誘発忘れ

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'''誘発忘れ'''/''Missed Trigger''とは、誤って[[誘発型能力]]が[[誘発]]することを処理せずに[[ゲーム]]を進めてしまった時の処理。
 
'''誘発忘れ'''/''Missed Trigger''とは、誤って[[誘発型能力]]が[[誘発]]することを処理せずに[[ゲーム]]を進めてしまった時の処理。
  
その誘発型能力の内容により、以下のように処理が分けられている。
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以下の内容は、[[2023年]]9月4日発効の[[マジック違反処置指針]]を元に記述する。
  
#誘発の指示に「してもよい(may)」を含み、そうしなかった場合の規定がない場合。
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==原則==
#*[[プレイヤー]]はその行動をしなかったものとみなす。懲罰は適用しない。
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ある誘発型能力の[[コントローラー]]が、その[[能力]]が誘発すべき時点を超えてその処理をしていなかった場合、誘発忘れとなる。ただし、それが故意であった場合は[[故意の違反]]に該当する。
#誘発が選択を必要とし、さらに「そうしない場合(If you don't)」などによりそうしなかった場合の行動が規定されている場合。
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#*タイミングのルールを無視して、判明した時点で[[スタック]]を用いることなく即座にその選択しなかったときの行動が処理される。未解決の呪文や能力などがその結果ゲーム上不正となった場合、それらの呪文や能力を取り除くところまでゲームを巻き戻す。
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#誘発が選択を必要とせず、さらに「視覚上の表現」(下記参照)を伴わないものであった場合。
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#*その能力は適正な時に解決されたものとして扱う。懲罰は適用しない。
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#誘発が選択を必要とし、そうしなかった場合の規定がない場合。または、誘発が選択を必要としなくても、視覚上の表現を伴うものであった場合。もしくは誘発が他のプレイヤーの選択を必要とする場合。
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##「ターン周期」(下記参照)の間に誤りが発見された場合。
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##*その能力を即座にスタックの一番下に置く。その際、その能力が誘発した時点で参照される領域に存在しなかったオブジェクトを含む選択をすることはできない。
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##ターン周期が過ぎてから誤りが見つかった場合。
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##*忘れられていた誘発を[[解決]]しなおすことはせず、そのままゲームを続ける。
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*「視覚上の表現」とは、「プレイヤーに何が起こっているかまたは何が[[戦場]]にあるかがわかるような、[[領域]]変化や[[カウンター (目印)|カウンター]]の追加、[[ライフ]]の変更など」という意味。
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誘発型能力は多数存在するにもかかわらず実体が存在しないため、それを忘れてしまったことに厳しい[[懲罰]]が与えられるべきではない。だが、自分に有利な誘発型能力を覚えておくことはゲーム上の技術でもあるため、[[プレイヤー]]には[[対戦相手]]の誘発忘れを指摘する義務はない(指摘してもよい)。
*「ターン周期」とは、「あるプレイヤーの[[フェイズ]]や[[ステップ]]の開始から、そのプレイヤーの次の同一のフェイズやステップの終了まで」という意味。
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つまり、「うっかり忘れちゃった誘発型能力は気がついた時点で処理しましょう。選択肢があるならそれは選択しなかったとして処理」ということである。いずれにせよ、これにより誘発した時点まで[[巻き戻し]]が行われることはない。
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*「対戦相手に指摘する義務がない」のはあくまでも誘発忘れに限った話であり、それ以外の[[ルール]]違反に気付いた場合には指摘する義務がある。もし、その他の違反に気づいていながら有利を得る目的で故意に見逃した場合、それは「故意の違反」として[[失格]]となりうる。
  
