ニューカペナ/New Capenna

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ニューカペナ/New Capennaは、カペナ/Capennaの都市。ニューカペナの街角の舞台となった。

目次

世界観

かつて天使/Angelデーモン/Demonが協力して築いた、巨大な高層都市。「一家/Family」と呼ばれる五つの犯罪組織に支配されている。

光素/Halo

光素/Haloは、ニューカペナの人々が求めてやまない貴重な魔法物質であり、飲むことで魔力を強化できる。天使からの贈り物とされる。

詳細は光素/Haloを参照。

一家/Family

斡旋屋一家/The Brokers

緑白青の一家。ファルコ・スパーラ/Falco Sparaが率いる。詳細は斡旋屋一家/The Brokersを参照。

常夜会一家/The Obscura

白青黒の一家。ラフィーン/Raffineが率いる。詳細は常夜会一家/The Obscuraを参照。

貴顕廊一家/The Maestros

青黒赤の一家。ザンダー/Xanderが率いる。詳細は貴顕廊一家/The Maestrosを参照。

土建組一家/The Riveteers

黒赤緑の一家。ジアトラ/Ziatoraが率いる。詳細は土建組一家/The Riveteersを参照。

舞台座一家/The Cabaretti

赤緑白の一家。ジェトミア/Jetmirが率いる。詳細は舞台座一家/The Cabarettiを参照。

歴史

高層都市の創設

ニューカペナの人々はこの都市には歴史などないかのように振舞うが、それは誤りだ。何百年も前、ここには多くの都市、王、文化、驚異の一つが、次元/Planeがあった。そのカペナ/Capenna、あるいは旧カペナ/Old Capennaは、忘れられし敵との壊滅的な戦争で失われてしまった――そしてその戦争が高層都市ニューカペナの創設を促したのだ。未知なる世界には孤立した文明があるかもしれないが、ニューカペナの人々の関心の範囲では、この都市こそが次元そのものだ。

ニューカペナの高みにおける安全は、記憶を――頭の中のものも記録されたものも――犠牲にもたらされ、歴史は神話や伝説へと変質してしまった。侵略者たちは希望を喰らい、親に子を襲わせ、何千年にもわたりこの次元を毒していた。旧カペナの大天使/Archangelたちとその部隊による介入を受けてようやく、この次元を防衛する定命の者たちは好機を得た。この神聖なる戦士たちと共闘し、旧カペナの防衛隊はわずかな地区を何とか維持し、包囲されながらも終わりには屈しなかった。

この防衛隊の中には、現在の五つの一家のルーツを見ることができる。聖騎士は斡旋屋一家となり、ドルイドは舞台座一家となり、武器鍛冶や職人は土建組一家となり、神託者は常夜会一家となり、彼らに資金を提供していた貴族階級は貴顕廊一家となった。

旧カペナ最後の防衛隊に対して侵略者は何度も軍隊を送り、天使と定命の者たちは耐え続けていたが、勝算がないのは大天使たちの目には明らかだった。敵の数は無尽蔵だった。敵は自前の騎士だけでなく死者を数に加え、斃れた防衛隊の亡骸を動かし、かつての戦友と戦わせていた。このような運命から旧カペナの人々を救うため――そしてこの次元を完全な敗北から救うため――大天使たちは昔からの、よく知る敵に目を向けた。旧カペナの大悪魔/Archdemonたちだ。

旧カペナの連合軍が戦線を維持する間に、大天使と大悪魔たちは協力して輝く塔を、雲を貫く強大な要塞を築き上げた。できるだけ速やかに、旧カペナの人々は安全な要塞塔に入り、労力を費やしてこの 塔をさらに高くし、街路や公園、大通りや建物で埋め尽くした。それはまるで家のような、そして外に群がる敵への輝く抵抗として立つものだ。この場所が次元を守るのだ――要塞は都市となり、人々はこの都市をニューカペナと呼んだ。

大天使、定命の者、大悪魔の連合軍は最後までこの都市に入らず、下層のエレベーターへと殺到する避難民のために道を開き続けた。敵は止まらなかった。伝説によれば、この戦争の最後の戦いは最終エレベーターの上で行われ、都市の下腹部へと向かう中、連合軍の兵が敵の騎士を上昇する足場から投げ落としたのだという。敵は阻まれ、最終エレベーターが到着し、ニューカペナは下界の一切に対して閉ざされた。

大悪魔の陰謀

この次元の生存者たちはニューカペナの中で安全を手に入れ、人々がそれを祝うのを大天使と大悪魔は止めなかった。しかしながら、大天使は喜べなかった。暗き真実を知っていたからだ。この塔はその力と抵抗にもかかわらず、敵を止めるには充分でなかったのだ。固く守られており侵入は困難だが、敵が中に入る道を見つけることができたなら――敵はそれを探すことをやめないだろう――遥か下の世界で起きたのと同じ戦争がここでも勃発する。したがって、この都市の建設者は難問に悩まされた――大きく数で負けている中、都市とそれが立つ次元の安全をどうすれば保障できるだろう?

