失効能力
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失効能力/Lapsing Abilityは、誘発忘れに関連したトーナメント用語。誘発型能力を、発生する効果の種類によって分類するものである。2012年4月12日に発効(3月20日付更新)されたルールであったが、2012年10月1日より誘発忘れのルールが改定され、現在では廃語となっている。
以下、当時の誘発忘れの処理手順とともに解説する。現在のルールについては誘発忘れを参照。
[編集] 失効能力一覧
以下のいずれかに該当する効果のみを発生させるのが失効能力である。
- あなたがライフを得る
- 対戦相手にダメージを与える、もしくは対戦相手のライフを失わせる
- 対戦相手にカードを捨てさせる
- あなたがある領域のカードを見る/並べ替える
- あなたの墓地や追放領域からあなたの手札にカードを戻す
- あなたのコントロール下でパーマネントを戦場に出す、あるいはあなたにパーマネントのコントロールを与える
- +1/+1カウンターや蓄積カウンターなど、有利になる効果に関連したカウンターをあなたのコントロールするパーマネントに置く
- あなたがコントロールするパーマネントに+X/+Y、あるいは有利になる能力を与える
- あなたがコントロールするパーマネントをアンタップする
- あなたに追加のフェイズを与える
- 対戦相手のコントロールするパーマネントを追放したり、破壊したり、タップしたり、あるいは対戦相手のコントロールするパーマネントにダメージを与えたり、-X/-Yを与えたり、-1/-1カウンターなど不利になる効果に関連したカウンターを置いたりする
- 対戦相手に、そのコントロールするパーマネントを追放させたりライブラリーや墓地に置かせたりする
ジャッジはこれらに該当する能力が忘れられていることに気がついても介入すべきではないとされている。
[編集] 処理
ルール適用度(REL)が「一般」である場合、一般イベント用ジャッジ法(現在の一般ルール適用度(REL)用ジャッジ法)に従って、「うっかり忘れちゃった誘発型能力は、本来処理すべき時点が前のターンの開始時以降なら気がついた時点で処理。それ以前なら無視して続行。選択肢があるならそれは選択しなかったとして処理」となる。
RELが「競技」や「プロ」である場合、以下の順に判断して処理を行う。
- 「ターン周期」(下記参照)が過ぎてから誤りが見つかった場合。
- 誘発の指示に「してもよい(may)」を含み、そうしなかった場合の規定がない場合。
- プレイヤーはその行動をしなかったものとみなす。懲罰は適用しない。
- 誘発が選択を必要とせず、さらに「視覚上の表現」(下記参照)を伴わないものであった場合。
- その能力は適正な時に解決されたものとして扱う。懲罰は適用しない。
- 「失効能力」である場合。
- 誘発が選択を必要とし、さらに「そうしない場合(If you don't)」などによりそうしなかった場合の行動が規定されている場合。
- タイミングのルールを無視して、判明した時点でスタックを用いることなく即座にその選択しなかったときの行動が処理される。未解決の呪文や能力などがその結果ゲーム上不正となった場合、それらの呪文や能力を取り除くところまでゲームを巻き戻す。
- 上記のいずれにも該当しない場合。
- その能力をスタックの該当する場所に置く。
- 「視覚上の表現」とは、「プレイヤーに何が起こっているかまたは何が戦場にあるかがわかるような、領域変化やカウンターの追加、ライフの変更など」という意味。
- 「ターン周期」とは、「あるプレイヤーのフェイズやステップの開始から、そのプレイヤーの次の同一のフェイズやステップの終了まで」という意味。
いずれにせよ、これにより誘発した時点まで巻き戻しが行われることはない。
RELが一般の場合のみ「注意」、RELが競技やプロの場合には警告の懲罰が与えられる。また、対戦相手はこの誤りを指摘する義務はなく、指摘しなかった対戦相手に「違反の見逃し」や「詐欺行為」の懲罰が与えられることもない。
日本選手権07の予選では、否定の契約/Pact of Negationを唱えた次のアップキープでマナを支払わずカードを引いてしまったため敗北になってしまったケースが絶えなかった。
- これはルール違反による敗北ではなく、否定の契約の効果による敗北であることに注意。この処理は(当時は現在とは処理の定義が若干異なっていたが)上記の5に該当する。マナの支払い自体は選択を含まないが、マナ能力を起動するかどうかに選択を含むためである。
[編集] 参考
- 第102回:初夏のスタンダードは世界への扉!&誘発型能力と失効能力のこと(mtg-jp.comより、橘真一郎による解説)
- トーナメント用語