機知の戦い/Battle of Wits

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[[オデッセイ・ブロック]]の[[勝利条件]][[カード]][[サイクル]]の[[青]]版。自分の[[ライブラリー]]200枚以上で[[アップキープ]]を迎えると勝利。
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[[オデッセイ・ブロック]]の[[勝利条件]][[カード]][[サイクル]]の[[青]]版。自分の[[ライブラリー]]200枚以上で[[アップキープ]]を迎えると勝利。初めて見たときは誰もがその豪快な条件に驚愕し、誰もが真面目に使おうとしなかったこのカードが後に化けることになる。
  
初めて見たときは誰もがその豪快な条件に驚愕し、誰もが真面目に使おうとしなかったこのカードが後に化けることになる。
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サイクル中唯一、勝利条件を満たすために「ゲーム中の行動」を必要としない。つまり専用のデッキを構築さえしてしまえば、後は事実上の「[[通し|通れ]]ば[[勝利|勝ち]]」のカードとして扱えるのである。[[対戦相手]]の[[デッキ]]に[[ライブラリー破壊]]手段がなければ妨害されることはないし、また逆にライブラリー破壊がある場合はたいていそれを主戦略に据えたデッキなのでとにかく大量のライブラリーが自然と防御策となるため、見た目の大雑把さからは意外なほどに穴が少ないカードである。
  
サイクル中唯一、勝利条件を満たすためにゲーム中の行動を必要としない。ゲームが始まれば既に条件クリアのデッキ構築が可能で干渉もされ辛いため、撃てば勝つカードに限りなく近い。ただこれを[[キーカード]]に据えるとデッキ枚数が通常の4倍近くなり、肝心の[[引く|ドロー]]やデッキの安定性が落ちてしまう。そこで大量の[[サーチ]]やドロー効果のカード、多少弱くても似たような効果のカードを採用、詰め込むことでデッキ全体のバランスを可能な限り揃えてカバーする、[[バベル]]戦略が開発されることになった。
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ただしこれを[[キーカード]]に据えるとデッキ枚数が通常の4倍近くなり、デッキの安定性が落ちてしまう。そこで[[サーチ]]や[[引く|ドロー]]効果を持つカードならなんでもかんでも放り込み、また多少弱くても[[除去]]や[[打ち消す|打ち消し]]や[[クリーチャー]]や[[多色地形]]などの「特定の役割」を果たしてくれるものなら[[カードパワー]]には目を瞑って採用し、とにかく[[カードプール]]に存在するあらゆる選択肢を視野に入れ、ひたすら詰め込んでデッキ全体を水増ししつつバランスを可能な限り揃えてカバーする「[[バベル]]戦略」が開発されることになった。
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それゆえ、特に[[カードプール]]によって活躍が左右されるカードと言える。しかも「上質なもの1種類だけがあるより、多少弱くてもとにかく種類がたくさんあったほうがいい」という極めて珍しい特徴を持つ1枚。とはいえ[[モダン]]などのより広い[[環境]]になるとデッキパワー的に太刀打ちできないことが多いので、主な活躍の場は[[スタンダード]]である。
  
 
[[リミテッド]]でこのカードを引き当てた時の落胆っぷりもすさまじい。一応バベルを組むことも出来るが、6パックシールドでも2/3が[[土地]]というものすごくいびつなデッキとなってしまう。100枚以上のレンタル土地がショップに用意されていない可能性が高いため、やらない方が進行上も好ましい。
 
[[リミテッド]]でこのカードを引き当てた時の落胆っぷりもすさまじい。一応バベルを組むことも出来るが、6パックシールドでも2/3が[[土地]]というものすごくいびつなデッキとなってしまう。100枚以上のレンタル土地がショップに用意されていない可能性が高いため、やらない方が進行上も好ましい。
  
