サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol (ストーリー)

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ジェスカイの要塞を訪れたサルカンの前に、[[ジェスカイ道/The Jeskai Way]]の[[カン/Khan]]である[[ナーセット/Narset]]が姿を現す。彼の瞳の中に別の力を感じた彼女は此処へ来た経緯を話すよう促し、サルカンはたどたどしくもナーセットへすべてを話した。彼女はサルカンを導いているのが[[ウギン/Ugin]]であることを確信し、[[精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon#ストーリー|精霊龍の墓/The Spirit Dragon's tomb]]へ彼を連れて行くことを決めた。
 
ジェスカイの要塞を訪れたサルカンの前に、[[ジェスカイ道/The Jeskai Way]]の[[カン/Khan]]である[[ナーセット/Narset]]が姿を現す。彼の瞳の中に別の力を感じた彼女は此処へ来た経緯を話すよう促し、サルカンはたどたどしくもナーセットへすべてを話した。彼女はサルカンを導いているのが[[ウギン/Ugin]]であることを確信し、[[精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon#ストーリー|精霊龍の墓/The Spirit Dragon's tomb]]へ彼を連れて行くことを決めた。
辿り着いた峡谷でサルカンの杖が輝き出し、[[ウギンのきずな/Ugin's Nexus#ストーリー|きずな/The Nexus]]から燃え盛る扉が彼らの前に現れる。ところが二人は[[ズルゴ/Zurgo]]の襲撃を受けた。スルゴの攻撃を防ぎ、扉をくぐれと叫んだナーセットはズルゴの凶刃に倒れた。
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辿り着いた峡谷でサルカンの杖が輝き出し、[[ウギンのきずな/Ugin's Nexus#ストーリー|きずな/The Nexus]]から燃え盛る扉が彼らの前に現れる。しかし二人は[[ズルゴ/Zurgo]]の襲撃を受け、ズルゴの凶刃にナーセットが倒れた。
 
激高したサルカンは帰還した後にズルゴへ報復することを誓い、扉を潜り抜けた。
 
激高したサルカンは帰還した後にズルゴへ報復することを誓い、扉を潜り抜けた。
  
 
===運命再編===
 
===運命再編===
 
扉を潜り抜けたサルカンが目にしたのは、上空をドラゴンの群れが飛び回るタルキールの空であった。彼は自分が憧れていた龍の住むタルキールの世界に歓喜し、ドラゴンへと変化してその群れへ加わったが群れは人間の部族によって包囲され、彼はドラゴンが人間に狩られる様を目の当たりにした。怒ったサルカンは狩猟の長である人間の女を殺そうと考えたが、同時に龍を狩る手腕と勇気に感銘し、その跡を追う事にした。
 
扉を潜り抜けたサルカンが目にしたのは、上空をドラゴンの群れが飛び回るタルキールの空であった。彼は自分が憧れていた龍の住むタルキールの世界に歓喜し、ドラゴンへと変化してその群れへ加わったが群れは人間の部族によって包囲され、彼はドラゴンが人間に狩られる様を目の当たりにした。怒ったサルカンは狩猟の長である人間の女を殺そうと考えたが、同時に龍を狩る手腕と勇気に感銘し、その跡を追う事にした。
[[ティムール境/The Temur Frontier]]の集落で、サルカンは女に待ち伏せされた。互いに名乗った際に女は男の名をサル-カン(偉大なるカン)と呼んで敬意を見せながらも警戒し、男は女がティムールのカンにして[[ヤソヴァ/Yasova]]と名乗ったことで非礼を詫び、自分がいるこの地がどんな世界であるかを尋ねた。
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[[ティムール境/The Temur Frontier]]の集落で、サルカンは女に待ち伏せされた。互いに名乗った際、女は男の名をサル-カン(偉大なるカン)と呼んで敬意を表しながらも警戒し、サルカンは女がティムールのカン「[[ヤソヴァ/Yasova]]」と名乗ったことで非礼を詫び、自分がいるこの地がどんな世界であるかを尋ねた。
  
