの方が、カスレアを引いた時の落胆が余計に大きいのでカス度合いが引き立つ(例えばネメシスの蒼ざめた月)。また、そういうエキスパンションはよく売れるので、その分そのどうしようも無いカードがそこいら中に溢れることにもなる。
- ただし上記の知識はカスレアコレクターには結構重要だったりする。「不人気エキスパンションのカスレア」よりも「人気エキスパンションのカスレア」の方がトレードなどで集めやすい、ということであり、前者に手を出すと集めるのに結構苦労するのである。
- カスレアはカジュアルプレイで寄付/Donateするなり、タワーマジックのタワーにまわしたりして楽しむと良いだろう。