偽り/Jilt
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インスタント
キッカー(1)(赤)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(1)(赤)を支払ってもよい。)
クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。この呪文がキッカーされていたなら、別のクリーチャー1体を対象とする。偽りはそれに2点のダメージを与える。
キッカー付きの送還/Unsummon。キッカーすると別のクリーチャーに2点のダメージを与えられる。
1枚のカードで2体のクリーチャーに対処できるのが強み。またこれ自体は青なので、プロテクション(赤)を持つクリーチャーにダメージを与えられる火力ということも見逃せない利点。
リミテッドでは優秀なコンバット・トリックとして活躍した。構築でもトークンをバウンスしつつ、マーフォークの物あさり/Merfolk Looterや日を浴びるルートワラ/Basking Rootwallaを除去できるという事で、色が合えば使われることもあった。
ストーリー
「偽り」と訳されてる「Jilt」とは「(恋人を)捨てる、振る」という意味。このカードでは、ヨーグモス/Yawgmothが蘇らせた恋人ハナ/Hannaをジェラード/Gerrardが自身の手で殺す、別離の場面を描いている。イラストのジェラードは剣と短剣を手にしているが、小説Apocalypseでは魂奪取のハルバード(soul-stealing halberd)とウルザ/Urzaの首を両手に持っている。
小説によると、ヨーグモスに忠誠を誓い、ウルザに勝利して斬首したジェラードは、ヨーグモス自身の手でファイレクシア/Phyrexia人に改造され、クロウヴァクス/Crovax以上の地位を授けられた。全ては愛するハナを取り戻すための決断であったが、彼女の口を通してヨーグモス自身が喋ったことから、彼は蘇った恋人の内部にはヨーグモスの核(the heart of Yawgmoth)が潜んでいることに気づいてしまう。彼女は本当のハナではない。ジェラードはハルバードをハナの肩口から深々と叩き込む、「私を助けるために、私を殺して!(You save me only to slay me!)」とハナの叫び声、引き抜いたハルバードをもう一撃。ぞっとする光景、彼は恋人の死を2回も看取らねばならなかった。片やヨーグモスはハナの遺体から抜け出すが受けた損害がかなり深刻だったためか、ジェラードをファイレクシア第九球層から要塞/Strongholdの玉座の間へはじき出しただけに留まり、ジェラードの裏切りを配下に知らせるなどの対応すらしていない。
ハナを偽りの生から解放し、ヨーグモスの核を傷つけた流れは、このカードのキッカーした効果に呼応している。
- このカードのイラストとフレイバー・テキストは共に人気がある。
- フレイバー・テキスト原文では"You're not my Hanna!"となっており、訳文ではそのニュアンスが失われてしまっているのが少々残念なところ。
お前はハナじゃない!― ジェラードからヨーグモスへ