同型再版
提供:MTG Wiki
同型再版(Functionally Identical Reprint)とは、以前作られたカードを、機能はそのままでカード名を変えて別のカード・セットに登場させること。なお、この訳はホビージャパン社のコラムで用いられていたものであるが、日本語の文章に英語が混じると不自然なので、このWikiではこの訳語に統一して表記する。
クリーチャー — タコ(Octopus) ならず者(Rogue)
(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚引き、その後カードを1枚捨てる。
2/1クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚引き、その後カードを1枚捨てる。
2/1[編集] 解説
例を挙げると、以下のようなものが登場している。
以前作られたカード | → | 新たに作られたカード |
---|---|---|
セファリッドの物あさり/Cephalid Looter(オデッセイ) | 無謀な識者/Reckless Scholar(ゼンディカー) | |
空民の助言/Counsel of the Soratami(神河物語) | 予言/Divination(基本セット2010) |
同型再版は、カード名やクリーチャー・タイプがその次元/Planeの世界観に合わない場合などに、それを適切なものに変更するのが目的で作られる。この理由から、クリーチャーに対して同型再版と言う場合は、基本的にクリーチャー・タイプの違いを考慮しない。そのため同型再版であっても他のカードとの相互作用によりカードの相対的な強さや役割が変化する場合もありうる。
上表の例で言えば、ゼンディカー/Zendikarにはセファリッドという種族は存在しないし、空民は神河/Kamigawa特有の種族名であり基本セット2010のデザイン方針にそぐわなかった。そのため、それぞれ同じ機能を持つカードを、セットのデザイン方針に沿う形にデザインし直したのである。
同型再版により、事実上同じカードを1つのデッキに8枚、もしくはそれ以上入れられるようになることがある。そのため、5枚以上投入することによりある環境への影響が大きくなるようなカードについては、同型再版を作らないようにしている。これに関してもっとも失敗した例は、フィンドホーンのエルフ/Fyndhorn Elvesだろう。これのせいで、当時のスタンダードでは、事実上ラノワールのエルフ/Llanowar Elvesを8枚入れることができたのである。
また、4枚以下しか採用しない場合でも、同型再版カードの存在によって採用数を「散らす」事が可能になる。これは名前を指定して影響を及ぼすカードの存在を考慮してのものであり、翻弄する魔道士/Meddling Mageなどの被害を軽くしたり、けちな贈り物/Gifts Ungivenなどの利便性向上に期待できるが、逆に森の賢人/Wood Sageなどを利用する場合は不利に働くため、デッキやメタゲームに合わせて選択される。
- クリーチャー・カード以外でサブタイプが異なる場合は(呪文タイプの秘儀など)、同型再版とは呼ばないこともある。それらのサブタイプは、カード・セット固有のメカニズムに応じて作られることが多く、そのメカニズムによって元のカードと異なる働きを期待されているからだろう。
- ポータル三国志は世界観が他のセットとあまりに異なるために、同型再版が多いことで有名。基本セット2010でも、「西洋ファンタジー的世界観」に統一したカードデザインがなされ、多くの同型再版が作られた。
- 統率者戦などのハイランダー制フォーマットでは同型再版カードの存在が一層貴重となる。
[編集] 参考
- That Card Again(Latest Developments 2004年8月6日 Aaron Forsythe著)
- 再録
- 確定再版
- 用語集