マジックの黄金律
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==解説== | ==解説== |
2009年11月21日 (土) 17:37時点における版
マジックの黄金律/The Magic Golden Rulesとは、総合ルール 101節に規定されているマジック:ザ・ギャザリングの4つの基本的なルールのこと。
大雑把に言うと、以下のようである。
解説
カードはルールに勝つ
カードのテキストに書かれた内容と、ルールに記された内容が直接矛盾する場合、カードの内容が優先される。 カードによってゲームを拡張していくという、マジックの多様性の根幹を成すルールである。 このルールの例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる。
- 例えば、通常はライブラリー中のカードを見ることはできない(→CR:401.2)が、思案/Ponderの効果によって見ることができる。そういうルールである。
- ただし、カードとルールが「直接矛盾」していない場合はこの限りではない。
「できない」は「できる」に勝つ
ルールや効果が何かについて「…する/してもよい/できる」としている場合でも、同じことについて「…できない」という効果があれば、それを行うことはできない。
- これは「『できない』というルール」については適用外である。先述のように、「できる」とするカードがあれば、それは「できない」とするルールに勝つ。
- 「できる」というルールより「できない」という効果が優先されることに関しては、「カードはルールに勝つ」というルールでも説明ができる。つまり「『できない』が勝つ」というのは効果同士のときのみ意味を持つルールであると思って差し支えない。
実行不可能な指示は無視する
カードやルールから指示された処理の一部が実行不可能だった場合、その部分は無視され、それ以外の実行可能な部分だけが実行される。 無視された部分は、決して実行されたことにはならない。
- 例えば、手札にカードが1枚しかないプレイヤーに対して荒廃稲妻/Blightningを使用した場合、そのプレイヤーは3点のダメージを受け、カードを1枚だけ捨てる。手札にカードが無ければ、3点のダメージを受けるだけである。
- 例外として、ライブラリーが空であっても、「カードを引く」という指示は実行できる(→CR:119.3)。もちろん、カードを引くことはできないのだが、これは「カードを引けない」という状態とは異なる(→朝の歌のマラレン/Maralen of the Mornsong)。引くの項目も参照。
APNAP順ルール
複数のプレイヤーが何かを同時に選択したり、選択が必要な処理を同時に行ったりする指示があった場合、まずアクティブ・プレイヤーが最初に選択を行い、その後ターンの進行順に各プレイヤーが選択をしていく。 各プレイヤーは、自分より前のプレイヤーが何を選択したかを知った上で自身の選択を行える、というルールである。 すべてのプレイヤーの選択が終わった後に、同時に処理が行われる。
このルールは、アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール(APNAP順ルール)とも呼ばれる。
手札やライブラリーにあるカードなど、非公開のカード群から選択をする場合、選んだ時点ではそのカードの表側は公開しない。 裏向きのまま、どのカードを選んだかを示す。
あるプレイヤーが複数の選択を同時に行える場合、指定がない限り、そのプレイヤーの望む順番で選択を行う。 あるプレイヤーの選択によって、そのプレイヤーよりも前に選択を行った他のプレイヤーに新たな選択肢が生じた場合、現在のAPNAP順を完了した後にさらにAPNAP順での選択を行っていく。
呪文を唱えたり起動型能力を起動したりする時に行う選択は、このルールの例外である。その場合はその呪文や能力のコントローラーから順に選択を行う(→CR:601.3b, CR:602.3b)。
双頭巨人戦では、プレイヤー単位ではなく、チーム単位で順番を組んで選択を行う(→CR:806.6d)。
- プレイヤーが2人いるゲームで狂乱病のもつれ/Delirium Skeinsを使用した場合の例。
- まず、アクティブ・プレイヤーは手札からカードを3枚選び、それを裏向きのまま他の手札のカードから分ける。
- 次に、非アクティブ・プレイヤーが手札からカードを3枚選び、それを裏向きのまま他の手札のカードから分ける。
- その後、両プレイヤーは選んだカードを同時に捨てる。
- プレイヤーが3人いるゲームで、たわむか折れるか/Bend or Breakを使用した場合の例。アクティブ・プレイヤーからターン進行順にプレイヤーA,B,Cと呼ぶ。
- まず、Aから順番に、自分がコントロールしている土地を2つの束に分けていく。
- 次に、『各プレイヤーについて、対戦相手1人はどちらか1つの束を選ぶ。』という部分を処理する。
- 最初にAが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」である。ここでは、Cを指名したとする。
- 次にBが選択を行う。Bが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」である。ここでは、Aを指名したとする。
- 次にCが選択を行う。Cが選ぶのは、「自分の束を選ぶ対戦相手を誰にするか」と「Aの束のどちらを破壊するか」である。Cは任意の順番で選択できる。ここでは、前者についてはBを指名したとする。
- APNAP順が一巡したが、一部のプレイヤーに新たな選択肢が生じたので、再度APNAP順で選択していく。
- この時点でAが選べるのは、「Bの束のどちらを破壊するか」なのでそれを選ぶ。
- 続いてBが「Cの束のどちらを破壊するか」を選ぶ。
- これですべての選択が終わったので、『選ばれた束の土地をすべて破壊し、…』の処理に移る。
- プレイヤーが2人の場合には、「自分の束を選ぶ対戦相手の指名」は行わないので注意。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 101 マジックの黄金律
- 101.1 カードの文章がルールに直接矛盾しているときは、カードの記述が優先される。カードはその特定の状況に適用されるルールだけを無視する。このルールの唯一の例外として、プレイヤーはいつでも投了することができる(rule 104.3a 参照)。
- 101.2 ルールまたは効果によって何かをしてもよい、あるいは何かをするとされている時に、他の効果によってその同じことができないとされていた場合、「できない」という効果が優先される。
- 101.3 カードの記述の一部が実行不可能であった場合、その部分は無視される。(多くの場合、カードにその場合の処置が明記されている。そうでなければ、効果はない。)
- 101.4 複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり処理したりする場合、アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行い、そのあとでターン順で次のプレイヤー(通常、アクティブ・プレイヤーの左隣に座っているプレイヤー)が必要な選択を行い、その後、残っている非アクティブ・プレイヤーがターン順に選択していく。すべての選択が終わった後、処理が同時に行われる。このルールは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール」(またはAPNAP順ルール)と呼ばれる。
- 101.4a 効果によって各プレイヤーが手札やライブラリーなど非公開の領域からカードを選ぶ場合、そのカードは選ばれた時点では裏向きのままでありうる。しかし、各プレイヤーが選んでいるのがどの裏向きのカードかは明白に示されなければならない。
- 101.4b プレイヤーは、rule 101.4a の例外を除いて、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行う。
- 101.4c 1人のプレイヤーが複数の選択を同時に行う場合、書かれている順で選択を行う。順番が指定されていなければ、そのプレイヤーが順番を決める。
- 101.4d 非アクティブ・プレイヤーの行なったいずれかの選択によって、アクティブ・プレイヤーまたはターン順で前にいる他の非アクティブ・プレイヤーによる選択が必要となった場合、その時点で残っているすべての選択のためにAPNAP順が再び開始される。
- 101.4e ゲームの開始時に複数のプレイヤーが選択や処理をする場合、開始プレイヤーをアクティブ・プレイヤー、他のプレイヤーを非アクティブ・プレイヤーとして扱う。
- 101 マジックの黄金律