上位互換
提供:MTG Wiki
(版間での差分)
(トーク) |
|||
1行: | 1行: | ||
− | + | 同じ[[能力]]でありながら[[マナ・コスト]]が軽いとか、同じマナ・コストでありながら[[パワー]]、[[タフネス]]が高いなど、2枚の[[カード]]を比べた時に一方がもう一方に明らかに勝るような場合、それは'''上位互換'' (Strictly Better)'''''であるという。 | |
− | + | ||
− | + | ||
− | 同じ[[能力]]でありながら[[マナ・コスト]]が軽いとか、同じマナ・コストでありながら[[パワー]]、[[タフネス]]が高いなど、2枚の[[カード]] | + | |
例:[[脱走魔術師/Fugitive Wizard]]⇒[[映像の造形者/Imagecrafter]] | 例:[[脱走魔術師/Fugitive Wizard]]⇒[[映像の造形者/Imagecrafter]] | ||
8行: | 5行: | ||
但し、100%厳密な意味での上位互換は1枚たりとも存在しない。 | 但し、100%厳密な意味での上位互換は1枚たりとも存在しない。 | ||
上位互換の正確な定義としては『あらゆる局面で一方がもう一方よりも優れている』事であるが、そのようなことは絶対にありえないからだ。 | 上位互換の正確な定義としては『あらゆる局面で一方がもう一方よりも優れている』事であるが、そのようなことは絶対にありえないからだ。 | ||
− | [[霊感/Inspiration]]と[[Ancestral Recall]]にすら、それは当てはまる。 | + | *[[霊感/Inspiration]]と[[Ancestral Recall]]にすら、それは当てはまる。 |
だが、普通は他のカードを考慮しない単独での使い勝手のみで考えることが多いし、その方が実用的である。 | だが、普通は他のカードを考慮しない単独での使い勝手のみで考えることが多いし、その方が実用的である。 | ||
+ | |||
このWiki内では基本的に他のカードとの相互作用は無視した上で考え、「メジャーな[[クリーチャー・タイプ]]であり部族カードの影響を受けやすい」など個別の事柄については別に言及する。 | このWiki内では基本的に他のカードとの相互作用は無視した上で考え、「メジャーな[[クリーチャー・タイプ]]であり部族カードの影響を受けやすい」など個別の事柄については別に言及する。 | ||
− | + | 100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。 | |
+ | ;[[カード・タイプ]]が違う場合 | ||
+ | :例えば[[風生まれの詩神/Windborn Muse]]と[[亡霊の牢獄/Ghostly Prison]]等。 | ||
+ | ;[[サブタイプ]]や[[色]]が異なる場合 | ||
+ | :例えば[[モンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders]]と[[凍らし/Frostling]]、[[解呪/Disenchant]]と[[粉砕/Shatter]]と[[青サビ/Verdigris]]等。 | ||
+ | ;相手のカードを利用するカードを考慮した場合 | ||
+ | :例えば[[威圧/Dominate]]や[[精神隷属器/Mindslaver]]等。 | ||
+ | ;状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合 | ||
+ | :例えば[[飛行]]。[[寄せ餌/Lure]]等の存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌との[[コンボ]]において、[[コカトリス/Cockatrice]]と[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]では後者の方がよく使われていた。 | ||
+ | :クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的と言ってすら良い。 | ||
+ | ::たとえば[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]で攻撃できない、[[弱者の石/Meekstone]]でアンタップしない、[[復仇/Reprisal]]で除去される、[[反発/Backlash]]で自分にダメージ、などなど。 | ||
+ | :[[点数で見たマナ・コスト]]を参照するカード([[燻し/Smother]]・[[うつろう爆発/Erratic Explosion]]など)の存在から、マナ・コストも小さい方が良いとは限らない。 | ||
+ | ::[[軽蔑する利己主義者/Scornful Egotist]]などは、もはやそのようなカードのためにデザインされている。 | ||
+ | ;カード名が違う場合 | ||
+ | :[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]や[[嘘つきの振り子/Liar's Pendulum]]等、名前を参照するカードが存在するのがその理由である。 | ||
+ | ::それらを使うプレイヤーは、間違いなく『強い』カードの名前を言うだろう。それによって、『弱くても別のカードが欲しい』という、奇妙な状況が発生してしまうのだ。 | ||
+ | ::[[マスクス・ブロック]]〜[[インベイジョン・ブロック]]期のスタンダードにおいて、[[神の怒り/Wrath of God]]を封じられた時の為に、その枚数を減らし(追加能力が付いているとはいえ)1マナ重い[[総くずれ/Rout]]を投入する、という構築が、実際にトッププレイヤーの間でも行われていた。 | ||
