コピー可能な値
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コピー可能な値/Copiable Valueとは、オブジェクトをコピーする場合、コピー元のオブジェクトが持つ特性のうち参照可能であるものの総称である。
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[編集] 定義
コピー可能な値とは、オブジェクトの特性のうち、
という「カードに印刷された値」に加え
を加味したものである。
- 色や能力は通常直接はコピーされない。マナ・コストや色指標、あるいはルール文章をコピーすることで、間接的に原本と同じものを持つようになる。
- トークンのコピー可能な値は、それを戦場に出した効果が定めた値にコピー効果と戦場に出るに際しの影響を加味した値となる。
- コピー効果やトークンを戦場に出す効果によって、色や能力がコピー可能な値になる事が有り得る。
その他裏向きのオブジェクト、反転カード、両面カードのコピー可能な値は、各ページを参照。
[編集] コピーされないもの
コピー効果ではない継続的効果や、上に乗ったカウンターや、「タップ状態」などのオブジェクトの位相や、貼られたステッカーはコピーされない。
- 例:力強い跳躍/Mighty Leapにより+2/+2の修整と飛行を得ている灰色熊/Grizzly Bearsをクローン/Cloneでコピーした場合、クローンは単に2/2の灰色熊として戦場に出る。力強い跳躍による継続的効果はコピー可能な値ではない。
- 例:搭乗でクリーチャー化している機体をクローンでコピーした場合、クローンはクリーチャー化していない機体として戦場に出る。「ターン終了時まで、このパーマネントはアーティファクト・クリーチャーになる。」という継続的効果はコピー可能な値ではない。
- 例:+1/+1カウンターが3つ置かれた始源のハイドラ/Primordial Hydraをクローンがコピーした場合、クローンは+1/+1カウンターが置かれてない状態で戦場に出る。コピーするオブジェクトにいくつカウンターが置かれているかはコピー可能な値ではないし、クローン自身のXの値は未定義なので0として扱う。
コピー元のパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされないが、何かを選ぶ能力はコピーも得る。オブジェクトが他のオブジェクトのコピーとして戦場に出る場合、そのコントローラーは全ての「戦場に出るに際し」ての選択を行なう。
- 例:クローンが戦場に出るに際し、順応する自動機械/Adaptive Automatonのコピーとして戦場に出る事を選んだ。コピーは「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力も得ているので、戦場に出るに際しクローンのコントローラーは能力に従ってクリーチャー・タイプを1つ選ぶ。
- 例:謎の原形質が自身の能力で順応する自動機械のコピーになった。謎の原型質は「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力も得ているが、既に戦場に出ているのでタイプを選択する事は無い。コピーの順応する自動機械はクリーチャー・タイプを得る事は無いし他のクリーチャーに修整を与える事も無い。
「トークンであること」は、コピー可能な値として定義されてない。
- 例:トークンクリーチャーをコピーしたクローン/Cloneは、トークンではないため、「トークンでないクリーチャーを対象とする」呪文や能力の対象としてもよい。
- デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズの一部のバージョンでは、トークンをコピーしたクローンをバウンスすると、あたかもトークンをバウンスしたかのように消滅してしまい、クローンが手札に戻らないバクが存在する。
[編集] コピー効果によるコピー可能な値の変化
コピー効果は、コピー可能な値を上書きする。
- ルーン爪の熊/Runeclaw Bearをコピーしたクローンを対象に大笑いの写し身/Cackling Counterpartを唱えた場合、出てくるトークンはクローンではなく、ルーン爪の熊の特性を持つ。
コピー効果の中には、コピーに能力を与えたり、ある特性はコピーしなかったり、あるいは逆に新たに特性を追加するものがある。それらはコピー可能な値となる。
- 幻影の像/Phantasmal Imageが自身の能力でルーン爪の熊のコピーとして戦場に出た。コピーはルーン爪の熊の特性に加えてイリュージョンのクリーチャー・タイプと「このクリーチャーが呪文や能力の対象になったとき、それを生け贄に捧げる。」という能力を持っている。これをクローンでコピーした場合、クローンもイリュージョンと生け贄に捧げる能力を持ったルーン爪の熊のコピーとなる。
- そのクローンをさらにファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorphがコピーした場合、アーティファクトのカード・タイプとイリュージョンのクリーチャー・タイプと生け贄に捧げる能力を加えたルーン爪の熊となる。
ある特性をコピーしなかったり、特性を修整するコピー効果を適用する場合、その特性を定義するコピー元の特性定義能力や、色指標はコピーされない。ただし「他のタイプに加えて」と指示されている場合は、通常通り特性定義能力もコピーする。
- 水銀のガルガンチュアン/Quicksilver Gargantuanは「あなたは「水銀のガルガンチュアンはそれが7/7であることを除いて、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る」を選んでもよい。」というクリーチャーである。水銀のガルガンチュアンが、パワーとタフネスを定義する特性定義能力を持つタルモゴイフ/Tarmogoyfのコピーとして戦場に出る場合、水銀のガルガンチュアンはその能力を持たず、7/7として戦場に出る。
- 玻璃池のミミック/Glasspool Mimicのコピー能力は「それの他のタイプに加えて多相の戦士・ならず者であることを除き」とされている。これで多相を持つクリーチャーをコピーすると、多相もコピーされてすべてのクリーチャー・タイプを持つことになる。
[編集] 「戦場に出るに際し」「表向きになるに際し」の能力によるコピー可能な値の変化
オブジェクトの「戦場に出るに際し」「表向きになるに際し」パワーとタフネスを定義する能力による特性への影響は、パワーとタフネス以外に変更される特性を含めコピー可能な値となる(原初の土/Primal Clayやドラゴンプラズマ/Dracoplasm、水変化の精体/Aquamorph Entity)。これらのコピーとして戦場に出る場合は新たに置換されるので関係ないが、すでに戦場にあるオブジェクトがこれらのコピーになる場合にはこれらの特性がコピーされる。