[[REL]]が一般の場合のみ「注意」、RELが競技やプロの場合には[[警告]]の罰則が与えられる。また、[[対戦相手]]がこの誤りを即座に見つけられなかった場合、基本的にその対戦相手には「違反の見逃し」の罰則が与えられる。
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==処理==
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[[ルール適用度]](REL)が「一般」である場合、[[一般ルール適用度(REL)用ジャッジ法]]に従って処理される。誘発忘れに気付いた場合、それが「~してもよい」という類の選択を含むものならば選択しなかったものとして扱い、そうでない場合は即座に処理を実行する。また、ある行動が複数回忘れられていた場合には、その[[ターン]]中のものだけを実行し、それ以外は無視する。
  
[[日本選手権07]]の予選では、[[否定の契約/Pact of Negation]]を[[唱える|唱えた]]次の[[アップキープ]]で[[マナ]]を[[支払う|支払わず]][[カード]]を[[引く|引いて]]しまったため[[敗北]]になってしまったケースが絶えなかった。
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RELが「競技」や「プロ」である場合、[[マジック違反処置指針]]に従って処理される。「競技」や「プロ」においては、誘発型能力が誘発した場合、「ある時点」(以下詳述)までに誘発したことに「気付いているという意思表示」をしなければならない。
*これはルール違反による敗北ではなく、否定の契約の効果による敗北であることに注意。この処理は、マナの支払い自体は選択を含まないが、[[マナ能力]]を[[起動]]するかどうかに選択を含むため、上記の2に該当する。
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==参考==
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===意思表示のタイミング===
*[http://mtg-jp.com/reading/wpn/003366/ 第102回:初夏のスタンダードは世界への扉!&誘発型能力と失効能力のこと](mtg-jp.comより、[[橘真一郎]]による解説)
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;[[対象]]を取ったり(「対戦相手1人を対象とする」を除く)、[[モード]]を選んだり、その他その能力が[[スタック]]に置かれる時点で[[コントローラー]]が選択すべきことがある誘発型能力
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:他の行動をとるまで(あるいは[[優先権]]をパスするまで)に選択をしなかった場合、「忘れた」ものとみなす。
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:*ただし、対戦相手1人を対象とするものは、[[2人対戦]]の場合は対象の選択肢が1人しか存在しないため、宣言する必要がない。
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;「視覚上の変化」を伴う、あるいは[[解決]]時に何らかの選択をするもの
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:その能力が解決しなければ取れない行動([[フェイズ]]・[[ステップ]]を移行する、[[ソーサリー]][[呪文]]を[[唱える]]など)を取るまでに告知しなければ、「忘れた」ものとみなす。
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:*[[インスタント]]呪文を唱えたり[[起動型能力]]を[[起動]]したりすることは解決しなくてもできるため、これらの行動を取っても忘れたとは必ずしもみなされない。
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:*「視覚上の変化」とは、「プレイヤーに何が起こっているかまたは何が[[戦場]]にあるかがわかるような、[[領域]]変化や[[カウンター (目印)|カウンター]]の追加、[[ライフ]]の変更など」という意味。
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:*例:[[聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft]]で[[攻撃]]した後、特に何も告知することなく[[戦闘ダメージ・ステップ]]に移行しようとした場合、[[トークン]]を[[戦場に出す]]誘発型能力を忘れたものとみなされる。ただし、「合わせて6点です」のような、暗にトークンの存在を意図したような発言を含んでいれば、それは忘れていないと考えられる。
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;ゲームのルールを変更するもの
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:それが実際に効果を及ぼす時点で宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
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:*例:[[紅蓮心の狼/Pyreheart Wolf]]が攻撃したときの誘発型能力は、対戦相手が[[ブロック・クリーチャー]]を1体だけ指定しようとした際に、「紅蓮心の狼の能力でそれはできない」と指摘すれば、忘れてはいないと判断される。
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;視覚的効果を伴わないもの
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:その効果が視覚的変化を及ぼすとき、またはそのときまでに宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
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:*例:[[悪名の騎士/Knight of Infamy]]([[賛美]]を持つ2/1の[[クリーチャー]])が[[単独で攻撃]]する際、攻撃時には必ずしも賛美を宣言する必要はなく、[[戦闘ダメージ]]を[[割り振る]]際に「3点です」と言えば充分である。
  
