バンド
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+ | bandingとは「団結する」という意味。その言葉の意味通り、この[[能力]]を持つ[[クリーチャー]]が[[戦闘]]に参加すると、複数のクリーチャーを1つの大きなグループにまとめて運用することができるようになる。理路整然・秩序だった軍隊活動を表現する能力として、主に[[白]]に配分されている。 | ||
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+ | 非常に判りづらくややこしいルールであったため、[[テンペスト]]以降(基本セットでは[[第6版]]以降)のセットでは一切登場していない。 | ||
+ | *[[モダンホライゾン3]]の[[ブースターパック]]には「バンドの再録がありえるところ第1位」という[[Secret Lair]]の広告カードが封入されている([https://x.com/gyyby_mtg297/status/1802589704665383052 参考])が、2024年8月現在Secret Lairでバンド能力を持つカードは再録されていない。 | ||
+ | *トーナメントリーガルでないカードならば[[Old Fogey]]と[[Banding Sliver (playtest)]]がそれ以降にも登場している。Banding Sliverの文章欄にはバンドについての非常に長大な注釈文({{Gatherer|id=476132}})が書かれており、この能力のルール的な複雑さがよくわかる。 | ||
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+ | バンドの特殊な形態として「[[他の〜とのバンド]]」という能力があるが、この能力とはバンドの構成方法が少し異なる。本項の定義節ではその構成方法は省略しているため、詳細は[[他の〜とのバンド]]を参照のこと。 | ||
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+ | ===ルール=== | ||
ルールを要約すると、以下のようになる。 | ルールを要約すると、以下のようになる。 | ||
− | + | ====攻撃時のバンド能力==== | |
− | + | *[[攻撃プレイヤー]]は、バンドを持つ好きな数のクリーチャーと、1体までのバンドを持たないクリーチャーとを、一つの「攻撃バンド」というグループで扱うことができる。 | |
− | + | *[[防御プレイヤー]]は、攻撃バンドの状況に関係なく、通常のルールどおりに(止められる[[アタッカー]]と止める[[ブロッカー]]をそれぞれ選んで)[[ブロック]]を行える。 | |
− | + | **その際にもし「攻撃バンド」を組んでいるクリーチャーが1体でもブロックされた場合、その「攻撃バンド」の全てのクリーチャーが、同時にそのクリーチャーによってブロックされた状態になる。 | |
− | + | **たとえ攻撃バンドの中に[[回避能力]]を持っているクリーチャーがいたとしても関係ない。同じ攻撃バンドの中の1体でもブロックされると、どんな回避能力を持っていてもブロックされてしまう。 | |
− | * | + | *「攻撃バンド」を組んでいる場合、(通常防御プレイヤーが決めたダメージ割り振り順に基づいて割り振られる)その「攻撃バンド」内にいるクリーチャーへの戦闘ダメージを、攻撃プレイヤーがその「攻撃バンド」内で自由に割り振ることができる。 |
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− | + | ====防御時のバンド能力==== | |
− | * | + | *防御には「防御バンド」という考え方は存在しない。 |
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ルールだけでは判りづらいので、具体的にどんなことが起きる(できる)かというと、例えば以下のようなものがある。 | ルールだけでは判りづらいので、具体的にどんなことが起きる(できる)かというと、例えば以下のようなものがある。 | ||
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− | + | **例えば、1/1バンドのクリーチャーが3体で「攻撃バンド」を作って攻撃すると、相手はブロックするならこの3体をまとめてブロックしなければならないため、[[タフネス]]4以上のブロッカーでないと無事にはすまない(バンドがないと、1体のブロッカーは1体のクリーチャーしかブロックしないので、1/1アタッカーが3体いてもダメ)。 | |