- 例:謎の原形質/Cryptoplasmが自身の能力で、「それの他のタイプに加えて、防衛を持つ1/6の壁・アーティファクト・クリーチャー」を選んだ原初の土をコピーした。謎の原形質は1/6であり壁のクリーチャー・タイプと防衛を持つ。
戦場に出る際や表になる際の能力でも、特性を直接は変更しない効果はコピー可能な値ではない。縫合グール/Sutured Ghoulでどのクリーチャーを追放しているかや多相の戦士/Shapeshifterの数字はコピー可能な値にならない。
「戦場に出るに際し」「表向きになるに際し」効果を発揮する能力でも、パワーとタフネスを定義しない場合その他の特性もコピー可能な値とならない。
- 例:アナボルバー/Anavolverは戦場に出るに際し飛行を得る能力を持つが、これはパワーとタフネスを定義する能力では無いのでこの飛行はコピー可能な値ではない。
[編集] スタック上のオブジェクトのコピー
コピーするのがスタックにあるオブジェクトの場合、唱える時(起動する時)に行なわれた選択もコピーする。すなわち、モード、対象、Xの値、キッカーしたかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、などはコピーされる。また、支払われたマナはコピーされないが、コストを支払う際に用いたオブジェクトを参照する場合、コピー元と同じオブジェクトを参照する。
- 例:追加コストとしてパワー3のクリーチャーを生け贄に捧げた投げ飛ばし/Flingをコピーした場合、コピーの方も3点のダメージを与える。
- 例:キッカーしたウルザの激怒/Urza's Rageをコピーしたなら、コピーが与えるダメージも10点になり、軽減されなくなる。
- 例:「エンチャントを破壊する」モードを選択した外殻貫通/Hull Breachをコピーしたなら、コピーも「エンチャントを破壊する」モードを選択したことになる。
- 補足:エンチャントを対象としている帰化/Naturalizeをコピーした場合は、帰化はモードを持つ呪文ではないので、アーティファクトを対象にできる。コピー作成の際に「コピーの新たな対象を選びなおしてよい」という指示があったときには重要になる。
- 例:「すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters Allのマナを使用して唱えられた火の玉/Fireball」をコピーした場合、コピーした方の呪文は他の呪文や能力で打ち消すことができる。なぜなら、どのマナを支払ったかという情報はコピーされないため、コピーは「呪文や能力が打ち消されない」効果を持たないからである。
- 例:青マナを使用して唱えられた夜の飾り紐/Ribbons of Nightをコピーした場合、そのコピーではカードを引けない。どのマナを支払ったかという情報はコピーされないからである。
- 例:双呪で唱えられた手綱取り/Grab the Reinsをコピーしたなら、コピーもすべてのモードを選択したことになる。
- 例:祝福の息吹/Blessed Breathを連繋した氷河の光線/Glacial Rayをコピーしたなら、連繋により追加されたルール文章もコピーされる。
- 例:墓地から唱えられた高まる復讐心/Increasing Vengeanceをコピーしても、コピーは唱えられていないので効果が2倍になる事は無い。
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 707 オブジェクトのコピー
- 707.2 オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、唱えられた、あるいは起動された時に行われた選択(モード、対象、Xの値、キッカーされているかどうか、複数の対象にどのように影響を及ぼすか、など)もコピーする。オブジェクトのコピー可能な値とは、オブジェクトに記載されている値(名前、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、ルール・テキスト、パワー、タフネス、忠誠度)に、他のコピー 効果、裏向きの位相であること、パワーやタフネス(や、場合によってはその他の特性)を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「オモテになるに際し/as ... is turned face up」の能力、そのオブジェクトを裏向きにする能力による影響を加味したものである。それ以外の(タイプや文章を変更するようなものも含む)効果、位相、カウンター、ステッカーはコピーされない。
- 707.2a コピーは、コピーするオブジェクトの色を得る。これは、その色を決定するマナ・コストや色指標をコピーするからである。コピーは、コピーするオブジェクトの能力を得る。これは、ルール・テキストを得るからである。コピーは各能力を2つずつ持つわけではない(つまり、オブジェクトの能力とルール・テキストの両方をコピーすることはなく、ルール・テキストから新しく能力が定義されているわけである)。
- 707.2b オブジェクトがコピーされた後で、元のオブジェクトのコピー可能な値を変更してもコピーは変更されない。
- 707.2c 常在型能力がコピー 効果である継続的効果を生成する場合、その効果が与えるコピー可能な値はその効果が最初に適用され始めたときにのみ決定される。
- 707.2 オブジェクトをコピーする場合、そのコピーは、元のオブジェクトの特性のコピー可能な値を得る。さらに、スタックにあるオブジェクトの場合、唱えられた、あるいは起動された時に行われた選択(モード、対象、Xの値、キッカーされているかどうか、複数の対象にどのように影響を及ぼすか、など)もコピーする。オブジェクトのコピー可能な値とは、オブジェクトに記載されている値(名前、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、ルール・テキスト、パワー、タフネス、忠誠度)に、他のコピー 効果、裏向きの位相であること、パワーやタフネス(や、場合によってはその他の特性)を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「オモテになるに際し/as ... is turned face up」の能力、そのオブジェクトを裏向きにする能力による影響を加味したものである。それ以外の(タイプや文章を変更するようなものも含む)効果、位相、カウンター、ステッカーはコピーされない。
- 707 オブジェクトのコピー