 
ヤソヴァが話したことは、サルカンにとって破滅の呪文に等しかった。彼が扉を潜って辿り着いたのは1280年前の龍が絶滅していない時代のタルキールであり、今この時はウギンがボーラスに敗れ没した日であり、彼女はウギンを殺せば龍のいない平和な未来が訪れるとボーラスに唆されていたのだ。そして上空では、2匹の巨大なドラゴンが決闘を始めようとしていた。
 
ヤソヴァが話したことは、サルカンにとって破滅の呪文に等しかった。彼が扉を潜って辿り着いたのは1280年前の龍が絶滅していない時代のタルキールであり、今この時はウギンがボーラスに敗れ没した日であり、彼女はウギンを殺せば龍のいない平和な未来が訪れるとボーラスに唆されていたのだ。そして上空では、2匹の巨大なドラゴンが決闘を始めようとしていた。
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絶望に瀕して死を待つのみとなったサルカンへ、ヤソヴァが近づき治癒の呪文を唱えた。彼の言うことはおよそ信じられなかったが、ならば訊問し真実と正体を知るためわずかながらに彼を回復させたのだった。死は免れたが重症の体を引きずるサルカンは「ウギンを救う」と発し、制止しようとしたヤソヴァへ[[苦悩火/Banefire]]を放ち彼女を気絶させた。
 
絶望に瀕して死を待つのみとなったサルカンへ、ヤソヴァが近づき治癒の呪文を唱えた。彼の言うことはおよそ信じられなかったが、ならば訊問し真実と正体を知るためわずかながらに彼を回復させたのだった。死は免れたが重症の体を引きずるサルカンは「ウギンを救う」と発し、制止しようとしたヤソヴァへ[[苦悩火/Banefire]]を放ち彼女を気絶させた。
  
[[精霊龍のるつぼ/Crucible of the Spirit Dragon]]で死を待ち横たわるウギンの元へ辿り着いたサルカンは「なぜこの時代に連れてきたのだ!?俺はどうすればいいのだ!!」と叫び、それに対してウギンは「そうやって龍の導きに縋る限り、自分の内なる龍になることはできない」と返した。サルカンは杖から[[ウギンの目/Eye of Ugin]]を取り出し、彼へ掲げた。それはウギンを癒す石の繭となり、不可視の結界と化して彼の地にこれを封印した。かくしてウギンが死ぬ運命は覆り、未来に大きな変化が生じた。
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谷底で死を待ち横たわるウギンの元へ辿り着いたサルカンは「なぜ俺をこの時代に連れてきた!?俺はどうすればいいのだ!!」と叫び、それに対してウギンは「そうやって他の龍の導きに縋る限り、お前は自分の内にある龍になることはできない」と返した。サルカンは杖から[[ウギンの目/Eye of Ugin]]を取り出し、彼へ掲げた。それはウギンを癒す石の繭となり、不可視の結界と化して彼の地にこれを封印した。かくしてウギンが死ぬ運命は覆り、未来に大きな変化が生じた。
  
