リシド
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− | + | [[クリーチャー]]からオーラに変化するという[[メカニズム]]は[[ルール]]上の混乱を呼び、当時のルール関係者に「(リシドなんて)そんなものは存在しない」とまで言われてしまった。[[フリースペル]]とはまた違った意味での最悪のメカニズムとも言われる。 | |
− | + | *さまざまに作られた、「オーラの改善策」の1つといえる。単体でもクリーチャーとして使用できるため、「オーラしか手元にない」「そのオーラが有効に機能しない相手に無駄カードになる」というような事故を避けられるのが1つの利点。 | |
+ | **また[[カード・タイプ]]を変更できるため、[[タイプ]]を条件にする狙い撃ちの[[除去]]にも強い。例えば「クリーチャー除去」の呪文に狙われたなら、オーラに変形。逆に「オーラを破壊」できる効果に狙われたり、宿主が[[戦場]]を離れそうになったらクリーチャーに戻る、というように。 | ||
+ | **[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]してからオーラになる能力を起動することで、使いまわしのできる[[ブロッカー]]にもなる。当時は[[当て逃げ]]もできたため、[[リミテッド]]では強力なメカニズムだった。 | ||
+ | *[[装備品]](特に[[生体武器]])とは、デザイン段階での祖を同じくする。最初に[[Mark Rosewater]]が作った「擬リシド」は、[[トークン]]を出すことのできるオーラであった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003944/ 生体武器に何をする?]([[Making Magic]] [[2011年]]3月7日)</ref>。 | ||
+ | *16年後の[[テーロス・ブロック]]にて、最初からオーラとして[[唱える]]ことのできる[[授与]]持ちの[[クリーチャー・エンチャント]]群が登場した。 | ||
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+ | 登場当時から、山のような[[エラッタ]]が出続けている。最新のエラッタは、オーラ導入に際して行われたものであり、わりと最初の[[ルール文章]]に近くなっている。 | ||
*リシドはいずれも[[起動コスト]]に[[タップ・シンボル]]を含むので、基本的にオーラになった段階ではタップ状態である。「タップ状態のオーラ」自体が珍しいため戸惑う人がいるようだが、ルール上は何の問題もない。なお、これは他の[[パーマネント]]と同様に[[アンタップ・ステップ]]で[[アンタップ]]する。 | *リシドはいずれも[[起動コスト]]に[[タップ・シンボル]]を含むので、基本的にオーラになった段階ではタップ状態である。「タップ状態のオーラ」自体が珍しいため戸惑う人がいるようだが、ルール上は何の問題もない。なお、これは他の[[パーマネント]]と同様に[[アンタップ・ステップ]]で[[アンタップ]]する。 | ||
− | * | + | *リシドの能力は、自分自身を対象にとってもよい。しかし、その場合「オーラは自分自身に[[つける|つけ]]られない({{CR|303.4d}})」、および「何にもつけられていないオーラは墓地に置かれる({{CR|303.4c}})」というルールにより、[[状況起因処理]]で墓地に置かれる。 |
− | * | + | *「マナを支払うことでクリーチャーに戻る」のは[[特別な処理]]である。これは[[スタック]]を使用しないので、それに[[対応して|対応]]できないし、[[刹那]]を持つ呪文がスタックにあっても実行できる。 |
+ | *あるクリーチャーがリシドの[[コピー]]となりオーラ化した場合、コピー効果が終了してもそのクリーチャーはオーラのままである。クリーチャーに戻る行動はオーラになる効果の一部なので、リシドでなくなった後もいつでも可能である。 | ||
+ | *今のテキストでは[[静寂の歌/Song of Serenity]]のようにオーラがついているクリーチャー全部に影響するようにも思えるが、[[授与]]と同じく自身がオーラとしてエンチャントしている先にしか効果は無い([[オラクル]]で見れば「Enchanted creature」と単一のクリーチャーを指している事が判りやすい)。 | ||
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+ | ==ストーリー== | ||
+ | [[ラース/Rath]]に住まう[[種族]]。たいていが六肢を持つ、[[ナメクジ]]や[[昆虫]]のような姿の寄生生物、ないし共生生物である({{Gatherer|id=4670}})。 | ||
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+ | 単独で生活し、齧歯類([[ネズミ]])や昆虫を捕食する。無性生殖をすると信じられている。 | ||
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+ | リシドは宿主(たいてい[[人間]])に結合し、なんらかの能力を吹き込む。そのときリシドの足は宿主の身体に食い込み、両者は次第に融合していく。しかし宿主から離れるに際しては、互いの身体に損傷を残さない。この結合がリシドにとってどんな利益となるのかは不明であるが、そのライフサイクルにおける重要な部分であることは間違いなく、どのリシドも生涯に一度はそれをしようとする。 | ||
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+ | 例えば[[ヴェク/Vec]]族は戦闘力を上げるためや儀礼の一部としてリシドを使用し、[[沈静するリシド/Calming Licid]]は危険な犯罪者を鎮めるため、[[活力リシド/Quickening Licid]]は戦士のスピードを増すために使われるものと思われる。 | ||
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+ | リシドの骨や組織は、日ごろからヴェクの衣類や道具、食糧にされている。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[ | + | <references /> |