 
*使う際は[[デッキ]]が崩れないよう注意。[[対戦相手]]に面倒な[[シャッフル]]を強いることもあり、[[ゲーム]]外の面で評判がよろしくない珍しいカード。
 
*使う際は[[デッキ]]が崩れないよう注意。[[対戦相手]]に面倒な[[シャッフル]]を強いることもあり、[[ゲーム]]外の面で評判がよろしくない珍しいカード。
**[[トーナメント]]で対戦中に[[ライブラリー]]が倒れるなどで[[警告]]の可能性が高いので注意。
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**[[トーナメント]]で対戦中に[[ライブラリー]]が倒れるなどすると[[警告]]の可能性が高いので注意。ひとつの山に立てるのは難しいので、ふたつ以上に分けるのがベターだが、当然どの山が一番上にあたる山かはっきりさせておき、必ず守る必要がある。
**[[Magic Workstation]]で使う場合も、最初のデッキの読み込みやシャッフルに時間がかかる。使用前に対戦相手に確認を取った方がいいかもしれない。実際に[[バベル]]を拒否してゲームを立てる人もいる。
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***使用する[[スリーブ]]にも注意が必要。ほかのデッキで使い古したスリーブを流用する場合、たいてい60枚一組で使うだろうから、200枚以上を集めると傷や汚れの具合に差が生じて[[マークド]]と判断されることがありえる。そのため大会に持ち込むなら新品を用いるのがベターなのだが、そうすると滑りやすくライブラリー倒壊もしやすくなる。
**[[Magic Online]]でも多少は重くなるが、気にとめるほどではない。ただしライブラリーの枚数が多いと、[[探す]]ときに全ての[[カード]]を表示させるためにメモリを大量に食うはめになる。
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*[[Magic Online]]でも使用可能。多少データ処理は重くなるが、気にとめるほどではない。ただしライブラリーすべてのカードを画像として表示する処理(例えば[[サーチカード]]使用時など)はメモリを大量に食い、最悪の場合フリーズを起こすこともあるので、マシンスペックが低い場合は使用を避けたほうが無難。
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**[[Magic Workstation]]でも、最初のデッキの読み込みやシャッフルに時間がかかる。使用前に対戦相手に確認を取った方がいいかもしれない。実際に[[バベル]]を拒否してゲームを立てる人もいる。
 
**[[Apprentice]]ではそもそも多すぎるライブラリーに対応していないためバベルは組めない(ただし、[[ソリティア]]モードならデッキを回すことは出来る)。
 
**[[Apprentice]]ではそもそも多すぎるライブラリーに対応していないためバベルは組めない(ただし、[[ソリティア]]モードならデッキを回すことは出来る)。
  
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*開発当初は勝利条件が100枚だったが、テストプレイを繰り返した結果、かなり達成しやすかったので一気に2倍になった。
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*豪快で、シンプルで、ユニークで、しかも使って面白いカードとして、[[サイクル]]中で最大の「成功例」と言われ、[[再録]]の機会が多い1枚。
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**[[第10版]]では[[死闘/Mortal Combat]]とバトンタッチ。持ち回りなのかとも思われたがその後しばらく音沙汰なく、[[基本セット2013]]ではまたこれが再録。その際に[[イラスト]]も[[フレイバー・テキスト]]も一新された。
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*[[オデッセイ]]と[[第9版]]ではフレイバー・テキストの和訳が微妙に違う。「[[ウィザード|Wizard]]」を、オデッセイでは「ウィザード」とそのまま、第9版では「魔術師」と言い換えている。
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**第9版当時は[[ウィザード]]が青の主要[[部族 (俗称)|部族]]に位置していた時期だったので、念のため[[クリーチャー・タイプ]]と同じ語を使うことを避けたのかも知れない。
 
*カードの[[テキスト]]中に書かれた数字としては、200は[[Falling Star]]の360に次いで大きいもの([[Mark Rosewater|MaRo]]のクイズショーによる。ただし現在の[[オラクル]]ではこの360は消滅している)。
 
*カードの[[テキスト]]中に書かれた数字としては、200は[[Falling Star]]の360に次いで大きいもの([[Mark Rosewater|MaRo]]のクイズショーによる。ただし現在の[[オラクル]]ではこの360は消滅している)。
 
**[[カード名]]を含めてよいのなら[[十万本の矢集め/Borrowing 100,000 Arrows]]、さらに[[マナ・シンボル]]を含めていいなら[[Gleemax]]が最大。いずれにせよ、ちょっと反則気味な答えかもしれないが。
 
**[[カード名]]を含めてよいのなら[[十万本の矢集め/Borrowing 100,000 Arrows]]、さらに[[マナ・シンボル]]を含めていいなら[[Gleemax]]が最大。いずれにせよ、ちょっと反則気味な答えかもしれないが。
*開発当初は勝利条件が100枚だったが、テストプレイを繰り返した結果、かなり達成しやすかったので一気に2倍になった。
 
*サイクル中これだけが[[第9版]]で[[再録]]。その後、[[第10版]]では[[死闘/Mortal Combat]]が再録された。持ち回りなのだろうか。
 
**なぜか[[基本セット2013]]に再録。[[イラスト]]も[[フレイバー・テキスト]]も変更された。
 
***しかし直後の[[ラヴニカへの回帰]]にて天敵である[[殺戮遊戯/Slaughter Games]]が登場したこと、環境に有力なサーチカードが存在しない事などから余り使われていない。
 
*[[オデッセイ]]と[[第9版]]ではフレイバー・テキストの和訳が微妙に違う。「ウィザード」が第9版では「魔術師」と訳されている。
 
[[プリズマティック]]では[[フォーマット]]の特性から、最初から[[禁止カード]]に指定されている。
 
  
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[[プリズマティック]]では[[フォーマット]]の特性から、最初から[[禁止カード]]に指定されている。
  
