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'''放題'''/''Spree''とは、[[サンダー・ジャンクションの無法者]]で制定された[[キーワード能力]]。これを持つ[[呪文]]が[[スタック]]上にある間に機能する[[常在型能力]]である。 | '''放題'''/''Spree''とは、[[サンダー・ジャンクションの無法者]]で制定された[[キーワード能力]]。これを持つ[[呪文]]が[[スタック]]上にある間に機能する[[常在型能力]]である。 | ||
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− | '''放題'''/''Spree''は[[モード]]を持つ[[呪文]] | + | '''放題'''/''Spree''は[[モード]]を持つ[[呪文]]のみが持つ[[能力]]であり、「1つ以上のモードを選ぶ。この呪文を[[唱える]]ための[[追加コスト]]として、それらのモードに関連した追加コストを[[支払う]]。」を意味する。 |
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− | [[モード]] | + | [[モード]]ごとに個別の[[追加コスト]]が設定されており、好きな組み合わせを選んで支払える[[メカニズム]]。上記の[[限りない強欲/Insatiable Avarice]]を例に挙げれば |
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[[サンダー・ジャンクションの無法者]]では各[[色]]の[[単色カード]]に存在している。[[白]]と[[青]]ではやや多く、[[緑]]ではやや少ないが、色別で見た時の枚数差は1、2枚ほどしかない。いずれの[[カード]]も[[インスタント]]か[[ソーサリー]]で、モード以外には何の[[呪文能力]]もない。 | [[サンダー・ジャンクションの無法者]]では各[[色]]の[[単色カード]]に存在している。[[白]]と[[青]]ではやや多く、[[緑]]ではやや少ないが、色別で見た時の枚数差は1、2枚ほどしかない。いずれの[[カード]]も[[インスタント]]か[[ソーサリー]]で、モード以外には何の[[呪文能力]]もない。 | ||
− | * | + | *放題を持つカードはカード[[枠]]右上の[[マナ・コスト]]欄の形状がわずかに異なり、「+」の文字が記されている({{Gatherer|id=656352|画像}})。この記号は追加コストを支払うことが必要なことをわかりやすく示したもので、[[ルール]]上の意味は持たない。 |
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*"Spree"は酒盛りや浮かれ騒ぎを表すスラング。 | *"Spree"は酒盛りや浮かれ騒ぎを表すスラング。 | ||
**「放題」という訳は[[破壊放題/Shattering Spree]]に則したものと思われる。 | **「放題」という訳は[[破壊放題/Shattering Spree]]に則したものと思われる。 | ||
==ルール== | ==ルール== | ||
− | [[モード]]、[[追加コスト]] | + | 基本的なルールに関しては[[モード#ルール]]、[[追加コスト]]の項を参照のこと。 |
− | *放題呪文の[[マナ総量]] | + | *放題呪文の[[マナ総量]]は、選ばれたモードに関係なく、常にカード右上に書かれた[[マナ・コスト]]から算出される。例えば[[限りない強欲/Insatiable Avarice]]のマナ総量は常に1である。 |
**「+」マークがあるため、文章中のマナ・コストがマナ総量に加算されるかのように誤解しやすいので注意。 | **「+」マークがあるため、文章中のマナ・コストがマナ総量に加算されるかのように誤解しやすいので注意。 | ||
− | * | + | *[[フラッシュバック]]や「呪文の[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]」[[効果]]などの[[代替コスト]]によって放題呪文を唱える場合も、放題の各モードのコストはマナ・コストでなく追加コストなので最低1つは支払う必要がある。 |
− | + | *スタック上の放題呪文が[[コピー]]される場合、選ばれたモードもコピーされ、新しくモードを選び直すことはできない。[[コピー可能な値]]も参照。 | |
− | + | **スタック上の呪文をコピーすることは「唱える」ことではないため、放題呪文をコピーしても追加コストを支払い直すことはない。 | |
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==開発秘話== | ==開発秘話== | ||
放題能力は「悪役は複雑な計画を企てるのを楽しむもの」というアイデアを元にしたもので、[[展望デザイン]]段階の名称は'''使命'''/''Mission''だった。 | 放題能力は「悪役は複雑な計画を企てるのを楽しむもの」というアイデアを元にしたもので、[[展望デザイン]]段階の名称は'''使命'''/''Mission''だった。 | ||