− | [http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/03/1112.html M:tGやっちまった小咄集]( | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/make-no-mistake-2003-11-10-0 Make No Mistake](Making Magic 2003年11月10日) - その5 |
− | + | **[http://web.archive.org/web/20040413215000/http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/03/1112.html M:tGやっちまった小咄集](個人サイト「Braingeyser」、上の記事の和訳) | |
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2020年12月19日 (土) 22:57時点における最新版
リシド/Licidはクリーチャー・タイプの1つ。テンペスト・ブロックでのみ登場した。
クリーチャー — リシド(Licid)
(1)(白),(T):クリーチャー1体を対象とする。活力リシドはこの能力を失い、エンチャント(クリーチャー)を持つオーラ(Aura)・エンチャントになる。これをそのクリーチャーにつける。あなたは、この効果を、(白)を支払うことで終わらせてもよい。
エンチャントされているクリーチャーは先制攻撃を持つ。
クリーチャー — リシド(Licid)
(赤),(T):クリーチャー1体を対象とする。けいれんするリシドはこの能力を失い、エンチャント(クリーチャー)を持つオーラ(Aura)・エンチャントになる。これをそのクリーチャーにつける。あなたは、この効果を、(赤)を支払うことで終わらせてもよい。
エンチャントされているクリーチャーではブロックできない。
クリーチャー — リシド(Licid)
(1)(青)(青),(T):クリーチャー1体を対象とする。威圧するリシドはこの能力を失い、エンチャント(クリーチャー)を持つオーラ(Aura)・エンチャントになる。これをそのクリーチャーにつける。あなたは、この効果を、(青)を支払うことで終わらせてもよい。
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
テンペスト、ストロングホールドにそれぞれ5色サイクルとして登場。エクソダスにも2体が登場した。
各色と無色のアーティファクト・クリーチャーに存在する。すべてのリシドは共通してマナとタップでエンチャント(クリーチャー)を持つオーラになる能力を持つ。また、マナを支払うことでクリーチャーに戻ることができる。
クリーチャーからオーラに変化するというメカニズムはルール上の混乱を呼び、当時のルール関係者に「(リシドなんて)そんなものは存在しない」とまで言われてしまった。フリースペルとはまた違った意味での最悪のメカニズムとも言われる。
- さまざまに作られた、「オーラの改善策」の1つといえる。単体でもクリーチャーとして使用できるため、「オーラしか手元にない」「そのオーラが有効に機能しない相手に無駄カードになる」というような事故を避けられるのが1つの利点。
- 装備品(特に生体武器)とは、デザイン段階での祖を同じくする。最初にMark Rosewaterが作った「擬リシド」は、トークンを出すことのできるオーラであった[1]。
- 16年後のテーロス・ブロックにて、最初からオーラとして唱えることのできる授与持ちのクリーチャー・エンチャント群が登場した。
[編集] ルール
登場当時から、山のようなエラッタが出続けている。最新のエラッタは、オーラ導入に際して行われたものであり、わりと最初のルール文章に近くなっている。
- リシドはいずれも起動コストにタップ・シンボルを含むので、基本的にオーラになった段階ではタップ状態である。「タップ状態のオーラ」自体が珍しいため戸惑う人がいるようだが、ルール上は何の問題もない。なお、これは他のパーマネントと同様にアンタップ・ステップでアンタップする。
- リシドの能力は、自分自身を対象にとってもよい。しかし、その場合「オーラは自分自身につけられない(CR:303.4d)」、および「何にもつけられていないオーラは墓地に置かれる(CR:303.4c)」というルールにより、状況起因処理で墓地に置かれる。
- 「マナを支払うことでクリーチャーに戻る」のは特別な処理である。これはスタックを使用しないので、それに対応できないし、刹那を持つ呪文がスタックにあっても実行できる。
- あるクリーチャーがリシドのコピーとなりオーラ化した場合、コピー効果が終了してもそのクリーチャーはオーラのままである。クリーチャーに戻る行動はオーラになる効果の一部なので、リシドでなくなった後もいつでも可能である。
- 今のテキストでは静寂の歌/Song of Serenityのようにオーラがついているクリーチャー全部に影響するようにも思えるが、授与と同じく自身がオーラとしてエンチャントしている先にしか効果は無い(オラクルで見れば「Enchanted creature」と単一のクリーチャーを指している事が判りやすい)。
[編集] ストーリー
ラース/Rathに住まう種族。たいていが六肢を持つ、ナメクジや昆虫のような姿の寄生生物、ないし共生生物である(イラスト)。
単独で生活し、齧歯類(ネズミ)や昆虫を捕食する。無性生殖をすると信じられている。
リシドは宿主(たいてい人間)に結合し、なんらかの能力を吹き込む。そのときリシドの足は宿主の身体に食い込み、両者は次第に融合していく。しかし宿主から離れるに際しては、互いの身体に損傷を残さない。この結合がリシドにとってどんな利益となるのかは不明であるが、そのライフサイクルにおける重要な部分であることは間違いなく、どのリシドも生涯に一度はそれをしようとする。
例えばヴェク/Vec族は戦闘力を上げるためや儀礼の一部としてリシドを使用し、沈静するリシド/Calming Licidは危険な犯罪者を鎮めるため、活力リシド/Quickening Licidは戦士のスピードを増すために使われるものと思われる。
リシドの骨や組織は、日ごろからヴェクの衣類や道具、食糧にされている。
[編集] 参考
- ↑ 生体武器に何をする?(Making Magic 2011年3月7日)
- Make No Mistake(Making Magic 2003年11月10日) - その5
- M:tGやっちまった小咄集(個人サイト「Braingeyser」、上の記事の和訳)
- サブタイプ「リシド(Licid)」で検索
- クリーチャー・タイプ解説