永らく久しぶりに、そしてようやく自分の意志で成すべき事をした結果に満足したサルカンは気絶から回復し「一体何をしたのだ」と叫ぶヤソヴァへ感謝の言葉を述べ、再編される運命に身を委ね、この時間から消滅した。
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永らく久しぶりに、そしてようやく自分の意志で成すべき事をした結果に満足したサルカンは「一体何をしたのだ」と叫ぶヤソヴァへ感謝の言葉を述べ、再編される運命に身を委ね、この時間から消滅した。
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===タルキール龍紀伝===
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[[精霊龍のるつぼ/Crucible of the Spirit Dragon]]で目を覚ましたサルカンは、自らがウギンへ施した封印が目の前にあること、そして上空ではドラゴンが飛び回っていることに運命が再編されたのを確信し、狂喜した。だが彼は自分がどれほど大きく運命を変化させたのかをすぐさまに思い知らされた。
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人間を含むすべての生物は奴隷あるいは食料としてドラゴンに支配され、[[カン/Khan]]は遥か昔に5匹の龍王によって滅ぼされ、カンを唱えた者はドラゴンに殺された。かつて自分がいた部族の名はマルドゥではなくコラガンとなり、知人であったはずの[[足首裂き/Ankle Shanker]]は薬瓶割りと名が変わっており、[[兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher]]は鐘叩きとなり、そして出会う者すべてが、サルカンの事を知らなかった。
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サルカンは自分のしたことがナーセットの命を救ったのか不安に駆られ、ジェスカイ-この世界ではオジュダイと呼ばれる部族の拠点である龍眼の聖域へ向かった。そこではナーセットでなく部族の師を務めるテイガムが彼を迎え、テイガムの口から彼女は異端者として罰せられ、もうここには居ないと告げられた。
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余りにも大きな運命の変転に打ちのめされたサルカンは事の真実を知るため、そしてナーセットを救うためウギンを封印から解放することを決意した。
  
 
==登場==
 
==登場==

2015年3月6日 (金) 10:32時点における版

サルカン・ヴォル/Sarkhan Volアラーラの断片ブロックエルドラージ覚醒タルキール覇王譚ブロック‎のキャラクター。

アラーラの断片に先立ちFrom the Vault:Dragonsカードドラゴン変化/Form of the Dragonヘルカイトの首領/Hellkite Overlord)で存在を匂わせ、同期のプレインズウォーカー・カードの中でも最初に公式サイトの記事で露出した。

目次

解説

タルキール/Tarkir出身[1]シャーマンでありドラゴン崇拝者でもある人間男性のプレインズウォーカー/Planeswalkerイラスト)。

マナの扱いに長け、ドラゴンに関する魔術を専門とする。例えば、ドラゴンを召喚・制御したり、ドラゴン族の激情を呼び起こしたり、あるいは自身がドラゴンのような姿に変身したり、ドラゴンの息攻撃を模倣して攻撃を行ったり等、多様である。

ドラゴンを崇めるサルカンではあったが、故郷の次元/Planeではドラゴンが狩り尽くされすでに絶滅しているため、究極の捕食者であるドラゴンを求め故郷を離れて多元宇宙/Multiverseを探索することになる。その旅の果てに、ドラゴンが頂点に立つ理想世界ジャンド/Jundを発見し、そこを住処と定めるのだった(A Planeswalker's Guide to AlaraおよびAlara Unbrokenによるとアラーラの断片ブロックの2年ほど前になる)。

狂乱のサルカン

彼のもう一つの姿である狂乱のサルカン/Sarkhan the Madは、忠誠を誓った主であるニコル・ボーラス/Nicol Bolasが計略敗れ、アラーラから姿を消した事によって心が折れてしまった状態である。完全にボーラスを盲信しており、言動が不明瞭なことも多い。

経歴

覚醒前

タルキールの氏族/Clanの一つ、マルドゥ族/The Mardu Hordeに生まれたサルカンは、生来、龍への強い憧憬を抱いていた。軍族として戦いに生きるのがサルカンの宿命であり、彼の魔法の才能、獰猛さ、そして闘志は同族からも恐れられるほどであったが、それらはサルカンにとってただの日々の生活にすぎず彼の心を真に満たすことはなかった。

際限ない戦いの日々に倦み、サルカンは放浪の旅に出た。その中で彼はいくつか不可思議な体験をした。カル・シスマ山脈/Qal Sisma Mountainsへの登山中、彼は己を呼ぶ謎の声を聞いた。ある夜、氷の中から彼自身の姿をしたなにものかが現れ、彼に龍とその力について囁いた。その姿が消えた後、目の前に一人の若者が現れ、彼をいにしえの龍たちの伝承らしきものを詠唱する「囁く者/the whisperers」たちの洞窟へと導いた。彼はそこで数ヶ月過ごし、幾ばくかの平穏を得たが満たされることはなく去った。