− | 従来のモードを持つカードはどのように選んでもコストは一定のため、各モードの価値は等価にする必要があり、デザイン領域が狭かった。[[分割カード]]や[[モードを持つ両面カード]] | + | 従来のモードを持つカードはどのように選んでもコストは一定のため、各モードの価値は等価にする必要があり、デザイン領域が狭かった。[[分割カード]]や[[モードを持つ両面カード]]のような「モードごとにコストの異なるカード」を普通のカードで表現するため、(レストランなどの)メニューから着想を得た書き方となった。 |
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+ | *開発当初は[[魔技]]などのために[[空撃ち]]できるよう、モードを1つも選ばずに唱えられる形も検討された<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/outlaws-of-the-land-part-2 Outlaws of the Land, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037723/ この地の『無法者』 その2]([[Making Magic]] [[2024年]]4月1日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | ||
*各モードに[[フレイバー語]]を使用するという案もあったが、文字数の関係から実現には至らなかった<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/outlaws-of-thunder-junction-vision-design-handoff-document-part-2 Outlaws of Thunder Junction Vision Design Handoff Document, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037757/ 『サンダー・ジャンクションの無法者』展望デザイン提出文書 その2]([[Making Magic]] 2024年4月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | *各モードに[[フレイバー語]]を使用するという案もあったが、文字数の関係から実現には至らなかった<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/outlaws-of-thunder-junction-vision-design-handoff-document-part-2 Outlaws of Thunder Junction Vision Design Handoff Document, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037757/ 『サンダー・ジャンクションの無法者』展望デザイン提出文書 その2]([[Making Magic]] 2024年4月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | ||
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[[Category:キーワード能力|ほうたい]] | [[Category:キーワード能力|ほうたい]] | ||
− | ==引用:総合ルール | + | ==引用:総合ルール 20240412.0== |
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− | ;702.172. | + | :700.2h モードを持つ呪文には中黒ではなくプラス記号(+)を用いたものがあり、プラス記号の後にコストが書かれている。それは呪文をそのモードを用いて唱える場合に支払うべき追加コストが示されている。2つ以上のモードを選択したなら、呪文を唱えるためには全ての追加コストを支払う必要がある。これらのコストの支払いは 601.2b、601.2f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。 |
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− | + | :702.172a 放題はモードを持つ呪文 (700.2 参照) がスタックにある間に適用される常在型能力である。「放題/Spree」は、「1つ以上のモードを選ぶ。この呪文を唱えるための追加コストとして、各モードで示されているそれぞれのコストを支払う。」を意味する。 | |
− | + | :702.172b 放題能力を持つカードには、カードの右上隅にプラス記号アイコン (+) がある。このシンボルは、このカードを唱える際に追加コストが必要であることを示した標記である。このアイコンにルール上の意味はない。 | |
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2024年7月28日 (日) 16:29時点における最新版
放題/Spree | |
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種別 | 常在型能力 |