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*[[遅延誘発型能力]]を生み出すだけの誘発型能力は、自動的に解決されるものとする。ただし、その遅延誘発型能力が解決する際には、上記の手順に従う。
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*呪文や能力の[[コピー]]を作り出すだけの誘発型能力([[ストーム]]など)は、自動的に解決されるものとする。ただし、そのコピーを解決する際に解決し忘れた場合には、「忘れた」ものとみなす。
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===誘発忘れに気付いた場合の処理手順===
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#オーラが戦場に出たことによる誘発型能力で、そのオーラがつけられたパーマネントにのみ効果を及ぼし、視覚的な影響を伴うものであった場合、それを即座に解決する。
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#その能力が[[オブジェクト]]の領域の変更を伴う遅延誘発型能力であった場合、対戦相手はその能力を次にプレイヤーが優先権を得るときに解決するか、次のフェイズの開始時にプレイヤーが優先権を得るときに解決するかを選ぶ。
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#誘発によって生成される効果の持続時間がすぎている場合、あるいは誘発すべき時点が「ちょうど1ターンよりも前」である場合、そのままの状態でゲームを続ける。
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#*「ちょうど1ターンよりも前」とは、前のプレイヤーのターンにおける今現在のステップ・フェイズよりも前であることを意味する。
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#いずれにも該当しない場合、対戦相手が、その誘発型能力をスタックに置くかどうかを決める。スタックに置く場合、その忘れられていた能力を、スタックの該当する場所またはスタックの一番下に置く。ただし、本来誘発すべき時点で存在しなかったオブジェクトを含む選択を行うことはできない。
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#*例:誘発型能力がクリーチャーを[[生け贄に捧げる]]ものである場合、誘発すべき時点で戦場に出ていなかったクリーチャーを生け贄に捧げることはできない。
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#そのプレイヤーが、誘発が忘れられたことを示す処理の途中あるいはその直後であり、その処理を完了することでその誘発の効果が変わる場合、その処理について単純な[[復元]]を行うことができる。
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===懲罰===
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RELが競技やプロの場合、忘れられた誘発型能力が'''そのコントローラーにとって一般に有害であると考えられ'''、かつ'''その能力が自身がオーナーであるカードによって生じた'''場合、[[警告]]の懲罰が与えられる。
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対称的能力([[吠えたける鉱山/Howling Mine]]など)であれば、誰が影響を受けるかどうかによって有害かどうかを判断する。
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対戦相手は誘発忘れを指摘する義務がなく、また指摘しなかったとしても「[[違反の見逃し]]」や「故意の違反」の懲罰が与えられることもない。
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==その他==
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*[[2012年]]ごろより、頻繁に誘発忘れについてのルールは変更されている。2012年時点でのルールは[[失効能力]]を参照。
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*[[2019年]]1月の変更以前では、「そうしなかった場合の処理(〜しない限り、〜しなかったとき)があれば、その処理を行う」とされていた。そのため、[[日本選手権07]]の予選では、[[否定の契約/Pact of Negation]]を唱えた次の[[アップキープ]]で[[マナ]]を[[支払う|支払わず]]カードを引いてしまったため「マナを支払わなかった時の処理=[[敗北]]」になってしまったケースが絶えなかった。
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**現在では「マナを支払う。そうしなかった場合、このゲームに敗北する」という遅延誘発型能力自体をその場でスタックに乗せるかどうかを対戦相手が選択する。これにより自動的に敗北、とはならなくなったが、マナが足りない状況で誘発忘れに気づいて能力がスタックに乗せられた場合、支払うことができずに敗北、ということもありえる。
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*同じく2019年1月の変更以前では、有害な誘発忘れで警告が出るかどうかは「その能力のコントローラーであるかどうか」だけで判断していた。そのため、対戦相手がオーナーである[[The Tabernacle at Pendrell Vale]]により自分のクリーチャーに付与された誘発型能力を忘れて警告、さらに上記の「しなかった場合の処理」に該当するため、クリーチャーが全滅、ということも起こりえた。
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**現在では、上記の誘発型能力は対戦相手がオーナーのカードに由来するものなので、このケースでは警告は出ず、改めて誘発型能力がスタックに乗った時にマナを払うかどうか選択する。
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==解説記事==
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*[http://mtg-jp.com/reading/translated/003833/ 9月20日ポリシー変更について、プレイヤーが知っておくべきこと](mtg-jp.com)
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*[http://mtg-jp.com/reading/translated/004220/ 〔誘発忘れ〕の更新について](mtg-jp.com、上記記事に記載されているルールからの改定内容について)
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*[http://37082.diarynote.jp/201302041408182062/ 誘発忘れの話、再び]([[鈴木健二]]の個人ブログにおける解説)
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==参考==
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*[[公開忘れ]]
 
