混成カード
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− | 以下では、多色の混成カードについて記述する。[[幽体の行列/Spectral Procession]]のようなカードについては、[[単色混成マナ・シンボル]]を参照。 | + | 以下では、多色の混成カードについて記述する。[[幽体の行列/Spectral Procession]]のようなカードについては、'''[[単色混成カード]]'''および'''[[単色混成マナ・シンボル]]'''を参照。 |
− | 混成マナ・シンボルの部分は、該当する2つの[[色]]の[[マナ]]どちらで[[支払う|支払って]] | + | ==概要== |
+ | 混成マナ・シンボルの部分は、該当する2つの[[色]]の[[マナ]]どちらで[[支払う|支払って]]もよいことを意味している。どちらの色で支払うかは、[[モード]]や[[X]]の値の決定と同じ時点で決める({{CR|601.2b}})。それぞれの混成マナ・シンボルを異なる色で支払うことにしてもよい。例えば、(黒/緑)(黒/緑)(黒/緑)ならば、(黒)(黒)(緑)や(緑)(緑)(緑)で支払うことができる。[[境を歩む者/Edgewalker]]などの[[コスト]]から特定の[[色マナ]]を減らす[[効果]]は、このとき選んだ色と一致した時のみ、その分を減少させる。 | ||
− | + | マナ・コストに混成マナ・シンボルを持つ[[オブジェクト]]は常に[[多色]]であり、他の通常の[[マナ・シンボル]]による色に加え、混成マナ・シンボルに含まれる両方の色を持っているものとして扱う。「[[唱える|唱えた]]時にどの色のマナで支払ったか」ということはそのオブジェクトの色には影響しない。マナ・コスト支払いの柔軟さの代償として、[[プロテクション]]や[[色対策カード]]の影響を幅広く受けるという欠点が生まれていると言える。 | |
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− | + | 混成カードはどちらの色のデッキにも投入できるため、優秀な混成カードは幅広いデッキで採用される。[[緑]]で[[クリーチャー]]を[[除去]]できる[[安楽死/Mercy Killing]]、[[黒]]で[[マナ・クリーチャー]]として使える[[死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman]]など、本来[[単色]]ではできないことが可能になることもある。 | |
− | [[ | + | *2色以下で単色でも唱えることができるカードの場合、内枠は該当する2色により左右で半分ずつ色分けされる({{Gatherer|id=457063|カード画像}})。3色以上または単色で唱えることができない場合、通常の多色カードと同じ[[金 (俗称)|金]]色となる({{Gatherer|id=205317|カード画像}}、{{Gatherer|id=556721|カード画像2}})。 |
+ | **余談だが、[[情け知らずのガラク/Garruk Relentless|ヴェールの呪いのガラク/Garruk, the Veil-Cursed]]は黒緑の多色カードであるが、フレーバーとの関係で金色ではなく、混成カードと同じ半分黒、半分緑の色分けとなっている({{Gatherer|id=274531|カード画像}})。 | ||
+ | *[[統率者戦]]においてマナ・コストあるいは[[ルール文章]]に混成マナ・シンボルを含むカードを[[統率者]]に指定した場合、[[固有色]]には混成マナ・シンボルのすべての色が含まれる。また、[[メインデッキ]]に入れる混成カードはその両方の色が統率者の固有色に含まれている必要がある。詳細は[[固有色]]の項を参照。 | ||
+ | *混成マナ・シンボルを、マナ・コストには含まず起動コストなどにのみ含むようなカード([[不屈のダガタール/Daghatar the Adamant]]など)は、混成カードとは呼ばない。 | ||
+ | *英語名から、'''ハイブリッド・カード'''とも呼ばれる。 | ||
+ | **開発初期には'''半分半分カード'''/''half-half card''とも呼ばれていた。 | ||
+ | *[[アン・ゲーム]]において、混成マナ・シンボルを、2つの異なる色の[[1/2]]マナで支払うことはできない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/ravnicas-prerelease-weekend-2005-09-24 Ravnica's Prerelease Weekend]/[http://web.archive.org/web/20090214112328/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/rule/20051029/index.html 土曜学校総集編 2005年10月前半号(Internet Archive)](Feature [[2005年]]9月24日 [[John Carter]]著)</ref>という公式見解があったが、後に[[Mark Rosewater]]によって支払うことができるという回答が出ている<ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/167899928878/if-i-have-half-a-green-mana-and-half-a-white-mana Blogatog](Mark Rosewaterブログ)</ref>。 | ||