 
==関連カード==
 
==関連カード==

2013年3月23日 (土) 22:32時点における版


Battle of Wits / 機知の戦い (3)(青)(青)
エンチャント

あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーに200枚以上のカードがある場合、あなたはこのゲームに勝利する。


オデッセイ・ブロック勝利条件カードサイクル版。自分のライブラリー200枚以上でアップキープを迎えると勝利。初めて見たときは誰もがその豪快な条件に驚愕し、誰もが真面目に使おうとしなかったこのカードが後に化けることになる。

サイクル中唯一、勝利条件を満たすために「ゲーム中の行動」を必要としない。つまり専用のデッキを構築さえしてしまえば、後は事実上の「通れ勝ち」のカードとして扱えるのである。対戦相手デッキライブラリー破壊手段がなければ妨害されることはないし、また逆にライブラリー破壊がある場合はたいていそれを主戦略に据えたデッキなのでとにかく大量のライブラリーが自然と防御策となるため、見た目の大雑把さからは意外なほどに穴が少ないカードである。

ただしこれをキーカードに据えるとデッキ枚数が通常の4倍近くなり、デッキの安定性が落ちてしまう。そこでサーチドロー効果を持つカードならなんでもかんでも放り込み、また多少弱くても除去打ち消しクリーチャー多色地形などの「特定の役割」を果たしてくれるものならカードパワーには目を瞑って採用し、とにかくカードプールに存在するあらゆる選択肢を視野に入れ、ひたすら詰め込んでデッキ全体を水増ししつつバランスを可能な限り揃えてカバーする「バベル戦略」が開発されることになった。

それゆえ、特にカードプールによって活躍が左右されるカードと言える。しかも「上質なもの1種類だけがあるより、多少弱くてもとにかく種類がたくさんあったほうがいい」という極めて珍しい特徴を持つ1枚。とはいえモダンなどのより広い環境になるとデッキパワー的に太刀打ちできないことが多いので、主な活躍の場はスタンダードである。

リミテッドでこのカードを引き当てた時の落胆っぷりもすさまじい。一応バベルを組むことも出来るが、6パックシールドでも2/3が土地というものすごくいびつなデッキとなってしまう。100枚以上のレンタル土地がショップに用意されていない可能性が高いため、やらない方が進行上も好ましい。

  • 使う際はデッキが崩れないよう注意。対戦相手に面倒なシャッフルを強いることもあり、ゲーム外の面で評判がよろしくない珍しいカード。
    • トーナメントで対戦中にライブラリーが倒れるなどすると警告の可能性が高いので注意。ひとつの山に立てるのは難しいので、ふたつ以上に分けるのがベターだが、当然どの山が一番上にあたる山かはっきりさせておき、必ず守る必要がある。
      • 使用するスリーブにも注意が必要。ほかのデッキで使い古したスリーブを流用する場合、たいてい60枚一組で使うだろうから、200枚以上を集めると傷や汚れの具合に差が生じてマークドと判断されることがありえる。そのため大会に持ち込むなら新品を用いるのがベターなのだが、そうすると滑りやすくライブラリー倒壊もしやすくなる。
  • Magic Onlineでも使用可能。多少データ処理は重くなるが、気にとめるほどではない。ただしライブラリーすべてのカードを画像として表示する処理(例えばサーチカード使用時など)はメモリを大量に食い、最悪の場合フリーズを起こすこともあるので、マシンスペックが低い場合は使用を避けたほうが無難。
    • Magic Workstationでも、最初のデッキの読み込みやシャッフルに時間がかかる。使用前に対戦相手に確認を取った方がいいかもしれない。実際にバベルを拒否してゲームを立てる人もいる。
    • Apprenticeではそもそも多すぎるライブラリーに対応していないためバベルは組めない(ただし、ソリティアモードならデッキを回すことは出来る)。
  • 開発当初は勝利条件が100枚だったが、テストプレイを繰り返した結果、かなり達成しやすかったので一気に2倍になった。
  • 豪快で、シンプルで、ユニークで、しかも使って面白いカードとして、サイクル中で最大の「成功例」と言われ、再録の機会が多い1枚。

プリズマティックではフォーマットの特性から、最初から禁止カードに指定されている。

関連カード

サイクル

オデッセイ・ブロック勝利条件カードサイクル。英語名では、名前に全て「戦い」を意味する単語を含んでいる(Test of Endurance=持久戦、Encounter=遭遇戦)。

参考

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