トランプル
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− | + | *ブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振ることは義務ではない。防御プレイヤーにダメージを割り振らないのであれば、戦闘ダメージを(通常どおり)どのように割り振ってもかまわない。少しだけ割り振ってもよい。 | |
− | + | *[[プロテクション]]をはじめとする、ダメージを[[軽減]]するような効果があっても「致死ダメージを割り振る」際に考慮する必要はない。数字の上で致死ダメージが割り振られていさえすればよい。 | |
− | + | **すなわち、[[プロテクション]]をもつクリーチャーでブロックしても、プレイヤーへのダメージを減らせるのは(通常)そのクリーチャーのタフネスまで、ということになる。間違えやすいので注意すること。 | |
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*ダメージを増加させるような[[置換効果]]([[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath]]など)があっても、トランプルでの戦闘ダメージの割り振りに考慮することはできない。 | *ダメージを増加させるような[[置換効果]]([[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath]]など)があっても、トランプルでの戦闘ダメージの割り振りに考慮することはできない。 | ||
*トランプルを持つクリーチャーがブロックされ、なおかつそのブロック・クリーチャーが場に存在しないならば、すべての戦闘ダメージは防御プレイヤーに割り振られる。 | *トランプルを持つクリーチャーがブロックされ、なおかつそのブロック・クリーチャーが場に存在しないならば、すべての戦闘ダメージは防御プレイヤーに割り振られる。 | ||
− | * | + | *プレイヤーに割り振ったダメージを、クリーチャーへのダメージを軽減する効果で減らすことはできない。ダメージが「貫通」するイメージではあるが、ルール上はあくまで割り振りが変わっているというだけである。 |
− | * | + | *「致死ダメージ」は、既に受けているダメージについても考慮する。既にいくらかのダメージを受けているクリーチャーにブロックされた場合、致死ダメージに達する分だけクリーチャーに与えればよい。一方、ブロックする側としては、すでにブロッククリーチャーに与えられたダメージを取り除くことで、本体に通るダメージを減らすこともできることになる。 |
− | *[[バンド]] | + | *[[バンド]]や、複数の攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーなどによってトランプルを持つクリーチャーと持たないクリーチャーが同じクリーチャーでブロックされた場合、トランプルによる防御プレイヤーへのダメージを多くするように割り振ってよい。 |
− | **たとえば、「2/2・バンドを持つクリーチャー」と「5/5・トランプルを持つクリーチャー」がバンドを組んで攻撃し、「3/ | + | **たとえば、「2/2・バンドを持つクリーチャー」と「5/5・トランプルを持つクリーチャー」がバンドを組んで攻撃し、「3/3・クリーチャー」にブロックされた場合、攻撃側は以下のどちらを行なっても適正である(普通は前者だろう)。 |
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+ | *[[ウルザズ・サーガ]]でルールが大きく変更された。それ以前のトランプルは、おおざっぱにいうと現状の「まず全ブロッカーに致死ダメージ割り振り」という点がない代わりに、「全ダメージを一度クリーチャーに割り振らなければならない。その後クリーチャーを倒してから余剰分がそのまま[[プレイヤー|本体]]に再割り振り」という感じだった。そのため複数ブロッカーがいても、最弱タフネスのクリーチャーに全ダメージを割り振って、他のブロッカーを無傷のまま相手本体にダメージをねじ込めた。つまり、多数のブロッカー相手にする分には以前のルールの方が貫通させやすい。逆に、プロテクション持ちなどには弱かった(クリーチャーに割り振った全ダメージが軽減されてしまうので、貫通が発生しない)。 | ||
+ | **[[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath]]がルール変更の原因の1つ。上記した「余剰分を再割り振り」している点が争点で、「割り振り時にダメージが2倍」となる灼熱洞の効果が2回適用されてしまい、多くの場合、通すよりもブロックした方がダメージが大きくなってしまうという問題が起きていた。 | ||
+ | *ルール上複雑であるため、[[第6版]]から[[第8版]]までの間は基本セットに採録されなかった。とはいえ、感覚的には分かりやすいものなので問題ないと判断されたのか、[[第9版]]でプロテクションとともに復活している。 | ||
*簡易版として、「[[スーパートランプル]]」と呼ばれる能力がある。こちらはキーワード能力ではない。 | *簡易版として、「[[スーパートランプル]]」と呼ばれる能力がある。こちらはキーワード能力ではない。 | ||
+ | *Trampleは「踏み荒らす・蹂躙する」という意味。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
*{{WHISPER検索/カードテキスト|トランプル}} | *{{WHISPER検索/カードテキスト|トランプル}} | ||
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*[[スーパートランプル]] | *[[スーパートランプル]] | ||
*[[キーワード能力]] | *[[キーワード能力]] | ||
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2009年2月14日 (土) 16:22時点における版
トランプル/Trample | |
---|---|
種別 | 常在型能力 |
登場セット | 多数 |
CR | CR:702.19 |
