上位互換
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同じ能力でありながらマナ・コストが軽いとか、同じマナ・コストでありながらパワー、タフネスが高いなど、2枚のカードを比べた時に一方がもう一方に明らかに勝るような場合、それは上位互換 (Strictly Better)であるという。
例:脱走魔術師/Fugitive Wizard⇒映像の造形者/Imagecrafter
但し、100%厳密な意味での上位互換は1枚たりとも存在しない。 上位互換の正確な定義としては『あらゆる局面で一方がもう一方よりも優れている』事であるが、そのようなことは絶対にありえないからだ。
- 霊感/InspirationとAncestral Recallにすら、それは当てはまる。
だが、普通は他のカードを考慮しない単独での使い勝手のみで考えることが多いし、その方が実用的である。
このWiki内では基本的に他のカードとの相互作用は無視した上で考え、「メジャーなクリーチャー・タイプであり部族カードの影響を受けやすい」など個別の事柄については別に言及する。
100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。
- カード・タイプが違う場合
- 例えば風生まれの詩神/Windborn Museと亡霊の牢獄/Ghostly Prison等。
- サブタイプや色が異なる場合
- 例えばモンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raidersと凍らし/Frostling、解呪/Disenchantと粉砕/Shatterと青サビ/Verdigris等。
- 相手のカードを利用するカードを考慮した場合
- 例えば威圧/Dominateや精神隷属器/Mindslaver等。
- 状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合
- 例えば飛行。寄せ餌/Lure等の存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌とのコンボにおいて、コカトリス/Cockatriceと茂みのバジリスク/Thicket Basiliskでは後者の方がよく使われていた。
- クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的と言ってすら良い。
- たとえば罠の橋/Ensnaring Bridgeで攻撃できない、弱者の石/Meekstoneでアンタップしない、復仇/Reprisalで除去される、反発/Backlashで自分にダメージ、などなど。
- 点数で見たマナ・コストを参照するカード(燻し/Smother・うつろう爆発/Erratic Explosionなど)の存在から、マナ・コストも小さい方が良いとは限らない。
- 軽蔑する利己主義者/Scornful Egotistなどは、もはやそのようなカードのためにデザインされている。
- カード名が違う場合
- 翻弄する魔道士/Meddling Mageや嘘つきの振り子/Liar's Pendulum等、名前を参照するカードが存在するのがその理由である。
- それらを使うプレイヤーは、間違いなく『強い』カードの名前を言うだろう。それによって、『弱くても別のカードが欲しい』という、奇妙な状況が発生してしまうのだ。
- マスクス・ブロック〜インベイジョン・ブロック期のスタンダードにおいて、神の怒り/Wrath of Godを封じられた時の為に、その枚数を減らし(追加能力が付いているとはいえ)1マナ重い総くずれ/Routを投入する、という構築が、実際にトッププレイヤーの間でも行われていた。
- カード名が同じで能力が違うものは1枚もない為、100%の上位互換が存在しない事が説明できる。
- ちなみに、メンタルマジックでは下位互換カードや同型再版カードをどれだけ覚えているかが鍵となる。
- 上位種とはちょっと意味が違う。上位種はサイズ、効果、マナ・コストなどが全体的に大きくなったカードのこと。
参考
- 共通の地盤 ――神河物語の伝説の土地の利点(と弱点)の評価(Wizards社;英語)
- 用語集
- 下位互換
- Strictly Better Cards (有志による上位互換カードの暫定リスト)