− | [[ | + | ==開発秘話== |
+ | [[Mark Rosewater]]はラヴニカ・ブロック用に混成マナを考案したが、[[デベロップ・チーム]]によって一度セットから取り除かれている。その後、[[多元宇宙/Multiverse]]そのものの混乱と崩壊がテーマとなっていた[[時のらせんブロック]]にてマナの作用そのもの弄る混成マナを主要メカニズムとして検討したが、すぐに[[待機]]との相互作用の薄さが明らかになった。結局、ラヴニカのデベロップチームはセットに何か革新的なものが足りていないと気づき、混成マナをセットに少しだけ残すこととして、時のらせんからラヴニカへと引き戻された<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034841/ 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと]([[Making Magic]] [[2021年]]3月8日)</ref>。 | ||
− | + | Mark Rosewaterは当初の計画では[[シャドウムーア]]のように最初から主要メカニズムとするつもりだったが、結果としてラヴニカ・ブロックで少数だが新鮮なメカニズムとして[[プレイヤー]]の目を慣れさせ、後に大量に導入するという形となった。これによって混成マナの価値は両方のセットにおいて高まったとMarkは考えている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/playing-blocks-2009-12-07 Playing With Blocks]/[https://web.archive.org/web/20150419074827/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/002103/ ブロックで遊ぼう(Internet Archive)]([[Making Magic]] [[2009年]]12月7日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | |
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− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/city-planning-part-i-2005-09-05 City Planning, Part I]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%A8%88%E7%94%BB%EF%BC%9A%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%91-2005-09-05 都市計画:パート1](Making Magic 2005年9月5日 Mark Rosewater著) 混成カード初紹介 |
− | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/hybrid-mana-brainstorming-2005-09-22 Hybrid Mana Brainstorming] (Arcana 2005年9月22日 [[WotC]]著) 混成マナ・シンボルのデザイン候補 | |
− | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/eight-trials-color-pie-courtroom-part-3-2008-05-23 Eight Trials: Color Pie in the Courtroom, Part 3] (Latest Developments [[2008年]]5月23日 [[Davin Low]]著) 混成カードのデザインに関するMark RosewaterとDavin Lowの言い分を裁判劇にしたもの。 | |
− | + | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037611/ 混成の歴史 その1]([[Making Magic]] [[2024年]]2月12日) | |
− | + | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037658/ 混成の歴史 その2]([[Making Magic]] [[2024年]]2月26日) | |
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==参考== | ==参考== | ||
+ | *[http://whisper.wisdom-guild.net/search.php?color=&color_multi=must&msh_gt=1 「混成マナ・シンボル1以上」かつ「多色」で検索] | ||
*[[カードの俗称]] | *[[カードの俗称]] | ||
*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
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2024年3月5日 (火) 10:27時点における最新版
混成カード(Hybrid Card)とは、マナ・コストに混成マナ・シンボルを含むカードの総称。ラヴニカ・ブロックで初登場して以降、様々なカード・セットで登場している。