トランプル/Trampleは、マジック初期から存在するキーワード能力。攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りを変更する常在型能力である。
定義
トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、ダメージをまずそれをブロックしたクリーチャーに割り振る。それらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、残りのダメージを、ブロック・クリーチャーと防御プレイヤーまたは攻撃しているプレインズウォーカーに選んで割り振る。コントローラーはそれらのクリーチャーすべてに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御プレイヤーやプレインズウォーカーにはダメージを割り振ることはできない。
トランプルを持つ攻撃クリーチャーがブロックされ、しかし戦闘ダメージを割り振る段階でブロック・クリーチャーがいなければ、その戦闘ダメージはすべて攻撃した先のプレイヤーやプレインズウォーカーに割り振られる。
解説
トランプルを持つクリーチャーが戦闘ダメージを割り振るとき、そのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振るのであれば、残りのダメージを攻撃した先の防御プレイヤーやプレインズウォーカーに割り振ってもよい。
ゲームでは、ダメージがブロック・クリーチャーを貫通して防御プレイヤーに与えられるようなイメージとなる。そのため、トランプルを持つ攻撃クリーチャーをタフネスの小さいクリーチャーでブロック(チャンプブロック)してもあまり効果が無い。定義上では回避能力ではないが、その性質から回避能力の一種として扱われる場合がある。
どの色にも存在するが、特に緑に多く存在し、トランプルを与えるカードもほとんどが緑である。
ルール
- ブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振ることは義務ではない。防御プレイヤーにダメージを割り振らないのであれば、戦闘ダメージを(通常どおり)どのように割り振ってもかまわない。少しだけ割り振ってもよい。
- プロテクションをはじめとする、ダメージを軽減するような効果があっても「致死ダメージを割り振る」際に考慮する必要はない。数字の上で致死ダメージが割り振られていさえすればよい。
- すなわち、プロテクションをもつクリーチャーでブロックしても、プレイヤーへのダメージを減らせるのは(通常)そのクリーチャーのタフネスまで、ということになる。間違えやすいので注意すること。
- ダメージを増加させるような置換効果(ラースの灼熱洞/Furnace of Rathなど)があっても、トランプルでの戦闘ダメージの割り振りに考慮することはできない。
- トランプルを持つクリーチャーがブロックされ、なおかつそのブロック・クリーチャーが場に存在しないならば、すべての戦闘ダメージは防御プレイヤーに割り振られる。
- プレイヤーに割り振ったダメージを、クリーチャーへのダメージを軽減する効果で減らすことはできない。ダメージが「貫通」するイメージではあるが、ルール上はあくまで割り振りが変わっているというだけである。
- 「致死ダメージ」は、既に受けているダメージについても考慮する。既にいくらかのダメージを受けているクリーチャーにブロックされた場合、致死ダメージに達する分だけクリーチャーに与えればよい。一方、ブロックする側としては、すでにブロッククリーチャーに与えられたダメージを取り除くことで、本体に通るダメージを減らすこともできることになる。
- バンドや、複数の攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーなどによってトランプルを持つクリーチャーと持たないクリーチャーが同じクリーチャーでブロックされた場合、トランプルによる防御プレイヤーへのダメージを多くするように割り振ってよい。
- たとえば、「2/2・バンドを持つクリーチャー」と「5/5・トランプルを持つクリーチャー」がバンドを組んで攻撃し、「3/3・クリーチャー」にブロックされた場合、攻撃側は以下のどちらを行なっても適正である(普通は前者だろう)。
- 「2/2・バンドクリーチャーが与える2ダメージ」と「5/5・トランプルクリーチャーが与える1ダメージ」をクリーチャーに割り振り、4ダメージをプレイヤーに割り振る。
- 「5/5・トランプルクリーチャーが与える3ダメージ」をクリーチャーに割り振り、2ダメージをプレイヤーに割り振り、「2/2・バンドクリーチャーが与える2ダメージ」は普通にクリーチャーに割り振る。
- たとえば、「2/2・バンドを持つクリーチャー」と「5/5・トランプルを持つクリーチャー」がバンドを組んで攻撃し、「3/3・クリーチャー」にブロックされた場合、攻撃側は以下のどちらを行なっても適正である(普通は前者だろう)。
その他
- ウルザズ・サーガでルールが大きく変更された。それ以前のトランプルは、おおざっぱにいうと現状の「まず全ブロッカーに致死ダメージ割り振り」という点がない代わりに、「全ダメージを一度クリーチャーに割り振らなければならない。その後クリーチャーを倒してから余剰分がそのまま本体に再割り振り」という感じだった。そのため複数ブロッカーがいても、最弱タフネスのクリーチャーに全ダメージを割り振って、他のブロッカーを無傷のまま相手本体にダメージをねじ込めた。つまり、多数のブロッカー相手にする分には以前のルールの方が貫通させやすい。逆に、プロテクション持ちなどには弱かった(クリーチャーに割り振った全ダメージが軽減されてしまうので、貫通が発生しない)。
- ラースの灼熱洞/Furnace of Rathがルール変更の原因の1つ。上記した「余剰分を再割り振り」している点が争点で、「割り振り時にダメージが2倍」となる灼熱洞の効果が2回適用されてしまい、多くの場合、通すよりもブロックした方がダメージが大きくなってしまうという問題が起きていた。
- ルール上複雑であるため、第6版から第8版までの間は基本セットに採録されなかった。とはいえ、感覚的には分かりやすいものなので問題ないと判断されたのか、第9版でプロテクションとともに復活している。
- 簡易版として、「スーパートランプル」と呼ばれる能力がある。こちらはキーワード能力ではない。
- Trampleは「踏み荒らす・蹂躙する」という意味。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 5 ターンの構造