+ | ::カード名が同じで能力が違うものは1枚もない為、100%の上位互換が存在しない事が説明できる。 | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
*ちなみに、[[メンタルマジック]]では下位互換カードや[[同型再版]]カードをどれだけ覚えているかが鍵となる。 | *ちなみに、[[メンタルマジック]]では下位互換カードや[[同型再版]]カードをどれだけ覚えているかが鍵となる。 | ||
− | + | *[[上位種]]とはちょっと意味が違う。上位種はサイズ、[[効果]]、[[マナ・コスト]]などが全体的に大きくなったカードのこと。 | |
==参考== | ==参考== | ||
− | * | + | *[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mf17 共通の地盤 ――神河物語の伝説の土地の利点(と弱点)の評価](Wizards社;英語) |
*[[用語集]] | *[[用語集]] | ||
*[[下位互換]] | *[[下位互換]] | ||
− | * | + | *[http://boards1.wizards.com/showthread.php?t=153520 Strictly Better Cards] (有志による上位互換カードの暫定リスト) |
2008年2月28日 (木) 15:39時点における版
同じ能力でありながらマナ・コストが軽いとか、同じマナ・コストでありながらパワー、タフネスが高いなど、2枚のカードを比べた時に一方がもう一方に明らかに勝るような場合、それは上位互換 (Strictly Better)であるという。
例:脱走魔術師/Fugitive Wizard⇒映像の造形者/Imagecrafter
但し、100%厳密な意味での上位互換は1枚たりとも存在しない。 上位互換の正確な定義としては『あらゆる局面で一方がもう一方よりも優れている』事であるが、そのようなことは絶対にありえないからだ。
- 霊感/InspirationとAncestral Recallにすら、それは当てはまる。
だが、普通は他のカードを考慮しない単独での使い勝手のみで考えることが多いし、その方が実用的である。
このWiki内では基本的に他のカードとの相互作用は無視した上で考え、「メジャーなクリーチャー・タイプであり部族カードの影響を受けやすい」など個別の事柄については別に言及する。
100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。
- カード・タイプが違う場合
- 例えば風生まれの詩神/Windborn Museと亡霊の牢獄/Ghostly Prison等。
- サブタイプや色が異なる場合
- 例えばモンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raidersと凍らし/Frostling、解呪/Disenchantと粉砕/Shatterと青サビ/Verdigris等。
- 相手のカードを利用するカードを考慮した場合
- 例えば威圧/Dominateや精神隷属器/Mindslaver等。
- 状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合
- 例えば飛行。寄せ餌/Lure等の存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌とのコンボにおいて、コカトリス/Cockatriceと茂みのバジリスク/Thicket Basiliskでは後者の方がよく使われていた。
- クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的と言ってすら良い。
- たとえば罠の橋/Ensnaring Bridgeで攻撃できない、弱者の石/Meekstoneでアンタップしない、復仇/Reprisalで除去される、反発/Backlashで自分にダメージ、などなど。
- 点数で見たマナ・コストを参照するカード(燻し/Smother・うつろう爆発/Erratic Explosionなど)の存在から、マナ・コストも小さい方が良いとは限らない。
- 軽蔑する利己主義者/Scornful Egotistなどは、もはやそのようなカードのためにデザインされている。
- カード名が違う場合
- 翻弄する魔道士/Meddling Mageや嘘つきの振り子/Liar's Pendulum等、名前を参照するカードが存在するのがその理由である。
- それらを使うプレイヤーは、間違いなく『強い』カードの名前を言うだろう。それによって、『弱くても別のカードが欲しい』という、奇妙な状況が発生してしまうのだ。
- マスクス・ブロック〜インベイジョン・ブロック期のスタンダードにおいて、神の怒り/Wrath of Godを封じられた時の為に、その枚数を減らし(追加能力が付いているとはいえ)1マナ重い総くずれ/Routを投入する、という構築が、実際にトッププレイヤーの間でも行われていた。
- カード名が同じで能力が違うものは1枚もない為、100%の上位互換が存在しない事が説明できる。
- ちなみに、メンタルマジックでは下位互換カードや同型再版カードをどれだけ覚えているかが鍵となる。
- 上位種とはちょっと意味が違う。上位種はサイズ、効果、マナ・コストなどが全体的に大きくなったカードのこと。
参考
- 共通の地盤 ――神河物語の伝説の土地の利点(と弱点)の評価(Wizards社;英語)
- 用語集
- 下位互換
- Strictly Better Cards (有志による上位互換カードの暫定リスト)