氏族に帰還したサルカンを戦士たちは歓迎したが、彼らの軍族長/hordechiefであったズルゴ/Zurgoはそうではなかった。ズルゴはサルカンに騎馬隊を任せてスゥルタイ群/The Sultai Broodへの戦に派遣したが、隊の兵は精兵ではなかった。無益な戦いに失望したサルカンの中で怒りが燃え上がったが、再び謎の声を聞いた。それを古きドラゴンの声だと確信したサルカンは応えるように、純粋な炎を放って敵味方問わず戦場を焼きつくした。龍の炎の栄光の中、喜びに酔いしれたサルカンは気が付くと果てしない砂漠の只中にいた。そこで彼は初めて本物の、生きたドラゴンを目にした。

その後幾つかの次元を渡り、ある時着いたこれまでのどこよりも獰猛な世界で、ついに長年追い求めてきた巨大なドラゴン、空の覇者の勇姿を目の当たりにした。ジャンドは彼にとっての楽園であった。

Alara Unbroken (1)

クレシュ/Kreshラッカ・マー/Rakka Marが率いるclan Antaga(アンタガ氏族)と遭遇し、サルカンは興味本位で氏族の“生命狩り”/Life Huntsに参加することになる。

白獅子の飛翔

プレインズウォーカーに目覚めたばかりのアジャニ/Ajaniがジャンドにさまよい出て巨竜カーサス/Karrthusに襲われていたところ、サルカンはアジャニを救ってプレインズウォーカーとしての簡単な指南を行う。

Alara Unbroken (2)

ラッカ・マーを橋渡しとしてニコル・ボーラスに紹介を受けたサルカンは、この古代竜のプレインズウォーカーに探し求めていたドラゴンの究極の姿を見出し、忠誠を誓うのだが…。

ヴェールの呪い/The Veil's Curse

サルカンはボーラスの命により、鎖のヴェール/The Chain Veilを手に入れたリリアナ・ヴェス/Liliana Vessを追っている。

Journey to the Eye

ボーラスの命によりゼンディカー/Zendikarのアクーム/Akoumにおいてウギンの目/Eye of the Uginを守備していたサルカンは、侵入者のアノワン/Anowonを殴り倒すことにより、アノワンに襲われて絶体絶命の危機だったチャンドラ・ナラー/Chandra Nalaarをたまたま救うこととなった。

Awakenings

チャンドラをも倒そうとするサルカン。しかし、彼女の炎を見ると攻撃を止め、ウギンの名前を口にした。サルカンは彼女の頼みを受け入れウギンの目に案内する。しかしそれはチャンドラを目の生贄とするためだった。サルカンはドラゴン変化し、チャンドラに襲いかかる。

チャンドラは必死に応戦するものの面晶体/Hedronに魔法を吸収されてしまい、ドラゴン変化したサルカンの攻撃を避けるのが精一杯だった。その時、別の入口から侵入したジェイス・ベレレン/Jace Belerenがチャンドラに協力し、彼女に透明な炎(Sheer Fire)を使うことを教え、さらに双つ術/Twincastを使う。その二回の炎によってサルカンは倒された。

Enter the Eldrazi

サルカンは気を失っていただけで生きていた。目を覚ますと二人のプレインズウォーカーは去った後だった。主人の命を果たせなかったことを悔やみながらも水を求めて一旦ウギンの目から外へ出ると、水場にはドラゴンの死体があった。サルカンは、そのドラゴンが語りかけてきて己の失態を攻める幻想をみる。その埋め合わせをするべく、ウギンの目を完全に開かせないように面晶体の一部を折りとりプレインズウォークする。