*[[マジック違反処置指針]]
 
*[[マジック違反処置指針]]
 
*[[トーナメント用語]]
 
*[[トーナメント用語]]

2023年9月13日 (水) 22:27時点における最新版

誘発忘れ/Missed Triggerとは、誤って誘発型能力誘発することを処理せずにゲームを進めてしまった時の処理。

以下の内容は、2023年9月4日発効のマジック違反処置指針を元に記述する。

目次

[編集] 原則

ある誘発型能力のコントローラーが、その能力が誘発すべき時点を超えてその処理をしていなかった場合、誘発忘れとなる。ただし、それが故意であった場合は故意の違反に該当する。

誘発型能力は多数存在するにもかかわらず実体が存在しないため、それを忘れてしまったことに厳しい懲罰が与えられるべきではない。だが、自分に有利な誘発型能力を覚えておくことはゲーム上の技術でもあるため、プレイヤーには対戦相手の誘発忘れを指摘する義務はない(指摘してもよい)。

  • 「対戦相手に指摘する義務がない」のはあくまでも誘発忘れに限った話であり、それ以外のルール違反に気付いた場合には指摘する義務がある。もし、その他の違反に気づいていながら有利を得る目的で故意に見逃した場合、それは「故意の違反」として失格となりうる。

[編集] 処理

ルール適用度(REL)が「一般」である場合、一般ルール適用度(REL)用ジャッジ法に従って処理される。誘発忘れに気付いた場合、それが「~してもよい」という類の選択を含むものならば選択しなかったものとして扱い、そうでない場合は即座に処理を実行する。また、ある行動が複数回忘れられていた場合には、そのターン中のものだけを実行し、それ以外は無視する。

RELが「競技」や「プロ」である場合、マジック違反処置指針に従って処理される。「競技」や「プロ」においては、誘発型能力が誘発した場合、「ある時点」(以下詳述)までに誘発したことに「気付いているという意思表示」をしなければならない。

[編集] 意思表示のタイミング

対象を取ったり(「対戦相手1人を対象とする」を除く)、モードを選んだり、その他その能力がスタックに置かれる時点でコントローラーが選択すべきことがある誘発型能力
他の行動をとるまで(あるいは優先権をパスするまで)に選択をしなかった場合、「忘れた」ものとみなす。
  • ただし、対戦相手1人を対象とするものは、2人対戦の場合は対象の選択肢が1人しか存在しないため、宣言する必要がない。
「視覚上の変化」を伴う、あるいは解決時に何らかの選択をするもの
その能力が解決しなければ取れない行動(フェイズステップを移行する、ソーサリー呪文唱えるなど)を取るまでに告知しなければ、「忘れた」ものとみなす。
ゲームのルールを変更するもの
それが実際に効果を及ぼす時点で宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
視覚的効果を伴わないもの
その効果が視覚的変化を及ぼすとき、またはそのときまでに宣言しなかった場合、「忘れた」ものとみなす
  • 遅延誘発型能力を生み出すだけの誘発型能力は、自動的に解決されるものとする。ただし、その遅延誘発型能力が解決する際には、上記の手順に従う。
  • 呪文や能力のコピーを作り出すだけの誘発型能力(ストームなど)は、自動的に解決されるものとする。ただし、そのコピーを解決する際に解決し忘れた場合には、「忘れた」ものとみなす。