大天使たちが悩んでいる間に、大悪魔たちは陰謀を企てていた。戦争中、カペナの大天使とその天使の部隊はその存在だけで敵を滅ぼしていた。大悪魔たちはこの神聖なる天然の武器を研究し、気づいた。天使を捕らえてその精髄をニューカペナじゅうに――もしかすると外の旧カペナにさえも――行き渡らせたなら、敵を撃退し、都市と住民の安全を確かにできると。だが自分たちだけでは裏切りを実行することができず、そのため大悪魔たちは定命の者たちの耳に、力に飢えたカペナ人の耳に囁き、将来への難問に対する暗き答えを植えつけた――天使を捕らえ、悪魔の時代を始めよう。

大悪魔の五人の定命の勇者は、小さな組織の指導者や、影響力を持つ取るに足らない貴族であり、独自のカリスマを持ち、すでに少ないながらも熱心な信奉者を集めていた――ラフィーン。議論好きな占い師のスフィンクスで、自らが預言の器であると長年信じてきた。ザンダー卿。死に絶えたも同然の貴族の家系に生まれた病弱な芸術家で、自分よりも若い同業者が批評家から受ける称賛に嫉妬している。ジアトラ。若きドラゴンの狂戦士にして盗賊団の長で、戦うために生き、力だけを夢見ている。ジェトミア。世捨てのドルイドに転身した放蕩息子で、属する教団の禁欲主義を拒み、野生の快楽主義的なパーティーに耽り、決して音楽を止めようとしない。この四人は、五人目の大悪魔の勇者によって集められた。聡明で妥協を知らない、完全に狂信的な法律家、ファルコ・スパーラ。

すべての権力が奪われる前にニューカペナの分け前に与りたいと切望し、この定命の者たちは大悪魔たちに身を捧げた。大悪魔の大天使に対する陰謀は、大悪魔自身が犠牲となることでしか達成できないものだったのだ。五人はデーモンとの混種となり、その身に縛られた大悪魔から恩恵と呪いの両方を授かり、悪意を増し、更なる力を手に入れた。

大悪魔の守護者とともに、このデーモンとの混種とその信奉者たちは、侵略者の軍を襲った突然の眠りに利を得て――その原因は不明だが、歓迎すべきことには変わりない――計画を実行に移し、最も楽観的な予測をも超えた成功を収めた。大悪魔たちと五人は長きにわたる戦いをすることなく、都市を挙げた勝利の祝福のさなかに、大天使たちとその部隊を捕らえた。大天使たちは敵を眠りに就かせるために自らその身を捧げたのだ、人々はそう聞かされ、五人とその組織は――「一家」は――おぞましい真実を伏せた。大悪魔は天使たちを都市の防衛に用いた。天使たちを捕らえてある種の静止状態にし、その物理的肉体を新時代の燃料――光素へとゆっくり転換していったのだ。

一家の支配の時代

現代では、五つの一家は産業の特定分野を支配し、この都市の三層の縄張りを支配し、互いに丸見えかつ秘密裏に活動することに落ち着いた。名目上の、ほとんど痕跡だけの都市政府は、街灯が点り、水が綺麗で、通りが補修されていることを確かにする。他の次元で知られるような法律は――王や政府、警察が施行する、厳しい規則や破った者に対する罰は――ニューカペナには存在しない。その代わりに協定が、五つの一家が同意した掟がある。最初はファルコが起草して五つの一家の長が同意したものであったこの掟は、平和の緩やかな規則を確立している――出過ぎた真似をしないかぎり、何をやってもよいというものだ。

一家を取り締まる都市の権威はないので、一家は自分で自分を制御しなければならない。隠れ蓑、言い逃れ、秘密工作は、互いに分かっている芝居として演じられる。誰もがそうし、そして誰もが理解している。規則が存在するという事実を鑑み、誇示された規則にしらばっくれることは礼儀なのだと。柔軟性、許容、好意、見て見ぬふりがニューカペナでは大事なことだ――ある一家が過ぎた取り分をせしめようとしないかぎり、どの一家もそうはしない。そうしてニューカペナには平和があるのだ。確かに、これは血なまぐさい類の平和だ――執行人や街路のボスが喧嘩や諍いをし、チンピラが死体になり、少量の貨物が行方不明になる――だが一家にとって、それらは許容できる損失である。戦争を回避するために支払う代金なのだ。