ボーラスの瞑想次元(Bolas's Meditation Plane)に降り立ったサルカンはボーラスの居城の本陣に向かう。ウギンの目守備の任務失敗を報告するが、ボーラスにとってはそれは策略のうちだった。目に3人のプレインズウォーカーを集め、エルドラージ/Eldraziを覚醒させることこそがボーラスの真の目的だったのだ。

タルキール覇王譚

ボーラスへの奉仕がただの徒労だった事を思い知らされたサルカンは、幻影の龍の声の導きにより故郷タルキールに帰還する。ひたすら戦いを繰り返す未来のない「この地を癒やす」ように導かれ、再び文明に活気をもたらす何かを取り戻すために「入口」を探し放浪する。

ジェスカイの要塞を訪れたサルカンの前に、ジェスカイ道/The Jeskai Wayカン/Khanであるナーセット/Narsetが姿を現す。彼の瞳の中に別の力を感じた彼女は此処へ来た経緯を話すよう促し、サルカンはたどたどしくもナーセットへすべてを話した。彼女はサルカンを導いているのがウギン/Uginであることを確信し、精霊龍の墓/The Spirit Dragon's tombへ彼を連れて行くことを決めた。 辿り着いた峡谷でサルカンの杖が輝き出し、きずな/The Nexusから燃え盛る扉が彼らの前に現れる。しかし二人はズルゴ/Zurgoの襲撃を受け、ズルゴの凶刃にナーセットが倒れた。 激高したサルカンは帰還した後にズルゴへ報復することを誓い、扉を潜り抜けた。

運命再編

扉を潜り抜けたサルカンが目にしたのは、上空をドラゴンの群れが飛び回るタルキールの空であった。彼は自分が憧れていた龍の住むタルキールの世界に歓喜し、ドラゴンへと変化してその群れへ加わったが群れは人間の部族によって包囲され、彼はドラゴンが人間に狩られる様を目の当たりにした。怒ったサルカンは狩猟の長である人間の女を殺そうと考えたが、同時に龍を狩る手腕と勇気に感銘し、その跡を追う事にした。 ティムール境/The Temur Frontierの集落で、サルカンは女に待ち伏せされた。互いに名乗った際、女は男の名をサル-カン(偉大なるカン)と呼んで敬意を表しながらも警戒し、サルカンは女がティムールのカン「ヤソヴァ/Yasova」と名乗ったことで非礼を詫び、自分がいるこの地がどんな世界であるかを尋ねた。

ヤソヴァが話したことは、サルカンにとって破滅の呪文に等しかった。彼が扉を潜って辿り着いたのは1280年前の龍が絶滅していない時代のタルキールであり、今この時はウギンがボーラスに敗れ没した日であり、彼女はウギンを殺せば龍のいない平和な未来が訪れるとボーラスに唆されていたのだ。そして上空では、2匹の巨大なドラゴンが決闘を始めようとしていた。 サルカンはウギンに加勢し、ボーラスを討つためドラゴンに変化して空を飛んだ、しかしヤソヴァはをドラゴンを使役する呪文を唱え、サルカンごとドラゴンの大軍を操りウギンへ襲わせた。人間へ戻ることで呪文の支配から逃れたサルカンであったが飛行能力を失って墜落し、地面へ激突し致命傷を負った。そしてウギンはボーラスに討たれ、谷底へ墜落した。

絶望に瀕して死を待つのみとなったサルカンへ、ヤソヴァが近づき治癒の呪文を唱えた。彼の言うことはおよそ信じられなかったが、ならば訊問し真実と正体を知るためわずかながらに彼を回復させたのだった。死は免れたが重症の体を引きずるサルカンは「ウギンを救う」と発し、制止しようとしたヤソヴァへ苦悩火/Banefireを放ち彼女を気絶させた。