− | + | *ダメージの割り振りを自分で自由に行えるので、全体としての被害を小さくできる。 | |
+ | **例えば、1/1バンド持ち2体の攻撃バンドが4/2クリーチャーにブロックされた場合、攻撃側が受ける4ダメージを「片方の1/1に全て割り振り」とすることで、1体だけの損害で済ませることができる。 | ||
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+ | *ダメージの割り振りを自分で自由に行えるので、全体としての被害を小さくできる。 | ||
+ | **攻撃バンドの例と同じだが、防御時特有の効果として「相手の[[トランプル]]や[[スーパートランプル]]の実質無効化」がある。 | ||
+ | **トランプルはもともと「全ブロッカーを倒してなお余剰のダメージはプレイヤーに割り振れる」というものなので、割り振りを防御側プレイヤーが選択できるケースでは無意味(トランプルダメージも全てクリーチャーに割り振りできる)。 | ||
− | * | + | ===その他=== |
− | * | + | *[[基本セット2010]]でのルール変更で、戦闘ダメージに関するルールが変更されたが、バンドの割り振りルール変更効果に関しては変更されず、変更後のルールの例外として扱われるようになった。 |
− | * | + | *あくまで「攻撃時に1つのチームとして動く」だけである。実際に合体するわけではないので、[[クリーチャー]]は個々の[[パーマネント]]として扱われる。 |
+ | *これを分かりやすくしたのが[[ストロングホールド]]の[[コーのダメージ移し変え能力]]である。また、[[後援]]もこの能力からインスピレーションを得て作られた。 | ||
+ | *[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]にいる大量の[[バニラ]]かつ[[多色]]の[[伝説のクリーチャー]]は、実は全部バンドを持っていたという逸話がある。しかしそれが強すぎるということで、ごっそり削ってしまい、多色なのに[[単色]]の[[バニラ]]に劣るようなクリーチャーが乱造されてしまったのである。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
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*[[ルーリング#キーワード能力|ルーリング]] | *[[ルーリング#キーワード能力|ルーリング]] | ||
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+ | __NOTOC__ |
2024年8月29日 (木) 14:42時点における最新版
バンド/Banding | |
---|---|
種別 | 常在型能力 |
登場セット | 多数 |
CR | CR:702.22 |
バンド/Bandingは、マジック初期から存在するキーワード能力。攻撃クリーチャーの指定や戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。
[編集] 定義
プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定する際、そのプレイヤーはバンドを持つ任意の数のクリーチャーと、1体までのバンドを持たないクリーチャー(他の〜とのバンドは持っていてもよい)を、1つの「バンド」として指定してもよい(以降、能力のバンドはバンド能力と表記する)。プレイヤーは同時にいくつの攻撃バンドを指定してもよいが、各クリーチャーは同時に2つ以上のバンドに所属することはできない。
1つのバンドに含まれるすべてのクリーチャーは、プレイヤー1人またはプレインズウォーカー1つまたはバトル1つを攻撃しなければいけない。
攻撃バンドが宣言されると、何らかの方法でバンド内のクリーチャーからバンド能力や「他の〜とのバンド」が失われたとしても、それは戦闘の間ずっと残る。
戦闘から取り除かれた攻撃クリーチャーは、バンドからも取り除かれる。
[編集] ブロック・ダメージ割り振り
攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされると、同じバンドに属する他の各クリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされる。
バンドを構成しているクリーチャーの1体が効果によってブロックされた場合、そのバンド全体がブロックされる。
戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがバンド能力を持つクリーチャーにブロックされた場合、(アクティブ・プレイヤーでなく)防御プレイヤーが攻撃クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、ブロックしているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。
戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがバンド能力を持つクリーチャーをブロックした場合、(防御プレイヤーでなく)アクティブ・プレイヤーがブロック・クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、それにブロックされているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。
[編集] 解説
bandingとは「団結する」という意味。その言葉の意味通り、この能力を持つクリーチャーが戦闘に参加すると、複数のクリーチャーを1つの大きなグループにまとめて運用することができるようになる。理路整然・秩序だった軍隊活動を表現する能力として、主に白に配分されている。
非常に判りづらくややこしいルールであったため、テンペスト以降(基本セットでは第6版以降)のセットでは一切登場していない。
- モダンホライゾン3のブースターパックには「バンドの再録がありえるところ第1位」というSecret Lairの広告カードが封入されている(参考)が、2024年8月現在Secret Lairでバンド能力を持つカードは再録されていない。
- トーナメントリーガルでないカードならばOld FogeyとBanding Sliver (playtest)がそれ以降にも登場している。Banding Sliverの文章欄にはバンドについての非常に長大な注釈文(イラスト)が書かれており、この能力のルール的な複雑さがよくわかる。
バンドの特殊な形態として「他の〜とのバンド」という能力があるが、この能力とはバンドの構成方法が少し異なる。本項の定義節ではその構成方法は省略しているため、詳細は他の〜とのバンドを参照のこと。
[編集] ルール
ルールを要約すると、以下のようになる。
[編集] 攻撃時のバンド能力
- 攻撃プレイヤーは、バンドを持つ好きな数のクリーチャーと、1体までのバンドを持たないクリーチャーとを、一つの「攻撃バンド」というグループで扱うことができる。
- 防御プレイヤーは、攻撃バンドの状況に関係なく、通常のルールどおりに(止められるアタッカーと止めるブロッカーをそれぞれ選んで)ブロックを行える。
- その際にもし「攻撃バンド」を組んでいるクリーチャーが1体でもブロックされた場合、その「攻撃バンド」の全てのクリーチャーが、同時にそのクリーチャーによってブロックされた状態になる。
- たとえ攻撃バンドの中に回避能力を持っているクリーチャーがいたとしても関係ない。同じ攻撃バンドの中の1体でもブロックされると、どんな回避能力を持っていてもブロックされてしまう。
- 「攻撃バンド」を組んでいる場合、(通常防御プレイヤーが決めたダメージ割り振り順に基づいて割り振られる)その「攻撃バンド」内にいるクリーチャーへの戦闘ダメージを、攻撃プレイヤーがその「攻撃バンド」内で自由に割り振ることができる。
[編集] 防御時のバンド能力
- 防御には「防御バンド」という考え方は存在しない。
- バンドを持つクリーチャーでブロックに参加した場合、(通常攻撃プレイヤーが決めたダメージ割り振り順に基づいて割り振られる)ブロックされたクリーチャーからそれをブロックしているクリーチャーへの戦闘ダメージを、防御プレイヤーが自由に割り振ることができる。
[編集] 具体例
ルールだけでは判りづらいので、具体的にどんなことが起きる(できる)かというと、例えば以下のようなものがある。
[編集] 攻撃時の特徴
- 通常起きない「アタッカー多数」対「ブロッカー1~多数」の戦いが起こせる。これにより、相手のブロックを悩ませることができる。
- 例えば、1/1バンドのクリーチャーが3体で「攻撃バンド」を作って攻撃すると、相手はブロックするならこの3体をまとめてブロックしなければならないため、タフネス4以上のブロッカーでないと無事にはすまない(バンドがないと、1体のブロッカーは1体のクリーチャーしかブロックしないので、1/1アタッカーが3体いてもダメ)。
- ダメージの割り振りを自分で自由に行えるので、全体としての被害を小さくできる。
- 例えば、1/1バンド持ち2体の攻撃バンドが4/2クリーチャーにブロックされた場合、攻撃側が受ける4ダメージを「片方の1/1に全て割り振り」とすることで、1体だけの損害で済ませることができる。
[編集] 防御時の特徴
