スーサイドブラック
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スーサイドブラック(Suicide Black)とは、スーサイドデッキの一種。直接的には黒のスーサイドデッキ全てを指す名前であるが、通常はペナルティ能力を持つクリーチャーを多用する黒ウィニーをこう呼ぶ。
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概要
赤に絶望的なまでに弱く、青に対しては圧倒的なまでに強いという特徴を持つ。
黒のウィニークリーチャーは総じてタフネスが低くかつ地上クリーチャーなので、火力で容易に焼き払われてしまう。ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negatorだけはタフネスが5と高いが、こいつは余計に火力に弱い。また、コストやデメリットでライフを要求するカードも多く、プレイヤー自身も火力で死にやすくなる。ヘイトレッド型だと憎悪/Hatredの返しのショック/Shock1発で死んだりする。
一方、青がダメージレースを挑んでくることはほとんどないので、ライフ面でのペナルティが苦にならず、スーサイドなスピード面でのメリットが最大限に生きる。バウンスこそしてくるものの、除去は基本的にしてくることもなくブロッカーを置くこともしないため、タフネスが低かろうが地上を這っていようが関係ない。手札主体で戦う青に対して、黒が得意とする手札破壊が有効であることもこれを後押しする。
奇しくもと言うべきだろうか、相性のはっきりしている色はどちらも友好色である。つまり色対策カードが少なく、お互いにサイドボードするカードがないといったことがよくある。
ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
テンペスト・ブロックの退場でシャドーウィニーや憎悪/Hatredなどの主力カードのほとんどを失ったあと、暗黒の儀式/Dark Ritualから大型スーサイドクリーチャーを戦場に出し、よじれた実験/Twisted Experimentでバックアップする、ツイスト・ブラックが登場した。
爆発力はヘイトレッドに及ばないが、その分安定性は高い。
テンペスト・ブロック構築
テンペスト登場時、黒シャドーウィニーに肉占い/Sarcomancyなどを投入したデッキが登場。当時のテンペスト・ブロック構築やスタンダードで活躍した。
エクソダスで憎悪/Hatredを得てこのデッキは最盛期を迎える。最速2ターンキルも可能な超高速デッキだった。
詳細はヘイトレッドの項目を参照。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーロサンゼルス98 第8位 (参考)
- 使用者:Andrew Wolf
- フォーマット
メインデッキ (61) | |
---|---|
クリーチャー (19) | |
4 | ブラッド・ペット/Blood Pet |
4 | ダウスィーの怪物/Dauthi Horror |
4 | ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer |
4 | ヴォルラスの召使い/Servant of Volrath |
3 | ケザードリックス/Kezzerdrix |
呪文 (24) | |
4 | 暗黒の儀式/Dark Ritual |
2 | 再活性/Reanimate |
2 | 生ける屍/Living Death |
4 | 肉占い/Sarcomancy |
4 | 脊髄移植/Spinal Graft |
4 | 呪われた巻物/Cursed Scroll |
4 | 煮沸ばさみ/Scalding Tongs |
土地 (18) | |
18 | 沼/Swamp |
サイドボード | |
4 | ボトルのノーム/Bottle Gnomes |
3 | 強要/Coercion |
3 | 夜の戦慄/Dread of Night |
2 | 闇への追放/Dark Banishing |
2 | 非業の死/Perish |
1 | 凶運の彫像/Jinxed Idol |
- テンペスト・ブロック構築のデッキ。黒シャドーウィニーに、デメリット持ちながらも効率の良いクリーチャーを取り入れた構成になっている。
- クリーチャー以外にも脊髄移植/Spinal Graftというハイリスクな強化オーラが用いられていることも注目点に挙げられる。
最初の形式変更後のスタンダード
ネクロポーテンス/Necropotenceの圧倒的ドローを生かした黒ウィニー、12Knightsが存在した。→ネクロウィニー、スーサイドネクロ
ただしネクロディスクなど、ドレイン手段を持つものや、自力でネクロポーテンスを処理する能力を持つものは、こう呼ばれない。
エクステンデッド
旧エクステンデッドには、ネクロポーテンス/Necropotenceを使用したネクロウィニーが存在した。
ウィニークリーチャーによるビートダウンや暴露/Unmaskなどの手札破壊要素によりネクロ・ドネイトに強い。
また、サイカトグなどの青系デッキが流行すると、それへのメタデッキとして一部で組まれることがあった。
スピードではスライなどに劣るが、黒お家芸の手札破壊やクリーチャー除去により安定性が高い。
サンプルレシピ
メインデッキ (59) | |
---|---|
クリーチャー (20) | |
4 | ダウスィーの怪物/Dauthi Horror |
4 | ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer |
4 | カーノファージ/Carnophage |
4 | ナントゥーコの影/Nantuko Shade |
4 | ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator |
呪文 (18) | |
4 | 肉占い/Sarcomancy |
4 | 陰謀団式療法/Cabal Therapy |
2 | 悪魔の布告/Diabolic Edict |
4 | 強迫/Duress |
2 | 燻し/Smother |
2 | 殺し/Snuff Out |
土地 (21) | |
18 | 沼/Swamp |
3 | 不毛の大地/Wasteland |
サイドボード | |
3 | 棺の追放/Coffin Purge |
1 | 虐殺/Massacre |
2 | 非業の死/Perish |
4 | 疫病吐き/Plague Spitter |
1 | 次元の狭間/Planar Void |
1 | 燻し/Smother |
1 | 殺し/Snuff Out |
1 | 吸血の教示者/Vampiric Tutor |
1 | 不毛の大地/Wasteland |
- 大会取材記事内のリストにはメインデッキのカードが59枚しか記載されていない。
- デッキ名の"Black Deck Loose"はRed Deck Winsへのオマージュ。
レガシー
レガシーにおいても、スーサイド色の強い黒系速攻デッキが存在する。レガシーでは似たようなデッキタイプとしてピキュラ黒というデッキも存在するが、ピキュラ黒はこのタイプと比べコントロール力に差があるため、本項では若干違ったチューンを解説する。
レガシーでは、この手の単色デッキはいわゆる「集大成」の形となる。レガシーならではの優秀カードとして、Hymn to Tourach、Sinkhole、不毛の大地/Wasteland等で相手のリソースを削り一気に殴りきる。テンポを非常に重視しているのが特徴的で、除去にはマナが不用な殺し/Snuff Outを用いることが多い。クロックには未来予知で墓忍び/Tombstalkerを獲得し、それまでの強烈なデメリット持ちであったファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negatorの枠を上手く埋める事が可能になった。
ドローサポートとして闇の腹心/Dark Confidantが採用されることが一般的。ただし殺しと墓忍びが闇の腹心と相性が悪く、この点はスーサイド色が強いと言えなくもない。そのためライフロスを警戒して闇の腹心をはずし、速度や打撃力に特化しているタイプもある。