キューブ・ドラフト
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キューブ・ドラフト/Cube Draftは、非公式フォーマットの1種。市販のブースターパックやトーナメントパックを用いずに行なわれるリミテッドである。
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解説
まず、「キューブ」と呼ばれる適当に集められたカードの山を準備する。キューブの枚数は、8人でドラフトを行なえる360枚以上であることが望ましい。続いて、一般的にはこのキューブから15枚1組の束を取り出し、この束をひとつのパックと見なしてドラフトを行なう。
キューブの構成は自由であり、各参加者が好きに持ち寄ったカードを集めて作っても構わないし、主催者がバランスを考えて作り上げてもよい。15枚の束も、キューブからランダムに取り出したものでも、主催者が作ったものでもよい。
ドラフト形式も一般的なブースター・ドラフトに限らず、ウィンストン・ドラフト、ロチェスター・ドラフトなど人数や好みに応じて選べばよい。
キューブドラフトの最大の魅力は、通常のドラフトとは全く異なるカード・プールを体験できることにある。すべてのカードが強力でピックに困るようなカード・プールや、特定の色が存在しない、あるいは環境の全てが単色といった色に偏りのあるカード・プール、面倒と感じる人もいるデッキを切り直す効果を持つカードが存在しない環境、トークンを生み出すカードが存在しないためトークンカードを用意しなくて良い環境など、一緒にキューブを楽しむグループが合意する限り楽しみ方は自由である。多様なエキスパンションのカードが混ざる場合が多いため、普通にプレイしていては遭遇できないような変わったシナジーが見つかるといった面白さもある。
お金が掛からない上にリミテッドの練習になり、1度キューブを作ってしまえば、同じキューブで何度も遊ぶことができることも利点といえる。構築で全く使わないカードをキューブ・ドラフト用に取っておく場合もある。
インビテーショナル07で採用された際には、パワー10などのヴィンテージで制限されるカードや、マスティコア/Masticoreや梅澤の十手/Umezawa's Jitteなどのドラフト初手級カードが目白押しのキューブが作られ、そこからランダムに取り出した束でブースター・ドラフトを行なった。
Magic Online
Magic Online(MO)では新エキスパンションの発売直前や年末年始などに定期的に開催される。基本的にはイベント終了後に消滅し、手元にカードが残らないファントム・ブースターが利用され、商品はファントム・ブースターを用いたイベントに参加するためのファントム・ポイントや、同時にドラフトのイベントが開催されている古いエキスパンションのブースターパックとなっている。なお、再録禁止の影響を受けない上に、カードが拡散しないファントム・ブースター故に、キューブには神話レアや爆弾レアが惜しげもなく投入される。
- DCI非公式フォーマットの中、最も多くのMOの競技イベントに採用されているフォーマットであり、MOの最高峰であるMagic Online Championship Seriesでは、(予選・本戦問わず)フォーマットとして採用された例が非常に多い。
- プレミアイベントでも、プレイヤー選手権12でフォーマットとして採用された。
- かつてヴィンテージが存在しないMO環境では、年末年始に行なわれるホリデー・キューブには、パワー10など、このイベントしか使えない超強力カードが入った特別なキューブが採用された。
- ちなみにこの際、Black LotusやMox Sapphireなど一部のカードは、各種大会の優勝賞品として書き下ろされたポスター版のイラストを、新枠レイアウトに収めて使用されていた。後にこれらのカードは、MO内で使用できるカードとして、Vintage Mastersに収録した。
- MO上で開催されるキューブ・ドラフトは定期的にカードプールが更新される。開催日時とキューブのカードプール詳細は公式サイトとクライアント上で確認できる。
- 現在はカードプールによって、モダン・キューブ、レガシー・キューブ、ヴィンテージ・キューブ、ホリデー・キューブなどの名称が付けられている。
MTGアリーナ
Magic: The Gathering Arena(MTGアリーナ)上でもしばしば開催される。MO同様、ピックしたカードが手元に加わらない「ファントム」イベントで行なわれる。MTGアリーナ上で実装されているカードの中から選りすぐられた強力なカードが集められた「アリーナ版キューブ・ドラフト」や、カード同士のシナジーが重要な「発明家のキューブ・ドラフト」などがある。
参考
- The Cube FAQ(アーカイブ)
- キューブ・ドラフトの道しるべ
- フォーマット
- トーナメント用語