ニューカペナの多くの人々は、大悪魔が大天使を裏切り、五つの一家が権力を掌握したことを全く知らない。侵略は何世代にもわたっていた。人々は疲弊し、怯え、安全に飢えていた。無力な王や弱い統治者が自分たちに安全を提供できないなら、この新たな組織が、カリスマ的指導者が率いるこの五つの一家がやってくれるだろう。一家の長たちが言うには、天使はこの都市を人々に贈るために犠牲となったらしい。天使はその身を捨てて光素を作り、都市じゅうに、大気そのものにまでそれを行き渡らせた。そのおかげで自分たちは安全と繁栄を得て、この都市をもっと高く壮大なものにするべく勤勉に働くのだ。いつか天使の犠牲が完遂され、下方の次元に帰ることができるという希望を胸に。人々はこの命題を受け入れた。彼らは天使の犠牲に感謝し、元気を与えてくれる光素の盾の下、過去を消し去り、仕事に取りかかるのだ。

現在、ニューカペナは人々でごった返した巣であり、一つの都市内次元だ。それは構造的支柱と錨の森の上から、空へと何マイルもの高さにそびえ立ち、ワイヤーの裾と拡散した光素の盾に囲まれている。天使の精髄そのものの盾に。

ニューカペナの人々にとって、自分たちの祖先をこの都市に追い込んだ脅威はあまりに遠い存在で、ほとんど忘れてしまったも同然だ。それは古い次元の、「外の」、遠い昔の話だ。時折、古い名を持つ新たな到着者が昔のリフトに乗って下界から上がり、過酷な生活や荒れ地の悪夢の話をもたらすが、都市の外で何が起こっているかに大きな興味を抱くニューカペナの者はほとんどいない。時が経てば、このような新たな移民も外のことを忘れていってしまう。都市の速度がそれを求めるのだ。ニューカペナは機会の都市――自分が何者であったかを忘れる場所、新たな未来を描く場所だ。この新たな次元で新たな運命を求め、新たな生活を築くに際して。

光素の枯渇

ニューカペナに着いてみると、五つの一家の間にあった見せかけの平和が崩れ始めていることに気づくだろう。光素が――その魔力強化と治癒力から需要が高い、粘ついた、神聖な、油のような液体が――枯渇しつつあるのだ。

すべての一家が、それがどのような形やあり方で来るかを知らずとも、終わりが来ることを感じている。すでに彼らはできるだけ多くの光素を備蓄し始めており、行き渡るのに充分な量はなくなっている。かつて立ち入り禁止とされていた場所や人々が標的となってきている。かつてカルダイヤの埠頭や倉庫、メッツィオの路地に限定されていた暴力は、高街の黄金色の街路に血を散らせるべく忍び寄ってきた。

五つの一家のいずれも次に何が起こるかを知らないが、すべての一家が同意することが一つある――都市のパワーバランスが揺らぎつつあるということだ。彼らが生きてきた規則はもはや適用されない。光素は、かつてこの都市を救ったものだが、今やこの都市を破滅させるかもしれない。天使たちは、この次元から消えたと思われていたが、帰還し始めている。一家に力を授けた大悪魔たちは遠いところにいる。パーティーは間もなく音を立てて終わりを迎え、そしてどの一家も自分が勘定を払う役回りになることを望んでいない。

地理

この次元にあるのは都市ニューカペナだけではないが、ニューカペナの市民の誰かに訊いても外の世界を知ることはできないだろう。この都市は、忘れられし王国の首都の瓦礫の上に築かれた巨大な都会の塔にして、広大で何もない荒れ地の中に一人立つ番兵であり、この次元の人口のほとんどを有している。この大都市は三つの異なる層に分かれている――工業地区カルダイヤ/The Caldaia、賑やかなメッツィオ/The Mezzio、魅力的な高街(たかがい)/Park Heightsだ。

カルダイヤ/The Caldaia

カルダイヤはニューカペナの最下層で、工場、倉庫、巨大なインフラ施設で満ちた、この都市の工業の中心地だ。ニューカペナの構造的支柱はここに力強く立っており、それよりも強く見えるものは、カルダイヤを故郷と呼ぶ土建組の力だけだ。カルダイヤは高街の魅力やメッツィオの殺人的競争を有しないかもしれないが、目的、気概、度胸に動かされている。土建組がまとめ、組織するカルダイヤの労働者がいなければ、ニューカペナは機能停止に陥ってしまうだろう。