登場セット | サンダー・ジャンクションの無法者 |
CR | CR:702.172 |
放題/Spreeとは、サンダー・ジャンクションの無法者で制定されたキーワード能力。これを持つ呪文がスタック上にある間に機能する常在型能力である。
目次 |
[編集] 定義
放題/Spreeはモードを持つ呪文のみが持つ能力であり、「1つ以上のモードを選ぶ。この呪文を唱えるための追加コストとして、それらのモードに関連した追加コストを支払う。」を意味する。
[編集] 解説
モードごとに個別の追加コストが設定されており、好きな組み合わせを選んで支払えるメカニズム。上記の限りない強欲/Insatiable Avariceを例に挙げれば
- 「(2)(黒)でサーチ」
- 「(黒)(黒)(黒)でドロー」
- 「(2)(黒)(黒)(黒)でサーチしてからドロー」
の3つを使い分けられることになる。
サンダー・ジャンクションの無法者では各色の単色カードに存在している。白と青ではやや多く、緑ではやや少ないが、色別で見た時の枚数差は1、2枚ほどしかない。いずれのカードもインスタントかソーサリーで、モード以外には何の呪文能力もない。
- 放題を持つカードはカード枠右上のマナ・コスト欄の形状がわずかに異なり、「+」の文字が記されている(画像)。この記号は追加コストを支払うことが必要なことをわかりやすく示したもので、ルール上の意味は持たない。
- "Spree"は酒盛りや浮かれ騒ぎを表すスラング。
- 「放題」という訳は破壊放題/Shattering Spreeに則したものと思われる。
[編集] ルール
基本的なルールに関してはモード#ルール、追加コストの項を参照のこと。
- 放題呪文のマナ総量は、選ばれたモードに関係なく、常にカード右上に書かれたマナ・コストから算出される。例えば限りない強欲/Insatiable Avariceのマナ総量は常に1である。
- 「+」マークがあるため、文章中のマナ・コストがマナ総量に加算されるかのように誤解しやすいので注意。
- フラッシュバックや「呪文のマナ・コストを支払うことなく唱える」効果などの代替コストによって放題呪文を唱える場合も、放題の各モードのコストはマナ・コストでなく追加コストなので最低1つは支払う必要がある。
- スタック上の放題呪文がコピーされる場合、選ばれたモードもコピーされ、新しくモードを選び直すことはできない。コピー可能な値も参照。
- スタック上の呪文をコピーすることは「唱える」ことではないため、放題呪文をコピーしても追加コストを支払い直すことはない。
[編集] 開発秘話
放題能力は「悪役は複雑な計画を企てるのを楽しむもの」というアイデアを元にしたもので、展望デザイン段階の名称は使命/Missionだった。
従来のモードを持つカードはどのように選んでもコストは一定のため、各モードの価値は等価にする必要があり、デザイン領域が狭かった。分割カードやモードを持つ両面カードのような「モードごとにコストの異なるカード」を普通のカードで表現するため、(レストランなどの)メニューから着想を得た書き方となった。
[編集] 脚注
- ↑ Outlaws of the Land, Part 2/この地の『無法者』 その2(Making Magic 2024年4月1日 Mark Rosewater著)
- ↑ Outlaws of Thunder Junction Vision Design Handoff Document, Part 2/『サンダー・ジャンクションの無法者』展望デザイン提出文書 その2(Making Magic 2024年4月15日 Mark Rosewater著)
[編集] 参考
- Outlaws of Thunder Junction Mechanics/『サンダー・ジャンクションの無法者』メカニズム(Daily MTG 2024年3月27日 Matt Tabak著)
- Outlaws of Thunder Junction Release Notes/『サンダー・ジャンクションの無法者』 リリースノート(PDF文書)(Daily MTG 2024年4月5日)
- 「放題」でテキスト検索
- ルーリング
[編集] 引用:総合ルール 20240412.0
総合ルールビューアが未対応のため、日本公式サイトより引用
- 700.2h モードを持つ呪文には中黒ではなくプラス記号(+)を用いたものがあり、プラス記号の後にコストが書かれている。それは呪文をそのモードを用いて唱える場合に支払うべき追加コストが示されている。2つ以上のモードを選択したなら、呪文を唱えるためには全ての追加コストを支払う必要がある。これらのコストの支払いは 601.2b、601.2f-h に示された追加コストの支払いに関するルールに従う。
- 702.172. 放題/Spree
- 702.172a 放題はモードを持つ呪文 (700.2 参照) がスタックにある間に適用される常在型能力である。「放題/Spree」は、「1つ以上のモードを選ぶ。この呪文を唱えるための追加コストとして、各モードで示されているそれぞれのコストを支払う。」を意味する。
- 702.172b 放題能力を持つカードには、カードの右上隅にプラス記号アイコン (+) がある。このシンボルは、このカードを唱える際に追加コストが必要であることを示した標記である。このアイコンにルール上の意味はない。