グリセルブランド/Griselbrand
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希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hopeと双璧を成す伝説のデーモン。いかにも黒の大物らしく「デカい・重い・色拘束が強い」と三拍子揃った基本スペックに加え、ライフを犠牲にした大量ドロー能力を持つ。
ビートダウンに対しては絆魂持ちの大型クリーチャーとしてダメージレースを制圧し、ライフを攻めてこないコントロールに対しては大きなカード・アドバンテージを稼げる。さらに2つの能力が噛み合っており、戦闘を繰り返すことで何度でもドロー能力を使うことができる。
除去耐性としては黒いことと高タフネスであることだけで、あくまでそれなり。しかし除去に対応して7枚以上の手札を確保でき、もしその中にカウンターがあれば打ち消すことで守れるし、あるいは次のグリセルブランドがあれば再び召喚できるので、間接的にではあるが除去に強いと言える。その際に撃たれたのが剣を鍬に/Swords to Plowsharesや糾弾/Condemnであれば、起動コストに支払ったライフが帳消しになるのも魅力。とはいえやはりライフ消費が激しいのは無視できない欠点で、これを除去できる上にライフを詰めてくるデッキ、例えばDelver-Bladeなどは苦手な相手。
総じて優秀なクリーチャーだが、その分8マナととにかく重いのが難点。普通に使うフィニッシャー候補としてはもっと軽いライバルが多く、スタンダードでは扱いづらい。
しかし、リアニメイトなどでマナ・コストを踏み倒して戦場に出すクリーチャーとしては強力であるため、その手の踏み倒し手段が豊富な環境では一気に強さを増す。他の大型クリーチャーと比べてデッキのキーカードに繋げられる点が心強く、レガシーでは登場直後からさっそく活躍を見せている。
- パワー、タフネス、ライフコスト、ドロー枚数と、カード内に7が多い。なお点数で見たマナ・コストは7ではないので注意。
- Mark Rosewaterは「私がデザインしたのであれば、コストは7にしていただろう」と述べ、実際デベロップでも同様の意見はあったが、デベロップ・チームが8マナでも強過ぎると判断したために現在の設定となった。
- ドロー効率は「ライフ1点につきカード1枚」であり、ある意味でヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargainの調整版とも言える。ピットサイクルのようなチェイン・コンボのパーツになれる可能性もある。
- この強烈なドロー能力から、ライフが潤沢かつ安価に出せるならば、攻撃に有効活用できなくとも十分に有効。
- 騙し討ち/Sneak Attackとは強烈なシナジーを形成する。グリセルブランド自身が騙し討ちで呼び出す大型クリーチャーとして及第点の能力を持っているだけではなく、ドロー能力で次のアタッカーを用意する事で息切れを防ぐ事ができる。攻撃目当てでなくとも1マナでインスタント・タイミングで戦場に出すことができるため、ブロックして得たライフからドローしたり、あるいはドローだけのために戦場に出すことも容易。スニークアタックでは早くも採用され結果を残している。
- 発掘との相性も良好。墓地が十分に肥えていれば一度の起動でライブラリーを空にすることも不可能ではない。
- 統率者戦では、マナ・コストが重いものの、戦場に出たら容易に手札を稼げる、初期ライフが高めである為能力を複数回起動しやすい、等の理由から2012年6月20日(Magic Onlineでは6月27日)より禁止カードとなった。
ストーリー
グリセルブランド/Griselbrandは最も強大なイニストラード/Innistradの悪魔。アヴァシン/Avacynと相討ちする形で共に獄庫/Helvaultへと閉じ込められていたが、かつて彼と魂の契約を結んだリリアナ/Lilianaの計画により獄庫は破壊され、再び外の世界へ解放された。
詳細はグリセルブランド/Griselbrand (ストーリー)を参照。
- イニストラード・ブロックの最後を飾る大物として、発売前にストーリーとカード画像とがいち早く公開された(下記リンク参考)。しかしその記事の中で、復活したはいいものの特に見せ場なくあっさりと最期を迎えることまで紹介されてしまった。
参考
- Angel's Rise and Demon's Release/天使は蘇り、悪魔は解き放たれる(DairyMTG.com、Feature Article、文:Doug Beyer、訳:若月繭子)
- 壁紙・待受(DairyMTG.com、Magic Arcana)
- アヴァシングル・レディー その2(DairyMTG.com、文:Mark Rosewater、訳:米村薫)
- カード個別評価:アヴァシンの帰還 - 神話レア