カルダイヤには人間/Humanデビル/Devilヴィーアシーノ/Viashinoロウクス/Rhoxといった多様な人々が住んでおり、彼らはこの地区の長屋や工場で生活や仕事を共にしたり、都市のエレベーターに乗って上へ向かい、メッツィオや高街のクロム合金の塔を建設したりしている。

カルダイヤはニューカペナのせわしなく混み合う工業拠点だ。ここでは土建組が支配的な一家だが、その数よりも、カルダイヤの密集した集合住宅に住む労働者の純粋な人口の方が多い。

カルダイヤのこのような地区の中で最も悪名高いのはヴェール/The Vertsだ。この地区の両脇の街路は取り除かれており、それは要塞のように並ぶ集合住宅群を作り出し、その中では土建組の高位の構成員が寛いでいる。

メッツィオ/The Mezzio

メッツィオは活気に満ち、人々が励み、人口が密集する、ニューカペナ最大の層だ。都市の中層、メッツィオが眠ることはない。通勤客がカルダイヤから昇る場合も、高街から降りる場合も、メッツィオの街路は常にせわしなく、常に生気、約束、人々で賑わっている。常に建設中で、常に作り直され、常に静まらず、常に退屈しない。メッツィオでは、汚れたジーンズの労働者が、毛皮を着た社交界の名士と同じ列車に乗る。貴顕廊の執行人が、常夜会の神秘家と同じ街路を歩く。下層の工業の火と上層の豪奢な遊び場に挟まれたメッツィオは、ニューカペナの「真の」都市であり、夢が育まれ財が築かれる――そして失われる――場所だ。中層にいる者にとって、昇るも落ちるもほんの一歩に過ぎない。メッツィオは舞台座、常夜会、貴顕廊の本拠地だ。

メッツィオは頽廃と節制が衝突して混ざり合い、折衷的で混沌とした、活気に満ちたタペストリーとなる場所だ。そこでは伝統が進歩とともに踊り、都市を作り上げている。メッツィオは張り切り、賑やかで、眠ることはない。常に為すべきことがあり、会うべき人がおり、行くべき場所があり、興味深い食事、音楽、ショー、光景がある――舞台座と貴顕廊がこの層を故郷と呼ぶべく争うのも不思議ではない。

カルダイヤがこの都市の工業の中心地を謳う一方で、メッツィオはこの都市の文化の中心地を謳っている。カルダイヤに繋がるバッサマー・ブリッジ/Bassomar Bridgeの巨大な駅から、灯りの絶えない中心街にあるヴェスティ広場/Vesti Square、そしてクラウドポンテ橋/Cloudponte Bridgeに至るまで、メッツィオはニューカペナ最大の層だ。

高街/Park Heights

すべての上にあるのは高街、ニューカペナの最上層だ。ここでは建物がクロム、黄金、ガラス、鋼に輝き、空を突き、雲の上で弧を描いている。高街の上には天の星の弧以外に何もなく、高街を故郷と呼ぶ者たちはそれをよく知っている。

この都市の中で最も人口密度の低い層である高街には、ニューカペナのボス、オーナー、産業界の巨匠たちの家と本部がある。同様に高街では、オペラハウス、オーケストラホール、会員制のクラブ、イベント会場、店、公園、邸宅、庭園も見られる。高級なもの、豪奢なもの、カルダイヤやメッツィオの市民が浮ついていると思うもの――だが密かに欲しがるもの――は何であれ、この層で見つけることができる。高街では、すべての歩道が花道であり、すべての店が舞台であり、そして誰に金を払えばよいかを知っていれば、どんな規則も破られうる。高街は斡旋屋の本拠地である。

高街はニューカペナの頂点であり、そこでは力ある者たちが遊び、耽り、都市そのものが彼らの意志に従う。ここは美しい場所で、起伏のある緑豊かな公園、木々、公共の庭園があり、見上げても空しか見えない唯一の層だ。高街の中心的象徴は、Park Heightsの名の由来となった公園――フェラーラ公園/Ferara Parkだ。都市の有力者たちの依頼により、ここは旧カペナの極楽のような土地を模した風景となっている。公園の中央の池に持ち込まれ住まわされたクラーケン/Krakenを含めて。

種族

人型種族
その他
  • 天使/Angel - 善良な存在。かつて侵略者と戦うため、宿敵たるデーモンと協力した。
  • デーモン/Demon - 邪悪な存在。かつて五つの一家の長と契約を交わし、彼ら自身をデーモンに変えた。
  • スフィンクス/Sphinx - 翼を持つ人面の獣。
  • ドラゴン/Dragon - 竜。ジアトラ以外は絶滅したとされる。

キャラクター

プレインズウォーカー/Planeswalker
ニューカペナの住人
ファイレクシアン

登場

登場作品・登場記事

参考

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