以下では、多色の混成カードについて記述する。幽体の行列/Spectral Processionのようなカードについては、単色混成カードおよび単色混成マナ・シンボルを参照。
[編集] 概要
混成マナ・シンボルの部分は、該当する2つの色のマナどちらで支払ってもよいことを意味している。どちらの色で支払うかは、モードやXの値の決定と同じ時点で決める(CR:601.2b)。それぞれの混成マナ・シンボルを異なる色で支払うことにしてもよい。例えば、(黒/緑)(黒/緑)(黒/緑)ならば、(黒)(黒)(緑)や(緑)(緑)(緑)で支払うことができる。境を歩む者/Edgewalkerなどのコストから特定の色マナを減らす効果は、このとき選んだ色と一致した時のみ、その分を減少させる。
マナ・コストに混成マナ・シンボルを持つオブジェクトは常に多色であり、他の通常のマナ・シンボルによる色に加え、混成マナ・シンボルに含まれる両方の色を持っているものとして扱う。「唱えた時にどの色のマナで支払ったか」ということはそのオブジェクトの色には影響しない。マナ・コスト支払いの柔軟さの代償として、プロテクションや色対策カードの影響を幅広く受けるという欠点が生まれていると言える。
混成カードはどちらの色のデッキにも投入できるため、優秀な混成カードは幅広いデッキで採用される。緑でクリーチャーを除去できる安楽死/Mercy Killing、黒でマナ・クリーチャーとして使える死儀礼のシャーマン/Deathrite Shamanなど、本来単色ではできないことが可能になることもある。
- 2色以下で単色でも唱えることができるカードの場合、内枠は該当する2色により左右で半分ずつ色分けされる(カード画像)。3色以上または単色で唱えることができない場合、通常の多色カードと同じ金色となる(カード画像、カード画像2)。
- 余談だが、ヴェールの呪いのガラク/Garruk, the Veil-Cursedは黒緑の多色カードであるが、フレーバーとの関係で金色ではなく、混成カードと同じ半分黒、半分緑の色分けとなっている(カード画像)。
- 統率者戦においてマナ・コストあるいはルール文章に混成マナ・シンボルを含むカードを統率者に指定した場合、固有色には混成マナ・シンボルのすべての色が含まれる。また、メインデッキに入れる混成カードはその両方の色が統率者の固有色に含まれている必要がある。詳細は固有色の項を参照。
- 混成マナ・シンボルを、マナ・コストには含まず起動コストなどにのみ含むようなカード(不屈のダガタール/Daghatar the Adamantなど)は、混成カードとは呼ばない。
- 英語名から、ハイブリッド・カードとも呼ばれる。
- 開発初期には半分半分カード/half-half cardとも呼ばれていた。
- アン・ゲームにおいて、混成マナ・シンボルを、2つの異なる色の1/2マナで支払うことはできない[1]という公式見解があったが、後にMark Rosewaterによって支払うことができるという回答が出ている[2]。
[編集] 開発秘話
Mark Rosewaterはラヴニカ・ブロック用に混成マナを考案したが、デベロップ・チームによって一度セットから取り除かれている。その後、多元宇宙/Multiverseそのものの混乱と崩壊がテーマとなっていた時のらせんブロックにてマナの作用そのもの弄る混成マナを主要メカニズムとして検討したが、すぐに待機との相互作用の薄さが明らかになった。結局、ラヴニカのデベロップチームはセットに何か革新的なものが足りていないと気づき、混成マナをセットに少しだけ残すこととして、時のらせんからラヴニカへと引き戻された[3]。
Mark Rosewaterは当初の計画ではシャドウムーアのように最初から主要メカニズムとするつもりだったが、結果としてラヴニカ・ブロックで少数だが新鮮なメカニズムとしてプレイヤーの目を慣れさせ、後に大量に導入するという形となった。これによって混成マナの価値は両方のセットにおいて高まったとMarkは考えている[4]。
[編集] 混成カード一覧
混成カード一覧を参照。
[編集] 関連リンク
- City Planning, Part I/都市計画:パート1(Making Magic 2005年9月5日 Mark Rosewater著) 混成カード初紹介
- Hybrid Mana Brainstorming (Arcana 2005年9月22日 WotC著) 混成マナ・シンボルのデザイン候補
- Eight Trials: Color Pie in the Courtroom, Part 3 (Latest Developments 2008年5月23日 Davin Low著) 混成カードのデザインに関するMark RosewaterとDavin Lowの言い分を裁判劇にしたもの。
- 混成の歴史 その1(Making Magic 2024年2月12日)
- 混成の歴史 その2(Making Magic 2024年2月26日)
- ↑ Ravnica's Prerelease Weekend/土曜学校総集編 2005年10月前半号(Internet Archive)(Feature 2005年9月24日 John Carter著)
- ↑ Blogatog(Mark Rosewaterブログ)
- ↑ 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと(Making Magic 2021年3月8日)
- ↑ Playing With Blocks/ブロックで遊ぼう(Internet Archive)(Making Magic 2009年12月7日 Mark Rosewater著)