[編集] 誘発忘れに気付いた場合の処理手順

  1. オーラが戦場に出たことによる誘発型能力で、そのオーラがつけられたパーマネントにのみ効果を及ぼし、視覚的な影響を伴うものであった場合、それを即座に解決する。
  2. その能力がオブジェクトの領域の変更を伴う遅延誘発型能力であった場合、対戦相手はその能力を次にプレイヤーが優先権を得るときに解決するか、次のフェイズの開始時にプレイヤーが優先権を得るときに解決するかを選ぶ。
  3. 誘発によって生成される効果の持続時間がすぎている場合、あるいは誘発すべき時点が「ちょうど1ターンよりも前」である場合、そのままの状態でゲームを続ける。
    • 「ちょうど1ターンよりも前」とは、前のプレイヤーのターンにおける今現在のステップ・フェイズよりも前であることを意味する。
  4. いずれにも該当しない場合、対戦相手が、その誘発型能力をスタックに置くかどうかを決める。スタックに置く場合、その忘れられていた能力を、スタックの該当する場所またはスタックの一番下に置く。ただし、本来誘発すべき時点で存在しなかったオブジェクトを含む選択を行うことはできない。
    • 例:誘発型能力がクリーチャーを生け贄に捧げるものである場合、誘発すべき時点で戦場に出ていなかったクリーチャーを生け贄に捧げることはできない。
  5. そのプレイヤーが、誘発が忘れられたことを示す処理の途中あるいはその直後であり、その処理を完了することでその誘発の効果が変わる場合、その処理について単純な復元を行うことができる。

[編集] 懲罰

RELが競技やプロの場合、忘れられた誘発型能力がそのコントローラーにとって一般に有害であると考えられ、かつその能力が自身がオーナーであるカードによって生じた場合、警告の懲罰が与えられる。

対称的能力(吠えたける鉱山/Howling Mineなど)であれば、誰が影響を受けるかどうかによって有害かどうかを判断する。

対戦相手は誘発忘れを指摘する義務がなく、また指摘しなかったとしても「違反の見逃し」や「故意の違反」の懲罰が与えられることもない。

[編集] その他

  • 2012年ごろより、頻繁に誘発忘れについてのルールは変更されている。2012年時点でのルールは失効能力を参照。
  • 2019年1月の変更以前では、「そうしなかった場合の処理(〜しない限り、〜しなかったとき)があれば、その処理を行う」とされていた。そのため、日本選手権07の予選では、否定の契約/Pact of Negationを唱えた次のアップキープマナ支払わずカードを引いてしまったため「マナを支払わなかった時の処理=敗北」になってしまったケースが絶えなかった。
    • 現在では「マナを支払う。そうしなかった場合、このゲームに敗北する」という遅延誘発型能力自体をその場でスタックに乗せるかどうかを対戦相手が選択する。これにより自動的に敗北、とはならなくなったが、マナが足りない状況で誘発忘れに気づいて能力がスタックに乗せられた場合、支払うことができずに敗北、ということもありえる。
  • 同じく2019年1月の変更以前では、有害な誘発忘れで警告が出るかどうかは「その能力のコントローラーであるかどうか」だけで判断していた。そのため、対戦相手がオーナーであるThe Tabernacle at Pendrell Valeにより自分のクリーチャーに付与された誘発型能力を忘れて警告、さらに上記の「しなかった場合の処理」に該当するため、クリーチャーが全滅、ということも起こりえた。
    • 現在では、上記の誘発型能力は対戦相手がオーナーのカードに由来するものなので、このケースでは警告は出ず、改めて誘発型能力がスタックに乗った時にマナを払うかどうか選択する。

[編集] 解説記事

[編集] 参考

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