谷底で死を待ち横たわるウギンの元へ辿り着いたサルカンは「なぜ俺をこの時代に連れてきた!?俺はどうすればいいのだ!!」と叫び、それに対してウギンは「そうやって他の龍の導きに縋る限り、お前は自分の内にある龍になることはできない」と返した。サルカンは杖からウギンの目/Eye of Uginを取り出し、彼へ掲げた。それはウギンを癒す石の繭となり、不可視の結界と化して彼の地にこれを封印した。かくしてウギンが死ぬ運命は覆り、未来に大きな変化が生じた。

永らく久しぶりに、そしてようやく自分の意志で成すべき事をした結果に満足したサルカンは「一体何をしたのだ」と叫ぶヤソヴァへ感謝の言葉を述べ、再編される運命に身を委ね、この時間から消滅した。

タルキール龍紀伝

精霊龍のるつぼ/Crucible of the Spirit Dragonで目を覚ましたサルカンは、自らがウギンへ施した封印が目の前にあること、そして上空ではドラゴンが飛び回っていることに運命が再編されたのを確信し、狂喜した。だが彼は自分がどれほど大きく運命を変化させたのかをすぐさまに思い知らされた。 人間を含むすべての生物は奴隷あるいは食料としてドラゴンに支配され、カン/Khanは遥か昔に5匹の龍王によって滅ぼされ、カンを唱えた者はドラゴンに殺された。かつて自分がいた部族の名はマルドゥではなくコラガンとなり、知人であったはずの足首裂き/Ankle Shankerは薬瓶割りと名が変わっており、兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasherは鐘叩きとなり、そして出会う者すべてが、サルカンの事を知らなかった。

サルカンは自分のしたことがナーセットの命を救ったのか不安に駆られ、ジェスカイ-この世界ではオジュダイと呼ばれる部族の拠点である龍眼の聖域へ向かった。そこではナーセットでなく部族の師を務めるテイガムが彼を迎え、テイガムの口から彼女は異端者として罰せられ、もうここには居ないと告げられた。

余りにも大きな運命の変転に打ちのめされたサルカンは事の真実を知るため、そしてナーセットを救うためウギンを封印から解放することを決意した。

登場

登場カード

フレイバー・テキストに登場

From the Vault:Dragons
ヘルカイトの首領/Hellkite Overlord
アラーラの断片
火のるつぼ/Crucible of Fire、ヘルカイトの首領/Hellkite Overlord、暴力的な根本原理/Violent Ultimatum
コンフラックス
苦悩火/Banefire
アラーラ再誕
途方もない力/Colossal Mightサングライトの反発/Sangrite Backlash
基本セット2010
反逆の行動/Act of Treason
基本セット2011
ドラゴンの爪/Dragon's Claw、反逆の行動/Act of Treason
基本セット2012
ドラゴンの爪/Dragon's Claw、反逆の行動/Act of Treason
基本セット2014
反逆の行動/Act of Treason
基本セット2015
火のるつぼ/Crucible of Fire
タルキール覇王譚
雪花石の麒麟/Alabaster Kirin蔑み/Despiseマルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker苦しめる声/Tormenting Voiceラッパの一吹き/Trumpet Blastウギンのきずな/Ugin's Nexus精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon
運命再編
勇敢な姿勢/Valorous Stance命運の核心/Crux of Fate龍怒/Dragonrage

イラストに登場

From the Vault:Dragons
ドラゴン変化/Form of the Dragon
アラーラの断片
暴力的な根本原理/Violent Ultimatum
コンフラックス
苦悩火/Banefire
From the Vault:Twenty
残酷な根本原理/Cruel Ultimatum
タルキール覇王譚
蔑み/Despise、苦しめる声/Tormenting Voice、精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon
運命再編
命運の核心/Crux of Fate

登場作品・登場記事

脚注

  1. 当初はモンセン/Mongsengを故郷にする構想であった。Khan Do Attitude, Part 1/カンの強い姿勢 その1

参考

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