- ダメージの割り振りを自分で自由に行えるので、全体としての被害を小さくできる。
[編集] その他
- 基本セット2010でのルール変更で、戦闘ダメージに関するルールが変更されたが、バンドの割り振りルール変更効果に関しては変更されず、変更後のルールの例外として扱われるようになった。
- あくまで「攻撃時に1つのチームとして動く」だけである。実際に合体するわけではないので、クリーチャーは個々のパーマネントとして扱われる。
- これを分かりやすくしたのがストロングホールドのコーのダメージ移し変え能力である。また、後援もこの能力からインスピレーションを得て作られた。
- レジェンドにいる大量のバニラかつ多色の伝説のクリーチャーは、実は全部バンドを持っていたという逸話がある。しかしそれが強すぎるということで、ごっそり削ってしまい、多色なのに単色のバニラに劣るようなクリーチャーが乱造されてしまったのである。
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 702 キーワード能力
- 702.22 バンド/Banding
- 702.22a バンドは戦闘のルールを変更する常在型能力である。
- 702.22b 「他の~とのバンド/Bands with other」は、バンドの特殊な一形態である。何らかの効果によってパーマネントがバンドを失う場合、他の~とのバンドもまた失われる。
- 702.22c プレイヤーが攻撃クリーチャーを指定するときに、バンドを持つクリーチャーを望む数と、1体までのバンドを持たない(「他の~とのバンド」を持っていても)クリーチャーを1つの「バンド」として指定してもよい。また、「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャー1体以上を含む望む数の[性質]クリーチャーを1つの「バンド」として指定してもよい。プレイヤーは同時にいくつの攻撃 バンドを指定してもよいが、クリーチャーは同時に2つ以上のバンドに所属することはできない。(防御プレイヤーはバンドを宣言できない。しかし異なる方法でバンドを使うことができる。rule 702.22j 参照。
- 702.22d 1つのバンドに含まれるすべてのクリーチャーは、同一の、プレイヤーやプレインズウォーカーやバトルを攻撃しなければならない。
- 702.22e 攻撃 バンドが宣言されると、何らかの方法でバンド内のクリーチャーからバンド 能力や「他の~とのバンド」能力が失われたとしても、戦闘の間ずっと残る。
- 702.22f 戦闘から取り除かれた攻撃クリーチャーは、バンドからも取り除かれる。
- 702.22g バンドによって攻撃クリーチャーが能力を分け合ったり、能力を失ったりすることはない。バンドに所属する攻撃クリーチャーは、それぞれ別々のパーマネントである。
- 702.22h 攻撃クリーチャーの1体がクリーチャーによってブロックされると、同じバンドに属する他のそれぞれのクリーチャーもその攻撃クリーチャーと同じブロック・クリーチャーによってブロックされる。
- 702.22i バンドを構成しているクリーチャーの1体が効果によってブロックされた場合、そのバンド全体がブロックされる。
- 702.22j 戦闘ダメージ・ステップの間、攻撃クリーチャーがバンドを持つクリーチャーにブロックされた場合、あるいは「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャーと他の[性質]クリーチャーの両方によってブロックされた場合、(アクティブ・プレイヤーでなく)防御プレイヤーが攻撃クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、ブロックしているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。これは rule 510.1c で示した手順の例外である。
- 702.22k 戦闘ダメージ・ステップの間、ブロック・クリーチャーがバンドを持つクリーチャーをブロックした場合、あるいは「他の[性質]とのバンド」を持つ[性質]クリーチャーと他の[性質]クリーチャーの両方をブロックした場合、(防御プレイヤーでなく)アクティブ・プレイヤーがブロック・クリーチャーのダメージの割り振りを決める。そのプレイヤーはそのクリーチャーの戦闘ダメージを、それにブロックされているクリーチャーすべての中で任意に割り振ることができる。これは rule 510.1d で示した手順の例外である。
- 702.22m 1体のクリーチャーに複数のバンド 能力があっても効果は変わらない。1体のクリーチャーに同じ「他の~とのバンド」能力が複数あっても効果は変わらない。
- 702.22 バンド/Banding
- 702 キーワード能力