虚無跡のガルガンチュアン/Nulltread Gargantuan
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クリーチャー — ビースト(Beast)
虚無跡のガルガンチュアンが戦場に出たとき、あなたがコントロールするクリーチャー1体を、オーナーのライブラリーの一番上に置く。
5/63マナ5/6という優れたマナレシオのクリーチャー。代わりにETBで自分がコントロールするクリーチャー1体をバウンスする必要がある。
かつての開門などと同様、ペナルティ能力である一方ギミックに使える側面もある能力ではある。ただし戻すのが手札ではなくライブラリーの一番上である点が大きなネック。クリーチャーのみならず次のドローも同時に犠牲にしていることから、カード面でもテンポ面でも大きなアドバンテージ損が生じてしまっている。
そのぶんマナレシオの高さは抜群。1マナのマナ・クリーチャー、特に青マナを生み出せる極楽鳥/Birds of Paradiseや貴族の教主/Noble Hierarchを用いればかなり安定した確率で2ターン目に唱えることが可能。とはいえ回避能力も除去耐性も持たず、特に除去された場合のロスが非常に大きいことから、サイズの大きさだけで押し切れなくなってくる中盤以降は、カウンターや装備品などのサポートを加えたい。
リミテッド・構築ともに、序盤に出すことを意識した構成にできれば強力。ただし他のクリーチャーがいない状況では戦場に出ることすらできないため、劣勢のときなどには頼りにならない側面も大きい。
- トークンをライブラリーの一番上に戻した場合、状況起因処理で消滅し、次のドローを阻害することはない。そのため状況次第ではあるが、トークンを戻したほうが損失は少なくて済む。
- 緑青のバントカラーにしてガルガンチュアン/Gargantuan。アラーラの断片ブロックにおいてはパワー5以上のクリーチャーがナヤカラーに偏っており、アンコモン以下の青か黒のクリーチャーで条件を満たすのはこれと融合の精霊/Fusion Elementalのみである。
[編集] 開発秘話
カード開発では、実際にデッキを構築してカードの面白さと強さを検証することで、開発中のカードに調整を加えることがある。プレイテスターのミーティングで、アラーラ再誕とイーブンタイドの緑青カードを混ぜてのデッキ構築が試されていないと指摘が挙がった。このガルガンチュアンのデメリットはデッキ採用をためらわせるものであり、実のところこれが強いのか弱いのかよく分かっていなかった。そこでTom LaPilleはこのカードの威力を最大限発揮できるようなデッキを目指し、半日を費やして検証した結果、このカードの抱える数々の弱点を明らかにした。この検証がなければ5/6ではなく一回り小型の4/5となっていたかも知れない。(→The Future Future is Now参照)
[編集] ストーリー
虚無跡のガルガンチュアン/Nulltread Gargantuanとはナヤ/Nayaの巨獣ガルガンチュアン/Gargantuanの1種(イラスト)。「Nulltread」とは「null(無の)」と「tread(歩くこと、踏むこと、足音)」の合成語で、フレイバー・テキストでは「あらゆる物を踏み潰すが、そこには何の後も残さない」と語られていることから、「虚無跡(きょむせき)」とは「踏みつけた跡のない」くらいの意味合いと分かる。
- 日本語版のフレイバー・テキストでは、「no flattened souls」を「潰された魂も(残さない)」と訳しているが、魂は踏み潰される類のものではなく、魂の痕跡が視認されることも(少なくとも日常的には)ありえない。更に「soul」には「人命、人」の意があるため、この場合は「flattened(平らになった)」と修飾されて「ぺちゃんこになった死体」程度の意味だろう。